【助産師監修】母乳を飲まない?! 赤ちゃんの様子から原因と対処法がわかる!

母乳を飲んでくれない
2022/05/30 2024/01/13 山田治奈 山田治奈

母乳をあげたいのに赤ちゃんが飲んでくれない……。
そんなお悩みありませんか?
母乳を飲まない原因には、乳頭混乱、抱き方が悪い、赤ちゃんの飲み方など、さまざまな原因が考えられます。
自分たち親子に考えられる原因と対処法を見つけてみましょう。
ママと赤ちゃんの状態から助産師がアドバイスします!

 

母乳を飲まない原因をさぐってみよう!

母乳を飲まない原因は、ひとつではありません。

ママの母乳の状態やあげ方、赤ちゃんの飲み方、いつもと違う環境などなど。

本当はお一人おひとりと直接向き合ってこそ適切なアドバイスができるのですが、ここではママ&赤ちゃんの様子から代表的な原因をさぐってみましょう。

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飲ませてから1時間くらい経つと、赤ちゃんがまた母乳をほしがる

うまく母乳を吸えていないみたい

長い時間あげているのに、いつまでも飲み続けている

母乳をあげていると乳首が痛くなってしまう

飲み始めてもすぐに赤ちゃんがおっぱいを離してしまう

混合ミルクで哺乳瓶で飲ませることもある

陥没乳頭や短小乳頭で飲めないのかな?

※日頃はよく母乳を飲んでいるのに今日だけ飲まない…そんな場合は赤ちゃんが体調を崩している可能性も視野に入れて、便の状態や発熱していないかも念のために確認してみましょう。

赤ちゃんの様子から対処法をチェック!

赤ちゃんが母乳を飲まない…と言っても、その原因はさまざまです。

まずは赤ちゃんの様子から原因や対処方法を解説していきましょう。

 

飲ませてから1時間くらい経つと、赤ちゃんがまた母乳をほしがる

赤ちゃんがすぐに母乳をほしがるのは、母乳をおなかいっぱい飲めていないのかもしれませんね。

赤ちゃんが乳首に吸いつくタイミングと、ママが赤ちゃんに乳首を含ませるタイミングをうまく合わせて吸着させることをラッチオンと言いますが、このラッチオンをしっかりできるようになると赤ちゃんが母乳をしっかり飲めるようになります。

ラッチオン(吸着)のさせ方

赤ちゃんが吸おうとする動作に合わせて、ママの乳房を吸着させるわけですが、この時、乳首だけではなく乳輪ごとふくませるようにするのがポイントです。

POINT1)しっかりと赤ちゃんの唇がアヒルのように広がっているかな?
POINT2)乳房に大きく吸いついているかな?

を確認してみましょう。

母乳の飲み方

ラッチオンは赤ちゃんとママとの共同作業。

新生児の頃、生まれたばかりの赤ちゃんが飲むのが下手でも当然ですし、ママだって母乳をあげるのが初めてで慣れていなくて当然です。

ママの乳房も一人ひとり異なりますし赤ちゃんの口の大きさやクセも一人ひとり異なりますから、二人にとってぴったりの吸い付くタイミングを、焦らずにみつけてみましょう。

赤ちゃんがまるで吸盤のように吸い付いているな、「ごっくん、ごっくん」飲めているな、と感じられたらラッチオンができている証。

ラッチオンができていると、ママの乳首も傷つきにくく、乳頭亀裂なども起こしにくくなりますよ。

ラッチオンはできているのに……という場合は、「母乳が出ているかな?」も合わせてチェックしてみましょう。

\ラッチオンについてはこちらもチェック/
<助産師監修>授乳でうまく吸わせる方法〜ラッチオンとふくませ方

うまく母乳を吸えていないみたい

赤ちゃんとママのタイミングもあってラッチオンはできているはずなのに、どうやら

うまく母乳を吸えていないみたい
 

という場合は、赤ちゃんの「吸う力」がまだ弱いのかもしれません。
新生児の頃に限らず、生後3ヶ月、4ヶ月と経過しても吸う力が弱い赤ちゃんはいますが、それも個性のひとつです。

赤ちゃんの吸う力を養う

吸う力が弱い赤ちゃんには、母乳を飲むときにちょっと顎を支えてあげると飲みやすくなります。

また、トレーニングのための哺乳びんもあるので、使ってみるのもいいでしょう。

ピジョン桶谷式直接授乳訓練用 母乳相談室乳頭乳房
トラブルなどで直接母乳をあげられないときなどにもおすすめです。

 

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ママの乳首&乳房の状態をチェック

赤ちゃんに吸う力があっても、ママの乳首や乳房がかたいと飲みにくいこともあります。

授乳前に乳頭や乳輪、乳首をマ ッサージすると、やわらかくなって赤ちゃんがくわえやすくなりますよ。

\乳房ケアについてはこちらもチェック/
▶︎ママと赤ちゃんのための乳房ケア
乳房がおもちのようにやわらかいと、赤ちゃんも吸い付きやすく、十分に飲むことができます。

陥没乳頭や扁平乳頭など乳首の形が気になるママはこちらもチェック!

また、抱き方でも飲みやすさは変わってきますから、抱き方の基本を知っておきましょう。

 

長い時間あげているのに、いつまでも飲み続けている

長い時間あげているのに、いつまでも飲み続けているのは、

・うまく母乳を吸えていない
・母乳が出ていない

といったことも考えられますが、赤ちゃんが「満腹」を理解できていなくて飲み過ぎということも考えられます。

ママも赤ちゃんにはすくすく育ってほしいしたくさん飲んでもらいたい!という気持ちが働いていると思いますが、赤ちゃんはおなかが空いているのではなく「もっと抱っこしていてほしい」「うとうとしながらママの腕の中で気持ちいい、安心する」から飲み続けている場合もありますよ。

寝てしまって飲まない…と気にしているママの中にも、実は十分1日の母乳量は足りていることも。
母乳を飲む量は1回1回異なり、たくさん飲むときもあれば、ちょっとしか飲まないこともあります。

母乳量がたりているかどうかの目安


<おしっこの状態>
うす黄色のおしっこが一日のうち6回以上はでている

<授乳回数>
一日の授乳回数が8回以上であればOK

※おしっこの色が濃い黄色やオレンジ色の場合には水分不足の可能性があります。かかりつけ医師に相談しましょう

おしっこが1日6回以上出ているようなら、15〜20分を目安にママから授乳タイムを切り上げてもいいでしょう。

\授乳の間隔についてはこちらもチェック/
助産師監修>授乳の間隔はどれぐらい?泣いたら飲ませるのでは遅いって本当?

飲み始めてもすぐに赤ちゃんがおっぱいを離してしまう

飲み始めてもすぐに赤ちゃんばおっぱいを離してしまい、離した後にまた母乳を欲しがるようなら、

1)乳首の状態をチェック
▶︎乳首がかたいようなら軽くマッサージをしてみる。
手で軽く2〜3回搾乳してからもう一度母乳をあげてみる。

2)抱き方の見直し
▶︎赤ちゃんの姿勢が飲みにくいのかも?
ママと赤ちゃんのおなかはきちんと向き合っているかな?
赤ちゃんの顎の角度は大丈夫? 喉が詰まるような角度になっていないかな?

などをチェックしてみましょう。
その上で、母乳はちゃんと出ているかな? を振り返ります。

 

母乳が出ていないのかな?

もしかしたら母乳がでていないのかな?

と気になったら、生活リズムを振り返ってみましょう。

◆夜間断乳をしている
◆授乳時間が不規則

な場合は、母乳の出が悪くなっているかもしれません。

3時間を目安に授乳(授乳をできない場合は搾乳)をすることが、母乳分泌には大切です。

夜間断乳についてはこちらもチェック
▶︎夜間断乳は乳腺炎になる?!  夜間断乳をしたママの経験談

ママの状態や母乳育児の環境から対処法をチェック!

続いて、ママの母乳の状態や生活リズムから原因と対処法を探ってみましょう。

赤ちゃんの様子からみた対策とも重なることがたくさんありますが、「母乳を飲まない」原因は複合的なので、あわせてチェックしておきましょう。

 

母乳をあげていると乳首が痛くなってしまう

赤ちゃんが

乳首を浅くくわえた飲み方をしている
おちょぼ口でちゅくちゅく飲んでいる
つぶし飲みをしている
と、ママの乳首が傷ついたり、痛くなってしまいますよ。

NGな母乳の飲み方

これを回避するのも、ママがラッチオンのタイミングをつかんで赤ちゃんにしっかり乳輪ごと吸着してもらうことが大切です。

 

混合ミルクで哺乳瓶で飲ませることもある

赤ちゃんが母乳をあまり飲んでくれないから母乳で授乳した後にミルクを足したり、職場復帰している都合で日中はミルクだったり、と

母乳とミルクを併用している場合、知っておいてもらいたいことがあります。

実は、哺乳瓶で飲む方がミルクの出がよいことが多く、母乳ほど吸う努力をしなくても飲めるケースがあります。

すると、赤ちゃんは母乳を飲むときにもちょっぴりおサボりすることも。

最近注目されている「乳頭混乱」もこれに当てはまるでしょう。

哺乳瓶で授乳をするときも、クロスカットなどの乳首を選ぶようにするといいですね。

哺乳瓶と乳首選びについてはこちら
▶︎種類の豊富なミルク&ほ乳瓶、 どれを選ぶ?

「赤ちゃんの吸う力を養う」もあわせてチェック!

陥没乳頭や扁平乳頭で飲めないのかな?

陥没乳頭や扁平乳頭など、ママの乳房の状態を気にして

これじゃぁ赤ちゃんが母乳を飲めないのでは?
 

と悩むママは少なくありません。

でも、乳房も乳首も人それぞれ。みんな違うのですからあまり心配しないでくさいね。
どんな形でも母乳をちゃんと飲ませてあげることはできますよ。

陥没乳頭や扁平乳頭とは

どんな乳首の状態でも、大切なのは赤ちゃんに乳首だけを加えさせるのではなく、乳輪からぱくっと含ませて吸着させること。

つまり、ラッチオンですね。これができれば徐々に赤ちゃんがしっかり母乳を飲めるようになりますし、ママの乳首も赤ちゃんに座れるたびに出てくることもありますよ。

母乳を飲まない!そんな悩みを相談室で解決!

「赤ちゃんば母乳を飲んでくれない」
「おっぱいが出ない、足りているか不安」
「おっぱいが痛くてあげるのがイヤ」

そんなママたちのさまざまなお悩みに幅広く相談に乗ってくれる桶谷式母乳育児相談室。
ママと赤ちゃんは一人一人違うから、母乳育児のお悩みはマンツーマンでこそ解決できることもたくさんあるのです。

この記事でご紹介した対処法はほんの一部。複合的に見るとあなたには違った解決策が当てはまることも。

乳房をやわらかくしておっぱいをスムーズに出す、独自のマッサージを行う全国約330の桶谷式母乳育児相談室。授乳や搾乳の指導も行っているので、以下「OPPA!」 から気軽に相談できますよ。

桶谷式って?

桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。

第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。

また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。 現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ助産師たちによって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士の育成、母乳育児支援活動を行っています。

現在の会員数は550名。 全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で皆さまの母乳育児をサポートしています。 監修:公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会

イラスト/いいあい

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