パパ遊びは赤ちゃん目線で深まる!(後編)|失敗から学ぼう!パパの子育て②

 安心・安全な環境でかけっこやごっこ遊びができ、小さなお子さんに大人気の室内遊び場「キドキド」。ここには、“プレイリーダー”という遊びのプロがいるのをご存知ですか?
 
「パパ遊びは赤ちゃん目線で深まる!」前編では、キドキドのプレイリーダーである早川健太さんに、はじめて赤ちゃんとふれあうパパへ向けて遊び方のポイントを教えていただきました。復習すると、
● 5分でも10分でも携帯を見る時間を減らすことから始めよう
● 子どもの世界に入って、その子がしていることをまねしてみよう
● パパならではのアクティブな遊びで一緒にはっちゃける!

というのが大切な点でしたね。


後編では、遊びを通して子どもが得られる心の強さややさしさ、また、早川さんの日頃の子育てのようすを伺いました♪


遊びのなかで経験したつらいことや立ち直る気持ちは、社会を生きる大きな力になる!



編集長(太田):遊びについて、気になったことをひとつよろしいですか。さっきそらくんが汽車のジオラマで遊んでいるときに、そらくんよりもちっちゃい子(1歳くらいの男の子)が、おそらく「ぼくも遊びたい」って汽車をつかもうとしていたんです。でも、その子のママはそらくんが集中して遊んでいるのを見て、子どもをジオラマからひょいっと離したんですね。ママとしては遠慮してくれたのだと思うのですが、子どもにとってどうなんでしょう?
早川さん:そらのなかでは、あきらかに自分よりちっちゃい子なので葛藤はあったと思います。「自分がつなげた汽車を取られたくないけれど、でも…」って悩んでるんじゃないかなと思いながら、そばで見ていました。こういう場面では、親は少しそっとしていてもいいんじゃないかなと思います。けがや事故が起きないように見守る必要はありますけれど、なんでもかんでも直前でとめちゃうと、成長して社会に出たときに何もできなくなっちゃう

編集長(太田):今回の場面であれば、もしその子が汽車を取って、そらくんがいやな気持ちになったら早川さんはどうするんですか?
早川さん:いっぱい葛藤すればいいって思います。ときにはガマンしなくちゃいけないことを覚えればいいし、納得できないことがあってゆずれないってことがあればゆずらずにいればいいし。おもちゃのうばい合いって、子どもにとってはつらいし悔しいと思うけれど、こういう気持ちは社会を生きていく上で早いうちに経験することが大事だと思います。
編集長(太田):おもちゃも、いっときがまんして自分のもとに戻ってくることがわかれば、「じゃあ少しだけ貸してあげよう」ってやさしくなれますもんね。遊びが社会につながってるって面白いですね。
早川さん:ぼくは、遊びは生きる力をはぐくむと思います。社会人になっても失敗はたくさんありますよ。もうだめだ…って思うような失敗も。でも、小さいころから挫折を経験しておけば、「また立ち直ろう」とふんばれる

おもちゃとスマートフォンを上手に活用しながら、子どもの世界を広げていこう



編集長(太田):早川さんはお仕事柄、知育玩具やおもちゃと深く関わっていますが、早川さんにとっておもちゃってどんなものですか?
早川さん:ぼくのなかでは、 “おもちゃ=子どもの遊びを豊かにするための道具”だと思っています。ひと昔前は、石や木の枝を使って冒険ごっこしたり、何かを見立てて基地を作ったり、そういうことで想像力をはぐくんできたんですね。ですが、公園などの数が減ってきている今、同じことをやれと言われても難しい。そういうときに、石と同じ役割を担ってくれるブロックとかが子どもには必要なんです。ブロックって、自分でカチッとはめないと何かを生み出すことはできないですよね。おもちゃを手にしたとき、子どもが自分で考えて、“やりたい”と思う気持ちが開花すると、遊びの幅がぐーっと広がると思うんです。
編集長(太田):おもちゃとは違いますが、今の時代ってスマートフォンもありますよね。ゲームのアプリがいっぱいあって、スマートフォンもおもちゃの一部みたいに見えるときがある。そらくんにとっては生まれたときから当たり前にあるものですが、そういうのはどう思われますか?
早川さん:スマートフォンは見るし、触れるし、たぶんカメラの起動もできますよ(笑)。動画サイトも見ます。もう、生まれたときからあるものは切っても切れないかなって思います。なので、そのさじ加減をうまく使ってあげるのは大事ですよね。風邪で休んでおうちにいるときや、じっとしていてほしいときには見せてあげるとかね。

ママまたはパパの姿が見えないときほど、お互いの存在をわが子に伝えてあげて



編集長(太田):今日の取材で、平日なのにキドキドには多くのパパがいらしているように感じました。パパがもっと一緒に子育てできるように、ママは何をしたらいいと思いますか? 
早川さん:夫婦で子どものことを共有することでしょうか。ママのほうが接する時間が多いと、パパは知らないことがたくさんあるので。最近はSNSや、無料で電話やメールができるアプリがあるので便利ですよね。わが家では「今日どうだった?」って連絡を取り合うようにしています。ぼくは結構出張が多くて地方に行くので、テレビ電話とかは顔が見えるから本当にありがたいです。
編集長(太田):早川さんのほうから電話するんですか?
早川さん:そうですね、短くても。だいたい、「パパなにしてんのー」「仕事だよ」「きょう、なんじにかえってくるのー」「今日は帰らないよ」って(笑)。
編集長(太田):そういうとき、そらくんは寂しがったりするんですか?
早川さん:ううん、たぶん「なんじにかえってくるのー」って妻の口ぐせだと思います。なにしてんのー、わかったー、ばいばーいって(笑)。仕事っていう認識もないでしょうし。そらが寂しがらないのは、妻がぼくの存在をよく子どもに伝えてくれているおかげもあると思います。ぼくが出張に行くと「パパは今日お仕事で○○○に行ってるんだよ」って教えたりして、事あるごとに“パパ”っていうフレーズを会話のなかに入れてくれている。すごく感謝しています。
編集長(太田):奥さまの思いやりですね。
早川さん:本当にそう思います。妻がいないときはぼくが「ママは今日お仕事でこういうことをがんばっているんだよ」って伝えてあげる。お互いがお互いに、いないときにその存在を伝え合うことで、子どもが「パパとママって仲良しなんだな、このふたりはいつも一緒なんだな」と思えることはすごく大事なので。

子育てって難しい…と感じたときこそ、パパとして成長する大きなチャンス!

 



編集長(太田):早川さんのご家族のお話を聞いていると、そらくんの存在で夫婦のきずながより深まっているのではと感じます。子育てをしていてどういうときに楽しい、うれしいと感じますか?
早川さん:うーん、ふとした瞬間に思うんですよね。例えば、歩いているときにぎゅっと手をにぎってくれると、きっと自分(パパ)だからこの子は手をにぎってくれるんだって。おでかけのときに必ず「パパとママとそらくんと」って言うんですけれど、この子3人で行きたいんだなって。子どもって正直に言うから、そういうときにこの子の親でよかったなって心から思います。
編集長(太田):では、子育てって難しいなと思うときは?
早川さん:いっぱいあるけれど、一番は時間に追われていることですね。なるべく心に余裕を持ちたいなとは思っているんですけれど、毎朝子どもを保育園に送るときは「早くごはん食べて!」って急かしちゃいますね。でも、あとあとふり返ると、もう少し早く寝かせてあげられたら朝すっきり起きられたのかもしれないとか、反省します。この子はまだ生まれて2年しか経っていないっていうのを考えると、子どものせいじゃなくて、自分も含めてたぶん親に原因があるんじゃないかって。でも、そういうときに自分を責めすぎると苦しくなっちゃうから、次はこうできたらいいな、こうしようかなって前向きに考えるようにしています。ハプニングがたくさんあっても、やっぱり子育てって楽しいです!

 

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