パパ・ママのうたいかけが子どもの感受性を豊かに!
うたは気持ちを通わせるコミュニケーションの手段
あかちゃんの聴覚の発達は五感の中では比較的早いと言われていて、生まれて間もない頃から音に反応します。
誕生前後からママやパパの声を聞き分けることができますが、首がまだ座っていないねんねの頃は反応がわかりにくいものです。
だんだんと成長して、表情が出てきたり手足を自分の意思で自在に動かしたりできるようになると、音への反応もわかりやすくなります。
実験では「あかちゃんの心拍数がいちばん落ち着くのはママのうた声」ということがわかっています。
初期の頃の言語は音楽的なものがあったと言われていますし、まだ言葉が話せないあかちゃんはママやパパの楽しげなうた声を聞くと安心するのでしょう。
赤ちゃんを楽しませたり、気持ちを伝えるコミュニケーションに、うたいかけをしてみましょう。
1歳、2歳になってからも、いろいろな音楽体験をすることは音への感受性を豊かにします。
うたいかけのコツ
どのようにうたいかけると赤ちゃんは心地いいのでしょう?
声掛けも抑揚をつけて
赤ちゃんや幼児に向かって話す時の高い声で抑揚がついた話し方を、専門的な言い方で「マザリーズ」と呼びます。
ママやパパがやさしく語りかけてくれると、赤ちゃんはそちらを見て、とても心地いいのだと思います。
普段から歌いかけるように話しかけしてみるのもいいでしょう。
メロディに合わせて聞き取りやすく
メロディに合わせて、赤ちゃんが聞き取りやすいようにうたいましょう。
生後半年までの赤ちゃんでも、音の高さとリズムをちゃんと聞き取ることができますし、生後7~8ヶ月くらいになると意味はわからなくてもうたの中で繰り返し出てくる単語を音として受け入れます。
楽器も一緒に奏でて
つかんだり、たたいたり、息を吹きかけることができるようになったら、太鼓やラッパなど、うたと一緒に楽器を奏でるのもいいですね。
マネのしあいっこは共感性を育てます。
オノマトペ
繰り返しも大切です。オノマトペはマネしやすくて◎。
「おもちゃのチャチャチャ」の♪チャチャチャ♪や♪ケロケロクワクワ♪、♪ニャンニャンニャニャ~♪などは発音もしやすいです。
1歳頃になるとリズムにのって徐々に声を出せるようになるので、赤ちゃんにとって喜びになります。
先生!教えて
1日中音楽を流している方がいいの?
低月齢の赤ちゃんにテレビをずっと見せ続けると、刺激を受けたくなくてもずっと受けてしまう状況があるのでよくないと言われています。
心地いい音楽はいいけれども、あまり大きい音で1日中かけっぱなしにしていると、聞き流したりやり過ごす子どももいます。
静かな時間と楽しい賑やかな時間のメリハリをつけてあげてください。
監修:梶川祥世先生
玉川大学リベラルアーツ学部 教授/脳科学研究所 専門:発達心理学
「音声コミュニケーション」という大きなテーマのもと、赤ちゃんが音を聞きとり理解する仕組みの発達と周りの大人からの働きかけが赤ちゃんの発達をどうように促すかということに関心を持っています。
ことばの発達、言語と音楽の関係、母子間音声相互作用などについて研究を行っています。二児の母。