総合病院と個人産院の出産・入院編〜コロナ禍前と後、総合病院と個人病院でどう違う?

総合病院と個人産院 どちらを選ぶ
2022/06/13 2023/05/30 やまもと鞠 やまもと鞠

新型コロナウイルスの長きに渡る流行により、妊婦さんやそのご家族は、緊張する日々が続いている事かと思います。
初めて妊娠された方はもちろん、二人目以降の妊娠だという方も、以前との状況の違いに困惑されているのではないでしょうか。
筆者自身も、4歳差兄妹の出産事情はコロナ前と後で大きく異なるものでした。
ここでは、総合病院と個人病院の両方での出産経験をもとに、新型コロナ前と後の違いも交えながら、前回の『産院の選び方・通院編』に引き続き『出産・入院編』としてご紹介させて頂きたいと思います。

『産院の選び方・通院編』はこちら

ここが違った!入院準備

出産準備

総合病院▶︎コロナ前
個人病院▶︎コロナ後
の出産経験をまとめていきます。

 

まず入院準備についてです。

いつ陣痛が来ても安心なように、あらかじめ入院時持参するものを用意しておくよう病院から指示があるかと思います。

病院指定のお産セットを購入する場合もあれば、自分で一から用意しなければいけない病院もあるかもしれません。

筆者の場合、どちらの産院もお産セットを購入する形で、それ以外のものは個別に用意しました。

その違いとして、
総合病院ではタオル等のレンタルがありました。
個人病院ではレンタルはなく、ナースステーションでの自費購入のみでした。

また、購入できるものもお産パッドやナプキン等の消耗品のみで、ママのパジャマやタオルなどはすべて持参する形でした。

特に個人病院ではコロナ禍ということもあり、荷物の受け渡しも制限されていたので、足りないものが出ないよう多めに着替えやタオルを持って行きました。
ですが、総合病院と違って洗濯機と乾燥機の使用が自由だったので、なんとかあるもので事足りました。

もちろん、病産院によって洗濯機などの設備は異なりますから事前に確認が必要ですし、産後に洗濯を自分で行うのが大変と感じる方や、洗濯機を共有するのが気になる方は、余裕をもって荷造りするといいかと思います。

また一番大きな違いとして、総合病院はコンビニと売店が併設されていましたが、個人病院は自動販売機があるのみでした。

ぜひ入院予定の病院の設備をチェックしてみて下さい。また、コロナ禍での出産・入院は常にマスク必須でしたので、併せて忘れずにいたいですね。

出産に必要なものは病院で買える?

主に必要だった物の違いを表にしてまとめました。病院によるところが大きいかとは思いますが、参考になれば幸いです。

  総合病院 個人産院
お産セット 有り 有り
売店 有り 無し
パジャマ ワンピースタイプ有り
ズボンのみ持参
持参
スリッパ 持参 持参
ティッシュ 持参 有り
タオル 持参
(レンタルも可)
持参
食事道具
(箸など)
持参 有り

※筆者が利用した病産院の一例

どんなものが必要か?
入院準備品についてはこちらのリストも参考にしてみてください。
CLICK▶︎最低限揃えておきたい入院準備品

CLICK▶︎リップクリームから使い捨てカイロまで、入院生活にあってよかった!のお役立ちグッズ

 

お産の違い3点!

新生児

筆者は第一子・第二子ともに自然分娩での出産でした。なので自然分娩を経ての違いのみになってしまいますが、以下の点が総合病院と個人病院では大きく違いました。

分娩スタイルの違い
・総合病院では足を固定して仰向けで出産
・個人病院ではフリースタイル分娩で、足の固定無し
会陰切開の有無
NICUの有無

これらの違いを具体的に書いていきたいと思います。

 

総合病院と個人病院の分娩スタイルの違い

まず総合病院では、分娩台に乗り仰向けで出産する形でした。
ドラマなどで見かける姿勢でそうなることは予測していましたが、出産直前に急に台が上がり足を固定されたため、それまでの姿勢と違い上手くいきめず大変な思いをしました。
また身体が硬かったこともあってか、最終的に脚をつりながら出産することになってしまいました。しかも助産師さんの手がふさがっていたため、脚をマッサージしてくれたのは立ち会っていた夫!! 出産直後の状態を正面から見せてしまい、とても申し訳ない気持ちになりました。胎盤が出てくるところもしっかり見えたそうです。

そんな経緯があったため、第二子出産時の個人産院ではフリースタイルという点にとても惹かれていました。
出産が経過するごとに助産師さんが楽な姿勢に誘導してくれ、横向きなど形を変えながらいきむことができました。最後は今回も仰向けでの出産でしたが、足を固定されなかっただけでも気持ちが楽でした。

個人産院の方はホームページにフリースタイル分娩を謳っていたので、あらかじめ出産予定の病院の分娩方法を確認するのもいいかと思います。

またコロナ禍前後という点では、今では多くの病産院でマスク必須の出産でした。立ち会いについては病院によって方針が違うところが多いようなので(2022年6月現在)、事前に確認しましょう。

 

会陰切開する?しない?

総合病院での第一子出産時は、医師による会陰切開が行われました。

筆者の場合、切開時の痛みは感じませんでしたが、出産直後の縫合はとても痛かった記憶があります。
また、産後は傷口の痛みに悩まされ、1ヶ月検診直前まで痛み止めを服用しました。それでも裂けてしまうより綺麗に切ってもらった方が楽なのであろうと、なんとなく解釈していました。

対照的に第二子出産時の個人病院では、前述の分娩スタイルに加え、会陰切開は基本的にはしないという方針がありました。切らないと裂けてしまうのでは…という不安がありましたが、二人目だからか裂けることなく降りてきてくれました。

すると、

縫った傷口がないだけでこんなに楽なのか!!
 

というくらい、産後の回復の早さが違いました。

第一子の時と違い、ドーナツクッションがなくても出産当日から椅子に座れたくらいです。

必要に応じて行われるであろう会陰切開ですが、もし怖いと感じる場合はあらかじめバースプランに記入をしておくなど、事前に相談・確認しておくのもおすすめです。

\関連記事/
CLICK▶︎バースプランから産院を考よう! 産院選びは何を優先させる?

 

息子がNICUに入院して…

総合病院で出産した第一子の息子は、出産直後に呼吸が上手くできず、ときどき息をすることを忘れてしまう周期性呼吸という症状がありました。産声も弱々しく、とても心配になりました。

しかし総合病院で設備がととのっていたこともあり、すぐNICU(新生児集中治療室)に入院させてもらえました。

保育器に入りすぐには面会もできませんでしたが、同じ病院で処置をしてもらえているということがとても心強かったです。
これがNICUのない病院で、搬送先がすぐ見つかっていなかったとしたら…と考えると、今でも恐怖です。

結果、早めの対応が功を奏し、翌日には保育器を出て、退院前日には母子同室も叶い、一緒に退院することができました。

なので第二子出産時も、同じ病院で出産を…とも考えましたが、新型コロナの感染リスクを考え、近くに別の総合病院がある個人産院を選びました。
結果第二子は何事もなく安産でしたが、やはり大きい病院ならではの安心感があると感じた出来事でした。

\NICUについては、こんな記事も参考に/
CLICK▶︎NICU(新生児集中治療室)入院から退院までの26日間のこと

 

入院生活の違い3点!

赤ちゃん 産院

次に入院中の過ごし方についてです。

こちらでは、

大部屋と個室の違い
入院費用の比較
その他の違い(退院後の話)

についてまとめていきたいと思います。

 

大部屋にする?個室にする?

入院生活の違いとしては、
総合病院では個室か大部屋が選べた
個人病院はもともと個室のみ

第一子の時は金銭面を考え大部屋を選択しましたが、やはりゆっくりできるのは個室だったと感じました。
その点、最初から個室しかない産院では、部屋ごとの差額分を考えることなく、一人でゆっくり休めたことが大きかったです。

また、総合病院ではリスクの高い妊産婦さんがいたり、筆者のように赤ちゃんがNICUにいたりするなどといったことがあったからか、大部屋でもママさん同士会話をすることがありませんでした。
対照的に個人病院では、コロナ禍ではありましたが授乳室は和気あいあいとした雰囲気で皆さん会話をされていた印象でした。

どちらがいいかは、ママさんの性格にもよるかもしれませんね。

 

費用の違い・自費で支払うのはいくらくらい?

入院費の支払いについては、どちらの病院も直接支払制度を導入していたので、出産育児一時金42万円からはみ出した金額を支払う形でした。

出産育児一時金とは?
CLICK▶︎手続きはいつ、どこで?直接支払制度ほか、体験談と一緒にわかりやすく解説!

 

直接支払い制度を利用した結果、

総合病院では8万円の支払い
個人産院では10万円程度の支払い

となりました。

イメージとしては、総合病院のほうが費用が安い印象のある方が多いかもしれませんが、実際は2万円の差でした。

ただ筆者の場合、8万円の中に
・深夜に出産した分の加算
・土日分の入院費
・NICUの入院費
が含まれていることもあったので、他の方はもう少し安かったのではと思います。

また、入院日数も個人産院より総合病院の方が一日長かったということもあるかと思います。
個人産院は部屋のグレードによる差がなかったのと、平日のみの入院だったためこの金額でした。

大きな金額が必要になるため、入院予定の病院のホームページ等を事前に確認しておくことをおすすめします。

 

その他の違い〜退院後のケア〜

その他の違いとしては、どちらの病院も母乳育児を推奨していましたが、総合病院では産後のケアまでは行っていませんでした。
反対に個人病院では、桶谷式マッサージを行う助産師さんが常駐されていて、産後も母乳外来に通うことができました。

筆者は乳腺炎になりやすい体質なので、とても助けられました。またこちらの産院では、第一子の卒乳指導でもお世話になりました。

長く通うことを考えると、最初の出産時も、初めから母乳外来のある病院を探しておけばよかったのかもしれないと感じています。

 

安心して出産に臨めますように!

いかがでしたでしょうか?

この記事はあくまで体験談ですが、二人の子どもの出産を通して、総合病院と個人病院、どちらの良さもあったと筆者は感じました。
長引くコロナ禍はもはや日常のようになってしまいましたが、妊婦さん方の不安は変わらずだと思います。 筆者も無事出産を終えるまでとても不安でしたが、立ち会い出産や面会ができない中でも、病院の先生や助産師さん方の温かさに助けられました。

みなさんもいい病院に巡り会え、安心して出産に臨めることを祈っています!

 

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