元高校教員で、現在はフォトグラファー・ライター。 3歳の娘を育てる父で、子どもの顔写真を毎日撮影するプロジェクトを実行中。 ブログ『23時の暇つぶし』 では、娘の成長記録をパパ目線で発信。
『宗玄さん家の普通だけれど特別な日々』を連載しています宗玄です。
このコラムでは元高校教員で現在フォトグラファーの僕が、パパの目線から子育てについて考えていく記事を書いています。
第3回目の記事は「妻が妊娠したときに夫にできること」をテーマに、夫が知っておきたい妊娠中の妻への対応について考えました。
前回「パパの育児参加」について書きましたが、そもそも妊娠中から育児ってスタートしていますよね。
子育ての始まりである妊娠期間中に、夫婦の絆をより強めるため、妊娠中の妻に対して夫である僕が心がけていたことを、体験談をもとにお伝えしていきます。
「妻の妊娠期間中に夫ができること」ってなんでしょう。
自分の経験を振り返りながら5つにまとめてみました。
妻の妊娠中、夫にできること
ひとつずつ僕の経験をお伝えしていきますね。
当たり前すぎるかもしれませんが、やはりまず第一に、妻に寄り添うことです。
妊婦のつわりは早い人で5週目くらいから始まるといわれています。ちょうど妊娠が発覚する頃ですね。
つわりの症状は「匂いに敏感になる」「吐き気が起こる」「イライラする」など、人によってさまざまあって、症状がかなり強く出る方もいれば、ほとんど出ないという方もいます。
宗玄さん家の妻は、匂いに敏感になったり、体がだるいという症状が出ていまいた。
どんな症状でも妊娠中の妻に対して夫が共通してできることは「妊娠中の妻に寄り添うこと」だと思い、宗玄さん家では、妻の話をよく聞くことにしていました。
妻は初めての妊娠で不安なことが多くあったでしょうし、言葉にできない不快感もあったかと思います。
心身の「身」である体調を回復させることはできないので、「心」となる妊婦としての精神的な不安を少しでも取り除けるといいですよね。
ほにも、宗玄さん家では妻が「あぁ、気持ちわるい…」とつぶやくと、眺めていたスマホの画面から目を離して「なにかできることある?」と、声をかけるようにしていました。
ほとんどの場合に妻は「大丈夫…」と、まったく大丈夫じゃなさそうな声を漏らすのですが、そんな状態の妻に寄り添うことだけは忘れないようにしていたんですね。
実際、何かしてあげたくても夫にはなにもできません。背中をさすったり、温かい飲み物を作ることはできるけど、気持ち悪さを取り除くことなんてできやしない。
唯一できることは、その辛さに共感することくらいです。なので、妻の話を聞いたり、向き合うことだけは心がけていました。
妻の話ではないのですが、つわりで気持ち悪くて唸っているときに「ずっとスマホ画面を見ていて生返事をしている夫に腹がたった」と話している友人妊婦の話を聞いたことがあります(笑)。
ふー、危ない、危ない。
スマホ画面は一例にすぎませんが、妊娠中のつわりに苦しむ妻に向き合うことは、とても大切ですね。些細な気遣いが意外にうれしかったりするそうなので、ぜひ寄り添ってみてください!
つわりの症状改善にはこんなことも役立つそうですよ。
CLICK▶︎妊娠初期のつわりをどう乗り切る?食事・空間づくりの工夫で軽減!
ふたつ目は、「つわり期間中、女性は体調が変化しやすい」ということを知って行動しようということです。
つわりの苦しみを夫が体感することはできません。
「匂いがきつい」「気持ちわるい」と言われても、夫には妻がどの匂いに反応するのかもわからないわけです。
宗玄さん家の妻は「カレーの匂いがダメだった」と言っていたし、友人の中には「スーパーに入るとダメ」という方や、「食パンを焼く匂いがダメだった」と言っている方もいました。
それに加えて、「イヤな匂いは、いつも同じとは限らない」そうです。
同じ匂いでも大丈夫なときもあればダメなときもあるようで、そんな日々の体調がコロコロ変化するのが妊婦です。
夫にはまったく未知の体験なのでなかなか理解しづらいのですが、「そういうもんだ」と知っておくことは大切ですよね。
知っているだけで夫は妻の変化に気づきやすくなるだろうし、理解してあたたかく接することができるようになります。
夫は、妊娠期間中の妻の不安感や不快感を少しでも和らげてあげられるといいですね。
夫婦が円滑に生活していくうえではとにかく家事はできたほうがいいのですが、そのなかでも料理ができるといいですね。
妊婦は体調がすぐれずに気持ちわるくなったり、食欲がわかなかったりします。
それなのに、妊娠前と同じペースのまま夫婦で食事をとることはできませんよね。
宗玄さん家の妻も話していましたが、食欲もなくて気持ちわるいなかで料理することは、やっぱり負担感が大きいそうです。
そんな時に無神経に「ご飯まだ?」とか言ってしまうと…想像しただけで地獄です(笑)。
妊婦からすると、自分が食べたくないにも関わらず夫の食事を作るのはなかなかの負担です。
夫には勝手に作って食べられる力があると、妊婦としては助かりますよね。
作ってもらったものは、体調がよくて食べたい時には食べれるだろうし。
とはいえ、夫がそんなにすぐに料理ができるようになるわけじゃありませんよね。
そんな時は調理家電やアプリに頼りましょう!
クックフォーミーなどの自動調理家電や電気圧力鍋を使えばほとんど手間がかからず、放っておいても食事を作れます。
クラシルなどのアプリを見れば作り方を映像で確認できて、初心者でも作りやすいですよ!
できる限り家事をすることは、妊婦の夫には重要な役割ですね。
妊娠5ヵ月くらいの時に、妻と二人で「里帰り出産をするかどうか」について話し合いました。
里帰り出産をすると子育て経験のある妻の両親に子育てを助けてもらえる反面、夫である僕が子どもと関われずに育児に参加できにくい状況になります。
環境によっていろいろな判断があると思いますが、里帰り出産のメリットとデメリットを考えて、僕たち夫婦は里帰り出産をしない選択をしました。
理由は、パパになる僕が、育児の最初の期間を一緒に過ごさないことで、これから育児をしていく当事者意識を持ちにくくなると感じたからです。
僕が仕事中は妻が一人で育児をすることになるので心苦しくはありましたが、それ以上にパパになる僕とママになる妻の二人で育児をしていくことに価値を感じ、里帰り出産をしない選択をとりました。
その結果、生まれてきた子どもと多くの時間を過ごすことで、パパとしての自分の役割を確立していき、自然と育児に積極的になっていけました。
あの時間は僕たち夫婦が子育てをしていくうえで貴重な時間だったと思っていて、今振り返ってもう一度選択するとしても「里帰り出産しない選択」をとります。
もちろん、里帰り出産にもメリットがあるので、どちらを選択してもメリット・デメリットがあります。各家庭の生活を考え、話し合って決めてみてくださいね!
「子どもが生まれなかったときの想定」だなんて、赤ちゃんを授かってこの記事を読んでくれている人にとっては胸に突き刺さるような言葉かもしれませんが、妻の妊娠期間中に僕が最も意識していたことは「浮かれないこと」で、妻とよく共有していました。
妊娠したからといって、子どもが生まれてくるとは限りませんよね。
妊娠後に流産する確率は意外に高くて15%くらいといわれています。
参照:公益社団法人日本産婦人科学会(流産・切迫流産)
高齢出産になるとさらにその数字は上がり、周産期死亡率は45歳以上では20歳代に比較し、3倍近くになるそうです。
参照:参照:厚労省妊婦加算検討会資料「厚生労働省人口動態統計2012年より作成した年齢階級別周産期死亡率」
わが家は高齢出産にあたったので、最初に妊娠を知ったときは喜びが大きかった反面、ここで大喜びして流産すると心の反動が大きいなとも感じました。
妻と喜びを共有し合えばし合うほど、なんとか子どもが生まれてほしいと願いが大きくなりますよね。
誰かに妊娠したことを伝えると、子どもが生まれてくることへの期待は自然と大きくなっていく。そんなことを想像し、安定期に入るまではほとんど誰にも伝えませんでした。
もちろんこれにはメリット・デメリットがある話なので各家庭で話し合って選択するといいのですが、わが家では「安定期がくるまであまり人には伝えない」という選択をしました。そして家庭内ではなにかあると「浮かれないようにしよう」と、すぐに浮かれる自分たちを落ち着けていました。
僕たちの性格的な部分もあるかと思いますが、子どもが生まれてくることを願うからこそ、子どもが生まれてこなかった時のことを考えていましたね。
「妻が妊娠したときに夫にできること」をテーマに、5つの体験例をまとめました。
最初にも書きましたが、妊娠中から育児はスタートしています。
子どもが生まれることは、誰にとっても環境が変化しますよね。妊婦にとってはお腹の中で子どもが育っていくわけですから、精神的にも身体的にもかなりの負担がかかります。
そんな一家にとっての大きな変革期に「夫はなにができるんだろう?」ということを、宗玄さん家の体験談をもとにお伝えしました。
夫婦と生まれてくる子どもにとって、幸せな妊娠生活を送れることを願ってます。
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PHOTO/宗玄浩