食品会社での会社員経験をしたのち、スキー雑誌の編集部に勤務。その後、フリーライターとなり、スキーやスノーボード、ボディボード、ゴルフ、自転車、旅行、ファッションなどさまざまなジャンルを執筆。桶谷式母乳育児で子育てをした一児の母でもあり、現在はbabycoにて自分の育児経験を生かした記事の執筆を行っている。
初めての母乳育児はわからないことばかりで、悩みごとが尽きないもの。
そんな時には、プロのアドバイスが一番!
産後のママの “ちょっと困った” というお悩みに、助産師さんに答えてもらいました。
ママの母乳育児関する悩みには
◆おっぱいが出ていないみたいで不安
◆おっぱいが痛い
◆赤ちゃんがうまくおっぱいを飲めていないみたい
など、たくさんありますよね。
そんなママの悩みを解決してくれるのが、桶谷式の助産師の方々。授乳や搾乳の方法など母乳育児に関することなら、なんでも答えてくれるエキスパートなんですよ。
例えばおっぱいが出にくいという悩みには、オリジナルの乳房マッサージで柔らかくしておっぱいを出やすくしてくれたりもします。
今回はそんな桶谷式の助産師さんたちに、ママたちのお悩みについて質問してみました。
直接悩みを相談したい!というママは、全国約330箇所にある「桶谷式母乳育児相談室」に、気軽に相談することもできますよ。
赤ちゃんは元気よくおっぱいを飲んでくれているみたいなんだけれど、なんだか乳首が痛くなってきたみたい……
乳頭が痛くなったり、乳頭に傷ができたりするのは、頻繁な授乳が原因と思われることが多いのですが、実は飲ませ方や抱き方に原因があることが多いのです。
また1回あたりの授乳時間が長くなることも原因のひとつになります。
赤ちゃんが上手に飲めていれば、乳頭が丸くてきれいな形になっています。
乳頭に傷ができてしまった時は、傷の方向を赤ちゃんの口角にもっていくようにすると、授乳の際の痛みが和らぐことがありますので試してみてください。
※授乳の際のコツについては下記のQ2をみてくださいね。
乳腺炎をまねかないためにも、赤ちゃんのリズムのためにも、授乳はだいたい3時間おきにおこなうのがよいとされています。
1日が24時間ですから、3時間おきとなると1日に8回ほど授乳をすることになります。
授乳の時にママの肩に余計な力が入ってしまうと腱鞘炎や腰痛、肩こりなどの原因になる事もあります。ママの緊張は赤ちゃんにも伝わります。リラックスできるように工夫をしてみましょう。
ママの膝の上にクッションを置くようにすると、授乳ポジションが安定しますよ。
①写真のようにママの膝の上にクッションなどを置き、赤ちゃんの鼻と乳頭の高さを合わせる。
②ママと赤ちゃんのお腹とお腹がピッタリと向き合うようにする。
①赤ちゃんの鼻と乳頭を同じ高さにする。赤ちゃんの顎をちょっと上向き加減にするといいですよ。
②乳頭で赤ちゃんの下唇を触り、大きな口を開けるタイミングをはかりましょう。
③乳輪が隠れるくらいまで深く赤ちゃんの口に入れる。赤ちゃんの口は上下の唇がめくれていて、アヒル口みたいになりますよ。唇が巻き込まれないようにしてくださいね。
\母乳の飲ませ方の詳しい方法はこちらもチェック!/
CLICK▶︎<助産師監修>母乳の“正しい飲ませ方”知ってますか?
CLICK▶︎<助産師監修>母乳が出る仕組みって?おっぱいの形や大きさは母乳の出とは関係あるの?
ママの母乳には、その赤ちゃんが成長するために必要とする栄養成分や、感染症から赤ちゃんを守るための成分がたくさん含まれているので、少量でも良いので赤ちゃんに飲ませてあげられるといいですね。
そのためには、約3時間ごとに搾乳することをおすすめしています。
搾乳は手で行いましょう。乳頭を消毒する必要はありません。口の広い容器(例えばボールのような物)を用意し搾乳した母乳が上手に入れられるようにしましょう。
<ママが自分でできる搾乳方法>
①手をよく洗いましょう。
②乳頭から2〜3cm離れた場所(乳輪の輪郭部分)に親指と人差し指をあてます。
③親指と人差し指の腹をリズミカルに打ち合わせるようにして搾乳しましょう。
④指の位置を変えながら、いろいろな方向から行い、左右交互に搾乳しましょう。
搾った母乳は赤ちゃんが1回に飲む量に小分けにして、市販の母乳パックへ移して、冷蔵するか冷凍します。
保存期間は冷蔵(4度以下)は3日以内、冷凍(−20度以下)は6ヵ月と言われていますので、できるだけ早めに飲ませた方がいいでしょう。
離乳食を開始しても、すぐに授乳をやめてしまわず、母乳は今までどおりに与えましょう。授乳回数が極端に減ったり、夜間授乳をやめてしまうと乳腺炎や乳房のトラブルの原因になることもあります。
赤ちゃんの最初の半年は母乳が主食です。離乳食を食べた後も、必ず母乳を飲ませるようにしましょう。母乳には、赤ちゃんの消化を助ける消化酵素が含まれているので、母乳を飲ませることによって、離乳食の消化吸収がスムーズにもなりますよ。
\母乳育児の進め方の詳しい方法はこちら/
CLICK▶赤ちゃんの成長に合わせた母乳育児の進め方
保育園に預けても、母乳育児をやめる必要はないと思います。保育園での集団生活では、風邪や流行性の病気にかかりやすくなり、心配ごとが増えますよね。でも、母乳で育った赤ちゃんは病気にかかりにくく、かかった場合にも回復力が早くて丈夫と言われています。
朝や夜など赤ちゃんと一緒にいられる時に、今までと同じように3時間授乳を続けましょう。
特に保育園に預ける前と自宅に戻ってからはたっぷりと母乳を飲ませるといいでしょう。
預け先では冷凍母乳かミルクを飲ませてもらいます。仕事を再開して1週間くらいは、日中おっぱいが張るので辛いと思いますが、乳腺炎を防ぐためにも、3時間ごとの搾乳が大切です。
保育園に預けて2〜3週間経つと、昼間はそれほど母乳が沸いてこなくなるので、おっぱいが張って辛い時だけ搾乳するようにします。
1歳を過ぎたら栄養面は離乳食で足りているので、冷凍母乳にしてまで飲ませる必要はありませんが、昼休みにちょっとだけでも搾っておくと、母乳の分泌が止まらずに朝や夜に授乳ができます。
断乳の時期まであと少し! 授乳を続けてみてくださいね。
桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。
第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。
また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。
現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ助産師たちによって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士の育成、母乳育児支援活動を行っています。現在の会員数は550名。全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で皆さまの母乳育児をサポートしています。
監修:公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会
「おっぱいが出ない」「おっぱいが痛い」「赤ちゃんがおっぱいを飲んでくれない」「ちゃんとおっぱいが出ているか不安」という悩みを抱えたママたちに、乳房をやわらかくしておっぱいをスムーズに出す、独自のマッサージを行う全国約330の桶谷式母乳育児相談室。授乳や搾乳の指導も行っているので、以下「OPPA!」 から気軽に相談できますよ。