babycoオンラインコンテンツディレクターであり、雑誌・書籍の編集者。カナダで短期大学、映画制作専門学校卒業後、新聞記者、ラジオDJ、TVドラマの編集など多様な分野の知識を得て帰国。帰国後は雑誌編集を中心に活動し、広告案件においても企画・コンセプト立てから担う。ライフスタイルを得意とし育児媒体には20年携わっている。
babyco編集部アンケートに寄せられたママたちのお悩みに、3児のママでもあるズボラ主婦連盟代表のあな吉さん的解決を教えていただきました!
たくさんのママからお寄せいただいたお悩みをみてみると、それを解決するにはまずママ自身の意識改革が必要かな? と感じました。
いまがんばって育児をしているママ、ぜひ今回のあな吉流解決法を参考にしてみてくださいね。
浅倉 ユキ(通称あな吉)先生
料理研究家・時間管理術研究家、アナザーキッチン株式会社代表取締役、全日本ズボラ主婦連盟代表理事
2004年の活動開始より一貫して「主婦のストレス値を下げる」をモットーにさまざまなサービスを提供。9年間で『あな吉さんのゆるベジ10分レシピ』(河出書房新社)、『あな吉さんのゆる家事レッスン』(筑摩書房)、『あな吉さんの、主婦のための人生が輝く!手帳術』(主婦と生活社)など、書籍28冊を出版。
A:とにかく今回は最初にこのご質問にお答えしたかった!
まず、どんなママにもお伝えしたいのが「がんばる必要なんてない、がんばっちゃだめ♪」ということです。
だって、がんばってしまったらその時点でズボラじゃないじゃないですか。
「がんばってやらなきゃいけない」と思うと、余計に家事が面倒になってしまいますし、ママにとって苦痛になってしまうんです。
ガンバリストは卒業しましょう。がんばらないでできる範囲でいいんです。
先輩ズボラーは、家族に「しょーがないな〜」って思ってもらえたら勝ち!って思っているんですよ。
がんばっているママよりも、笑顔でいられるママを目指しましょう!
今回は、この考えをベースにこの後もお答えしていきますよ。
A:ワンオペでどう乗り切れば? というママは多いんです。
でも、ワンオペで一時的に乗り切ってしまったら、本当にあとでしんどくなってしまうんですよ。「もうやっていられない!」と感じてしまうときが必ず後々やってきます。
だから、最初に結論を言ってしまえば「ワンオペでのりきっちゃダメ」なんです。
「ワンオペで乗り切らない」「弱音ははけ」ということなんですね。
このママは、お料理が苦手なこともプレッシャーに感じているようですが、
お料理だって、気が向いた時だけすればいいんです。無理に作る必要はないんですよ。しんどかったら、料理をしなくてもいいと思います。いまの時代、自分で料理を作らなくても食事をする方法はあるんですから。
A:だんなさんにも育児に参加してもらいたいなら、しんどいときは「しんどい」と伝えるようにしましょう。
これは、育児に参加してもらいたいかどうかに限らず、パートナーとして自分のことをわかってもらうために必要なコミュニケーション。
ママがひとりでがんばりすぎないことこそが、夫婦のためにもなるんですよ。だんなさんにも頼りながら、一緒に育児をしていきましょう。
だんなさんの多くは、「手伝う気持ちがないのではなく、何を手伝ったらいいかがわからない」だけなんです。
ですから、頼るときにも具体的にやってもらいたいことを伝えられるといいですね。
とはいえ、その具体的なことが思いつかないほど育児や家事でいっぱいいっぱいになってしまっているときもありますよね。そんなときは「一人で抱えきれないよ、しんどいよ」と気持ちを素直に伝えるだけでも十分。それがきっと二人の第一歩になりますよ。
最初の質問の「どうがんばってズボラをすれば?」というママのお気持ち、実はとってもよくわかります。育児や家事はやることがいっぱいでどこから手を抜いたらいいかわからないものなんですよね。
ですから、ここからは、ズボラ家事の具体策をご紹介していきましょう!
今回はお料理についてフィーチャーします。
A:1品1品作ろうと1日何度もキッチンに立っていたら、本当に大変ですよね。ましてや赤ちゃんのいるご家庭では、なかなか赤ちゃんから目が離せなくて長時間キッチンに立っていられないものです。
ですから、一度に何品かまとめて作る方法を取り入れるといいですよ。
たとえば、同時にパパママご飯2品と離乳食や幼児食を作れる時短技があったらママたちがらくになるのでは? と考えてレシピを作ってみました。
長時間キッチンに立っていられない、赤ちゃんの育児中ママにもできる5分+5分+5分の合計15分で2品と離乳食(または幼児食)を作っています。
こちらでご紹介しますので、あわせてみてみてくださいね。
Click▶︎パパママご飯2品と離乳食(幼児食)
この方法だと離乳食や幼児食もらくちんにできるようになります。
A:前出でご紹介した、1回の調理で何品か作る方法を応用して考えるといいですよ。
たとえばお野菜を茹でたり炒めたりするときも、1食分を茹でるのではなく多めに茹でてしまうんです。茹でたお野菜を2つに分けて2種の味付けをするだけで2品作れますよね。
大きなお鍋なら3品分を一度に加熱してもいいですよね。
これでお野菜を洗う時間も、茹でる時間も短縮できる "時短技" になるんですね。
↑こちら↑ でご紹介している電気圧力鍋のレシピは、その "時短技" を使っています。
電気圧力鍋は加圧時間のことを考えてレシピをみながらじゃないと使えないと思っているママもいるみたいですが、
「材料別の加圧タイム早見表」といったものを参考にしながら素材に火を通してしまえば、いろいろな「同時に2品」に応用できますよ。
電気圧力鍋は、電気だから炊飯器のようにスイッチひとつで調理ができちゃうのが、育児におわれているママにおすすめしたい理由です。
A:わざわざ離乳食を作ると考えると大変なので、「取り分け離乳食」を基本にしていきましょう。
取り分け離乳食で気をつけたいのは、味付けのタイミングです。
大人用の調味をする前の段階、茹でたり炒めたりして素材に火が通ったら、先に取り分けるようにしましょう。離乳食だったらなるべく調味料を使わずに素材の味を大事にして。濃口ではなくうす味で育ててあげましょう。
幼児食の場合も、大人と同じ調味では味が濃すぎてしまいますから、離乳食と同じように取り分けてから味付けを。
今回ご紹介しているパパママご飯2品+離乳食(幼児食)でも、取り分け離乳食作りの方法を取り入れているので参考にしてみてくださいね。
さて、ズボラズボラと言ってきましたが、最後に「どうしてがんばっちゃいけないか」の裏付けとなる情報をご紹介しておきますね。
「ジェンダーギャップ指数(The Global Gender Gap Report 2021)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
男女の格差を測る指数なんですが、世界各国の状況をランキングにしたものが毎年世界経済フォーラム(WEF)から発表されています。
日本は153カ国中120位(※)で、先進国で最下位なんです。
※参照 男女共同参画局2021年5月号
これはどういうことかというと「経済」「政治」「教育」「健康」の4つの分野において、男性と女性の格差が大きいということなんですね。もっとはっきり言ってしまうと「不平等」という言葉が使われて指標が表されたりしています。
そのことをもっとママは知っておいていいと思います。いまこの社会が当たり前なのではなく、よりよい社会にするにはどうすればいいか? 小さな社会=家庭のなかからまずは向き合えますよね。その積み重ねで、ママたちがいま抱えている負担がお子さんが親御さんになる時代には変わっているかもしれません。
これって、いま話題になっているSDGsにも通じるところです。
だから、ズボラって本当に悪いことじゃないんですよ。
アメリカ人女性の1日平均家事時間は約5時間、日本人女性は平均7時間以上です。
あと2時間はさぼってもいいんだ、と思ってみませんか?
ママのための、ママの悩みを、なんて言っているとそれもいまの時代にはあわないのかもしれませんが、
こうしたジェンダーギャップのことをふまえて、あえて今回は「ママを応援したいなー」という思いでご回答させていただきました!
一度で2品+離乳食(幼児食)レシピ、ぜひご活用くださいね。一緒に家事時間を減らしましょう。
育児の悩み、家事の悩み、はたまた夫婦の悩みやママ友同士のことなど。どんなお悩みもこちらへお気軽にお寄せください。あな吉先生をはじめ、専門家の先生やbabyco編集部でお答えしていきます!