食品会社での会社員経験をしたのち、スキー雑誌の編集部に勤務。その後、フリーライターとなり、スキーやスノーボード、ボディボード、ゴルフ、自転車、旅行、ファッションなどさまざまなジャンルを執筆。桶谷式母乳育児で子育てをした一児の母でもあり、現在はbabycoにて自分の育児経験を生かした記事の執筆を行っている。
母乳はちゃんと出てるのかな?
赤ちゃんはちゃんと飲めているのかな? あまり出ていないみたい……
と心配になるママもいることでしょう。
大丈夫! どんな乳房でも乳頭でも、母乳はちゃんと出ますよ!
「母乳スイッチ」「幸せホルモン」……気になるキーワードを解説します!
母乳を赤ちゃんにうまく吸わせる方法もご紹介。助産師さんにお話をうかがいました!
桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。
現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ助産師たちによって、母乳で育てたいママを「技」と「心」でサポート。 桶谷式乳房管理士(助産師)が全国に約330施設ある桶谷式母乳相談室などで母乳育児支援活動を行っている。
https://www.oketani.or.jp/
まずは母乳が出る仕組みをご紹介しましょう。
妊娠中からママの体は乳腺が発達して母乳作りのための準備を始めています。ただ、
出産前は胎盤から出るホルモンが母乳の分泌を抑制しているのです。
そして出産することで母乳分泌のスイッチがオン!
さらに赤ちゃんがおっぱいを吸うこと、飲んでくれることが母乳分泌の力強い後押しになります。
赤ちゃんがおっぱいを吸ってくれると、母乳を出すためのホルモン「プロラクチン」と「オキシトシン」が一段と分泌され、母乳が出るようになるのです。
分泌の仕方には個人差がありますが、産後2〜3日目頃から痛くなるほど乳房が張る人や、1週間たってもまったく張らずに乳房が柔らかいままの人もいます。
どのようなおっぱいの状態でも大切なことは、
出産後なるべく早く赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうこと、
回数も多く吸ってもらうこと
です。
こうした自然の摂理によって、どんなママにも母乳は出るので心配しないでくださいね。
母乳分泌に関連しているホルモンのオキシトシンは、別名『幸せホルモン』『愛情ホルモン』などとも呼ばれています。
ママの母乳を出すためのホルモンとして知られるオキシトシンですが、ほかにもさまざまな役割があります。お産で大きくなったママの子宮を収縮させてくれるのもこのオキシトシンです。
そしてこのオキシトシンは、ママだけではなくて、赤ちゃんやパパからも分泌されるホルモンなんです。
うれしい、楽しいと感じて、リラックスすると出てくるホルモンなので、このホルモンが出てくると幸せな気持ちや、やさしい気持ちになれるのです。
<オキシトシンの分泌で期待できること>
◆幸せな気分になれる
◆ストレスが緩和される
◆不安な気持ちが軽減される
◆他者への信頼感のアップ
◆学習意欲と集中力がアップ
◆記憶力の向上
◆ポジティブになりやすくなる
◆食欲の抑制でダイエット効果
といったことが期待できる、たくさんの役割があるオキシトシン。
オキシトシンを分泌させるには、抱っこなどのスキンシップをたくさんすることがポイント!
ストレス軽減、情緒安定にも効果のあるオキシトシン。赤ちゃんにもママにもパパにもたくさん分泌するように、スキンシップをたくさんしてあげてくださいね。
できることならたくさん分泌をさせたいですよね。オキシトシンを分泌させるには、ほかにも大切な要素があるんです。それは肌触りが影響するということなんです。
CLICK▶︎親子の絆にはオキシトシン! 肌触りも影響するって本当?
大きな乳房、お椀をふせたような乳房、扁平な乳房など乳房の形にも個性があって、同じ乳房の人っていないんですよ。右と左で乳房の大きさが違うこともあります。
大きくてたくさん出そうな乳房の人でも、もともと小さくて妊娠中も大きくならなくても、乳房の外見にとらわれることはないんです。
乳房の大きさは乳房の中に蓄えられている脂肪の量、乳腺の数や量などの個人差によって決まっています。母乳は乳腺で作られるので、見た目と母乳の量はまったく関係ありません。
また乳頭の形も人それぞれなので、陥没していたり、扁平していたりすることもあるけれど、どんな形でも母乳は出るので安心してくださいね。肝心なことは生まれてすぐから赤ちゃんに乳首を吸ってもらって、母乳スイッチをオンにして、母乳を飲んでもらうことなんです。
扁平乳頭
乳頭部が短い。奥が伸びるので心配ありません。伸びない時やしこりがある時は要注意。
陥没乳頭
乳頭が索状に引っ張られ、伸びにくいことが多い。
赤ちゃんがおっぱいを吸っているというと、乳頭だけを口に含んで、チューチューとストローで吸っているのをイメージしてしまうかもしれません。でもそれは違うんですよ。
赤ちゃんが乳頭をまっすぐに含みやすいように抱いて、乳頭だけを吸わせるのではなく、ぱくっと乳輪部までまあるく含ませてみるのがコツ。乳頭を歪めたり、つぶさないように、まっすぐに乳輪部まで深く赤ちゃんの口に含ませてみてくださいね。
扁平乳頭や陥没乳頭の場合は、さらに奥まで赤ちゃんにしっかりと含ませて吸いつかせるようにしてくださいね。
母乳の飲ませ方について、どうやったいいのかな? これであっているのかな?と気になる方や、もう少し詳しく知りたい方は
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赤ちゃんが母乳を飲み終えて乳頭を口から離したら、乳頭の形をチェックしてみましょう。乳頭がまあるく、まっすぐになっていれば、赤ちゃんが上手に乳頭を口に含んでいたことがわかりますよ。
頑張っても赤ちゃんが上手に飲めていないと心配になる時には、桶谷式母乳育児相談室で乳房管理法の手技を受けてみてくださいね。おっぱいを飲みやすい状態にすることができますよ。
「おっぱいが出ない」「おっぱいが痛い」「赤ちゃんがおっぱいを飲んでくれない」「ちゃんとおっぱいが出ているか不安」という悩みを抱えたママたちに、乳房をやわらかくしておっぱいをスムーズに出す、独自のマッサージを行う全国約400の桶谷式母乳育児相談室。授乳や搾乳の指導も行っているので、以下「OPPA!」 から気軽に相談できますよ。
桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。
第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。
また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。
現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ後進達によって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士の育成、母乳育児支援活動を行っています。現在の会員数は550名。全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で皆さまの母乳育児をサポートしています。
イラスト/いいあい