babyco編集長。書籍編集者。
新潟の山奥で肉用牛を飼育しながら、野菜やくだものを育てる祖父母のお手伝いをきっかけに、丹精込めて作られた食材のおいしさ、食べることや命の大切さを学ぶ。特集記事、離乳食やママごはんなど幅広く担当。ママ・パパの気持ちに寄り添った記事の制作を心がけている。
おいしいものをおなかいっぱい食べる。
みんなでおでかけする。
家族の楽しい思い出のうらには、
いつも「お金」がつきものです。
数字というデータで
ときに現実を見せつけてくる存在ですが、
「ママは、家族のためにどんな風にお金を使いたい?」
「パパが思う家族の夢、とってもいいね。
じゃあ、その夢を叶えるにはどうしたらいいと思う?」
と、お互いのお金の価値観を知り、
夫婦のきずなを深めるきっかけにもなります。
babyco vol.53は、
ママとパパ、そして大切なお子さんが
これからの人生を安心して過ごしていくための
「お金」の考え方を特集します。
家族がひとつの船に乗って
よりよい未来を見られるように、
ママとパパの考えや思いを伝え合ってみませんか。
お子さんが生まれておうちがにぎやかになると、「将来は郊外の一軒家でのびのび暮らしたいな」「この子に十分な教育を受けさせてあげたいな」と、ママもパパも夢がいっぱいあふれてきますね。
と同時に、「現在の収入で、これからも家族を安心して養っていけるか不安…」「共働きだけど、産休や育休を取ったら家計に影響しないのかな?」と、見えない数字に不安を抱くこともあると思います。
パパが家計を支えている家庭、ママが家計を支えている家庭、おふたりでがんばっている家庭…と、働き方、貯金額や収入、お財布の管理の仕方、家計の管理の仕方はご家庭によってさまざま。
ですが、どんなご家庭も、“家族のよりよい生活のために、お金を上手にやりくりしたい”という気持ちは、きっと同じなのではないでしょうか。
家族のお金はひとりで考えずに、貯金額や収入と向き合いつつ、ママとパパの夢を話し合うことで、具体的に「何年先にいくら必要なのか?」が明確になります。
闇雲に数字目標を立てて貯金をするよりも、「10年後にマイホームを購入したいから○万円貯めよう。そのためには、毎月の収入から△万円を貯金に回せば叶えられそうだ」と、目標(なんのために貯めるのか)を決めて貯金をしたほうが、がんばるぞ!とモチベーションが続くのです。
また、家族全員が納得して目標に向かうようになると、家計もいい方向に動き始める傾向にあるんですよ。
「こうしたい」という夢を持つのは、私たち全員に与えられている自由です。お互いが思い描く未来像を伝え合うためにも、まずはお金の先に、家族の夢を思い描いてみましょう。
家族のよりよい生活について実際に語り合ってみたら、「今の家計の状況を見た上で、本気…?」と、抱く夢の規模が異なる可能性もありますね。
食費など、“生活の範囲のお金”をやりくりすることの多いママと、住居費などの“大きなお金”を管理することの多いパパでは、見ているお金がちがうことがあります。
例えば、パパが家計を支えていて、ママは毎月の生活費を管理しているとします。食費や日用品などのお金は月によって変化しますから、少し余裕を持たせられる月があれば、月末になるとママの気持ちがキリキリする月もあるでしょう。
一方、パパは毎月の住居費を管理しているとします。住居費は毎月同じ額だけ引かれるので、予測ができ、気持ちが乱れることは少ないと思います。
ママとパパの“見ているお金”を同じにして、お互いに“家計の全体像”を意識できるようになると、家計の見直しや管理がしやすくなり、夫婦の夢の規模もだんだん近づいていきます。
では、夫婦で家計の全体像を把握するためには、どうしたらいいのでしょう?
これから、ママとパパに共同作業をお願いしたいと思います。
『1ヵ月分の支出ランキング表』という以下の表を、おふたりで話し合いながら完成させてみてください。手元に入ってくるお金に対して、出ていくお金はいくらなのか。赤字の場合、どの部分を見直せそうかなど、イメージがしやすくなります。
『1ヵ月分の支出ランキング表』、無事完成できたでしょうか。
こちらの表は、ママとパパが家計の全体像を把握するためだけでなく、夫婦で気軽にお金のことを話し合える場としても、ぜひ活用していただきたいです。
お金の話をオープンにしづらいという方も、「最近家計が心配なんだけど、どう思う? この表で整理してみない?」と、会話のきっかけにしてみてくださいね。
見ているお金がちがうことのほかに、そもそも、家族とはいえ生まれも育ちもちがいますから、価値観もちがうのは当たり前のこと。
ちがって“当たり前”だから、「ママ・パパはどう思う?」「私・ぼくはこう思うんだ」と、意見交換をすることが大切です。
せっかくご縁があって家族になったのですから、価値観がちがうのは“しょうがない”と諦めるのではなく、家族だからこそお互いの意見に寄り添い合えるといいなと思うのです。
「自分の育った環境で、自分の思いや価値観がある」というのはとても自然なことです。
ただ、今後、お子さんもいるなかで家族として生きていくときに、お互いの気持ちをゆずらないままバラバラになってしまうと、船の舵がうまく切れず、ゴールにたどり着けません。
とくに、価値観のなかでも理解を深めておきたいのが「お金の使い方」。
『1ヵ月分の支出ランキング表』の項目以外に、お子さんの教育費、家族旅行、マイホームやマイカーの購入など、自分だけでなく“家族”に使うお金が増えていきます。せっかくお互いの夢を伝え合っても、どちらかが自分中心にどんどんお金を使ってしまっては、叶えたい夢も遠ざかってしまいます。
とはいえ、ママにもパパにも「自分の趣味にお金を使いたい!」「買いもので気分転換したい!」という気持ちのときがあると思います。
そんなときは、「どうすれば、なるべく家計に影響を与えずに済むか」というのを意識しながら、自分のためにもお金を使ってみるようにしてみてください。
以下の2つのポイントから、パートナーと自分のお金の使い方をチェックしてみましょう。相手だけでなく、自分のお金の使い方も客観視することで、意識がより高まっていきます。
● パートナーの行動から、「相手」のお金の使い方をチェック
● 買いもののレシートから、「自分」のお金の使い方をチェック
「お財布にあるだけすぐ使ってしまう」「スーパーではなくすぐにコンビニで買う」「友人と気安くお金の貸し借りをする」「家電などもローンで買ってしまう」など、パートナーの“お金の使い方のクセ”をときどき見てみましょう(買いものに出かけるたびに、「何を買ったんだ?」と詮索するのはママもパパも楽しくお買いものができないので、気をつけましょう)。
買いもの行動は、そのときの気持ち(帰宅時間が遅くなって「ちょっと高いけどお弁当買っちゃえ!」と気持ちが焦っていた、強いストレスを感じて発散したかった、すごくがんばったことがあって自分にごほうびがほしかったなど)と結びついていることがあります。どんなときに自分の財布のひもがゆるむのか、レシートから気づきを得ることも大切です。
お話の続きはこちら♪
babycoママ・パパはどうしてる?将来に向けたお金の使い方|明るい未来のためのお金の話し合い②
★こんな記事も読まれています!
【FPさんに相談するその前に!】子どもの教育資金、どうする? パパとママの価値観をすり合わせてみよう!
イラスト:河合 美波
監修:海老原 政子先生
ファイナンシャル・プランナー。千葉市在住。大学を卒業して仕事に明け暮れる生活から一転、30代半ばで男児を出産。1年後、生命保険会社に再就職しはじめての営業職に。募集活動のなかでライフプランの重要性に目覚め、FP(ファイナンシャル・プランナー)資格を取得後、独立。現在、家計相談や生命保険の見直し、住宅購入相談などを行う。主婦目線をいかした家計改善アドバイスが好評。https://mplan.info/