食品会社での会社員経験をしたのち、スキー雑誌の編集部に勤務。その後、フリーライターとなり、スキーやスノーボード、ボディボード、ゴルフ、自転車、旅行、ファッションなどさまざまなジャンルを執筆。桶谷式母乳育児で子育てをした一児の母でもあり、現在はbabycoにて自分の育児経験を生かした記事の執筆を行っている。
妊娠するとママの体の中では、徐々に母乳を出す準備が始まっているのです。
ホルモンの働きが活発になって、乳腺が発達して胸が大きくなってきます。
では、母乳はいつからどうやって出始めるのでしょうか?
母乳育児のために妊娠中からやっておくべきことはあるのでしょうか?
助産師さんに聞いてみました!
女性の乳房は、思春期のころから、母乳を与えるための準備が行われます。こういう話は保健体育の授業で習ったかもしれませんね。
思春期になるとホルモンの影響を受けて乳腺が発達しはじめ、胸がふくらみはじめます。そして、妊娠をするとホルモンの働きが活発になり、乳腺が発達して胸が大きくなってきます。
実はこの時点では、まだ母乳は出ないんです。出産によって胎盤が外に出たときにはじめて「母乳を出してもOK!」という信号が脳から出されるのです。
妊娠すると
・乳房が大きくなる
・乳腺が張ってくる
・乳輪や乳頭が少し黒ずんでくる
・刺激に対して敏感になってきたり、妊娠前とは違う違和感が出始める
といった症状があらわれることもあります。その症状は人それぞれ。
こんな風に、徐々に母乳を出す準備が進んでいくんです。
人によっては乳房が大きくならないこともあります。それだけ個人差があるんですね。でも、大きさや見た目と、母乳の量や質は関係がないので心配はいりませんよ。
このころによく聞かれるのが
「母乳をたくさん出すために、妊娠期間中にマッサージをしたほうがいいのでしょうか?」
というご質問です。
妊娠中にはとくにマッサージなどは必要ありません。
ずばり!気をつけたいのは......
▶︎大きくなった乳房に合うように専用のブラジャーを用意すること
▶︎お風呂に入って清潔にすること乳頭の先端が陥没して気になる人は、軽くつまんであげてみるのもいいと思いますが、できれば、産院や桶谷式母乳育児相談室に相談したほうがいいでしょう。
妊娠して徐々に乳房が大きくなってくると、今までと同じブラジャーを使っていると胸を押さえ込んだようになり、窮屈な状態になってしまい、乳房が張ってしまったり、痛みが出てくることもあります。
そういう状態になるのを避けるためにも、妊娠して乳房の変化を感じたら、専用のマタニティブラジャーを用意するようにしましょう。妊娠中、バストのサイズは人によって違いますが1〜2カップほどサイズアップするんですよ。
さまざまなメーカーからいろいろなタイプが出ていますので、自分の生活スタイルやシーンに合わせて選ぶといいですね。
▶︎ワイヤー入りタイプ
安定感抜群なのがワイヤー入りタイプ。大きくなっていくバストが横や下に流れていかないように、しっかりと形を整えてくれます。バストをしっかりと支えて、妊娠中でも胸の形をきれいに見せてくれますよ。
▶︎ワイヤーなしタイプ
やさしいつけ心地で、リラックスできるのがワイヤーなしタイプ。つわりで気分がすぐれなかったり、窮屈な状態がつらい人や、ゆったりと締めつけられないようにしたい人におすすめ。ワイヤーなしでもしっかりとホールドしてくれるタイプも。
▶︎ハーフトップタイプ
さらに楽ちんな着心地で締めつけ感がない快適タイプ。背中にホックがないため、つけたまま寝ても安心。ブラタイプに比べるとホールド感は少なくなってしまいますので、自宅にいる時など、さらにリラックスして過ごしたい人におすすめです。
最近はマタニティブラジャーといっても、産後も授乳ブラジャーとして使えるタイプの物が増えてきています。お店で試着ができたりもするので、実際に自分で着けて、そのつけ心地を試してみるといいですね。
「おいしい母乳をたくさん出すためには、どんな食事をすればいいのですか?」
という質問がよくあります。
これを食べると母乳が出る!という画期的な食べ物はありません。母乳のためには、妊娠中からバランスの取れた食生活を送ることが大切なのです。世界中のママが母乳をあげていますから、和食でも洋食でもどんな食事をしていても母乳は出ますが、栄養バランスのいい食事を摂ることを心がけてくださいね。
おすすめなのは、米と野菜を中心とした食生活です。普通に食事をしていればカロリー不足になることはほとんどありませんが、多くのプレママの傾向としてカルシウムと鉄分が不足していることが多いので、意識して摂取するようにしましょう。
カルシウムというと牛乳や乳製品を思い浮かべる人も多いと思いますが、乳製品を摂りすぎてしまうと赤ちゃんのアレルギーの要因になったり、出産後に乳腺がつまりやすくなってしまうので、注意してくださいね。カルシウムは、豆腐や納豆などの大豆製品、しらす干しなどの小魚、海藻類、小松菜や春菊などの緑黄色野菜にもたくさん含まれています。 乳製品以外から摂取する工夫をしてみましょう。
鉄分はレバーはもちろんのこと、ひじき、大豆製品、アサリ、ほうれん草や小松菜などにも含まれていますので、いろんな食材を食べてくださいね。 ひとつの食材をかたよって摂取するのではなく、いろいろな食材から摂るようにしましょう。
赤ちゃんの丈夫な骨を作るためには、カルシウムと一緒にミネラルもとりましょう。理想的なミネラルバランスを持つ食材は伝統的な日本の食材に多くあります。味噌、のり、おから、ひじき、かんぴょうなどに多く含まれていますので、それらも積極的に食べるようにしてみてくださいね。
妊娠中のママとおなかの中の赤ちゃんはつながっているので、ママの食事も大事なんですよ。
生まれてくる赤ちゃんの育児や産後の生活について、妊娠中に夫婦でよく話し合っておきましょう。母乳育児を続けていく上で、家族の協力はとても大切です。
特に産後1ヵ月までは、ママが赤ちゃんのお世話と授乳に専念できるように、家事を手伝ってくれる人がいると安心ですね。パパ、実母、義母、ママの姉妹、親戚などの身内に、気兼ねなく手助けをお願いできる人がいるのがベストですが、それが難しいようであれば最寄りの市町村の窓口で相談をすれば、公共や民間のサポートシステムを紹介してくれますよ。
最近はパパが育児休暇を取得することも増えてきているので、妊娠中にパパの育児休暇のシステムについても調べておくと安心できます。
そのタイミングで、近所にある育児サークルなども探しておくと、産後に母乳育児についてお友達と楽しくおしゃべりできたりするので、早めに情報収集をしておくといいですね。
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桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。
第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。
また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。
現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ助産師たちによって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士の育成、母乳育児支援活動を行っています。現在の会員数は550名。全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で皆さまの母乳育児をサポートしています。
ママの母乳育児関する悩みには
◆おっぱいが出ていないみたいで不安
◆おっぱいが痛い
◆赤ちゃんがうまくおっぱいを飲めていないみたい
など、たくさんありますよね。
そんなママの悩みを解決してくれるのが、桶谷式の助産師の方々。授乳や搾乳の方法など母乳育児に関することなら、なんでも答えてくれるエキスパートなんですよ。
例えばおっぱいが出にくいという悩みには、オリジナルの乳房マッサージで柔らかくしておっぱいを出やすくしてくれたりもします。
今回はそんな桶谷式の助産師さんたちに、ママたちのお悩みについて質問してみました。
直接悩みを相談したい!というママは、全国約330箇所にある「桶谷式母乳育児相談室」に、気軽に相談することもできますよ。
授乳や搾乳の指導も行っているので、以下「OPPA!」 から気軽にご相談ください。