知育アドバイザーおすすめの「読み聞かせ絵本」とその効果

読み聞かせ絵本

こんにちは、知育アドバイザーのいしびききょうこです。

今日は、ママパパが知りたいベスト10にも入る「赤ちゃんにおすすめの読み聞かせ」についてお届けしたいと思います。

子どもが生まれるまで、あまり積極的に接していなかったものに「絵本」があります。絵本好きな人は、大人になってからも読んだり買ったりしているかもしれませんが、ほぼ毎日だれかに読み聞かせをしています、という方はあまり聞いたことがありません。

ところが、ママパパになると「読み聞かせ」がグンと身近になってくるんです。それは、赤ちゃんとのコミュニケーションやふれあいに欠かせないもののなかに「絵本の読み聞かせ」があるからですよね。

実際に赤ちゃんに読み聞かせをしてみると、いろいろな疑問も浮かんできて、ますます絵本に興味を抱いていきますし、絵本っておもしろい! 好きになった!と感じる人も増えてきます。

babycoのママパパの「赤ちゃんの読み聞かせ」のアンケートでも、こんなご質問がありました。

●読み聞かせでどんな効果があるの?

●読み聞かせはいつから?

●おすすめの絵本はなあに?

●上手な読み聞かせ方は?

●読み聞かせは毎日じゃないとダメ?

●読みきかせアプリや動画でもいい? などがありました。

 

親子の絆が深まり、たくさんの言葉が伝わる 読み聞かせの効果

親子、読み聞かせ

まずは、「読み聞かせの効果」。

たくさんの大学教授や研究者の先生に取材をしてきたなかで、どの先生も「効果あり!」とおっしゃっています。

どんな効果があるかというと、

 

⑴ 赤ちゃんとママパパとの絆を深める

ママやパパの優しい声で読み聞かせることで、赤ちゃんは安心するんです。

おひざの上で読み聞かせたり、体や頭をなでながら読んだりすると、親子間の信頼関係が築かれるーーーこのことは研究でも分かっています。

赤ちゃんの肌とママパパの肌がふれあうことで、脳内にオキシトシンというホルモンが分泌されて、それが「信頼」「安心感」を生むことにつながるからです。これは赤ちゃんだけではなく、ママパパのほうにも同じような感情が芽生えていくそうですよ。

 

⑵ 赤ちゃんにたくさんの言葉を教えられる

絵本やお話には、わが子に知ってもらいたい覚えてもらいたい言葉がたくさん出てきます。日常でつかうものや自然界のものの名前、気持ちを伝えるものなど、わが子のココロを育み、知性のもととなる言葉たちを赤ちゃんに伝えましょう。

 

⑶ 赤ちゃんにモノの名前や形状や様子を伝えられる

イラストや写真を見ながら、名前や形状や様子をママパパの声で優しく伝えられると、たくさんの情報が赤ちゃんの脳にインプットされていきます。絵や写真があると、言葉と一致させられますよね。

 

⑷ 赤ちゃんのお気に入りを発見できるかも

絵本を読み聞かせながら、赤ちゃんが指をさしたり、「あっあっ」とか「う〜」などの喃語(なんご)を発したり、笑顔を見せたりしたらそれが気になっているかもしれません。

「ゾウさんが好きなの?」「ゾウさんのお鼻長いのね〜」「お耳も大きいよ〜」と親子の会話もはずみますし、何より、子どもの好みがわかるかもしれません。子どものお気に入りわかると、親はとっても嬉しくなるもんですよね。

 

赤ちゃんは、絵本の読み聞かせを通じてまわりとどんどんつながっていきます。たくさんの知識を得た子どもは、多くの好奇心を見せるでしょう。それがもっと広く深くなっていったら、これからはじまる人生がより豊かなものになるはずです。

 

読み聞かせの時期は、赤ちゃんが興味を示したら

読み聞かせするママと赤ちゃん

「0歳の赤ちゃんは、読み聞かせをしてもわかっていないんじゃない?」

そんなご質問もよくいただきます。生後3ヶ月くらいまでのねんねの頃に、桃太郎などのお話を読んでも、泣いてしまったり、こちらを見ることもしないかもしれません。

大事なのは「いつ」ではなく、赤ちゃんが「興味を見せたら」です。

「赤ちゃんの興味」は、成長と発達とも関係があると、神戸大学の名誉教授の廣木先生に教えていただいたことがあります。

寝返りを打つようになると、それまで天井ばかりを見ていた赤ちゃんの世界は一変します。視界が広くなり、部屋の中のものも見えるようになります。

上体を起こせるようになると、いろいろなものを近くに見ることができます。座ったり、はいはいして移動できるようになると視界の範囲は広くなり、好奇心が高まって手を伸ばすようになります。

脳の成長とともに運動機能が発達していき、意思が生まれると、行動や態度で興味もわかるようになってきます。たとえば、部屋をきょろきょろ眺めたり、自分からおもちゃに手を伸ばしたり、欲しいものを指でさしはじめたら絵本を見せたり、簡単な読み聞かせをはじめてみるのもいいと思います。

とはいっても、赤ちゃんみんなが読み聞かせに聞き入るわけではありません。

 

絵本を見せてもそっぽを向いたり、嫌がったりする子もいます。そんな時は、きっと興味がないんだと思います。絵本よりも他に何か気になることがあるかもしれません。でも、健康で元気な赤ちゃんなら、ママパパの優しい声と笑顔が見られる読み聞かせを嫌いになることもないと思います。

読み聞かせの研究実験をしている大学の赤ちゃんラボの教授もおっしゃいます。

「大人と同じように、赤ちゃんにも今日は気が乗らないなんてことはあります。そんな日は無理強いをせずに、赤ちゃんのしたいことを優先しましょう」と。

 

読み聞かせにおすすめの絵本

絵本の写真

ファースト絵本でおすすめなのは、赤ちゃんがよく目にしているおもちゃや、お部屋の中にあるもの。動物や赤ちゃんがつかうモノなどが1ページに1つずつ紹介されているものもいいですね。

よく目にしているものなら、絵を見て「これは、あれと同じかな?」と特徴をとらえて次第にわかってきます。

とくにおすすめしたいのは、ママとパパが赤ちゃんに話かける言葉。

「おはよう」「いい天気ね」「気持ちいね」「うれしいね」「おやすみ」などの絵本です。赤ちゃんに笑顔で話しかけながら読むのがポイントですよ!

喃語が上手になってきて少しずつ言葉らしくなってきたら、音にあふれている絵本も選んでみてください。

たとえば、『まるまるぽぽぽん』あかあかくろくろ』『しましまぐるぐる』(学研プラス)、『もこ もこもこ』(文研出版)、『もいもい』(ディスカヴァー・トゥエンティワン )などの、言葉がリズムのようなに弾んで、色もはっきりしている絵本。大人には理解できにくいかもしれませんが、赤ちゃんの脳には反応をするみたいで、本当に人気なんです。

ほかにも、動物たちの泣き声がたくさん聞こえる『わんわんわんわん』(理論社)、それから笑顔が見えるあそび絵本!『いないいないばあ』(童心社)、『めくってばあ! ぴよちゃんとあそぼ』(学研プラス)などもおすすめです!

 

読み聞かせの動画アプリで気をつけたいこと

スマホを一緒にみる赤ちゃんとママ

動画アプリの読み聞かせは、忙しいママパパにはありがたいアイテムなので、利用者も増えています。

ただ、気をつけていただきたいこともあります。

まずは、あまり長時間使用しないこと。

これは、モニターの光が視力の弱い赤ちゃんには、やはり長くはおすすめできないからです。

それから、赤ちゃんひとりで見せないこと。

研究者の先生たちが口を揃えて言う読み聞かせの効果は、親子の間でのことばかりだからです。

もしも動画を見るなら、親子で一緒がいいですね。

その時に、「大きいね」「くまさんだね」「うさぎさんお耳長いね〜」などの声がけもしましょう。赤ちゃんが指をさしたり、声に出したりしたら、それに応えるように。

 

読み聞かせは英語よりもまずは日本語で。に賛成!

英語の絵本を読む赤ちゃん

教育のグローバル化もあって、赤ちゃんから英語に親しませたいと言うママパパも増えています。

赤ちゃんの英語教育に関しても、たくさんの先生方にお話を伺いました。とくに臨床心理学の先生たちは「脳がいちばん成長する時期だからこそ、母国語を伝えて」とおっしゃいます。私もそれに賛成です。

言葉には「人とのコミュニケーションで使うもの」そして、「自分の気持ちを表現するもの」という役割があります。相手を気遣ったり思いやったりする時にも日本語は特別な使い方をします。世界でも使い方がむずかしいと言われる日本語。それを上手に使うことができれば、どんな国の人とでも信頼関係を築くことができると思うんです。英語も良いのですが、まずは日本語をおすすめしたいです。

 

テキスト:いしびききょうこ(知育アドバイザー)
書籍・雑誌の編集者であり、知育アドバイザー。絵本をはじめ、子育て・知育・教育学習など。長年、乳幼児から親向けの雑誌や書籍、学習本の企画から編集制作に携わる。また、知育アドバイザーとして幼児向けデジタルコンテンツ、幼児教室カリキュラム作成、キャラクタープロデュースも行う。イオンキッズリパブリック会員向けおよび全国の産婦人科向け情報誌『babyco』プロデュース、「あんふぁんWEB 小学生ママコラム」、学研教室テキスト制作、小学館ドラネットキッズデジタル学習システム、ほか多数