【助産師監修】母乳の“正しい飲ませ方”知ってますか?

母乳の正しい飲ませ方
2020/08/07 2024/01/13 うるの加奈 うるの加奈

上手な母乳の飲ませ方ってあるのかな?
赤ちゃんが上手に母乳を飲むことができたら、おっぱいにも負担が少なくなり、母乳育児もグッとしやすくなりますよ。
赤ちゃんが上手に飲めないと、乳頭亀裂などのおっぱいのトラブルになることも。
正しい飲ませ方のコツをチェックしてみませんか。
授乳中のママも、赤ちゃんが母乳を飲まない、飲んでくれない…と悩んでいるママも確認してみてね!

 

母乳の正しい飲ませ方

上手な飲ませ方のコツは2つ

①丸くふくませる

乳頭には母乳の出ている排乳口がたくさんあるので、乳頭を歪めないようにまぁるくふくませることがコツ。
おっぱいをくわえたときの赤ちゃんの口の開き方をチェックしてみましょう!
朝顔の花のようにきれいに開いていますか?
唇が内側に巻き込まれていたら、唇をめくってあげましょう。
上唇を外側にめくり、下唇は指で下あごを軽く下に引くようにすると口が大きく開きますよ。

乳を口にふくむ赤ちゃん

下唇を指で開くときには、赤ちゃんが母乳を飲むリズムをじゃましないように。

②深くふくませる

乳頭をまっすぐにして、乳輪が見えなくなるくらいまで、深く赤ちゃんの口にふくませましょう。
赤ちゃんをママのおっぱいに引き寄せて、乳頭を舌の上にのせてあげながら、口の奥の方に向かって乳頭の先をまっすぐに入れてくださいね。

乳頭をふくもうとする赤ちゃん

飲み終わった直後の乳頭の形が、丸くまっすぐになっていれば上手に飲めていますよ。

NG!こんな飲み方していないかな?

●おちょぼ口で浅くくわえる

乳を浅くくわえる赤ちゃん

おちょぼ口になってしまい、乳頭の先っぽだけを浅くくわえていませんか?
授乳後の乳頭の形をチェックしてみるとわかりますよ。
乳頭の上の方だけが三角にとがっていたら、要チェックです。

●つぶし飲み

乳頭が痛む胸

乳頭をつぶしながら飲んでいると、授乳後の乳頭の先端がとがっていたりつぶれています。
また、乳頭の下の方が出っ張る形になっていたり、左右のどちらかが縦長に引っ張られていたりすることもあります。
飲ませているうちに乳頭が痛くなってきたら要注意。
乳頭亀裂や乳腺炎などを起こす可能性も。

 

赤ちゃんが飲み終わったら、どうやっておっぱいからはずせばいいの?

赤ちゃんは母乳を飲んでいるときにはしっかりとくわえています。
無理に引っ張って離そうとすると、乳頭を痛めてしまうことになるので、絶対に無理に引っ張らないようにしてくださいね。

ママの小指を赤ちゃんの口の脇からそっと入れて、少し横に引っ張るようにすると簡単に乳頭からはずれますよ。

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<助産師監修>授乳でうまく吸わせる方法〜ラッチオンとふくませ方

ほかにもまだまだ
飲ませ方のコツがあります!

▼▼▼▼▼▼

毎回両方のおっぱいをしっかり飲ませよう

ママを見つめる赤ちゃん

左右のおっぱいを交互に飲ませるようにしましょう。
片方だけよく出るからと、飲ませやすい方だけ飲ませていると、反対側のおっぱいの分泌が悪くなってきてしまいます。

1回の授乳では必ず両方を平等に飲ませ、3〜5分位ずつ交互に2往復、全体で15〜20分位で終わるのが理想的です。
産後間もないときは、赤ちゃんが上手に飲めなかったり、母乳の分泌がまだ十分でないこともあるので、もう少し時間がかかることもあります。

いつも同じ側のおっぱいからあげるのではなく、右からあげたら、次回は左からと交互にするようにすると、左右の分泌に差が出なくなりますよ。

コツは、出にくい方、飲ませにくい方を先に!

いつもよく出る方や吸いつきやすい方を先に与えてしまうと、そうでない方を嫌がって飲まなくなってしまうことがあります。

これは「よく分泌する方の母乳の味」に関係があるようです。
赤ちゃんにも味覚がしっかりとありますので、飲ませなくてたまってしまい古くなって味の悪い「たまり乳」は好きでないのです。
なので、最初によく出て飲みやすい方の母乳を与えてしまうと、分泌の悪い方を嫌がってしまうのです。
最初は出にくい方、飲ませにくい方をふくませるようにしてくださいね。

授乳前後にさく乳すると飲みやすくなるって本当?

疑問に思うママ

ホルモンの分泌状態は個人差があるので、乳房の張り方も一様ではありません。
それでも授乳前には少しさく乳して、たまっている母乳を出しておきましょう。
授乳前に搾乳することで、乳頭や乳輪がやわらかくなり、赤ちゃんにとって飲みやすい状態になって、母乳も出やすい状態になります。

母乳の出があまりよくない場合には、
「乳房が張ってないのにさく乳するなんてもったいない……」
と思うかもしれませんが、少量でもいいのでさく乳した方が母乳の出がよくなるのです。

反対に出過ぎてしまう場合には、少し多めの20〜30ml(大さじ1.5〜2杯)くらいをさく乳してください。

授乳後は乳房の張りがスーッとひいて楽になりますよね。
ここでさく乳をちょっとしておくと、乳腺炎の予防になりますよ。
赤ちゃんがちゃんと飲めているかどうか、乳頭の形を確認して、軽く搾乳することで「たまり乳」を減らすことにもつながります。

うまく飲めないのは乳頭の形のせい?

胸を押さえるママ

乳頭が小さかったり、大きかったり、乳頭の大きさや形はとても個人差があるものです。
乳頭が平らな扁平乳頭、乳頭が乳輪にめり込んでいるような陥没乳頭などもあります。
乳頭の形によって母乳育児ができないということはまったくありませんが、うまく飲めないということはあるかもしれません。

まずはさく乳をして、乳輪部をやわらかくしましょう。
それから赤ちゃんの口にふくませるようするといいでしょう。
自分の乳頭の形に合わせて、赤ちゃんにふくませるようにしていくと、上手に飲めるようになってきますよ。

※乳頭が小さい
赤ちゃんの口と乳頭が密着しにくいため、乳輪全体を深くくわえさせましょう。

※乳頭が大きい
赤ちゃんが小さいうちは上手に飲めないかもしれませんが、成長にするにつれて飲めるようになっていきます。

※扁平乳頭
乳房が緊満すると乳輪全体がかたくなって、くわえられなくなります。出産後、なるべく早く、乳房がやわらかいうちに飲ませましょう。

※陥没乳頭
さく乳するときのように親指と人差し指で乳輪をはさみ、乳頭が出れば問題ありませんが、引っ込む場合は直接飲めるようになるまで時間がかかります。
赤ちゃんが飲みやすくなるようさく乳して、乳輪部をやわらかくしましょう。

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桶谷式って?

桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。 

第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。 

また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。 

現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ助産師たちによって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士の育成、母乳育児支援活動を行っています。現在の会員数は550名。全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で皆さまの母乳育児をサポートしています。

監修:公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会

桶谷式母乳育児相談室

「おっぱいが出ない」「おっぱいが痛い」「赤ちゃんがおっぱいを飲んでくれない」「ちゃんとおっぱいが出ているか不安」という悩みを抱えたママたちに、乳房をやわらかくしておっっぱいをスムーズに出す、独自のマッサージを行う全国約400の桶谷式母乳育児相談室。授乳や搾乳の指導も行っているので、以下「OPPA!」 から気軽に相談できますよ。

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