「保育園行きたくない」保育士直伝!登園拒否の理由と対処方法

登園拒否の理由と対処方法
2022/04/30 2024/01/14 兎本 兎本

「保育園行きたくない!」と泣かれてしまうと、かわいそうに感じて胸が痛みますよね。
忙しい朝にぐずられてしまうと、イライラしてしまうこともあるかもしれません。
筆者が保育士をしていた当時、「愛情が足りないんでしょうか」と相談されたこともありますが、決してそんなことはありません。
この記事では、子どもが「保育園に行きたくない」と言う理由とそれぞれの対処方法をご紹介します。

理由別:ママ・パパにできる対処法

子どもが「保育園に行きたくない」と言う理由はさまざまで、ママ・パパが対処できる理由もあります。

もちろん保育士に相談すると対処方法を一緒に考えてくれますが、ママ・パパも対処方法を知っておくと、心に余裕をもって子どもと接することができますよ。

体調不良

体温チェック

「保育園行きたくない」と子どもが言いだしたときには、まずは体調不良を疑ってみてください。

元気そうに見えても、子どもは体調が悪いことがあるのでチェックしておきましょう。

子どものこんな体調をチェック
・検温(37.5℃以上ある?)
・顔色はどう?(白い、火照っているなど)
・腹痛の様子は?(おなかは張っていないかな)
・お通じの状態は?(便秘・軟便など)
・中耳炎の可能性は?(耳を気にしていないか)
・アレルギーは出てないかな?(発疹などがないか)

 

子どもは自分の体調不良を言葉で言い表せずに、「保育園行きたくない」という言葉で伝えている可能性があるからです。

検温をしたり、顔色を確認したりして、いつもと違うところがあるときは、お仕事を休むのは大変かもしれませんが、無理に登園させないという選択肢もあります。

お別れがさみしい

ママ・パパとの朝のお別れが急にさみしくなってしまうことが、子どもにはあります。

泣く我が子を置いて行くのはつらいかもしれませんが、保育士に子どもをあずけたら、潔く

ちゃんとお迎え来るからね!
 

と言って早めにバイバイしましょう

ママ・パパが見えなくなると、、けろっと気持ちを切り替えて遊びだせる子は多いです。

泣き続けてしまう子も、保育士が遊びに誘うと気持ちを切り替えられる子がほとんどなので、安心してくださいね。

お休みが楽しかった

長くお休みをした後にありがちな保育園に行きたくなくなってしまう理由が「お休みが楽しかった」というものです。

お休みの日を楽しく過ごすと、子どもはママ・パパの傍を離れることが、いつもよりもさみしく感じられてしまいます。

こういうときには、

お休みは楽しかったね
 

子どもの気持ちに共感をしてあげてください。

「うちの子はまだ小さいから、言っても伝わらないかも」と思うママ・パパもいるかもしれませんが、子どもは自分が話せなくても大人がなにを言っているかは、1歳ごろにはニュアンスでわかるようになっています。

「またお休みの日にはたくさん遊ぼうね」

と約束をして、子どもを保育士にあずけたら、泣かれてしまっても仕事に向かって大丈夫です。

保育士が子どもの「ママ・パパと一緒にいたかった」という意識を他のところに向けて、すぐに泣きやませてくれますよ。

安心してお仕事に向かってくださいね!

2歳〜3歳ならイヤイヤ期かも?

すべてがイヤなイヤイヤ期。

もちろん保育園に行くことだってイヤになってしまうことがあります。

「保育園行きたくない!」という子どもの気持ちを「そうなんだね。行きたくないんだね」と受け止めてあげてください。

ママ・パパが気持ちを聞いてくれたというだけでも、子どもはだいぶ満足します。

それでもどうしても行きたくない!というときには、手におまもりのイラストを描いて登園させるママ・パパもいます。

子どもの手の甲に好きなキャラクターの絵を小さく描いてあげてください。

子どもはさみしくなったときに、その絵を見て元気を出してくれるはずですよ。

下の子が生まれた

下の子が生まれたときに赤ちゃん返りして、「保育園行きたくない」と言う子もいます。

ママ・パパの気を引きたくて、わがままを言ってみている試し行動のひとつなので、そういうときには子どものことをギューッと抱きしめて思い切り甘やかしてあげてください。

きょうだいの子育てで上の子の心のケアは重要です。

ママ・パパの「大好き」という気持ちを日々子どもに伝えることで、保育園に行きたくないという子どもの試し行動も少しずつなくなっていくはずですよ。

\きょうだいの子育て特集はこちら/
CLICK▶︎きょうだいの子育て、子どもの気持ちにどう寄り添う?|ママ・パパの気持ちが軽くなるきょうだい子育て

おうちでやりたいことがある

出かけ際に遊んでいた子どもに「保育園行くよ」と声をかけると、「行きたくない!」と泣かれてしまったというのは、よくある理由です。

遊びを中断されてしまうと、どうしても気持ちがその遊びから離れられず、保育園に行く気にならないことがあります。

そうならないように、家を出る時間に余裕を持って

これが終わったらおしまい
 
時計の長い針が6になったらおしまい
 

など、遊びを終えるタイミングを約束しておきましょう。

子どもも納得して遊びを終えて保育園に行くことができるので、うまくいったというケースも多かった方法です。

 

保育士に相談した方がいい理由

保育士に相談

子育ての悩みに寄り添うことも保育士のお仕事のひとつ。

どんな悩みでも保育士に相談してOKなのですが、子どもの登園拒否は保育士に相談した方がスムーズに解決する場合があります。

友だちとの関係

保育園に行きたくないと言う子どもから、

「○○ちゃんと遊びたくない」「○○ちゃんがヤダ」

などの言葉が出てきたときには、保育士に相談してみてください。

もしかすると前日に喧嘩があったかもしれないですし、大人にとっては大したことではなくても、子どもにとっては深く傷つくようなことが保育園であったかもしれないです。

保育士はクラスの子どもたちを見守っているので、友だちとの関係修復にも協力してくれます。

保育士に子どもの抱えている悩みを伝えておくことで、保育士も気をつけて対処することができるので、まず保育士に相談してみましょう。

環境の変化

クラス替えや担任の変更、新しいお友だちとのかかわりなど、保育園で環境の変化があると、子どもが登園を嫌がることがあります。

繊細な子どもは棚の位置が変わったり、行事の練習がはじまったりなどのちょっとした環境の変化でも、保育園への登園を拒否することも。

保育士に相談しておくと、保育士も気をつけてその子の心のケアができるので、子どもも安心して保育園に通えるようになるはずです。

保育園で苦手なことがある

保育園は集団生活の場なので、苦手なこともしなければいけないことがあります。

たとえば好き嫌いがある給食や眠れないお昼寝などが、保育園に行きたくない理由だったことも実際にありました。

保育園生活に苦手なことがある場合は、保育士と相談して対応方法を変えてもらうことも、保育園に楽しく通ってもらうための手段のひとつです。

好き嫌いがあるなら無理に食べなくていいことにする、お昼寝がイヤならお昼寝時間は事務仕事をする保育士が傍につくようにする、などの対処をしてもらえます。

理由がまったくわからない

子どもが保育園に行きたがらない理由が、まったくわからないというときには、保育士に相談してみてください。

保育士は日々多くの子どもとかかわっているので、「もしかしてコレかも」という登園拒否の理由の引き出しを多く持っています

その子に応じた対処方法を一緒に考えてもらうことで、ママ・パパの心もラクになるはずですよ。

 

保育園に行きたくない!というときのNG対処方法

NG対処方法

「保育園に行きたくない」とぐずる子どもを保育園に行かせるのに、朝から疲れ果てるということもありますよね。

保育士に相談して対処していく方法が一番ですが、避けた方がいい対処方法もあります。

理由を聞かずに保育園に引っ張って行く

時間のない朝にぐずられてしまうと、思わず保育園に引っ張ったり抱えたりして行ってしまうこともありますよね。

ですがこの対処方法は、保育園にマイナスのイメージを与えてしまいかねません。

朝の時間が忙しいのはとてもよくわかるのですが、まずは深呼吸してママ・パパ自身の気持ちを落ち着かせてから、子どもに「どうして行きたくないの?」と聞いてみてください。

理由を教えてくれるかもしれませんし、理由を言葉にできない子もいるかもしれません。

理由を教えてくれたら、保育士に相談して対処することを伝えて、できるだけ子どもが納得する形で保育園に連れて行きましょう。

理由を言葉にできない場合は、

今日は行きたくないのね
 

と気持ちを受け止めたあとで、

ママ・パパもお仕事をがんばるから、○○ちゃんも保育園でがんばって待っててね
 

とやさしく声をかけてあげてください。

子どもの感情に引っ張られて、カッとなってしまうと、よりヒートアップしてしまうことがあるので、できるだけ落ち着いた気持ちで接してみてくださいね。

嘘をつく

登園拒否に悩んだママ・パパの中には、

お買い物に行くからね
 

と嘘をついて保育園に連れて行くママ・パパがいます。

そのようにして保育園に到着した子どもは昇降口で大泣きというパターンも。

子どもはどんなに小さくても、ママ・パパのことを信じています。

そんなママ・パパに嘘をつかれるということは、子どもにとって、とてもショックなことです。

ぐずる子どもに悩む気持ちはわかるのですが、嘘はつかないであげてくださいね。

怖がらせる

保育園に行かないとおばけが来るよ
 

と怖がらせてしまうと、子どもは保育園に行くときにマイナスなイメージを持って行くことになります。

ほぼ毎日行く場所である保育園には、ポジティブなイメージを持って行ってほしいですよね。

怖がらせるのではなく、保育園を楽しみに思ってもらった方が、子どもは保育園生活を楽しく過ごすことができます。

おすすめな方法は、保育士に子どもの保育園でしか遊べない好きな遊びや仲良しの友だちの名前を聞いておくこと。

「保育園であの遊びしようよ」「仲良しの○○ちゃんと遊びに行こう」と声をかけると、子どもの意識が楽しい方向に向くことがありますよ。

保育士と二人三脚で子どもの楽しい保育園生活を

子どもが「保育園行きたくない」と言いだしたときは、きっと理由があります。

日々子どもを見守っている保育士にしかわからない理由もあるかもしれないので、遠慮せず相談してみてください。

保育士は一緒に対処方法を考えてくれますよ。

またお仕事の都合にもよりますが、子どもが保育園を嫌がるときには、たまには休ませるのもありです。

「甘やかしすぎかな」と思うママ・パパもいるかもしれませんが、そんなことはありません。

ママ・パパと楽しく過ごして心のエネルギーをチャージできたら、次の日には楽しく元気に保育園に行ってくれることもあります。

このお休みをするときに保育士に「保育園に行きたくないみたいなんです」と打ち明けておくと、保育士も理由や対処方法を考えておいてくれるはずです。

子どもが楽しい保育園生活を送るためには、ママ・パパと保育士の協力が必須!

登園拒否は家庭内でのみ悩まずに、保育士にもぜひ相談してみてくださいね。

 

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