今度の休日、高校の同級生に誘われたんだけど遊びに行っていい?
育児生活が始まると、夫婦二人だけの生活から一変。
夫婦仲が悪化したり、ストレスを溜めることが多くなる家庭もありますよね?
本記事では、育児中に気づかない間に溜まったストレスやイライラを解消する秘訣として『育児休日』を設けたことで、育児のストレスを溜めずに夫婦円満に子育てをした宗玄さん家の体験談をお伝えします。
「育児期間で夫婦仲が悪化した…」「子育てに疲れた…」という方は、ぜひ育児休日を夫婦で取り入れてみてください!
元高校教員で現在フォトグラファーの僕が、パパの目線から子育てについて考えていく連載『宗玄さん家の普通だけれど特別な日々』。
第10回目は、「育児休日でストレスを溜めない育児」をテーマに、夫と妻が同じ方向を向きながら協力して育児をしていく方法をお伝えします。
子どもが生まれて育児がスタートすると、これまでの自由な夫婦生活から一変。夫婦仲もよかったはずなのに、妻はイライラ、夫はストレスで、夫婦の衝突が増えていませんか?
今度の休日、高校の同級生に誘われたんだけど遊びに行っていい?
え、赤ちゃんを俺が一人でみるってこと?
やっぱり厳しいよね…。
こんな夫婦にオススメしたいのが、育児休日です。
育児のために仕事を一定期間休む育児休暇と違って、
「ママは今日の育児はお休み!」
とパパに赤ちゃんをお任せして、育児をしない日を作るのが育児休日です。(もちろん、逆のパターンも)
お互いの両親に頼れずに夫婦二人だけで育児をしている方たちに特に試してほしい『育児休日』について、育児ストレスの原因と解決法を考えながら、育児休日の効果とメリットについてお伝えしていきます!
赤ちゃんの子育てをしている家庭の生活は、日中は夫が仕事に出て、妻が赤ちゃんの子育てをするという家庭が多いかと思います。(もちろん、そうでない家庭もありますね)
夫は家から離れて仕事に出かけ、妻は家に残って子どもと過ごすということは、夫は子どもと離れる時間があって、妻は子どもと離れる時間がないということを意味しています。
もちろん夫の仕事は大変でしょうが、
・外の空気を吸って
・通勤時間にぼんやりスマホを眺め
・一人で気兼ねなく昼食を食べたり
・職場で誰かと他愛もない会話ができる機会
が夫にはあります。
これが実はかなりリラックス効果があるんですよね。
反対に妻は家の中で、
・赤ちゃんのことを24時間気にかけ
・夫と赤ちゃん以外は誰とも会話することなく一日を終える
こともよくある日々を送ることになります。
赤ちゃんと触れ合える時間は心地よく感じる反面、24時間赤ちゃんのことを考え続け、家族以外とコミュニケーションをとらない生活を続けることの精神的負担は計り知れません。
宗玄さん家の妻も、僕が仕事から帰るとマシンガントークで今日の出来事を喋り続けることがよくありました。
時には、僕がトイレに入っても扉の外に立って今日の赤ちゃんの様子を熱弁し続けるなんてことも。
僕が「トイレから出たら聞くからちょっと待っててね」
と伝えると、冷静になってその様子を客観視した妻は可笑しくなったようで、二人で笑い合ったことを思い出します。
ママが育児ストレスを溜める原因の一つに「赤ちゃんと片時も離れることなく一緒にいること」があって、ストレスから夫婦仲が悪化したり、夫に対してストレスを感じるようになるのも珍しくないわけです。
産後はひとりでお風呂に入れなかったり、トイレに入ると赤ちゃんに泣かれて大慌てで出てくるなんてことも珍しくないですもんね。
毎日赤ちゃんと向き合っているママの苦労に対して理解のある夫は「たまには出かけてきなよ!」と伝えるでしょう。これ、50点です。
「たまには出かけてきなよ!」
とても素敵な言葉のようですが、これではまだ育児休日とは言えません。
むしろ、この「出かけてきなよ!」にも、育児ストレスの落とし穴があるとすら思います。
というのは、子育てをスタートさせて「出かけてきなよ!」という言葉を初めてもらった妻は、こう考えませんか?
◆「出かけたい気持ちはあるけど、夫一人で大丈夫かな…」
◆「子どもが泣くと、かわいそうだなぁ」
◆「私がいないとミルクを作るのも雑になるだろうし不安だなぁ…」
◆「というか、特に出かけたい場所もないし」
友だちママの話を聞いていると、
「夫に任せるなんて不安で無理!」
「1時間が限界」
「わざわざ出かけたい場所もない」
という声が少なくありません。
「たまには出かけてきていいよ!」と言われても、子どもが可愛いから心配だし、不安だし、離れて大丈夫なのかな?と思ってしまうことってありませんか?
実際に友人ママは子どもが生後6ヶ月を過ぎるまで美容院に髪の毛を切りに行けなかったと振り返っていました。
女性が美容院に行くとなると往復の時間も考えて半日程度を費やすことになるでしょうが、その半日を夫に任せるまでに6ヶ月かかったと言っていました。
夫婦だけで赤ちゃんを育てている家庭では、夫一人に預けるということを信頼しきれない妻は少なくないようです。
では、「出かけてきなよ!」じゃなくて、どうすればいいの?
という疑問の答えを言うと、
「出かけなければいけない日」を育児休日の日として設けることです。
「出かけてもいいよ!出かけたらどう?」ではなく、「出かけなければいけない日」。
つまり、『育児休日を、夫婦の義務』とすることです。
宗玄さん家で取り入れたのは、月に2回。
体験談として言えることは、育児休日の義務化は妻の精神的なゆとりを生み、夫婦仲が円満になるにはとても効果的だったということです。
育児休日を義務化することで、ママは赤ちゃんと強制的に離れる時間ができます。
ママにとって赤ちゃんは可愛くて、大切な存在。赤ちゃんと離れるのは心配だし、赤ちゃんと過ごす時間は楽しいし、しっかりした母親になりたい気持ちも強い。ママにとっては赤ちゃんを置いて自分だけ一人で楽しむなんて後ろめたさの感情もあるかもしれません。
「いい母親」でありたい気持ちから、「自分は赤ちゃんと離れられない」という自己規制が作用していき、「出かけてきなよ」と言われても、別に行きたいところもないし、ちょっと億劫だしと、なかなか外に出て行こうとしなくなったりするわけですね。
そこで、育児休日の日を義務化することで、一人の時間を強制的に作るわけです。
育児休日は家族のため。
『「家族のために」一人の時間を作りましょう!
一人の時間を作るのは、家族のためです。
ずっと家で赤ちゃんと過ごすと、気づかないところでもストレスや心の重荷が加わります。
やがてそこで溜まったストレスの矛先は、パパへの不満に変わり、自分ばかりが大変という気持ちを生み、心のゆとりをなくして子どもにイライラすることもあるかもしれません。
心のゆとりをなくすことで溜まっていった不満の水が心から溢れないために、子どもと離れる時間を強制的に作ってみてください!
赤ちゃんと離れて過ごす「育児休日」には大きく3つのメリットがあります。
育児休日の効果とメリット
▶︎妻の育児ストレスが減ってリフレッシュできる
▶︎夫の育児能力が高まる
▶︎夫婦で感謝の気持ちが増して夫婦仲が深まる
赤ちゃんと離れることで、知らない間に溜まったストレスや心の重荷から解放されてリフレッシュできます。
カフェでゆっくり読書をしながらコーヒーを飲んだり、友達と会ってたくさん話したり、好きな映画を見てゆっくり過ごしてみてください。
赤ちゃんが生まれてからやれなかったことを、育児休日で過ごしてください。
女性の友人が「夫に赤ちゃんを一日任せるなんて何があるかわからないから無理。安全面で心配が尽きない」と話していたことがあります。
夫が一人で赤ちゃんのお世話をすることで、一体どんなことが起こるんだ?と逆に興味がわきましたが、心配な気持ちはやっぱりありますよね。
人の行動パターンとして、「人は当事者にならないと、本気にならない」ということがあります。
友だちと旅行に行ったときに、友だちが全て調べてくれていたから宿泊したホテルも交通経路も全く覚えてないといった経験はありませんか?
それは自分の赤ちゃんに対しても例外ではありません。
自分が一人で赤ちゃんと過ごすという環境になってはじめて責任感が強くなり、自分事になって赤ちゃんと育児に向き合うなんてこともあるはずです。
当事者になった途端に急に焦りだして、Googleで「子ども 泣いてる 対応」とか検索をかけて、babycoのサイトがヒットして、
「おや? 父目線の記事があるなあ…」
とサイトを巡って、この記事を読んでるなんてことが起こるかもしれませんね。
そんな偶然が起きた時には、ぜひ連絡をください(笑)
ママは、勇気をもって最初の一歩をパパに任せてあげてください。その経験から夫の育児能力は高まりますよ!
リフレッシュした心の矢印は、家族への愛に向きます。
心の余裕がないと、普段ならなにげないこともついつい突っかかってしまったり、イライラしてしまうことは少なくないですよね?
自由な時間を過ごしてリフレッシュした心なら、お互いへの感謝の気持ちは深まります。
そして、これはぜひ僕からのお願いなんですが、帰ってきたときには細かいことを気にせずにパパに「ありがとう」を伝えてあげてください。
人は頑張ったのに細かいことを指摘されると次はやりたくなくなる習性があります。
部屋が散らかっていたり、赤ちゃんの服が汚れていても、
赤ちゃんに「パパと一緒に過ごせてよかったね」と笑顔で話しかけて、
夫に「ありがとう」と伝えてあげてください。(なに?私が出かけるだけで、お礼まで言わなきゃいけないの?夫婦は公平であるべきでしょ?とか言わずに、ここはなんとか刀を収めてください)。
たったそれだけで、夫婦でお互いへの感謝の気持ちが増し、家族円満になるキッカケとなるので、ぜひやってみてください!
妻を育児から解放し、自由な時間を過ごしてもらう育児休日。
その育児休日を義務化することで、妻に必ず一人の時間をもってもらうことの効果をお伝えしてきました。
きっと慣れるまでは、育児から離れることはママの立場では勇気が必要かもしれません。
でも、よく考えてみてください。
夫は社会で給料をもらいながら、仕事をしているわけです。
それは全て自分事で、自分がやらなきゃいけない環境になっているからできるわけです。
育児も自分がやらなきゃいけない環境になれば必ずできます。
夫は、妻の「でも、心配だし…」という声に甘えず、「いやいや、今日は育児休日で義務で出かけてもらう日だから!」と妻を送り出してみてください。
妻がリフレッシュすることで、きっと家庭はうまくまわっていきますよ!
ちなみに宗玄さん家では子どもが退院して3日目に「義務なので出かけてください」と伝えて、妻に外出してもらいました。
(娘は低出生体重児だったこともあって退院するのに3週間くらいかかった。妻は出産後1週間で退院したのでその頃には日々を過ごせるくらいには回復していた)
内心めちゃくちゃドキドキしていたし、いろいろなことに不安もあったけれど、妻が明らかにリフレッシュした顔で自宅に帰ってきたときには、自分事のように嬉しくなりました。
育児休日で赤ちゃんと離れて過ごす時間に育児ストレスを解消し、夫婦仲を深めていってください!
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PHOTO/宗玄浩