babycoオンラインコンテンツディレクターであり、雑誌・書籍の編集者。カナダで短期大学、映画制作専門学校卒業後、新聞記者、ラジオDJ、TVドラマの編集など多様な分野の知識を得て帰国。帰国後は雑誌編集を中心に活動し、広告案件においても企画・コンセプト立てから担う。ライフスタイルを得意とし育児媒体には20年携わっている。
今回ご紹介するのは、管理栄養士さん教えてもらった授乳中におすすめの「女性ホルモンを増やす食べ物」とレシピです。
妊娠・出産・産後におとずれる女性ホルモンの変化。
桶谷式助産院に相談にくるママのなかにも、出産によるホルモンバランスの乱れから体や心の不調をうったえるママも少なくありません。
特に産後は授乳期にもあたるので、栄養不足にもなりがちです。
赤ちゃんのお世話で大変な時期でもありますが、レシピを参考にママ自身の体にも気を配りましょう!母乳の資本はママの体ですよ!
1982年に桶谷式乳房管理法研修センターを開設した助産婦・桶谷そとみ(1913〜2004)の意志を引き継ぎ、550名以上の助産師が全国の助産院(母乳相談室)や病産院で母乳育児をサポートしている。
妊娠・出産から産後にかけて、女性ホルモンは大きく変化します。
女性ホルモンとは、卵巣から分泌される「エストロゲン」と「プロゲステロン」のことをおもに指し、月経コントロール、妊娠・出産などの女性の心身に大きく影響するものです。
babycoの記事で産婦人科医師のママ女医 ちえこ先生も
妊娠すると、妊娠を維持したり乳腺を発達させたりするためにエストロゲンとプロゲステロンがたくさん分泌されます。そして、出産するとこれらの女性ホルモンの分泌量は一気に低下します。
と教えてくれていますね。
産後のこうした影響だけでなく、母乳分泌もホルモンに影響します。
授乳中はプロラクチンやオキシトシンが増えますが、頻回授乳を続ける限り女性ホルモンは低い状態が続く時期。
女性ホルモンが低下していることは悪いことばかりではなく、赤ちゃんがおっぱいをたくさん飲んでくれると、エストロゲンの放出が少なくなり、乳がんになる確率が減るといったデータもあります。
ホルモンの分泌は自分ではコントロールできませんが、栄養バランスの整った食生活を送ることは、心と体の健康の第一歩。それぞれの栄養素は助け合って作用していますから、組み合わせて食べることも大切です。
ママは不慣れな育児でストレスも多い時期かもしれませんが、母乳育児のためにも暴飲暴食にはしらずに健康的な食事を心がけてみてくださいね。
母乳分泌やホルモンバランスに大切な栄養素について知っておきましょう。後半に具体的なレシピをご紹介してきます!
授乳中は母乳を作るためにカルシウムを使うので、骨や歯がもろくなることもあります。カルシウムの含まれた食べ物で補うようにしましょう。
カルシウムを含む食べ物
牛乳 チーズ ヨーグルト 小魚 小松菜 納豆や豆腐
カルシウムには、血液をサラサラにしてくれる作用もあります。 カルシウムが不足するとイライラしやすくなるので、ホルモンバランスが崩れているこの時期は、積極的に摂りたい栄養素です。
カルシウムと一緒に摂りたいのがビタミンDです。カルシウムの吸収を助けてくれる働きがあります。
母乳に不足しがちな栄養素としても知られているので、授乳中は積極的に摂りましょう。
ビタミンDを含む食べ物
魚介類(とくにイワシや鮭) 肉類 卵類(特に卵黄) 乳製品 きのこ類
ビタミンDは脂溶性ビタミンのため、良質な脂質を含む食品から摂取したり、油と一緒に調理すると効果的に摂取できます。
ビタミンDは、お日様に当たる事で体内生成ができる唯一のビタミンでもあります。1日5〜15分程度、日光浴するのもおすすめです。
α-リノレン酸・DHA・EPAなどのオメガ3脂肪酸は、体内で生成することができない脂肪酸で、女性ホルモンを整える働きがあるとされています。
オメガ3を含む食べ物
さば いわし 鮭 えごま油 アマニ油 くるみ
α-リノレン酸は母乳に最も多く含まれるオメガ3なので、授乳中のママにはぜひ摂ってもらいたい栄養素です。あまり含まれている食べ物がなく、アマニ油などで摂取するのがおすすめされています。
母乳は血液からできているので、授乳中は鉄分が不足しやすくなります。貧血対策といえば鉄分ということを知っているママは多いでしょうから、納得ですよね。
実は、その鉄分が足りないことが産後うつの引き金になることもあるんです。ですから、女性ホルモンの観点からも、鉄分の摂取は意識していくといいでしょう。
鉄分を含む食べ物
納豆などの大豆や豆類 小松菜 ほうれん草 レバー 赤身肉 ひじき カツオ マグロ
鉄鍋で調理するのもひとつの手です。
比較的多く含まれている栄養素をアイコン表示しています。
摂りたい栄養素の参考にしてくださいね!
血流をよくしてくれるさば。缶詰なら骨までやわらかいので一緒にカルシウムも摂れます。ほかにも良質な脂質、鉄、そしてママにうれしい葉酸まで、これ一品でまるっと摂取!
大豆系食材は、授乳中に積極的に摂りたい食べ物。これで豆腐レシピのバリエーションが増えますよ。
卯の花ってこんなにおいしいんだ!とわかる一品。野菜も青魚もたっぷり食べられます。
ピーナッツペースとと投入で、風味豊かなプリンに。生成されていない砂糖を使うともっとヘルシーに!
デザートで授乳中に必要な鉄分が摂れたらうれしいですよね♪
ママの母乳育児に関する悩みには
■おっぱいが足りているか不安
■おっぱいが痛い、これって乳腺炎?
■赤ちゃんがうまくおっぱいを飲めていないみたい
■断乳をどうやって進めたらいいの?
など、たくさんありますよね。
そんなママの悩みを解決してくれるのが、桶谷式の助産師の方々。授乳や搾乳の方法など母乳育児に関することなら、なんでも答えてくれるエキスパートです。
今回ご紹介した食事についての相談もできちゃいます。
また、断乳後につまりがちな乳腺を、オリジナルの乳房マッサージで柔らかくして乳腺炎の予防をしてくれたりもします。
直接悩みを相談したい!というママは、全国約330箇所にある「桶谷式母乳育児相談室」に、相談してみましょう。
ひとりで抱え込まずに、以下「OPPA!」 から気軽にご相談ください。
桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。
第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。
また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。
現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ後進達によって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士の育成、母乳育児支援活動を行っています。現在の会員数は550名。全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で皆さまの母乳育児をサポートしています。
監修:公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会
イラスト/SVTdesign
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※レシピ提供
『管理栄養士さんが考えた妊娠・授乳中の気になる症状改善レシピ200』(日東書院)
著者:岡本正子
(管理栄養士
・国際薬膳士)