新制度「産後パパ育休」で育児や夫婦関係はどう変わる?育休を取得したパパとその妻のリアルな感想

産後パパ育休の現実
2022/10/13 2023/04/24 宗玄浩 宗玄浩

パパが育休をとることで、どんなメリットがあるの?
パパ目線で、育休をとることの心配事って何?
実際にパパが育休をとってみて、夫婦はどんな感想をもった?
2022年10月から「産後パパ育休(出生児育児休業)」が施行されてますます注目が集まる『パパの育休』。

今回は4歳児パパの宗玄さんが
・育休を6ヶ月間とったパパ
・次女の誕生で2ヶ月間の育休をこれからとるパパ
・育休を取得したパパの妻
の3人にインタビュー。
男性目線から感じたパパの育休のリアルな気持ちをお届けします。

パパの育休のメリットや、育休の心配事、育休期間中の夫婦仲はどうだったかなど、パパの育休を考えている方は、参考になるかと思いますのでぜひ読んでみてください!

元高校教員で現在フォトグラファーの宗玄さんが、パパ目線で子育てについて考えていく連載『宗玄さん家の普通だけれど特別な日々』第17回。

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産後パパ育休が始まる

2022年10月から「産後パパ育休」という新しい制度が始まることをご存知ですか?

産後パパ育休は、

子どもが産まれた後に男性が育休を小分けにして取れるようになる制度

で、男性版産休とも呼ばれています。

もちろん従来通り一定期間をまとめて育休をとる方法はそのままで、それに加えて細かく数回に分けて育休をとることができるようになるんですね。

具体的には子どもが生まれてから
生後8週間以内に2回

8週間を過ぎてから1歳になるまでに2回
=最大4回まで、短い期間を刻んで育休をとることができるようになりました。

⇒詳しい内容は『「産後パパ育休」10月スタート 何が変わる? 取りやすくなる?』を参照してください。

男性の育休取得率を2025年までに30%にするという政府の目標もあって、今後は男性の育休も今より更に普及していくことが期待されています。

そこで今回は実際に

6ヶ月間の育休を取得したAさん(現在3ヶ月目)

2人目の出産に伴いこれから2ヶ月間の育休を取得するBさん

にお話を伺いました。

どのような理由で育休を取得するに至り、
どのような心配事があったのか、
実際にとってみてどうだったのかなど、
二人の男性にパパ目線で感じた育休についての本音を語ってもらいました。

 

ケース1)6ヶ月の育休をとったパパのリアルな感想

寝ている赤ちゃんの様子をみている夫婦

 

初めての出産で取得した育休は、夫婦関係や家族のかたちにどんな影響を与えたのでしょう?

 

エンジニアとして活躍中の30代パパの育休

Aさんはエンジニアとして活躍中の30代男性。

1人目の子どもの出産に向けて夫婦で話し合って6ヶ月間の育休を取得することに決め、現在は3ヶ月目。育休期間も半分が過ぎた今、実際に育休をとってみてどうだった? というリアルな感想を聞きました。

 

育休の期間(6ヶ月間)は、どういう経緯で決めましたか?

A:自分自身が育児に積極的に関わりたい気持ちがあって、制度や権利があることも知っていたことがキッカケです。

妻が高齢出産という不安もあって、両親がすぐ近くにいないことから、二人で協力して育児ができればと思って、育休をとりました。

 

実際に育休をとってみてよかったと感じたエピソードやメリットを教えてください。

A:SNSとかを見ていても、妻が産後うつになったり、ストレスを抱えるケースが少なくないように感じています。
一人で赤ちゃんを見ていると、ギャン泣きした時なんかもすべてママ一人での対応になってしまいますよね。二人で関わることで体力的にも精神的にも負担が緩和できるのは大きなメリットに感じています。

 

確かにママにとっても育児は初めてのこと。夫婦が同じ目線でいられると心強いですよね。

A:そうですね、パパが赤ちゃんと関わる時間が少ないと、パパとママで知識や経験の差が広がっていって、パパがママの指示を受けて動くような状況になりやすそうですよね。
そうなると、夫婦仲にも影響がでてしまいそうで…。

育休をとって赤ちゃんと関わる時間が増えると、お互いわからないながらも、二人で相談しながら同じ方向を向いて頑張れるのは大きなメリットですね。

 

育休の良い面はわかりましたが、育休をとるデメリットや悩んだことはありました?

A:デメリットは特にないですね。

心配なこととして挙げるなら、自分自身はエンジニアとして働いているので、衰えというかスピードが遅くなるみたいなことはありますね。まあ、これは自分が頑張るしかないかなと思っています。

 

育休をとることで、夫婦で同じ方向を向いて頑張れる

Aさんのインタビューで印象的だったのは2点。

パパとママの知識や経験の差が広がると、夫婦仲に影響が生じる

ママにとっても育児は初めてで不安だから一緒に同じ目線で相談できる相手でいられる

確かにママの立場から考えると子育てをしていて「次、どうすればいいの?」といちいち聞かれるのはストレスになりそう…。

育休をとってパパとママが同じように赤ちゃんと関わることで、二人が共通の目標に向かってパートナーとしていられるというのは、大きなメリット。

「あの時、一緒にこの子を育てた仲間」と、互いを認め合って、夫婦仲も自然とよくなりそうですよね!

 

ケース2)2ヶ月の育休をとるパパのリアルな感想

育休ケース2

続いては、2人目の出産で初めて2ヶ月間の育休をとることにしたパパに、育休をとるに至った経緯、会社や同僚の反応などを聞きました。

外資系企業で活躍中の30代パパの育休

Bさんは外資系企業で活躍中の30代男性。

1人目のときは育休をとらず、2人目の子どもが生まれるにあたって2ヶ月間の育休をとることを選択しました。現在臨月に入ったところです。

 

育休取得者外資系パパ

育休の期間を2ヶ月間にしたのは、どういう経緯で決めましたか?

B:1人目の育児の経験から、最初の数ヶ月が特に大変だったので2ヶ月にしました。

 

育休を伝えたときの会社や同僚の反応はどうでした?

B:「おめでとう」と祝ってもらえたことと、「きちんと引き継ぎの計画をしてね」と伝えられました。
外資系企業なので育休をとりやすい雰囲気はありますが、実際には上司はあまりとっていないのが現実ですね。

 

ということは、育休をとっている同僚はあまり多くない?

B:育休をとっている人はいるけど、多くはないというのが現状ですね。

 

育休をとるにあたってデメリットに感じたり、悩んだことはありましたか?

B:自分自身はあまりなかったですが、 仕事のタイミングによっては、育休をとりたくてもとれない人は多いと思います。

 

確かに自分だけの都合ではどうしようもないタイミングみたいなのがありますよね。

B:はい。今の年齢的にも管理職になるという話がでてくる時期なのですが、管理職になるにはタイミングが重要で、そういうタイミングを逃してしまうことへの不安みたいなのはありそうな話だと思いますね。

 

1人目の子どもの時は育休をとらずに、2人目で育休をとった理由はありますか?

B:1人目の子どものときは義母に来てもらっていて協力してもらっていたのですが、今回は都合がつけられないので、自分がやるしかないというのが一番の理由ですね。

最初の2ヶ月は特に大変な時期で、妻ひとりだと精神面も肉体面も負担が大きいというのはわかっているので。

 

育休をとらないという選択肢もあいますが、決め手になった話し合いや、ご自身の考えはありましたか?

B:妻に「育休をとってほしい」と言われたのが一番の決め手になりました。
とらないとケンカになりそうだった(笑)

きっと育休をとらないと、妻が「なんで私ばっかり」「あなたは仕事でいいよね」という気持ちになるなと。本当に自分自身の仕事が忙しくてキツくなった時に、ケンカになりそうな予感がして。

確かにその未来は予想できそうですね(笑)

B:はい、彼女も働きたい中で子どもを産んでくれるわけですからね。

デメリットがあったところで、夫婦仲が悪くなるよりよっぽどマシですから。

めちゃくちゃ合理的です(笑)。ありがとうございました。

 

育休をとることで、夫婦仲もよくなる

Bさんのインタビューで印象的だったのは2点。

仕事のタイミングによっては育休をとりにくい気持ちが生じる

育休をとらないと「なんで私ばっかり」とケンカになる

年齢的にも管理職になるタイミングなど、自分ではどうしようもないタイミングがあって、育休をとりにくい人がいるというのは納得ですね。

とはいえ、Bさんはそのデメリット以上に、夫婦仲が大切という考えがあったのが印象的でした。

妻が代表して2人の子どもを産んでくれるわけなので、そこから2人が話し合って納得して育休をとるかとらないかを決めていくのは健全ですよね!

 

育休をとったパパの “妻” リアルな感想

幸せな家族

さて、最後にAさんの妻にもインタビューもできたので、「妻からみた育休をとったパパ」についての感想を紹介します。

実際に夫が育休をとって、どうでしたか?
 

と質問をすると、このような返答がありました。

<ママの感想>
赤ちゃんがギャン泣きしている時など、1人で途方にくれることがない

相談がすぐにできる

2人で不安を共有できる

わからないことだらけの子育てで、自分1人で意思決定をしなくていい安心感が大きい

一緒に育児ができていれば夫を嫌いになることはない、敵になることはない

 

いかがでしょうか?

最後の「一緒に育児ができていれば夫を嫌いになることはない」というのは、ママ目線の大きなポイントになる視点です。

AさんもBさんも『夫婦仲』がインタビューでキーワードとして語られていましたよね。

パパが育休をとることで、子育てをする時間が増え、夫婦間で不安や疲労を軽減できるのは大きい。

「赤ちゃんの安全な成長」という大きな目標に向かって、夫婦で協力して取り組めるのは、夫婦の仲が深まっていくのに繋がっていくように感じます。

確かに、僕自身の周りを思い浮かべても、育児に積極的なパパがいる夫婦は、夫婦仲がいいような…。

 

育休をとっていない宗玄さん家

宗玄さん家

育休をとった2人のお話を伺ってきましたが、この原稿を書いている宗玄さん自身は育休をとっていません。

とはいえ、子どもが赤ちゃんだった当時は勤務時間が昼過ぎから夜間だったこともあって、朝から昼すぎまでの時間を育児の時間にあてることができていました。

沐浴も午前の時間に入れていたし、深夜に仕事から帰ってきたのでちょうど赤ちゃんが夜泣きするタイミングと重なってミルクをあげられたりと、赤ちゃんと関わりやすいサイクルでもあったように振り返っています。

僕自身も赤ちゃんと過ごす時間が増えていくことで、育児への知識や経験が高まり、妻と同じ目線で赤ちゃんと関われていきました。
夫婦が育児を通して同じ方向を向いている仲間となれたことは、娘が4歳になっている現在にも繋がっているように感じています。

以前に『「自分の赤ちゃんを可愛いと思えない…」は誰もが抱えうる心理』の記事でも書きましたが、言葉を発しない赤ちゃんとはコミュニケーションがとりにくいことから、赤ちゃんを可愛いと思えない親の心理に繋がっていくことが十分ありえます。

赤ちゃんとコミュニケーションをとるには、赤ちゃんの小さな発信に気づいたり、赤ちゃんがわかりやすい方法で伝えれあげる必要があります。

小さなことから大きなことまで、夫婦で赤ちゃんのことを相談し合いながら、2人がよきパートナーへと歩んでいけるように進んでいけるといいですね!

 

育休をとれなかったとしても…

今回は育休をとった2人のパパとその妻にインタビューをし、育休について考えました。

育休によって夫婦仲が深まることもあるかと思います。

育休の取得を悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください!

仮に読者のパパが育休をとれない状況だとしても、たくさんの時間を赤ちゃんと共有し、妻と赤ちゃんについて話し合ってみてください。くれぐれも「次、なにしたらいいの?」とは聞かないように(笑)

カメラマン宗玄さん娘と外出
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イラスト/studio hobowise

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