食品会社での会社員経験をしたのち、スキー雑誌の編集部に勤務。その後、フリーライターとなり、スキーやスノーボード、ボディボード、ゴルフ、自転車、旅行、ファッションなどさまざまなジャンルを執筆。桶谷式母乳育児で子育てをした一児の母でもあり、現在はbabycoにて自分の育児経験を生かした記事の執筆を行っている。
夜間の授乳は眠気とのたたかいもあって毎日とっても大変。
やっぱり夜間もあげないといけないのかな?
いつまで夜間授乳の必要があるのかな?
と気になっているママもいることでしょう。
夜間授乳が大切なのには理由があったんです!
昼夜の区別なく、赤ちゃんのお世話をしているママ。本当にお疲れさまです。
とくに夜間授乳は、睡眠不足になって辛いと感じているママもいるでしょう。
夜間母乳は本当に必要なの?
そんな疑問をお持ちのママへ、母乳分泌の仕組みについて解説しましょう。
まず、母乳は昼夜の区別なく分泌されます。
だからこそ、できるだけ昼も夜も同じタイミングで授乳をすることが大切なんですね。
夜だからといって、母乳分泌ホルモンが低下するわけではありません。
もしも夜間授乳をしないとどうなるのでしょう?
▶おっぱいがパンパンに張って「たまり乳」に
▶乳腺炎などのトラブルの原因に
▶日中の母乳分泌が減ることも
でも生後3~4ヵ月頃になると、赤ちゃんによっては寝る前に授乳をすると、朝まで一度も起きないことも。
赤ちゃんが泣かないので、ママもぐっすりとまとめて眠りたくなってしまうかもしれませんが、一晩中母乳をあげないで過ごしてしまうと、翌朝には乳房がパンパンに張ってしまいます。
ママのおっぱいが張ってきたら、必ず授乳をしてみてくださいね。
それでも赤ちゃんが飲まずに寝てしまうようなら、乳房内にだきるだけ母乳を残さないように搾乳をしておきましょう。
母乳育児の期間は長い育児の中のほんの短期間、この時期にいっぱい赤ちゃんとスキンシップができるといいですね。
\話題の「夜間断乳」についてはこちら/
CLICK▶︎助産師監修)夜間断乳はなんのため?乳腺炎にならないの?二人のママの夜間断乳のお話
赤ちゃんが眠りにつく前にたっぷり母乳を飲むととそのあと5~6時間寝てしまうことがあります。
この間に作られた母乳が乳房内にたくさん残ってしまっている状態を桶谷式母乳育児相談室(桶谷式乳房管理士の助産師)では「たまり乳」と言っています。
おっぱいが張ってくることは決して悪いことではないのですが、授乳量(赤ちゃんが飲む量)と母乳の生産量のバランスが悪くなって乳房内に母乳が残っている状態です。
<たまり乳になると…>
◆母乳がたくさん出過ぎて、乳房がパンパンに張ってしまう状態
◆授乳前に乳房が張っていて、赤ちゃんが母乳を飲んでくれると張りが落ち着く状態
◆赤ちゃんが母乳を飲んでも空っぽになった感じがしない状態
◆授乳後でもすぐに母乳が湧いてくる感じがする状態
こんな状態がみられます。
乳房がパンパンに張ると、痛くなってしまう人もいます。「たまり乳」になると、授乳リズムがくるって、母乳が出にくくなるきっかけになってしまうこともあるんですよ。 たまり乳になるかどうかは、遺伝や体質などによるところが大きく、たまり乳になると乳腺が詰まって、乳腺炎を引き起こしやすくなるので注意してくださいね。
乳腺炎についての詳しいことはコチラでチェック▼
【助産師監修】乳腺炎の症状別<対処法>
母乳育児を長く良い状態で続けるコツは、授乳の間隔を2時間半から3時間くらいあけることといわれています。 授乳後そのくらいの時間が経つと、次の授乳の準備ができたという合図で、乳輪部の上方から乳頭に向かって、乳房がツツーッと張ってくる感覚があります。これは母乳分泌ホルモンのオキシトシンの作用によるもので、まるで母乳が湧き出てくるといった感覚になります。
人によって感じ方や感じる場所は少しずつ違うので、自分の感覚を見つけてくださいね。
ママの母乳が湧き出てくるリズムと、赤ちゃんのおっぱいを飲みたいというリズムが一致して、ママと赤ちゃんが一心同体のようになると、授乳間隔が2時間半から3時間くらいに落ち着いてくるようになってきます。
このタイミングで授乳をすることで、赤ちゃんはいつでもフレッシュなおいしい母乳が飲めるのです。生理現象にかなった、自然のリズムでの授乳をしましょう。
夜は赤ちゃんがぐっすり寝ているから、授乳しなくてもいいと勘違いしているママもいるようですが、夜間も3時間以上あけないようにしましょう。
夜間は、プロラクチンというホルモン物資が分泌されます。夜間に飲ませることで、プロラクチン濃度が上昇し、母乳分泌が維持され乳房トラブルの予防にもつながりますよ。
ママと赤ちゃんとの生活リズムについての詳しいことは、コチラでチェック▼
<助産師監修>産後1ヵ月が決め手?母乳育児&赤ちゃんとの生活リズム
夜寝る前に授乳してから、1時間もたたないのに泣き出してしまう赤ちゃんもいます。
その口のそばに、ママの指を当てると「チュッチュ」と吸いたそうに口を動かしたり、指しゃぶりをするような様子がみられることもあって、ママはおなかが空いているのかな?と心配になりますよね。
これは多くの場合、赤ちゃんの本能による反射行動で、口のところにあるものを吸うようにする「吸啜反射」と、口の周りにあるものを口でとらえようとする「探求反射」なのです。
赤ちゃんが口を動かしたり、泣いたりすることすべてが、おっぱいを欲しがっているというサインとは限らないことを知っておきましょう。
おなかが張っている時や、お尻が濡れて気持ちが悪い、うまく寝ることができない、ママの気配がなくなって不安、いろんな要素で赤ちゃんは泣いてしまうものなのです。 授乳後すぐに泣いたからといって、「母乳不足なのかしら?」と不安になり、すぐにミルクを足してしまったりすることのないようにしましょうね。
母乳不足?と不安になったら、コチラでチェック▼
<助産師監修>赤ちゃんの体重が増えなくても気にしないで!~母乳育児で陥りがちな不安>
また、赤ちゃんが大きくなって歯が生えてくると、夜間に授乳することで虫歯になってしまうかも……と心配になるママもいるかもしれませんね。母乳と虫歯については、コチラをご覧ください。
夜間に何度も授乳をしていると、なかなかまとまって寝ることが難しいですよね。
だから、夜間の授乳はつらいと思ってしまうママもいることでしょう。
でもママの体が慣れて、夜間の授乳のリズムがついてくると、自然と起きられるようになってくるんですよ。
また、授乳を行うとプロラクチンというホルモンの影響で寝つきが良くなり、短時間でも質の良い睡眠がとれるとも言われています。
それでもちょっと寝不足……そんな時は思い切って、赤ちゃんのお昼寝のタイミングで一緒に寝てしまいましょう!
しっかりと寝なくても、30分横になって目を瞑っているだけでも、すっきりとリフレッシュできますよ。
桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。
第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。
また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。
現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ助産師たちによって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士の育成、母乳育児支援活動を行っています。現在の会員数は550名。全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で皆さまの母乳育児をサポートしています。
監修:公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会
「おっぱいが出ない」「おっぱいが痛い」「赤ちゃんがおっぱいを飲んでくれない」「ちゃんとおっぱいが出ているか不安」という悩みを抱えたママたちに、乳房をやわらかくしておっぱいをスムーズに出す、独自のマッサージを行う全国約400の桶谷式母乳育児相談室。授乳や搾乳の指導も行っているので、以下「OPPA!」 から気軽に相談できますよ。
イラスト:いいあい
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