3学年差・姉弟の子育てに奮闘中。上の子の幼稚園入園を機に在宅ワーカーデビュー。「手に職をつけたい」と2020年からWebライターに。娘の学習机で日々執筆に励み、検索上位を多数獲得。趣味はNiziUのライブ動画視聴。ママの不安や疑問をスッキリ解決する情報を届けていきます!
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「妊娠中もチーズを食べて大丈夫?」
このようにお悩みではありませんか?
妊娠前まではとくに気にする必要のなかった食べ物でも、妊娠すると、母体の健康と赤ちゃんへの影響を考え、控えたほうがいいものがあります。
じつはチーズも、種類によっては注意が必要です。
神経質になりすぎる必要はありませんが、正しい知識を持って食材を選ぶことも大切です。
この記事では、妊婦さんでも安心して食べられるチーズと控えたほうがいいチーズについてお話しします。
「ピザのチーズはOK?」「チーズケーキは?」といった質問にもお答えしますので、最後までご一読ください。
管理栄養士。東京生まれ。明治大学第二文学部卒業。3人の子育てをしながら栄養学を学ぶ。矢島助産院で日々、妊婦さんや産後ママのための食事を担当する傍ら、企業や雑誌などで離乳食の監修やママのための食に関する講演・講習会などを各地で行う。著書に『妊娠・授乳中の気になる症状改善レシピ200』(日東書院)ほか
結論、妊婦さんもチーズを食べても大丈夫です。ただし、チーズの種類選びには注意が必要。加熱工程がないチーズを生食した場合、食中毒になる恐れがあるためです。
チーズには、大きく分けて以下の2種類があります。
● ナチュラルチーズ
● プロセスチーズ
ナチュラルチーズには、加熱工程がありません。基本的に妊婦さんは避けたほうがいいと言えるでしょう。
プロセスチーズは、妊婦さんも安心して食べられます。プロセスチーズはナチュラルチーズを粉砕し、加熱して溶かして殺菌してから成型している商品です。
製造工程で加熱処理が行われているため、リステリア菌への感染リスクがありません。
塩分が高いため摂取量には注意が必要ですが、下記のように妊娠中に摂取したい栄養を多く含んでいます。
・丈夫な体を作る「たんぱく質」
・歯や骨を健康に保つ「カルシウム」
・神経管閉鎖を予防する「葉酸」
・貧血を防ぐ「亜鉛」 など
適量を心がけて楽しみましょう。
妊娠中は、ナチュラルチーズの摂取を控えましょう。ナチュラルチーズは、酵素などで凝固させた凝乳からホエイ(乳清)を除いたり、熟成したりして作られています。
ナチュラルチーズには加熱工程がありません。食中毒の心配があるため、基本的に生食は避けたほうがいいでしょう。
例えば、下記のチーズはナチュラルチーズに含まれます。
・クリームチーズ
・カッテージチーズ
・モッツァレラチーズ
・マスカルポーネチーズ
・ゴルゴンゾーラ
・パルミジャーノレッジャーノ
・チェダー など
「ナチュラルチーズ」か「プロセスチーズ」かは、パッケージの食品表示欄を見れば判別できます。種類別名称に「プロセスチーズ」と書いてあるものを選びましょう。
種類別名称に「プロセスチーズ」、原材料名に「ナチュラルチーズ」と書いてあっても、心配無用です。プロセスチーズはナチュラルチーズを粉砕・加熱・乳化して作られているため、原材料名に記載があって当然なのです。
ピザ用チーズなど加熱して食べる製品には「要加熱」等の表示があります。食品表示欄で確認し、必ず指示に従いましょう。
妊娠中にナチュラルチーズを控えたほうがいいワケは、リステリア菌による食中毒の心配があるためです。リステリア菌は食品を介して感染する食中毒菌です。
未殺菌乳やナチュラルチーズなどの乳製品(加熱せずに製造されるもの)を摂取して感染すると、母体に影響が出る恐れもあります。
母体が重篤な症状になることはまれですが、妊娠中にリステリアに感染すると、早産や流産の原因になり得ます。妊娠中は、そうでない人と比べてリステリア菌に感染しやすいため注意が必要です。
妊娠中にチーズを食べる際は、以下のポイントに注意しましょう。
どうしてもナチュラルチーズを食べたいときは、しっかり加熱してから食べましょう。リステリア菌は熱に弱いため、十分加熱されていれば妊婦さんでも食べられます。
リステリア菌を死滅させるには、中心部分の温度が75℃以上かつ1分以上の加熱が必要です。妊娠中にそのまま食べることは控えましょう。
国産のチーズを選ぶと、より安心して食べられるでしょう。国産チーズの多くは、法令に基づいた条件で殺菌した原料乳を使用して製造しています。そのため、ナチュラルチーズでも比較的安全に食べられるのです。
ただし、パッケージに「加熱用」と記載された商品については、加熱調理を前提に設計されています。必ず加熱してから食べましょう。
食べていいか判断に迷う場合には、製造メーカーの「Q&A」や「よくある質問」を確認しましょう。チーズのリステリア菌に対する回答を確認できます。
外食先などで知らず知らずのうちに、ナチュラルチーズを食べてしまう場合もあるでしょう。ナチュラルチーズを食べたからといって、リステリア菌に感染するとは限りません。
あくまでも“感染する可能性が高くなる”ということです。
万一、悪寒や発熱、背中の痛みなどがあらわれた場合には、病院を受診しましょう。食べた日時や現在の体調を、まずは電話でかかりつけの産婦人科医に連絡し相談してください。
リステリア菌による症状ではなく、飛沫感染や空気感染をする他の疾患だった場合に、他の妊婦さんに感染させてしまう可能性もあります。症状が出たからといって、いきなり受診するのではなく、まずは電話で医師の指示を仰ぎましょう。
妊娠中におけるチーズ摂取について、よくある質問をまとめました。賢く選べば、妊娠中もチーズ料理を楽しめます。
しっかり火が通ったピザなら、妊娠中に食べてもOKです。ただし比較的カロリーが低いマルゲリータでも、Mサイズ1枚で約1,000~1,200kcalあります。そのため、ビザを食べる際は適量を心がけましょう。
「ベイクドチーズケーキ」「スフレチーズケーキ」は妊娠中も食べてOKです。ニューヨークチーズケーキやバスクチーズケーキはベイクドチーズケーキに該当するため、妊娠中も安心して食べられます。
一方、控えたほうがいいのは「レアチーズケーキ」です。レアチーズケーキは、クッキーやタルト生地に、クリームチーズや生クリームを流し込み、冷やし固めて作ります。基本的に加熱しないため、妊婦さんは避けたほうがいいでしょう。
粉チーズには、ナチュラルチーズから作る商品とプロセスチーズから作る商品があります。プロセスチーズと書いてある商品を選べば、安心して食べられるでしょう。
外食先では、基本的に粉チーズ自体を避けたほうが無難です。お店の人に粉チーズの種類まで確認するわけにもいきません。パスタなどを注文する際には「粉チーズはかけないでほしい」と伝えるといいでしょう。
妊娠中に「避けたほうがいいチーズ」と「食べてもいいチーズ」について解説しました。食中毒予防の観点から、下記ナチュラルチーズの生食は控えましょう。
・クリームチーズ
・カッテージチーズ
・モッツァレラチーズ
・マスカルポーネチーズ
・ゴルゴンゾーラ
・パルミジャーノレッジャーノ
・チェダー など
妊娠中だからといって、あまり神経質になりすぎる必要はありません。どうしてもナチュラルチーズを食べたいときは国産のものを選ぶか、しっかり加熱すれば、問題ないでしょう。
チーズはたんぱく質やカルシウムの補給にもなります。うまく摂り入れて食事を楽しみましょう。
下記の記事では、包丁を使わずレンジでできちゃう、冷凍野菜を使ったチーズドリアのレシピを紹介しています。ぜひ合わせてお読みください。