離乳食のさつまいも・じゃがいも・里いも・長いも・山いもはいつから?【管理栄養士のアドバイス付き】

離乳食のいも類はいつから?
2022/08/29 2024/01/14 太田菜津美 太田菜津美

離乳食で人気の「さつまいも」や「じゃがいも」は、おなかにたまる分、ほかの食材と一緒にいつから、どのくらいの量を食べさせてもいいのか迷いますよね。
おいもの仲間である「里いも」「長いも・山いも」も含めて、いも類の食べさせ方のポイントをお話しします。

監修
母子栄養指導士
茅野 陽先生

約9年間にわたり保育園に勤務し、離乳食、幼児食、アレルギー食、食育活動に携わる。母子栄養協会講師を務め、赤ちゃんから妊婦までの食事相談なども行う。自身の子育て経験も踏まえ、働くママの負担にならないアドバイスやレシピが人気。

赤ちゃんが食べるはじめてのいも類、どうやって進めるのがいい?

● 離乳食にはじめていも類を使うときは

スーパーなどで手に入りやすいじゃがいも、さつまいも、里いも、山いも、長いものなかでは、じゃがいもさつまいも初期から食べられます。

里いもは粘りけが強く、皮フのかゆみを引き起こしやすいので中期頃を目安に。

長いも・山いもは皮の周辺に皮フのかゆみや赤みを引き起こす成分が含まれていることなどから、後期頃を目安と考えましょう。

 

いも類の種類別 食べさせ方や量の目安

いもの種類によって、赤ちゃんの食べやすさや飲み込みやすさが異なります。また、皮フの症状を引き起こす成分が含まれているおいももあります。安全に食べるためにも、それぞれのいもの特徴を知っておきましょう。

以下にお伝えする内容はあくまで目安であり、お子さんの成長によって量や形態は変わります。食べる量や時期については、その通りにきっちり合わせなければならないと思い込まず、気持ちをラクにして、お子さんの成長に合わせて参考にしてください。

 

さつまいも

さつまいもイラスト

甘みがあり赤ちゃんが食べやすい味なので、ペーストにして初期から食べられます。ただし繊維が多いので初期は裏ごしが必要です。

さつまいもの先端は繊維が多いので、離乳食では真ん中あたりを使うのがおすすめです。皮付近にも繊維が多いので、皮は厚めにむきましょう。

 

大人と同様に、赤ちゃんもさつまいもを食べるとくちの水分が奪われやすく、飲み込みづらい場合が多いです。そのため、初期は裏ごしをして出汁などの水分を足し、ヨーグルトやポタージュくらいのとろみを目安に調理するといいでしょう。

離乳食が進むにつれて、徐々にサイコロ状やスティック状の形あるものにして食べるときも、誤嚥しないために水分を一緒に摂ったり、誤嚥しない大きさに切ったりする工夫が必要です。

 

さつまいもはアクが強いので、皮をむいて切ったあとは5分以上水にさらして使います。

たくさんの品種があるさつまいもですが、基本的には、スーパーで手に入るどの種類でも大丈夫です。品種によって甘さや香り、色が異なるので、赤ちゃんの好みのものを一緒に探しても面白いかもしれませんね。

さつまいもを食べさせる量の目安

さつまいもだけを食べさせる場合は、初期であれば1食あたり1さじずつから少しずつ増量、中期であれば20〜30g、後期であれば30〜40g、完了期であれば40〜50gを目安と考えます。

主食+その他の食材+さつまいもで離乳食を準備するおうちがほとんどだと思うので、実際に使う量は上記量より少なくしましょう。

おすすめのさつまいも離乳食レシピ

CLICK▶︎取り分け離乳食レシピ「りんごとさつまいもの煮物」(初期〜)

CLICK▶︎取り分け離乳食レシピ「さつまいもサンド」(後期〜)

じゃがいも

じゃがいもイラスト

さつまいもと同様に、じゃがいももペーストにして初期から食べられます。つぶしやすく、離乳食のとろみづけにもなるので離乳食作りには最適の食材です。

 

いろいろな品種があるじゃがいも。基本的にはどの品種でも大丈夫ですが、離乳食作りにおすすめの品種は、初期なら煮崩れしやすい「男爵」や「キタアカリ」です。適度なとろみとなったり、つぶしやすいといったメリットがあります。

後期以降なら、煮込み料理と相性のいい「メークイン」がおすすめです。煮崩れしづらいので、煮物などの形ある状態にして食べさせるときに食感を楽しめます。

品種によってはボソボソと粉っぽいものもあり、くちの水分がうばわれやすく、飲み込みづらい場合があるので、初期では出汁などの水分を足し、ヨーグルトやポタージュ状を目安に調理するといいでしょう。

 

赤ちゃんにじゃがいもを食べさせるときに気をつけたいのが、芽や皮の下処理です。

芽や薄緑色の皮には、「ソラニン」「チャコニン」という天然毒素が含まれており、大人でも食中毒の原因に。これらの毒素は加熱しても取り除くことはできないので、とくに子どもの食事を作る上では
● 芽を大きめに取り除く
● 緑色に変色している部分は取り除く
ということを調理の際に心がけましょう。

ピーラーで薄めにむくと、まだ緑色の部分が残っている場合があるので、包丁でしっかりと厚めにむくのがよいです。

じゃがいもを食べさせる量の目安

じゃがいもだけを食べさせる場合は、初期であれば1食あたり1さじずつから少しずつ増量、中期であれば20〜30g、後期であれば30〜40g、完了期であれば40〜50gを目安と考えます。

主食+その他の食材+じゃがいもで離乳食を準備するおうちがほとんどだと思うので、実際に使う量は上記量より少なくしましょう。

おすすめのじゃがいも離乳食レシピ

CLICK▶︎【後期】ポテトサラダ

CLICK▶︎【後期】ほくほくポテト

CLICK▶︎取り分け離乳食レシピ「いろいろ野菜のポトフ」(後期〜)

里いも

さといもイラスト

里いもは粘りけが強く、初期の赤ちゃんには飲み込みにくいので、中期頃を目安にスタートします。

粘りけもおいしさのひとつですが、食べ慣れない間は出汁でのばすなどして、粘りが強く出過ぎない工夫をしましょう。

 

里いものクが皮フのかゆみを引き起こしやすいので、食べさせるときは赤ちゃんの体調を見ます。体調が優れないときは控えるようにしましょう。

また、皮フへの症状が気になる場合は、食べさせる前に、くちの周りに子どもにも使える軟膏をぬって保護しておくといいでしょう。

 

里いもは皮むきや下ゆでの手間がかかるので、冷凍や水煮のものを利用すると調理の負担が減ります。なかには少し硬いものもあるので、離乳食に使うときはしっかりと硬さを確認して、硬い場合はやわらかくなるまで加熱して使いましょう。

皮つきのものを扱うときは、きれいに洗ったら皮ごと茹でたり蒸したりし、皮をむいて塩で軽くもんでから調理すると、ぬめりがやわらいで扱いやすくなりますよ。

里いもを食べさせる量の目安

里いもだけを食べさせる場合は、初期であれば1食あたり1さじずつから少しずつ増量、中期であれば20〜30g、後期であれば30〜40g、完了期であれば40〜50gを目安と考えます。

主食+その他の食材+里いもで離乳食を準備するおうちがほとんどだと思うので、実際に使う量は上記量より少なくしましょう。

おすすめの里いも離乳食レシピ

CLICK▶︎【中期】【後期】【完了期】里いもとにらのお焼き

長いも・山いも

長芋・やまいもイラスト

長いもや山いもは、いろいろな食材を食べ慣れた後期頃から食べられます。

皮の周辺には、皮フに付着するとかゆみや赤みを引き起こす「シュウ酸カルシウム」などの成分が含まれています。そのため、離乳食に使う際はしっかりと皮をむき、アクを抜いて加熱することが大切です。

まずは、皮を厚めにむいて水に5分以上さらし、すりおろして加熱して使ってみましょう。完了期頃になれば、食べやすい大きさに薄くスライスして使うこともできますが、加熱することをお忘れなく!

里いもと同様に、食べさせるときは赤ちゃんの体調がいいときを選びます。皮フへの症状が気になる場合は、食べさせる前に、くちの周りに子どもにも使える軟膏をぬって保護しておくといいでしょう。

長いも・山いもを食べさせる量の目安

長いもまたは山いもだけを食べさせる場合は、初期であれば1食あたり1さじずつから少しずつ増量、中期であれば20〜30g、後期であれば30〜40g、完了期であれば40〜50gを目安と考えます。

主食+その他の食材+長いもまたは山いもで離乳食を準備するおうちがほとんどだと思うので、実際に使う量は上記量より少なくしましょう。

いも類を保存するときの注意点

いも類は、とりあえず室温で保存しておけば大丈夫と思いがちですが、

● 日光や蛍光灯に当たらない暗い場所に置く
● 保存場所の空気の通りをよくする

というのもおいしく安全に食べるための保存のポイントです。とくにじゃがいもは、光を浴びることで天然毒素を生み出すきっかけをつくってしまうのです。

また、いも類をチャック付きの密閉袋などに入れて保存すると、蒸れて腐敗を進めてしまう原因に。新聞紙に包んだり、紙袋などに入れたりして保存するようにしましょう。

保存方法

離乳食や幼児食のいも類に関するQ&A

「おいもが大好きなんだけど、たくさん食べさせても大丈夫?」「フライドポテトはいつから?」など、babycoママから寄せられたいも類に関するギモンや質問にお答えします。

Q.さつまいもやじゃがいもは皮もおいしいが、離乳食や幼児食では必ずむいたほうがいい?

▶︎管理栄養士さんからのアドバイス

いも類の皮には多くの食物繊維が含まれているので、消化の負担を考えると、離乳期の間は皮をきれいにむいて使うのがおすすめです。

とくに、じゃがいもの薄緑色の皮や芽には食中毒を引き起こす毒素があるので、しっかりと取り除くことが大切です。

また、皮についている土にもさまざまな微生物や菌が含まれているので、こうした点からも、まだまだ免疫力の低い赤ちゃんに食べさせる離乳食には、皮をきれいにむいたものを使いましょう。

皮つきで調理したさつまいもやじゃがいもを食べさせるならば、幼児食に入ってからがいいですね。あくまでも、食べ過ぎることのないように。皮を噛み切れない場合もあるので、お子さんの噛む力を見ながら食べさせてあげましょう。

Q.いも類が大好きでどんどん食べたがる。たくさんあげても問題ない?

▶︎管理栄養士さんからのアドバイス

大人でも、さつまいもの甘煮やフライドポテトを夢中で食べていたら、気づけばおいもだけでおなかいっぱい!ということってありますよね。

それだけいも類はおなかにたまりやすいので、おいも以外のものが食べられないということだけは避けましょう

偏った食べ方になると、ほかの栄養が摂れなくなることが心配なので、例えばじゃがいもをつぶして野菜やたんぱく源となる肉やツナなどを和えるなどするといいかもしれません。

Q.市販のやきいもをそのまま食べさせたり、離乳食作りに使用したりしてもいい?

▶︎管理栄養士さんからのアドバイス

やきいもはやわらかくてペーストにしやすいですし、じっくり遠火で加熱することで甘みが増すので赤ちゃんも食べやすく、離乳食にとてもおすすめ

パサついて食べにくい肉や魚などを和えても、食べやすくなります。

ただ、やきいもの甘みにあまりにも慣れてしまうと、ほかの味では物足りなくなってしまうこともあるので、毎回やきいもを使用するのは控えましょう。

Q.市販のフライドポテトはいつからOK?赤ちゃんに食べさせても大丈夫?

▶︎管理栄養士さんからのアドバイス

市販のフライドポテトは、味が濃くて食塩を多くふりかけている場合があるので、食塩の摂り過ぎなどで腎臓に負担がかかってしまいます。

また、赤ちゃんの噛む力は個人差があるので、揚げ過ぎてカリカリになり過ぎていると、咀嚼にも負担がかかります。こうした点をふまえると、離乳期は避けたほうがいいですね。

ただ、ある日の外食をきっかけに、お子さんがフライドポテトを気に入って「食べたい!」とせがむのであれば、味が濃いものもあるので少量をあげるように心がけましょう。

 

フライドポテトを食べたい際には、揚げる手間はありますがご家庭で冷凍のフライドポテトもしくは生のじゃがいもを使用しましょう。味も抑えたフライドポテトが作れますよ。

油を使うので食べさせる量には注意して、冷凍のフライドポテトか素揚げしたものを少量与えます。ホクホクした食感を活かせれば、味がついていなくてもきっと気に入るでしょう。

揚げるのが大変ならば、茹でたりオーブンで焼いたりしてもいいですね。

離乳期の“揚げもの”の考え方は、消化などの負担を考えて、基本的には完了期以降に量を考えて取り入れるほうがいいでしょう。

Q.蜜たっぷりでとても甘いやきいもをあげるとき、食べさせ方で気をつけることは?

▶︎管理栄養士さんからのアドバイス

ここ数年のやきいもブームからもわかるように、最近のさつまいもはいろいろと品種改良が行われて、糖度のとても高いものが増えていますね。

おいしいから赤ちゃんにも食べさせてあげたい!という気持ちもわかりますが、あまりにも甘みに慣れてしまうと、ほかの味では物足りなくなってしまうこともあります。

ママやパパが食べても「すごく甘いな」と感じるものは、少量を与えるか、少量をヨーグルトに混ぜて甘過ぎないようにする工夫が大切です。

一般的に手に入るさつまいもを使って素材の甘みや旨みを活かした離乳食作りを楽しみつつ、ときどき、ママもご自分へのごほうびとして、スイーツのように甘い焼きいもを親子で味わいましょう。

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