元高校教員で、現在はフォトグラファー・ライター。 3歳の娘を育てる父で、子どもの顔写真を毎日撮影するプロジェクトを実行中。 ブログ『23時の暇つぶし』 では、娘の成長記録をパパ目線で発信。
元高校教員で現在フォトグラファーの僕が、パパの目線から子育てについて考えていく連載『宗玄さん家の普通だけれど特別な日々』。
第5回目は「父親学級で教わった沐浴(もくよく)」をテーマに、宗玄さん家の実例を交えてお伝えしていきます。
赤ちゃんの育児で一番最初に不安を感じたのが、沐浴でした。
沐浴は、赤ちゃんをベビーバスでお湯に浸けてあげることです。
生まれたばかりの赤ちゃんはウイルスに感染しやすいため、お風呂は
大人と一緒の浴槽ではなく清潔に保たれたベビーバスを使って入れてあげることが必要です。
と思った新米パパママも、ご安心を!
今でこそこんな風に子育てを語っていますが、ここだけの話、僕自身も赤ちゃんと一緒にお風呂に入りながら体を洗うものだと思っていました(笑)。
赤ちゃんの沐浴は具体的にどんな手順で、なにに気をつける必要があるかなんて、全く知らなかったんですよね。
なので、調べてみてビックリ。
赤ちゃんは肌が弱いので赤ちゃん専用のベビーソープを使ったり(!?)
体温を保ちにくいため湯冷めしないように沐浴布(ガーゼ)をかけながら体を洗ったり(!?)
背中を洗うときは片手一本で赤ちゃんを支えながら裏返したり(!?)
と、知らないことがたくさんありました。
Youtubeで「沐浴」と検索して動画を見て調べてみたのですが、どれも親御さんや看護師さんが簡単そうに沐浴させている映像ばかりで、どうにも自分ができる気がしない…。
連載第2回目の記事「どうしたら夫婦で育児に向き合える?」
でも書きましたが、育児の最初のハードルは「やり方がわからない」と「うまくできない」にあります。
やり方がわからなければ調べればいいし、うまくできないならば経験を詰めばいいというのが僕の信条なので、父親学級で沐浴を教えてもらえるという情報を得て、実際に体験してみることにしました。
我が家の娘は生後35週目に生まれたこともあって、NICUで1ヶ月近く入院した後に退院することになりました。
その入院期間中に看護師さんに沐浴について相談すると、
ほかにも、行政や民間のサービスで父親学級を運営しているケースがたくさんあるので、各々の在住地から
などで検索して調べてみると、体験できるところが見つかります。
さすがに父親学級まではしなくてもいいんじゃない? と思われる方!
ちょっと想像してみてください。
赤ちゃんが退院したその日から沐浴はスタートします。
退院した日に、小さな赤ちゃんを前にしてスマホ片手に調べながらやろうと思っても、なかなか難しいのが実情です。
赤ちゃんをケガなく沐浴させようと思うがあまり、余計に力が入ったり、滑らせてしまうのではないかと不安になったり、手順を思い出せなかったりと、あわてることが容易に想像できますよね。
なので、赤ちゃんが退院する前に、
◆両親学級などで沐浴を体験してみる
◆自宅でできる沐浴環境を整えて具体的にどんな手順で行うかをイメージしておく
といった準備をオススメしますよ!
それでは、実際に看護師さんに教わった沐浴方法について紹介していきます。
<沐浴させる場所の例と、それぞれのメリット>
場所 |
メリット |
---|---|
キッチン |
・シンクが広ければ高さもあって腰への負担が少ない |
洗面台 |
・キッチンと同様、シャワー機能があって場所が広ければ便利 |
風呂場 |
・すぐにお湯を使えて、濡れても平気 ・場所が広い |
僕が感じたそれぞれの特徴をまとめましたが、沐浴の場所はご家庭の環境によってやりやすい場所が異なるでしょうから、各ご家庭の実情に合った場所で行ってください。
例えば、キッチンや洗面台が広いご自宅ならば、立った状態で腰に負担をかけずに行えるのでオススメです。
お風呂での沐浴は、シャワーをかけやすいといった長所があるので、それぞれのご自宅環境に適した場所で行うといいでしょう。
ちなみに宗玄さん家では、洗面台が広くてシャワー機能があり、隣にちょうどいい高さの洗濯機があったことから、「洗面台で沐浴し、着替えを洗濯機の上にタオルを敷いて寝かせながら行う」という方法で沐浴させていました。
ベビーバスは大きく分けて2種類あって、それぞれに長所があります。
エアータイプ
軽くて扱いやすい。たためて持ち運びしやすい。
プラスチックタイプ
清潔に保ちやすい。折りたためるタイプもある。
エアータイプは空気を入れて膨らませるタイプのベビーバスです。
空気で形が変わることから、洗面台やキッチンのシンクなどで、それぞれの家庭に合ったサイズに膨らませて使うことができるものの、穴が空いたり壊れやすいといったデメリットがあります。
プラスチックタイプは洗いやすいことから清潔を保ちやすく、どっしりとした安定感があるものの、収納がしにくかったり場所が制限されるといったデメリットがあります。
どちらでも大丈夫なので、それぞれの家庭に合ったベビーバスを選んでください!
僕が教えてもらった沐浴に必要なアイテムは7点です。
環境によってなくてもいいものもあるかもしれませんが、基本的なリストです。
<沐浴に必要なもの>
◆ベビーバス
◆ベビーソープ
◆布2枚(体を洗う用と、体にかける用)
◆洗面器(小さくて可)
◆温度計(38〜40度)
◆タオル(終わった後の体拭き)
◆保湿クリーム(保湿は大事)
それでは、沐浴のやり方とポイントを手順をおって解説していきます。
<沐浴のやり方>
①お湯を溜める(夏は38度、冬は40度)▶︎温度計で計測
②大人の手を温める ◀︎確かに!この一手間が愛情?!
③布を赤ちゃんの体にかけてあげる
④赤ちゃんの耳の後ろを親指と中指で支え、抱っこする
⑤足からゆっくりお湯に入れる
⑥もう1枚の布を濡らし、顔の上から下の流れで布を使って顔を洗う。
最初は目から。おでこ→ほっぺ→鼻→ほっぺ→あごのように、数字の3を描くように顔を洗う
⑦頭を洗う▶︎ベビーソープで洗い、布で泡を拭きとる
⑧首の周り、脇の下、手、お腹まわりなど体を洗っていく▶︎体のシワ部分に汚れがたまるので、体に沿うように指先を入れて洗い取ってあげる
⑨脇の下に手を入れて、赤ちゃんをひっくり返して背中を洗う▶︎これが最初一番緊張する
⑩洗面器にいれたきれいなお湯で洗い流す
⑪タオルでくるみ、保湿クリームを体中にたくさん塗る
⑫オムツを履かせて、体を拭く
⑬耳や鼻の掃除をしてあげる
これはあくまで僕が教わった方法。
病産院によって指導が違うこともあります。
大人が不安になって大きな声を出したり自信なさそうに洗っていると、不思議と赤ちゃんはその不安感を感じとるようです。
落ち着いて「顔洗ってるよ」「温かいね」など、赤ちゃんにずっと声をかけ続けながらやれるといいですね!
Yotubeで沐浴の動画はたくさんあるので、ぜひチェックしてみてください!
我が家では、パパの僕が沐浴を担当していました。
僕自身がやってみて感じた「パパが沐浴させることのメリット」は、大きな手と腕の力があることです。
赤ちゃんは体がどんどん大きくなっていき、体重も重くなっていきます。
体重が重くなってくると、頭の部分を支える手に負担がかかってくるようになるのですが、男性の大きな手や腕の力は赤ちゃんを安定して支える助けになります。
また、沐浴はパパ、着替えはママという風に役割を分けることで、スムーズに進めることができ、赤ちゃんにとってストレスのかかりにくい沐浴ができますよね!
それぞれの家庭でお仕事の都合もあるでしょうが、赤ちゃんを沐浴させられる期間はほんの少しだけです。
娘が3歳半になっている僕にとって、娘を沐浴させていた日々は、大切な思い出になっています。
35週目で生まれてあんなに小さかった娘がこんなにたくましく育っているのかと思うと感慨深くもあります。
ぜひ、赤ちゃんが小さなときにしかできないことを、楽しみながらやってみてください!
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PHOTO/宗玄浩