babycoオンラインコンテンツディレクターであり、雑誌・書籍の編集者。カナダで短期大学、映画制作専門学校卒業後、新聞記者、ラジオDJ、TVドラマの編集など多様な分野の知識を得て帰国。帰国後は雑誌編集を中心に活動し、広告案件においても企画・コンセプト立てから担う。ライフスタイルを得意とし育児媒体には20年携わっている。
パパ&ママは、おやつの時間や食後のデザートに何を食べますか?
甘党辛党と好みはあると思いますが、きっとスイーツだったりスナック菓子だったりと、好きなものを食べて、ほっとしたひと時を過ごしているのではないでしょうか。
そう、おやつには「おなかがすいたから食べる」だけでなく、心のエネルギーとしての力もありますよね。
では離乳食や幼児食時期の赤ちゃんにとって、おやつはどんな役割があるのでしょう?
赤ちゃんも大人と同じようなおやつを食べてもいいのでしょうか?
どんなものを、いつ頃からどれぐらい食べさせてあげていいのでしょうか?
管理栄養士の先生に聞いてみました。
この時期にみられる手づかみ食べについてもあわせて、ご紹介します!
管理栄養士。東京生まれ。明治大学第二文学部卒業。3人の子育てをしながら栄養学を学ぶ。矢島助産院で日々、妊婦さんや産後ママのための食事を担当する傍ら、企業や雑誌などで離乳食の監修やママのための食に関する講演・講習会などを各地で行う。著書に『妊娠・授乳中の気になる症状改善レシピ200』(日東書院)ほか
まず最初に知っておいてもらいたいのは、赤ちゃんのおやつは、大人にとってのおやつとは大きく違うのだ、ということです。
では、赤ちゃんにとってのおやつとは、どんなものでしょう?
ひと言でいうと、「補食」であるということ。
3度の食事では補いきれない栄養を、補食でカバーするのです。
一般的に離乳食を進めていくと後期や完了期におやつのレシピをみかけたり、赤ちゃんのおやつについての情報を得ることがあると思います。
離乳食後期や完了期の赤ちゃんは
◆消化機能もまだ十分に発達していない
◆遊び食いやむら食いもある
といった時期なので、授乳が終わる頃や体が大きくなり始める頃になると、3食では1日の栄養が摂りきれないのですね。
ですから、例えば保育園などでも10時や15時におやつの時間があったりするのですが、大人が食べるようなお菓子ではなく、おにぎりなどの「捕食・軽食」ととらえておくと間違いがありません。
「おやつは補食」が基本であると知ったうえで、成長にあったおやつについて、もう少し具体的に考えてみましょう。
買い物をしていてベビーコーナーを覗くと、ベビーせんべいやボウロなど、赤ちゃんのお菓子も売っていますね。
表示を見てみると「6ヵ月から」などと記載してあるものもあるので、なかにはこうした市販のお菓子をすでに与えているママもいるかもしれませんね。
もしも与えているなら、それはこれからの時期、赤ちゃんに本当に必要な補食としてのおやつには値しないことを覚えておいてください。
赤ちゃんがぐずりそうなとき、気持ちをちょっと紛らわせるためにひと口だけあげている程度なら、よしとしましょう。
でもほんの少しに留め、赤ちゃんのクセにならないように気を付けて。クセになると、今度はそれがほしいとぐずりだしたりして、なだめるためにあげていたつもりでも本末転倒になってしまいますよ。
赤ちゃんの気を紛らわせる方法はほかにもきっとあるはずです。栄養面からいって、おやつ=補食が必要になってくるのは、1歳頃から始まる完了期から。
ですから、それまでは、なるべく間食は控えるようにしましょう。
おやつの量の目安としては、10ヵ月ぐらいまでは、おたのしみとしての少量。
離乳食後期になって3回食をしっかり食べるようになっても、まだお腹のすいている様子がみられるようなら、15時のおやつにヨーグルトやパン、フルーツなどを、食事の時間に影響がない程度に。
1歳の完了期からは、赤ちゃんの空腹にあわせて10時と15時の2回、おやつをあげてもいいでしょう。 いずれも、離乳食が食べられなくなるような量は禁物ですよ。水分補給とあわせて、100キロカロリーぐらいまでにしておきましょう。
例えば
・おにぎり(50-60g)1つとお茶
・バナナ1本と牛乳
・さつまいも1/4本とお茶
といった具合です。
おやつの役割は「栄養を補うこと」が第一ですが、もう一つの役割があって、それがパパ&ママにとってのおやつと同じ、よろこびやほっとするひと時、ストレス発散などの、心の栄養です。
ですから、お菓子のようなものを与えるのが絶対悪というわけではありませんが、心の栄養としてのおやつも、できればヨーグルトや果物など、添加物の入っていないヘルシーなものを選びたいところです。
手作りなら、パンケーキなどもいいですね。
離乳食後期から完了期にかけては、手づかみ食べをする時期です。
なかには初期や中期から手づかみ食べをするお子さんもいるでしょう。
手づかみ食べをしていると、食べ物で遊びだす赤ちゃんもいて、お行儀が悪く感じることもありますが、これは成長のうえで大事なステップの一つ。自ら「食べたい! 食べるのはしあわせ!」 と感じたり、自分で食べる力を養うための成長過程なので、おおらかな気持ちで見守ってあげてください。
まだ指先も自分の思ったように器用には動かせないので、スプーンやフォークといった道具を使うのだって至難の技なのです。食べたい気持ちが優っていても、なかなか思うように食べられないんだなとわかると、つい食べさせてあげたくもなりますが、自ら食べる練習をすることも大切なので、
第一に「見守り」、過保護になりすぎない程度に「補助」してあげましょう。
手づかみ食べがしやすいように、スティック状にして切ってあげて、持ちやすくしてあげるといいいですよ。食器などを使えるようになるのはまだまだ先の話です。
手づかみ食べをしながら、食べ物を下に落として遊ぶ赤ちゃんも見られます。
これは、落としたら拾ってもらえることで、信頼関係を築いている状態です。何度も何度も落として遊ぶので、ママはイラっとしてしまうかもしれませんが、コミュニケーションの確認をしているのだな、と理解してあげてくださいね。食べ物でなくてもおもちゃなども同じなんですよ。
手づかみ食べのレシピはこちらでチェック!
手づかみ食べママの体験記
CLICK▶︎手づかみ食べ離乳食の進め方~BLWを参考に~7ヵ月からBLWを取り入れ出したママ実録〜
イラスト/nisi