大学卒業後、旅行会社に勤め国内・海外を多数訪問。結婚を機に退職し、現在は夫・娘と3人暮らし。地元北海道内ドライブや沖縄・TDRへの旅行が大好きで、小さい子どもと快適な旅行&レジャーをする術を日々考案中。オーストラリア親子留学が目標です。
「うちの赤ちゃん、黄疸症状で治療が必要みたい」
「新生児にはよくあるって聞くけど、うちの子、大丈夫……?」
その不安な気持ち、よくわかります。かくいうわたしも、娘が生後2日目で「黄疸の数値が高すぎる」と診断されました。
今回は、生理的黄疸と病的黄疸を見分け方や当時の治療経過や方法などを、体験を交えてご紹介します。
生まれたばかりの赤ちゃんによく見られる新生児黄疸(生理的黄疸)という症状。
「病気なの?」と心配になりますが、実はほとんどの赤ちゃんに見られる生理的現象のひとつだそうです。
ただし、その程度や状態によっては経過観察が必要な場合もあります。まずはその原因や具体的な症状をおさえておきましょう。
黄疸には、
◆生理的黄疸
◆病的黄疸
の2つがあって、新生児の頃に診断される多くの黄疸は生理的黄疸で、これを新生児黄疸とするそうです。
新生児黄疸とは、
血流中のビリルビンという色素が増加することで、皮膚や眼が黄色くなる症状です。生まれたばかりの赤ちゃんは、母親の胎内にいた頃の赤血球が壊れることで血液中のビルビリンが増える一方、まだ消化器系が未成熟でビリルビンをズムーズに体外に排出することができません。その結果、生後2~3日目頃に多くの赤ちゃんに黄疸が見られますが、だいたいは1週間以内に自然となおるそうです(生理的黄疸)。
ただし、重度の黄疸(ビルビリン数値が高い)や黄疸症状が出るのが早すぎる、長すぎる場合は何らかの病気である可能性や脳に後遺症が残ることがあるので検査や経過観察が必要となってきます。
これが病的黄疸とされます。
〈参照元〉
MSDマニュアル家庭版:新生児黄疸
日本医事新報社:新生児黄疸
生理的黄疸と病的黄疸を見分けるには、以下の2つのポイントを注視する必要があります。
・黄疸が出始めるタイミング
・血液中のビリルビン濃度の数値
通常の黄疸よりも早く生後24時間以内に症状が現れた場合や、生後2週間以降に黄疸が見られる場合は精密検査が必要となることがあります。また、生後4~5日目にビリルビン濃度(TB)が12mg/dl(未熟児なら15mg/dl)を超えたり、1日のビリルビン値の上昇が5mg/dl以上である場合も病的黄疸を疑います。
〈参照元〉パラマナビ:新生児の黄疸に遭遇したら ~生理的黄疸と病的黄疸の見分けかたから治療まで~
前述したように、多くの赤ちゃんに見られる黄疸は生理的なもので治療は必要ありません。
しかし、ビリルビン濃度が高い場合などは、赤ちゃんにビリライトという特殊な光線を当てる光線療法を主に行います。
この光線療法によって血液中のビリルビンを分解し、早ければ数日でビリルビン数値が通常値に収まるようになるそうです。
ここからは、実際に娘がどのように黄疸と診断され、どのような治療をしてきたか、体験をお伝えしていきますね。
今では5歳となり、日々元気に遊び回っているうちのひとり娘。
「パワフルすぎ!」と周囲にお褒めの言葉(?)をもらえるほどの健康優良児ですが、実は出産翌日に産院で
と診断されました。
「よくあること」と担当医から聞いたとて、不安で不安でなりません。
そんな不安な気持ちの中で進められていった治療の経過を綴りたいと思います。
約23時間という長い陣痛に耐えた末、ようやく出産を果たしたその翌日。
同じ日に出産したママたちが新生児室に集まり、助産師さんから沐浴をレクチャーしてもらう時間が設けられていました。
生まれたばかりの赤ちゃんたち、そして我が子に会えるとワクワクしながら新生児室に入った瞬間、目に入ったのは我が子の新生児ベッドにだけ添えられている白い用紙。
と不安がよぎったその時、助産師さんから「谷口さん、お話があるんだけど」と話しかけられ、黄疸の数値が高いことから光線療法が必要であることを告げられました。
ベッドにある用紙は、黄疸の診断書だったのです。
とやさしく語りかけてくれている助産師さんの声は聞こえるものの、頭の中はパニック状態でその内容が理解できないという不思議な感覚だったのを今でも覚えています。
新生児室に並ぶ赤ちゃんたちの中で、
と涙が止まりませんでした。
結局、この日から母子同室になる予定が変更になり、娘は別室で光線治療がスタートしたのです。
生後2日目、3日目と別室で光線療法を受けていた娘。
カプセルのような機器の中で、アイマスクをしながら青い光線を浴びている娘の姿を見るとなんだかいたたまれない気持ちになり、そのたび涙が出てきました。
今考えると、産後のためホルモンバランスが乱れていたのも泣きやすくなっていた一因のような気がします。
生後4日目になり、まだビルビリン数値は高いものの(TB13.8mg/dl)。
母子同室で過ごせる光線療法用ベッドで過ごせるようになりました。
娘を間近でまじまじと観察していると、確かに白目や肌が黄色みを帯びている(例えるならミカンをたくさん食べた時の手のような……)と感じましたが、お見舞いに来てくれた先輩ママたちが「うちの子もこんな感じだったよ~!」と言ってくれたこともあり、
と少しずつ前向きに捉えられるようになっていました。出産直後から情緒不安気味なわたしを心配して、夫が毎日仕事後に面会に来てくれていたのも安心感に繋がっていたのかもしれません。
なお、光線療法を行うかどうかは乳児の体重とビルビリン数値を基準にある程度決められています。娘の場合は生後2日目の数値はTB14.1mg/dlで、基準(生後48時間以内かつ体重2500g以上の場合はTB12mg/dl)を超えていたためカプセル式の光線療法が行われたのだと思います。反対に、基準を超えていなくても悪化を防ぐために医師の判断で光線療法を行うケースもあるそう。
〈参照元〉日本医事新報社:新生児黄疸(新生児高ビリルビン血症)
娘のようにビルビリン濃度の数値が高い黄疸を「高ビルビリン血症」とも呼ぶそうですが、産院の先生からは
と説明されていました。
結果的に、退院当日の検査ではTB11.9mg/dl。前述のように成熟児の生後4~5日のビルビリン正常値は12mg/dl以下とされているので、ギリギリ許容範囲内だったようです。
ともあれ無事に退院することができましたが、通常の1ヵ月健診の前に、週間健診2週間健診を受けるよう指示がありました。
わたしとしても自宅で1ヵ月間経過について不安を抱えるよりも、2週間後に診てもらえるというのは安心感がありよかったです。
たまたまわたしは母子いっしょに退院できましたが、まだ光線治療が必要と判断された場合等は赤ちゃんのみ入院期間が数日延びるケースも。自分だけ先に退院することの不安も大きいかと思いますが、その間の授乳はどうするのが良いかなど、疑問や心配は助産師さんや先生に相談してみるといいですね。
退院してからバタバタの育児生活が本格的に始まり、迎えた生後12日目。
ちょっと早めの2週間健診のため、出産した産院へ。
先生から「黄疸も、もう心配ないね」と言ってもらい、ようやく安堵の息が漏れました。
これを機に娘の黄疸の経過観察は終了となり、その後の1ヵ月検診以降でも黄疸については特に触れられることはありません。
わたし自身、娘の黄疸を知らされたとき、ショックと不安からネットで「黄疸 その後」など検索し、さまざまな情報を見つけては安心したり、逆に心配が増したり一喜一憂しながら病室で過ごしていました。
そう、まさに今、お子さんの黄疸を心配してこの体験記を読んでいるあなたのように。
「自分が大丈夫だったからあなたも大丈夫」なんて無責任なことは決して言えませんが、助産師さんがわたしに言ってくれた「よくあることだから、心配ないからね」の言葉もまたひとつの真理だと感じています。
ようやく会えた我が子のこと、心配にならないわけがありません。
その不安な気持ちを、今あなたの近くにいるパートナーやご家族、助産師さんや先生などに伝えれば、きっと受け止めてもらえるはず。ひとりで抱え込まず、少しでも前向きになれるようわたしも応援しています。
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