10年後20年後にしあわせに生きる! 0〜2歳の『非認知能力』

非認知能力
2020/06/09 2023/07/27 太田菜津美 太田菜津美

「非認知能力の育て方」「非認知能が子どもを伸ばす」などの本をはじめ、『非認知能力』を耳にする機会が増えてきましたよね。はじめて知った方もすでにご存知の方も、babycoの特集を読めば「うちの子をそんな風に育てたい!」と思うはず。このすごい能力は知らないとソンしますよ! 発達心理学を専門とする森口准教授にお話をうかがいました。

監修
森口 佑介先生
森口 佑介先生

京都大学大学院 教育学研究科准教授。発達心理学を専門とし、子どものセルフコントロールや想像力に関する研究を行っている。NHK Eテレ「すくすく子育て」にも出演中!

「思いやりを持てる」「向上心を持って努力できる」非認知能力

他人とつきあう思いやり、目標に向かって自分と向き合う

非認知能力を簡単にいうと、“頭のよさ以外の力すべて”にあたります。いわゆるIQの高さやテストの点数などとは違って数値化しにくい力ということなんですが、もっと簡単にいうと

● 思いやりがある
● 目標に向かって努力できる

といった力が自然と身についていく能力。

他人とつき合うときは、ともだちと仲よくできたり、泣いている子に寄りそってあげたり。自分とつき合うときは、自分で目標を決めてがんばれたり、「こんなにがんばったんだから大丈夫!」と自分に自信を与えるような強い気持ちを持てるようになります。人って、自分のことがわからなかったり落ち込んだときに、どうやって立ち直ったらいいのかなかなか見つけられないことも多いですよね。でも「小さなころから、こうした親切な心や自分で考えて行動する気持ちが育まれていくと、10年後、20年後に同じような場面に出くわしたとき、同じように他人とも自分ともうまく向き合うことができるようになれます」と森口先生が教えてくれました。

→「他人とも自分ともうまく生きていくための力「非認知能力」って?」へ

非認知能力が花ひらくとこんなステキな子になれる!

ステキな子になれる

非認知能力が身につくと、子どもにどんな影響があるのか……まずは、さきほどの「思いやり」「自主性(目標に向かって努力する)」の2点から見てみましょう。

 
● ほかの人の気持ちを考えられる 
● 友だちを思いやる行動が自然とできる 
● 人がいやがること、きずつくことをしない 
● 誘惑に負けずにやるべきことができる 
● 自分で目標をつくり、がんばることができる
 
これって、親になったらこんな子になってもらいたい!と思うことばかりです よね。 babycoの先輩ママで知育アドバイザーのいしびききょうこさんも「非認知能力 が生きる上でとても大切だと実感している」そうです。 非認知能力の高い子どもは、ともだち、先生、文化や考え方が違う人たちと 上手に通じ合えます。同じ価値観を共有するだけでなく、自分とは違う考えを もった友だちをまるごと認めることができると、その子にも友だちの考えが知 識として備わりますよね。だから人として成長もできるんです。もちろん、思 いやりがもてるだけで友だちがまわりに集まってきますし、もしも自分が困っ たときは、友だちの数だけ勇気や笑顔をもらえるでしょう。それだけでもう、 しあわせな人生じゃないかなと思うんです。 わたしには中学受験を控えている娘がいますが、勉強に飽きないように感情を コントロールしたり、弱点を伸ばすためには自分なりの努力が必要なのがよく わかります。やる気スイッチってあるじゃないですか! これって、自己コント ロールですもんね。成績を上げるためには、認知能力と非認知能力の両方が必 要だなぁ…と、ものすごく思うんです。もっと早く知っておけばよかったな。
 

→ 「非認知能力が花ひらくとこんな子に育つ」へ

 

大事なのは安心・安全を感じられる関係。だから0歳から非認知能力のはぐくみたい

大事なのは安心・安全を感じられる関係
「非認知能力って、3歳や年長さんくらいからのものでは?」と思う方もいら っしゃいますよね。とくに3歳〜6歳くらいまでに身につけたいといわれてい ますが、森口先生にお話を伺っているうちに、非認知能力はぜひ、親になった ばかりのママパパに知ってもらいたいと思いました。 
非認知能力の土台づくりで一番大切なのは、赤ちゃんのお世話やスキンシップ によって生まれる“親子の信頼関係”で、じつはこれ、子育てをする上で多くの ママパパが当たり前のようにしていることなんです。 
「子どもの自主性(目標に向かって努力する)」をはぐくむには、安心できる 居場所が必要です。見守りつつも送り出してくれて、うまくいかなくても帰っ てこられるあたたかい居場所。それが“親”なのです。あたたかさにあふれたマ マとパパから愛情をたっぷり感じると、「人を思いやる心」がお子さんにも伝 わり、ほかの人にも自然と親切な気持ちをもてる子になります。「安心と安全 を感じられる親子関係」、これってまさにいま! 赤ちゃん時代にとっても大 事な親子のきずなですよね。
ですから、babycoでは0歳からの非認知能力の育 みをはじめてもらいたいと思っているんです。
 
→「非認知能力でもっとも大切なのは、安心・安全を感じられる親子関係」へ
 

赤ちゃんとのこんな生活習慣で非認知能力が高まる

生活習慣のつくり方

お世話やスキンシップによる“親子の信頼関係”が、非認知能力にとって一番大事であるということからしても、この力を伸ばすきっかけづくりは、さほど難しいことではありません。0〜2歳にとくに取り入れるとよい、非認知能力の土台を支えるための生活習慣のつくり方は……
 
● 毎日同じ時間に寝て、夜たっぷり寝かせてあげるなどの規則正しい生活 
● 赤ちゃんのサインに応えて、安心できる親子関係をきずく 
● 子どもが自分でやろうとしていることを見守る 
 
など、私たちの生活のなかに伸ばすためのヒントがたくさん隠されているんです。

 

非認知能力をはばむNG ほめすぎ」と「ごほうび」!?

森口先生は、非認知能力を伸ばす上で気をつけてほしいのことがあると言いま す。それは「何でもかんでもほめるのはやめよう」ということです。 最初に伺ったときに「えっ! だってほめて伸ばすんじゃないの?」「ほめて 自信をつけさせると良いのでは?」はてな?と思いました。 「子どもが目標を達成したとき、昨日できなかったことができたときなどにほ めてあげることはとてもいいことです。ですが、子どもが1しかやっていない のに10ほめたり、無理にほめたりすると、何をほめられているかがわからなく なって子どもも混乱してしまいます」とのこと。ただほめればOKではないん だな、とあらためて反省しました。
 
→非認知能力ではNG 子どもの自主性の伸びを妨げる「ほめすぎ」と「ごほうび」へ
 

親も子も、ストレスが非認知能力の伸びを妨げる

親と子のストレス

もうひとつ、非認知能力をはぐくむ上で注意しなければならないことがあります。それは、親子関係がきちんときずけていないこと。親子の間で心がつながっていないと、非認知能力の伸びに影響が出るといわれています。とくによくないのは赤ちゃんのサインを無視する、手をあげるなど、子どもにとってストレスの多い環境です。具体的なことをみてみましょう。

 
→「親にとって、子にとってのストレスが非認知能力の伸びを妨げる」へ
 
非認知能力について、ちょこっとお分かりいただけたましたか? きちんと知っていただくには、特集を読んでみてください。0歳から育みをはじめる理由がわかります。そして、きっと「こんな風に育てたい!」と思っていただけると思います。

 

文:太田菜津美 

babyco [ベビコ] 編集長
10万人を超える会員を持つ産前産後のママ・パパメディア『babyco ベビコ )』の編集長であり、多くの実用書の企画編集に携わる編集者。「おいしいっ てうれしいね」が口ぐせの母のおかげで、食べることが大好き。新潟の山奥で 肉用牛を飼育しながら、野菜やくだものを育てる祖父母のお手伝いをきっかけ に、丹精込めて作られた食材のおいしさ、食べることや命の大切さを学ぶ。 babycoでは、離乳食・幼児食から産前産後食レシピや栄養コンテンツ、企業タ イアップコンテンツなど幅広く担当。特集記事では毎回ママ・パパの気持ちに 寄り添った取材記事を制作し、Twitterでもバズり話題となる。 担当書籍『これ1品で献立いらず!野菜たっぷり具だくさんの主役スープ 150』(誠文堂新光社)※シリーズ3冊、『nanahoshiの花おりがみBOOK メイツ出版)ほか、ベストセラーも多数。

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