babyco編集長。書籍編集者。
新潟の山奥で肉用牛を飼育しながら、野菜やくだものを育てる祖父母のお手伝いをきっかけに、丹精込めて作られた食材のおいしさ、食べることや命の大切さを学ぶ。特集記事、離乳食やママごはんなど幅広く担当。ママ・パパの気持ちに寄り添った記事の制作を心がけている。
ママとパパのもとに大切な家族が増えて
これからの未来がもっと楽しみになる、いま。
学校のお勉強や習いごとなど、
お子さんがより多くのことを経験できるように。
家族がよりよい生活を過ごせるように。
家族の夢を、ひとつでも多く叶えるために大切な
夫婦で話し合いたい「お金」のお話です。
ファイナンシャル・プランナー。千葉市在住。大学を卒業して仕事に明け暮れる生活から一転、30代半ばで男児を出産。1年後、生命保険会社に再就職しはじめての営業職に。募集活動のなかでライフプランの重要性に目覚め、FP(ファイナンシャル・プランナー)資格を取得後、独立。現在、家計相談や生命保険の見直し、住宅購入相談などを行う。主婦目線をいかした家計改善アドバイスが好評。https://mplan.info/
babycoママ・パパはどうしてる? 将来に向けたお金の使い方|明るい未来のためのお金の話し合い②では、
将来のお金は
● いつ・いくらかかりそうかが具体的に把握しやすい、“目の前にあらわれやすいお金”(車の買い替えなど)
● 金額が大きく、いくらかかりそうか予想が難しい“目の前にあらわれにくいお金”(教育資金など)
の2つに分けて考えることができるとお話ししましたね。
そして、babycoママとパパに「将来のお金の使い方」について夫婦でどのくらい話し合っているか?と聞いてみたところ、
● babycoママとパパの約5割が「お互いに悩んだタイミングで話し合っている」
● たくさん話し合っているご家庭があれば、話し合いたいけれどできていないご家庭もある
● 話し合っている理由、話し合っていない(話し合えていない)理由はさまざまだが、「先が見えないから話し合って将来像を共有したい」という見方と、「先が見えないからそのときがきたら話し合えばいい」という見方がある
という意見がありました。
また、どちらのご家庭の場合も
● 「どういう風に育てたいか」という子どもが生きていく環境について
● 「生まれたあとの教育費」という子どもの将来について
という2つのテーマについて、まずは話し合ってみようとお伝えしました。
これまでの記事で話し合いの大切さをお伝えしてきましたが、「お金の話はオープンにしづらい…」「どう切り出したらいいかわからない」というママもいらっしゃると思います。
お金の話題を出すのが苦手なママでも取り入れられる、ちょっとしたきっかけづくりのヒントをご紹介します♪
将来のお金についてたくさん話し合っているbabycoママとパパ、話し合っていない(話し合えていない)babycoママとパパに、話し合いに関するお悩みを教えてもらいました。
今回は、多く寄せられた4つのお悩みについて、海老原先生からアドバイスをいただきます。みなさんのご家庭でも、ぜひ参考になさってみてくださいね♪
家事や育児は休みがありませんから、心の余裕を持つのはなかなか難しいですよね。
ママ友から「○○ちゃんのおうちは、教育費ってどうする予定?」なんて聞かれると「全然話し合ってない…!」と内心ドキッとしたり、「話し合ったほうがいいのはわかっているよ!」と、いつかは…いつかは…と考えること自体がストレスになったりしますよね。
ママとパパの帰宅時間、働き方(パパが単身赴任中・夜間勤務など)、子育て環境のちがいなど、忙しくて話し合えない理由はご家庭によってさまざまなので、ベストな答えを出すのは正直難しいです。そこで、どんなご家庭でも比較的取り入れやすい方法として、ちょっとしたときにちょっとしたことから話してみるというのはどうでしょう。
例えば、パパが食器洗い担当で、ママが食器拭き担当ならば「今日スーパーに行ったら、パパの好きな○○が値上がりしてたよ。パパに毎日食べてほしいけど、最近食費が気になって…」と、一緒に家事をしながら話したり。
おふたりともお酒がお好きならば、寝かしつけも済んでホッと一息ついたときに、ビールを飲みながら「もうすぐボーナスなんだけど、将来教育費が心配だから積み立てに興味があってね」と、一緒にパンフレットを見たり。
お金の話はいっぺんに解決できないので、少しずつ、お金のことを気軽に話し合える関係をつくっていけば、ちょっとずつ前に進むから大丈夫です。
1日のちょっとした時間を一緒に過ごすのも難しければ、夏休みや年末年始などの比較的お休みを取りやすいときも、タイミングとしてはいいでしょう。話し合えないから諦めちゃうのではなく、お互いに忙しいなら、その忙しさも共有できると一番いいですね。
家族が増えてうれしい気持ちの反面、食費や日用品といった生活費は、お財布からどんどん出ていきます。お金が出ていくのを見ながら、一方では貯める必要があるが、やりくりには限界がある。これでは不安な気持ちになるのも当然だと思います。
食費などの“生活の範囲のお金”を管理することの多いママは、漠然と、感覚で「家計が赤字なのではないか?」「このままでは、暮らしていけないんじゃないか?」と、家計のことを掴んでいることが多い傾向にあります。
「これから先、なんとなく不安なんだけど…」と不安な気持ちを伝えるだけではパパも困ってしまうので、そんなときこそ1ヵ月分の支出ランキング表を活用しましょう(詳しくは夫婦の「お金の価値観」の理解を深める秘訣って?)。
どうしてこちらの表が大事かというと、こうした客観的なデータがあることで、手取りに対して赤字か黒字かがイメージしやすくなるからです。
不安な気持ちを伝えて、「家計、いまお金足りてないの?」と聞かれたらこちらの表を出したり。前に上手く話し合いができないまま終わったのであれば、「この表で一緒に整理しない?」と話を持ちかけたり。
直近の家計のデータを出すことで、パパも無関係ではないことが伝わるはず。
300円以内で、どれだけたくさんのおやつを買うか? 週に一回もらえる1000円のおこづかいを、何に使うか? お金の使い方って、大人になってから考え始めるのではなく、じつは小さい頃から自然と考える機会があるんですよね。私たちのお金の使い方の感覚は、子どものときから培われているのかもしれません。
また、夫婦の「お金の価値観」の理解を深める秘訣って?の記事でもお話ししましたが、家族とはいえママとパパは生まれも育ちもちがいます。
子どものときに、いくらのおこづかいをどのくらいの頻度でもらえたか。大学は奨学金を借りたか、ご両親が全額出してくれたのか。そういった、家庭環境によっても使い方の意識は変わると思います。
例えば、教育費について
・ママは「この子のために、学費は何が何でもかけてあげたい!」
・パパは「大学まで行きたいなら行けばいいけれど、親に甘えっきりにならず、バイトするなど自力でがんばってほしい」
と、意見がなかなか合わないとします。
一見、パパの意見は「甘えるな、なんて冷たい! まだ子どもなんだから、学生の間は甘えさせてあげてもいいじゃない」と感じるかもしれません。自立するに連れて、親を頼る場面は減ってきますし、力になれることはしてあげたいですよね。
ただ、もしかしたらパパは、自分は奨学金を借りて、たくさんバイトをして自力でがんばった苦しい過去があるのかもしれません。そして、「自分ができたのだから、この子もやれるはずだ」という気持ちがあるかもしれませんね。
お互いに、生まれ育った環境で自分の思いや価値観が当然生まれるものです。○か×かの100対0で答えを出そうとせず、「どうしてそう思うの?」と相手の発言の背景を聞いてみて。
上記の例で言えば、「そうだったね、大学のときたくさんバイトして大変だったよね」とパパの気持ちを汲み取りつつ、「だけど、やっぱりこの子には苦労させたくないんだ。大学までは、親の力で出させてあげたい。そのためなら、私もパートに出ようと考えてるの」と、自分の意見を一緒に伝えるといいでしょう。
もし、パートナーの気持ちはわかったけれど、それでも理解できない部分があるならば「私はこの部分がわからないんだけれど、どうしてそう思うの?」と、より深くつっこむと、不満が不満じゃなくなることも。
お金の話でもめたときこそ、パートナーの考えだけでなく過去も知ることができ、夫婦のきずなが深まるチャンスなんです。
お金の話題をふったらパートナーが不機嫌に…という問題は、結構耳にすることが多いです。お金の話=オープンにしづらいのは、こうした“パートナーが向き合ってくれない”という現実も、原因のひとつとして考えられますね。
話題の振り方や言い方、タイミングなどを話す側が気をつけていても上手くいかなければ、「お金」といういきなり大きなテーマで話していないかどうか?を考えてみてください。
結婚して、ママが妊娠中もしくは小さなお子さんがいるご家庭では、まだお互いの立ち位置が全然わかっていない状態です。パパが稼ぎ頭になり、お金の管理一切を行うのか。ママも働いて、ふたりで管理をしていくのか。お互いに、お金の管理は得意なのか不得意なのか。
そうした話を全部すっ飛ばして、「これから先のわが家のお金について話そう!」と言われても、相手は戸惑ってしまいますね。
「お金について話し合おう」という持ち出し方ではなく、「○○のお金/○○費の管理方法について話し合おう」などと、具体的に何を話し合うのかを伝えると、パートナーがよりイメージしやすくなります。
例えば、お子さんを妊娠中ならば、これからどう育てていこう?というのは、多かれ少なかれパパも考えているはずです。そのあたりを軸にして、「来年○月に出産予定だけど、そのあとの家計管理はどういう風にやっていく? 子育てするとなると教育費もかかるからちょっと不安で…。どう思う?」と、まずはパートナーのようすを探る感じで聞いてみて。
詰め寄る感じではなく、その話ぶりで深く話せそうかをまずは掴んでみましょう。
イラスト:河合 美波