babyco編集長。書籍編集者。
新潟の山奥で肉用牛を飼育しながら、野菜やくだものを育てる祖父母のお手伝いをきっかけに、丹精込めて作られた食材のおいしさ、食べることや命の大切さを学ぶ。特集記事、離乳食やママごはんなど幅広く担当。ママ・パパの気持ちに寄り添った記事の制作を心がけている。
「チーズ」は、アレルギーや種類、脂質や塩分に気をつければ、赤ちゃんの頃から食べ始めることができます。
離乳食のチーズの食べ進め方のポイントをお話しします。
保育園、病院での勤務経験を活かし、子育てや食事に悩むお母さんの心を少しでも軽くするお手伝いを心がけている。食事の大切さ、楽しさを伝えていくことを大切にしている。
● 離乳食にはじめてチーズを使うときは
フレッシュ系、ハード系など、味や食感、香りの種類が豊富なチーズ。種類によっては脂質が多いものもあるので、はじめて使うときは脂質ができるだけ少なく、消化しやすいチーズを選ぶことがポイントです。
ご家庭で手に入りやすいチーズのなかでは、カッテージチーズは脂質が少なめで、はじめてのチーズにおすすめなので初期から食べられます。
プロセスチーズ、モッツァレラチーズ、カマンベールチーズ、パルメザンチーズは、カッテージチーズに比べて脂質や塩分が多く、固さもあるので中期以降を目安に。
クリームチーズは、チーズのなかでも脂質が多いので後期以降を目安に取り入れてみましょう。
チーズには、たんぱく質、カルシウム、ビタミンAなど、健康な体づくりや免疫力向上につながる栄養素がたくさん含まれています。
赤ちゃんの体の成長にも大切なのですが、これらの栄養を効率よく摂りたい、妊娠中や授乳中のママにもいい食材なんです。
・たんぱく質…筋肉や臓器、健康な皮フや髪の毛をつくる。体を動かすためのエネルギー源にもなる
・カルシウム…骨を強くする
・ビタミンA…粘膜を正常に保ち、免疫力を高める ※摂り過ぎに注意が必要
栄養豊富な反面、塩分や脂質も多く含まれているので、ばっかり食べはせずに調味料のような感覚で普段の食事に取り入れましょう。
チーズの種類によって、赤ちゃんの食べやすさや消化の負担が異なります。また、乳製品であるため、はじめて食べるときは、アレルギー症状が出るかどうかをチェックしておくと安心です。
以下にお伝えする内容はあくまで目安であり、お子さんの成長によって量や形態は変わります。食べる量や時期については、その通りにきっちり合わせなければならないと思い込まず、気持ちをラクにして、お子さんの成長に合わせて参考にしてください。
● チーズを食べるときのアレルギーチェック
チーズの原材料には牛乳が含まれるため、お子さんに牛乳アレルギーがある場合は、チーズを食べたときもアレルギーが出る可能性があります。
牛乳は食物アレルギーを起こしやすい食品でもあるので、チーズをはじめて食べさせるときは、病院が空いている日の午前中の、赤ちゃんもママも体調がいいときにチャレンジしましょう。
赤ちゃんスプーンの先にほんの少しのせて、食べさせてみて、肌のかゆみや腹痛などのアレルギー症状が出ていないかを確認します。
ほろほろとくちのなかでほぐれやすいので、噛む力が未熟な初期の赤ちゃんでも食べやすいチーズです。
脂質は少なめですが塩分が含まれているので、調味料のような感覚で、離乳食に少し味をつける程度の量をあげます。
赤ちゃんは抵抗力が弱いので、しっかりと加熱してから食べさせてあげると安心です。
おかゆや野菜のペーストに混ぜて、電子レンジでチーズが溶けるまで加熱してから食べさせてあげるといいでしょう。
カッテージチーズを食べさせる量の目安
明確な量の決まりはありませんが、調味料のような感覚で、離乳食に少し味をつける程度の量をあげます。
1日の離乳食メニューのなかで牛乳やヨーグルトも摂る場合、チーズの量を少なくするといいでしょう。
チーズのなかではあっさりした味わいで、香りのクセが少ないので、小さいお子さんでも食べやすいでしょう。
脂質や塩分がやや多いので、中期以降を目安に始めます。調味料のような感覚で、離乳食に少し味をつける程度の量をあげます。
固さがあるので、手で小さめにほぐしたり、包丁で5mm角くらいに切ったりしてから食べさせてあげると、赤ちゃんが舌でつぶしやすいです。
おかゆや野菜のみじん切りに混ぜて、電子レンジでチーズが溶けるまで加熱してから食べさせてあげるといいでしょう。
プロセスチーズを食べさせる量の目安
明確な量の決まりはありませんが、調味料のような感覚で、離乳食に少し味をつける程度の量をあげます。
1日の離乳食メニューのなかで牛乳やヨーグルトも摂る場合、チーズの量を少なくするといいでしょう。
もっちりとした食感がおいしく、野菜や肉・魚などいろいろな食材と相性がいいチーズです。
脂質や塩分がやや多いので、中期以降を目安に始めます。調味料のような感覚で、離乳食に少し味をつける程度の量をあげます。
薄い膜のような部分は、赤ちゃんにとっては噛みごたえがあるので、とろっとした部分を食べさせてあげると、赤ちゃんが舌でつぶしやすく、飲み込みやすいです。
肉だんごのスープや白身魚のリゾットなどに加えて、チーズが溶けるまで加熱してから食べさせてあげるといいでしょう。
モッツァレラチーズを食べさせる量の目安
明確な量の決まりはありませんが、調味料のような感覚で、離乳食に少し味をつける程度の量をあげます。
1日の離乳食メニューのなかで牛乳やヨーグルトも摂る場合、チーズの量を少なくするといいでしょう。
白い皮の部分と、内側の黄色くてやわらかい部分が特徴的。加熱すると、とろ〜っととろけるので、チーズフォンデュのようにして野菜や肉などと食べてもおいしいチーズです。
脂質や塩分がやや多く、弾力があるので、中期以降を目安に始めます。調味料のような感覚で、離乳食に少し味をつける程度の量をあげます。
白い皮は白カビ由来のもので、食べても問題はありませんが、赤ちゃんに食べさせるには心配でしたら取り除くといいでしょう。
内側のやわらかい部分は、中期頃の赤ちゃんが食べるにはやや固さがあるので、包丁で5mm角くらいに切ってから食べさせてあげると、赤ちゃんが舌でつぶしやすいです。
おかゆや野菜のみじん切りに混ぜて、電子レンジでチーズが溶けるまで加熱してから食べさせてあげるといいでしょう。
カマンベールチーズを食べさせる量の目安
明確な量の決まりはありませんが、調味料のような感覚で、離乳食に少し味をつける程度の量をあげます。
1日の離乳食メニューのなかで牛乳やヨーグルトも摂る場合、チーズの量を少なくするといいでしょう。
パスタなどの料理によく使われ、ちょい足しするだけでグッと本格的な風味になるチーズです。
脂質や塩分が多いので、中期以降を目安に始めます。調味料のような感覚で、離乳食に少し味をつける程度の量をあげます。
お店ではチーズのかたまりを削って料理にかけることが多いですが、スーパーなどで粉状になったものを手に入れることができます。
パスタやパンを使った離乳食に少量をふりかけて、電子レンジでチーズが溶けるまで加熱してから食べさせてあげるといいでしょう。
パルメザンチーズを食べさせる量の目安
明確な量の決まりはありませんが、調味料のような感覚で、離乳食に少し味をつける程度の量をあげます。
1日の離乳食メニューのなかで牛乳やヨーグルトも摂る場合、チーズの量を少なくするといいでしょう。
クリーミーな味わいで人気の、ケーキやお菓子作りにも重宝されるチーズです。
チーズのなかでも脂質が多いので、消化の負担も考えて後期以降にチャレンジしましょう。調味料のような感覚で、離乳食に少し味をつける程度の量をあげます。
そのほかのチーズと同じく、赤ちゃんの抵抗力を考えて、加熱してからあげるのがいいでしょう。後期は手づかみ食べが始まる時期でもあるので、いももちに混ぜて焼いたり、蒸しパンに混ぜたりしてもいいですね。
クリームチーズを食べさせる量の目安
明確な量の決まりはありませんが、調味料のような感覚で、離乳食に少し味をつける程度の量をあげます。
1日の離乳食メニューのなかで牛乳やヨーグルトも摂る場合、チーズの量を少なくするといいでしょう。
「クリームチーズが食べられるようになったら、チーズケーキも食べてOK?」「幼児用チーズは対象年齢になってからがいいの?」など、babycoママから寄せられたチーズに関するギモンや質問にお答えします。
▶︎管理栄養士さんからのアドバイス
お子さんがクリームチーズを食べられるようになったら、チーズケーキも食べて大丈夫かなと気になりますよね。
大人に比べて赤ちゃんは抵抗力が弱いので、できるだけ加熱した状態のチーズが望ましいです。
レアチーズケーキは加熱していないので、少し大きくなった2〜3歳くらいからがいいですね。
ベイクドチーズケーキは加熱しているので、少量からであれば食べても大丈夫でしょう。
ただし、チーズケーキには生クリームや卵など、チーズ以外のいろいろな食材が使われています。お子さんがまだ食べたことのない食材が含まれていることもあるので、アレルギーの観点からも注意が必要です。
お酒が使用されているものもあるので、原材料を確認するようにしましょう。チーズを使ったパンやお菓子の場合も、同様に確認が大切です。
また、砂糖がたっぷり使われているため、頻繁に食べると甘い味を覚えて、野菜や薄味の離乳食をなかなか食べなくなる場合もあります。
赤ちゃんのうちは、お誕生日などの特別な日に、ほんの少しだけにするようにしましょうね。
▶︎管理栄養士さんからのアドバイス
カマンベールチーズなどの溶けてのびるタイプのチーズは、弾力があり、大人でも噛み切るのが難しいことがあるので、赤ちゃんが安全に食べられるのか不安ですよね。
実際に、もちもちと弾力のあるものは、窒息事故を起こす可能性があります。ですが、ひとくちに対するチーズの量を意識してあげられれば、安心して食べることができます。
チーズ入りの離乳食をあげるときは、チーズがたくさんかたまっている部分をあげていないか、たとえ小さく切ってあってもひとくち量として多過ぎないかなどを気をつけてあげましょう。
また、チーズは冷めると固まるので少し冷ましてからあげてもいいですね。
▶︎管理栄養士さんからのアドバイス
赤ちゃんは臓器が未熟なので、脂質や塩分を摂り過ぎると負担をかけてしまいます。
牛乳+チーズ、塩の味つけ+チーズといった組み合わせだと、赤ちゃんにとって脂質過多、塩分過多になる可能性も。
離乳食にチーズを加える場合は、牛乳やその他の乳製品を組み合わせるのは控えるか、量を少なくするほうがいいですね。
また、チーズの塩けで十分味がつくので、塩やしょうゆなどの塩分が高い調味料を使うのは控えるようにしましょう。
▶︎管理栄養士さんからのアドバイス
お子さんによって、食べられる食材の固さや種類は異なります。
食べることが大好きで、1歳になる前からいろいろな食材を経験している子もいれば、1歳を過ぎているけれど、ゆっくり自分のペースで食べられる食材を増やしていく子もいます。
幼児用チーズの対象年齢は、あくまでも目安と考えると気がラクですよ。
どのくらいの固さのものが食べられるか、商品の原材料のなかで食べたことがないものはないかなどを確認してから、お子さんにあげるようにしましょう。
ただし、注意事項で「必ず1歳以上」などの記載がある場合は、記載通りにするのがいいですね。
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