ちいく新聞vol.3「五感を育てる 脳育遊び」

五感のなかでもとりわけ大切なのが「触れる」こと。赤ちゃんのときから触れることには、とっても意味があります。

「触れる」ことが、ほかの感覚を刺激する

五感とは、触覚、聴覚、視覚、味覚、嗅覚の感覚器官のことで、まわりから受けるさまざまな刺激を認知する器官のことをいいます。この五感の感じ方こそが子どもの精神の発達の始まりで、たくさんの物や人とのふれあいを通して、豊かな感情と好奇心をはぐくんでいきます。

「子どもの脳は肌にある。」(『子供の「脳」は肌にある』山口創著 光文社より)山口先生のこの言葉が示しているのは、触覚が特別な性質を持つ感覚器官で、子どもの脳の発達にとって重要な役割を果たしている、ということです。特に乳幼児は、触ったり、舐めたりする触覚体験が脳の発達にとって決定的な意味を持っています。物や人に触れるという皮フ感覚が一番最初に働き、そこからほかの感覚器官を刺激し、さまざまな側面から物事を感じるようになるのです。


感覚器官が発達する時期の大切な遊び

大切なのは、「発達の順番に合わせた、心のふれあい遊び」。つかむ、離す、振る、舐めるなど、触覚をメインに五感を活用する遊びは赤ちゃんにぴったりです。遊びながら感じ、考えることで知識が宿ります。

自主性を重んじるのも大事なこと。赤ちゃんが、ふれたいもの、知りたいことをそのときに与えることで、本当に楽しんで遊べるし、遊ぶうちに達成感を引き出すことができるのです。それこそが、脳を伸びやかにはぐくむことにつながります。


赤ちゃんの知能をのばす脳育遊び 0〜6ヵ月

0〜2ヵ月の頃「にぎにぎあそび」

赤ちゃんの手のひらにパパやママの指をやさしく置きます。にぎることで、感触を確かめ、「つめたい?あたたかい?」「やわらかい?かたい?」など、触覚をたくさん使います。

ふれあいポイント
にぎる行為は、新生児の本能です。やわらかいもの、かたいものなど、感触の異なるものをにぎらせてみましょう。


3〜4ヵ月の頃「のびのびあんよ」

赤ちゃんを仰向けに寝かせて、両足を持って伸ばしたり縮ませたりします。足の血行がよくなり、リンパの流れもよりスムーズになります。なにより、パパやママがやさしく赤ちゃんのからだにタッチすることで、赤ちゃんの気持ちがリラックスします。

ふれあいポイント
無理に引っ張らないように注意してください。赤ちゃんの関節の伸び具合を見ながら行いましょう。


5〜6ヵ月の頃「ひこうきになあれ」

うつ伏せの赤ちゃんをそのまま抱えて、ゆっくり持ち上げて飛行機のようにします。両手を広げられる赤ちゃんは広げさせてあげましょう。両手と両足を広げることで、歩く準備の平衡感覚を養います。揺れる感じやスピード感なども体感できるでしょう。

ふれあいポイント
空中で手足を広げることができない赤ちゃんは、床の上で手足を広げてみましょう。


赤ちゃんの知能をのばす脳育遊び 7〜12ヵ月

7〜8ヵ月の頃「てづかみつまみあそび」

箱のなかに大小いろいろなサイズのおもちゃを入れ、「よーいドン!」で箱のなかのおもちゃを出させてみましょう。このときに、できるだけ指でつまんで出すようにパパやママがお手本を見せましょう。指先の器用さを促し、いろいろな大きさや形のものをつまむ練習になります。

ふれあいポイント
最初はできなくても、焦らせずにゆっくり自由に遊ばせてください。ママやパパと一緒に競争しても楽しいですね。


9〜10ヵ月の頃「いもむしさんゴロゴロ」

寝がえりができるようになったら、「いもむしさんになろう!」と、布団の上や畳、絨毯の上で赤ちゃんと一緒にゴロゴロ転がります。遊びを通して、からだ、手足をバランスよく動かすコツをつかめるようになります。

ふれあいポイント
上手に寝がえりができない場合は、パパやママが手を添えて、赤ちゃんのからだを回転させてあげましょう。


11〜12ヵ月の頃「ペンギンさんごっこ」

「ペンギンのおやこになろう!」と、赤ちゃんをママの足の甲の上に立たせてゆっくり一緒に歩き、歩行のときのからだの揺れやバランスの取り方を体感させましょう。慣れてきたら、少しずつスピードを上げてみましょう。

ふれあいポイント
あるくときに「いち、に、さん」と声をかけてあげると、からだでリズムをとりやすくなります。



広木克行『赤ちゃんの知能を伸ばす脳育あそび150』より
監修:広木克行先生 神戸大学名誉教授。臨床教育学の研究・教育と教育相談の活動や子育ての講演会などに長年取り組んでいる。
イラスト:ハルペイ

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