我が家のヘルメット治療の体験談~頭のゆがみってどんなもの?治療の費用は?効果はあるの?

ヘルメット治療〜体験写真赤ちゃんの頭
2022/09/21 2024/01/13 アサガオ アサガオ

「絶壁」や「ドーナツ枕」など、赤ちゃんの頭のゆがみに関連するワードはよく取り上げられ、気になっているパパママも多いはず。
ヘルメット治療は日本では比較的新しい治療法ですが、欧米では誰もが知っているメジャーな治療法。
後遺症などはないのか心配という人やなんとなく抵抗感を持っているという人にも読んでもらいたい、ヘルメット治療についての記事です。
後悔をしないためにもしっかりリサーチしてみてくださいね。

ヘルメット治療とは?

小児科あたま

わが家の体験談をお話しする前に、まずはヘルメット治療についてお話しします。

なおこちらの記事を読んでいただくにあたり、以下の2点を頭の片隅に置いて読み進めていただくようお願いします。

1.こちらの記事は、“ヘルメット治療を子どもに受けさせた親”の体験をもとに内容をまとめたものです。【専門的に詳しくお知りになりたい方は専門医療機関にお問い合わせすることをオススメ】します。

2.【ヘルメット治療は、頭のゆがみがある赤ちゃん全員が必ず受けなくてはいけない治療ではありません】。

一部の病的変形のためこの治療を受けている赤ちゃんもいますが、医療的には治療は必要なく、頭のゆがみをととのえてげたいという思いから治療を受けている場合が多いようです。

ヘルメット治療ってどんな治療?

ヘルメット治療とは、

頭のゆがみのある赤ちゃんに専用のヘルメットを被せて形を矯正する治療』

のことです。

赤ちゃんの頭は、ママの産道を通りやすくするために大人に比べて柔らかく、その分変形しやすいということはご存じの方も多いですよね。

専用のヘルメットを被ることによって、

頭の平らな部位が寝るときの向き癖などで圧迫されて変形しないよう保護
同時に突出部にはやさしく圧をかけて出すぎないように

しながら、頭のゆがみを治療します。

水頭症など、頭蓋骨や脳に影響する病的な変形のためにこの治療が必要な子もいるようですが、病的変形じゃない場合も、ゆがみをそのままにしておくと、頭蓋骨の形が影響して
・歯並びが悪くなったり
左右の耳の位置にズレが生じた場合は眼鏡をかけたときにグラつく
など
赤ちゃんが成長してからの生活に影響する可能性もあるともいわれています。

欧米では歯科治療と同じくらい広く一般的な治療法のようですが、日本では「頭の形は遺伝」、「頭のゆがみは自然に治るもの」、「頭のゆがみは健康に影響しない」という考えが根強く、欧米に比べて広がりが遅いようです。

ヘルメット治療の歴史についてはこちらの記事が参考になりますよ!
ヘルメット治療に医学的根拠はある? 治療のメカニズムと歴史について

ヘルメットは厚生労働省が医療機器として承認した安全面も確かなもので、赤ちゃんひとりひとりにぴったりなオーダーメイド。ひとりひとりに合ったヘルメットを作ってもらいます。

この治療中は専門医の元に定期的に通院し(ひと月に1回程度、不安ごとがある場合は通院頻度を増やすことも可能)、治療の経過を教えてくれますし、治療中の不安や心配なことを相談することもできます。
医療行為なので、わからないことは自分で判断せず、専門医の指示を受けることが大事ですね。

ヘルメット装着の効果を高めるため、長い時間被ることをお勧めされますが、治療開始当初は短時間から始めてだんだんと時間を長くするというように赤ちゃんに負担がかからないよう進めます
娘は最終的にお風呂のとき以外の1日あたり20~22時間は被るようにしていました。

 

「頭のゆがみ」ってどういうもの?

ひと言で「頭のゆがみ」といっても、実は3種類に分けられるそうです。

斜頭症
しゃとうしょう
赤ちゃんの頭を上から見たときに左右対称ではなく、どちらかに斜めにゆがんだ状態のこと。
短頭症
たんとうしょう

いわゆる絶壁。後頭部が平らな形をしている頭のこと。

パパママ世代でも「僕(私)絶壁ですよ」という方、実は多いようです。この絶壁も頭のゆがみの一種とされています。日本人には絶壁は多いらしいですが、それは赤ちゃんをうつぶせに寝かせる習慣があることと、アジア人種の遺伝的特徴ともいわれているようです。

長頭症
ちょうとうしょう

頭の形が全体的に長く、とがった形のこと。

病的変形(頭蓋縫合早期癒合症や水頭症など)と似ているため、専門家の受診を勧められることが多い症状のようです。

 

どのゆがみも原因といわれているのは、ママのお腹の中にいるときの向き癖、出産時のママの産道を通るときの影響、出産後のねんね時期の向き癖などさまざま。どのゆがみも頭が柔らかい生後1年以内に症状が出る事がほとんどだそう。

 

ヘルメット治療が必要なのはどういう子?

ヘルメット治療が必要かどうかの判断は、専門医のところでゆがみの度合いをレベル1~4で判定されます。

レベル1は軽度、レベル4は重度で、レベル3の中等度以上が自然矯正は難しいと考えられヘルメット治療を推奨されているそうです。

ヘルメット治療を受けられる時期はいつ?

治療開始に適しているのは、頭のまだ柔らかい生後3〜8ヶ月
治療の卒業時期はおおよそ1歳半くらいまで。

ただ、娘は生後10ヶ月ごろでも治療が可能と診断され、生後10ヶ月から治療をはじめて1歳10ヶ月まで被っていました。治療時期は若干の個人差もあるようです。

受けたら本当に頭の形がキレイになるの?

ヘルメット治療を受けることによって、以下が期待できます。

頭の形・顔の形が左右対称に整う

頭と顔の形が整うことにより、
歯並びや体幹が整う
頭蓋変形による弊害(眼鏡の位置が安定しない、帽子が被れない)などを防げる
体幹が整っている状態だと、精神的にも安定しやすい

ちなみに、ハチ張りと頭のサイズが大きいことはこのヘルメット治療では治せないそうです。

※ハチ張りとは、頭頂部からこめかみの延長線上が四角く出っ張っていて、ぼこっと出ている梅もあります。

ハチ張りとは

どこで治療してもらえるの?

わが家が治療で利用した日本製ヘルメット「アイメット」を基本にご説明します。

日本ではまだまだ専門医が少なく、東京ですら数える程度のようです。

【公式】アイメット-「治療ができる医療機関」

娘が受診したのは東京の東京女子医大病院でした。

頭の形について相談したかかりつけの小児科医に紹介状をもらい受診しましたが、紹介状が無くても受診することはできるとのこと。他の病院についても、紹介状が必要かどうかは直接お問い合わせください

受診当時(2018年)は海外や遠方から泊りがけで通っているという患者さんご一家もいらっしゃいました。

費用はどのくらいかかる?

この治療は【保険適用外】になります。

ヘルメット作成費用(オーダーメイド) 50万円程度
初診料 5000円程度
診断料 数千円

アイメット製のヘルメット治療にかかった費用は、病院までの交通費含め【医療費控除】が受けられます

一部ネットの情報には「ヘルメット治療は医療費控除対象外」とありますが、アイメットに問い合わせたところ、「医療機関で医療行為を受けたものは医療費控除の対象」と説明を受け、実際に娘のヘルメット治療費は医療費控除を受けられ、確定申告で還付を受けました。

※ヘルメットの一部メーカーでは、医療機関ではない施設でも取り扱っているそうです。

アイメットは医療機関で医師の診察を受けた上で制作するもののため、医療費控除の対象になるとのことです。

医療費控除についてはこちらもあわせてチェック!
CLICK▶︎出産・産後にもらえる代表的なお金一覧

※厚生労働省が認めていて医療費控除の対象となるメーカー、そしてそのメーカーはどこの医療機関で取り扱っているのか、等は下調べしておくことをおすすめします。

2022年9月に新たな日本製のヘルメットも誕生したようです。
日本生まれのヘルメット「クルム」

 

わが家のヘルメット治療体験談

ヘルメット治療と頭のゆがみについて簡単に知ってもらったうえで、「実際のところどうだったか」について。

わが家のヘルメット治療についてお話したいと思います。

娘の症状とヘルメット治療を決断した理由

【治療前】

ヘルメット治療前

 

後頭部の右側が左に比べると丸みがなく、
左前頭部が右前頭部に比べ出ていました。

【治療中】

ヘルメット治療中

 

治療してすぐくらいの写真です。
被ることを嫌がって散々泣いた後の泣き疲れて諦めたくらいの頃。

ヘルメット治療中の記録

治療中の記録は、アイメットから専用のノートをもらい、せっせと記録していました。
今となっては良い思い出の記録です。ずっと取っておきたいです。

【卒業間近】

ヘルメット治療 終了間近

 

確かまだ暑い季節だったとは思いますが、ヘルメットに慣れ、被っていてもこの余裕の表情です。

ヘルメット治療 スキャン画像

治療開始前と卒業(治療終了時)時に頭部の状態をスキャンで撮ってくれて、卒業後にこのようにしてもらえます。

【治療後】

ヘルメット治療後

 

治療後の現在の頭部です。
髪の毛が伸びてわかりにくいですが、右後頭部に丸みが出てきれいな頭になりました。(凹凸があるのは髪の毛のせいです。)

ヘルメットの保管

専用のヘルメットは、現在は娘の生まれたときの体重と同じ重さのぬいぐるみに被せて保管してます。
娘は「私が赤ちゃんの頃被っていたんだよね!」とぬいぐるみ共々大切にしてくれています。

 

ヘルメット治療を受けて、大変だったこと

子どもがヘルメットを被ることを嫌がったこと
ヘルメット装着に慣れるまでは毎日嫌がりぎゃん泣き。子どもの将来を考えやらせていることとはいえ、親として何が正しいのか悩み考え、葛藤の日々でした。
※ヘルメットへの慣れは個人差あるようです。娘も数週間後には嫌がらず、むしろ進んで被るようになりました。

お手入れが大変
夏場はあせもなど肌トラブルを気にしてお手入れ(ヘルメット内に着けているガーゼの取り換えなど)が大変。

目が離せない
うつぶせ寝が多くなり、寝ているときも目が離せない。
ヘルメットを装着した状態で仰向け・横向き寝は居心地が悪かったのかも。
※治療を受けた子すべてがうつぶせ寝を好むわけではないようです。

おでこを圧迫しているため、目が細くなりがち
当時、「ヘルメットを被ることにより目が小さくなったらどうしよう」と半泣きでヘルメット治療の専門医に相談したほどです。
専門医は「そんなことがあるわけない」とやさしく諭してくれました。今となっては当時の写真を見て細い目の娘もかわいく思えますし、小さなことで悩んでこだわってネガティブになっていたなとも思いますが、当時はそれくらいナイーブだったということですね。

親(娘の祖父母)にヘルメット治療を受け入れてもらえなかった
「こんな小さな頃からかわいそう」「頭のゆがみもこの子の個性、それに負けず愛せば良い」というのが祖父母の持論。

専門医のところに通うのが大変
受信する病院にもよると思いますが、わが家が通院してた病院では待ち時間がとにかく長く、事前予約していても長いときは6時間待つ日もありました。子どもと一緒にこの時間を過ごすのが本当に大変。

 

治療を受けてよかったこと

大変な思いをしているのはわが家だけじゃない

(病院の待ち時間が長く、大変な思いをした反面)他にもヘルメット治療をしている親子がたくさん居て「大変な思いをしているのはわが家だけじゃないんだ」と通院の度に治療に前向きになれた。

家族以外は意外とヘルメット姿に好意的だったこと
(ヘルメット治療に抵抗のある年代でも、身内じゃなければ受け入れられるレベルなのかも。)

 

ヘルメット治療を通して気づいたこと

笑顔の親子

わが家は結果的に、

「ヘルメット治療を受けさせてよかった」

と考えています。ヘルメット治療卒業後数年経っていますが、頭の形はキレイです。ただ治療中は本当に「大変だったこと」がたくさんありました。

そんななかで気づいた大切なこと

子どもの成長は待ったなし! 困ったとき、迷ったとき、疑問があるときは、後回しにせず早めに専門家に相談が一番!

赤ちゃん、子どもの成長って本当に早いですよね。ヘルメット治療は治療時期が限られているものなので、なおさら子どもの1日1日は本当に大切だなと実感。手遅れになる前に何かあったときは早めに専門家に相談しようと決めました。

また気になることがあってモヤモヤした状態で育児をしていると、目の前の子どもに思うように集中できません。

大事なのは専門家に相談してその上で判断すること。気がかりには正しい知識を得て向き合い、早めに解消することだと思います。
相談した結果、実は親の杞憂で何でもなかったという結果になったとしても、専門家に相談したということで安心材料は得られますしね。

子育てに対しての夫婦間・家族間のコミュニケーションは密に取る

ヘルメット治療を親(娘の祖父母)にはじめは反対されましたが、自分たちの考えを伝え続けることにより最終的には納得してくれました。
また「頭のゆがみもこの子の個性、それに負けず愛せばいい」という考えは親として見習うべきだとも考え、そのように育ててくれた親に感謝し、尊敬しています。

当時は自分の考えを親に否定されたことにより感情的になってしまったこともありましたが、私も親も望んでいるのは同じ「娘の幸せ」。

わが家の娘の場合のように治療をしなくても良い程度の頭のゆがみだった場合、ヘルメット治療をするかしないかの選択は、育児で何を重要とするかの違いによって分かれるものだと思います。育児の価値観が違っても異なる意見を受け入れることにより、育児と子どもに対して多様性が生まれると思ったできごとでした。

ヘルメット治療をするかしないかは、まずはその子の症状次第。その上で症状が軽いものであれば家庭の状況や考え方によって決めることで、最初にもお伝えしましたが、【ヘルメット治療は、頭のゆがみがある赤ちゃん全員が必ず受けなくてはいけない治療ではありません】。

しかし少しでも気になるようなら専門医の診断は受けることをおすすめしますし、パパもママも、頭のゆがみについてとヘルメット治療についてはある程度知っておくことも必要かなと思い、この記事をまとめました。

ヘルメット治療を受けている子の大多数が医療的に治療は必要なく審美的に治療を受けているということ、治療にあたり親の負担がとても大きいこと、日本特有の「頭のゆがみは自然に治る」などという考えが目立つことから、ネガティブ意見も多いのかもしれません。

でも、赤ちゃんのヘルメットはパパとママの愛の証のひとつでもあります。もし街中でヘルメット姿の赤ちゃんとそのご家族に出会ったら、ぜひ温かい心で見守ってあげてほしいです。

 

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