babyco編集長。書籍編集者。
新潟の山奥で肉用牛を飼育しながら、野菜やくだものを育てる祖父母のお手伝いをきっかけに、丹精込めて作られた食材のおいしさ、食べることや命の大切さを学ぶ。特集記事、離乳食やママごはんなど幅広く担当。ママ・パパの気持ちに寄り添った記事の制作を心がけている。
公園に行っても遊び方がわからない、そんなママ・パパもおもわず夢中になる自然遊びのヒントをお伝えします。小さな公園でも、遊び方の工夫次第で自然遊びを楽しめるんです!
自然保育コーディネーター。ウレシパモシリ -保育と自然をつなぐ研究会- を主宰。都内の公園でもできる身近な自然を活かした遊びを創作。独自の自然遊びで子どもの五感を刺激し、感性をはぐくむ重要性を保育研修会や講演等で伝えている。
子どもが生まれると、近くの通りをお散歩したり、休日に公園へ遊びに行ったりと、大人だけのときよりも自然にふれあう機会が増えますよね。
でも、いざ公園に行っても「子どもと一緒に何をしたらいいのかわからない」「ベンチに座ってスマホをいじってばかり」「これなぁに?と聞かれても答えられず、なんだろうねーで終わっちゃう」という方もいるのではないでしょうか。
全国の保育現場で自然遊び研修を行い、0歳から幼児のお子さんがいる親御さんに自然遊びの楽しさを伝えている『ウレシパモシリ -保育と自然をつなぐ研究会-』主宰の高橋 京子先生によると、最近のママ・パパには“自然での子どもとの遊び方がわからない”という方が多いそうです。そんなママ・パパに、どうしてわからないのかを聞いてみると、こんな3つの不安があるのだそうです。
①自然遊びを子どもに伝える“知識”がない
公園や散歩道に生えている植物、生息している虫など、改めて「これなぁに?」と聞かれると名前がわからないものってたくさんありますよね。子どもがせっかく自然の生きものに興味を持って自分に聞きにきてくれても、知識がなくて答えられないことが増えてくると「聞かれたらどうしよう…」と不安になってしまうようです。
②小さい頃に自然遊びをした“経験”が少ない
オオバコの茎でオオバコ相撲、植物の花や葉っぱから出る色でおえかきなど、自然物を使った遊びの経験が少ないママ・パパは、自然遊びのアイデアを子どもに伝えることができず、何をしたらいいかわからない…となってしまうようです。
③自然遊びをする“環境”が少ない
ここ数年、公園の数が減り、パッとお外に出て遊べる環境が少なくなってきています。とくに都会ほど、広々とした公園がある地域は限られていて、季節のお花や木々とふれあえる大きな公園に行くために電車でおでかけする方もいるでしょう。生活のなかに自然環境が減りつつあることも、これまでお話ししたふたつの不安を生む理由でもあるのです。
家の近くの小さな公園、赤ちゃんとのお散歩コース。限られた自然のなかで、どんな遊びができるのか?
大きな公園に行かなくても楽しめる自然遊びのアイデアを、高橋先生にアドバイスをいただきながらbabyco編集長である私が実践してみました。身近なアイテムを使いながらできる、0歳から一緒に楽しめる遊びです。
- 遊び方 -
ペットボトルの空き容器に水を入れて、子どもと一緒に摘んだ花を入れる。太陽の光に透かして花の鮮やかな色を楽しんだり、キラキラゆれ動く花びらのようすを見たりする。
- 遊び方 -
子どもと一緒にいろいろな葉っぱを集めて、画用紙に並べて両面テープで貼る。葉っぱの色、大きさ、形を比べてみる。春夏秋冬の季節ごとにタペストリーを作っても楽しい。
- 遊び方 -
子どもと一緒に小石を拾って、画用紙に描いた目玉を両面テープで貼る(または市販の目玉シールを貼る)。拾った葉っぱで小石を隠し、「いない いない ばあ!」の声かけで小石を見せる。
- 遊び方 -
汚れてもいいお弁当用の空き容器を用意する。子どもと一緒にどんぐりなどの木の実を集めて、落ち葉や市販のおかずカップを仕切りにしながら、木の実を詰める。
※紙粘土で作ったおにぎりを事前に用意しておくと、お弁当らしさがアップする。
梅雨の時期や公園に行くのが難しい日でも楽しめる、おうちで自然を感じられる遊びのアイデアもご紹介します。
- 遊び方 -
紙コップや空き容器、素材の異なる鍋やフライパンなどを用意する。ママまたはパパが容器に水を垂らして、子どもと一緒に音の違いを聞き比べる。
※梅雨の時期に外遊びができないときは、ベランダに出て、ママまたはパパが雨を容器で受け止めて、音を聞き比べても楽しい。
公園に行き、自然物を使って遊んでみて気がついたのは、自然遊びのアイデアは自分も自然のなかに入って遊ぶことで、どんどんわき上がってくるということです。
例えば、『こいしくんの いないいないばあ』遊びは、自分が思う“いい形の石”探しからスタート。高橋先生に「葉っぱや小石におめめをつけたり、名前をつけたりすると親しみがわきますよ」と教えていただいたのを参考に、画用紙に目玉を描いて貼ってみたら、愛嬌があってかわいい♪
さっきまでは公園に落ちている石のひとつにすぎなかったのに、自分で見つけて、目玉と名前をつけた瞬間に特別な石になる。子どもたちにも、こんなワクワクした気持ちで自然の宝物に出会ってほしいなと思いました。
子どもを公園に連れて行っても、遊んでいる姿を見守っているだけで何をしたらいいかわからないという方は、まずは足元に落ちている葉っぱを一枚拾ってみてください。
お子さんに「みどりの葉っぱさん 見つけてきて」とお願いしたら、きっとお子さんは「みどりあったよ!」と、自分の心を動かした特別な葉っぱを持ってきてくれるでしょう。
「すてきな葉っぱ どこで見つけたの?」「すごくみどりだね〜!」とママやパパが寄り添ってくれたら、子どもは自分の見つけたものに愛着がわき、記憶にも深く刻まれます。
また、お子さんに生きものの名前を聞かれてわからなかったとしたら、「ママも知らないの なんていうお名前にする?」って一緒に名前をつければいいんです。
黄色くて背の高いお花なら、“せぇたかのっぽのきいろさん”。まるっこい虫なら、“ころころくん”。
正しい知識を教えてあげられていないけど大丈夫かな…と不安になるかもしれませんが、知識はあとからで大丈夫。
学校に入って、教科書や図鑑を読んでみたら、あのときママとパパと名前をつけたころころくんが載っている! じつはダンゴムシという名前なんだ!と自分で気づいて知るほうが、子どもの記憶に一生残りますよね。
「土が汚くていやだ」「虫が苦手でこわい」そう感じるママやパパの気持ちもわかります。大人になると自然物に触れる機会が少なくなるから、余計にそう感じますよね。でも、久しぶりに自然のなかに入って遊んでみたら楽しいかもしれません♪
ママやパパも遊びに参加して、一緒に楽しんで、考えて、試してみる。子どもに自然遊びの体験を増やしてあげることは、“自分で問うて学ぶ”という主体的な学びの姿勢にもつながっていくんです♪
葉っぱのタペストリーを作るために公園の散歩道にある葉っぱを見ていたら、セミの抜け殻を発見! 敵に狙われないように、隠れられる茂みなどで羽化すると思っていたので、こんな堂々とした場所でもするんだとびっくり。何ゼミの抜け殻なんだろう?
イラスト:木溪 そのみ