夫婦関係や育児の大事なポイントは「ママの体や心の変化を理解すること」 |先輩パパからbabycoパパへエールを!①渡邊大地さん(前編)

夫婦関係や育児の大事なポイントは「ママの体や心の変化を理解すること」
2021/12/06 2023/04/03 太田菜津美 太田菜津美

babyco vol.57の特集「パパの産休・育休」では、babycoママ・パパの声を中心に取り上げました。ですが、もう少しパパのリアルな声を聞き出したいところ…。そこで、パパ代表として2名の先輩パパにお話を伺っていきたいと思います!
お一人目は、3人のお子さんを育てながら両親学級や父親学級を開催している渡邊 大地さん。こうした活動をしているからには、よっぽどいいパパなんだろうなぁと思ってお話を伺ったのですが、過去には失敗&反省の連続が…。

産休や育休中に夫婦でしておくといいことって?

編集長(太田):「パパの産休・育休」を特集するにあたり、babyco会員のみなさんにアンケートを取りました。お答えくださるのはママが多いので、私たちのもとに届く声としてはやっぱりママのほうが多いんですね。なので、ぜひ渡邊さんには、パパの立場としてご意見をいただきたいと思っています。
まず、将来的にパパが産休を取得しやすくなるのは、いいことだと思いますか? それとも、う〜ん…と思う面もあると思いますか?

渡邊さん:育休や男性版の産休が取れたほうがいいとは思います。選択肢があるほうが絶対にいいので。ただ、取れるのはいいと思うんですが、取ったときに何をするか?っていうのもセットで考えていかないと。
ただ単に休めるよっていうことや、会社から「休みなさいね」と言うだけだとおそらく今と状況はほとんど一緒で、パパが自分のために休みを消費するおうちが相次ぐんじゃないかと思うんですよね。

編集長(太田):たしかに、パパの選択肢が増えるのはいいことですよね。
今、渡邊さんがおっしゃったように、パパが育休を取ったbabycoの先輩ママ・パパのなかには、“休業”という考えが強くて「家にいるだけじゃん」というおうちもちらほらあったんです。

先輩ママの意見としては「育児について私がもっと教えたらよかった」という声もあるんですが、私としては、ママが教える前に、パパが自主的にいろんなことを学ぶように気持ちを切り替えられたらいいのかなと思うんです。
赤ちゃんが生まれる前に、こういうことをしておくといいよというアドバイスはありますか?

渡邊さん赤ちゃんが生まれたあとにどういう分担にするのかっていうのを、夫婦で話し合って決めておくといいと思います。
よくあるのは、パパのなかで「これをする」って思っていることが、夫婦のなかで定義がシェアされていないパターンですね。「ごはん作るよ」って思っていたけれど、日曜日のお昼ごはんだけだったとか。何をどのくらいするのかっていうのは、ちゃんと夫婦で話し合っておかないと。
あとは、ママが家にいなくても、できればパパがひと通りの家事をできるようにしておくといいと思います。

 

家事・育児分担ですれ違ってしまうのはなぜ?

編集長(太田):ママとパパの間で、どうして「これをする」の定義がすれ違ってしまうんでしょうか?

渡邊さん全体像が見えていないからじゃないでしょうか。
例えば、ママが料理を担当しているご家庭って多いと思うんですけれど、ママが食事を作っている姿を休みの日くらいしか見ていないと、ごはんを作る=休みの日にごはんを作っているというイメージしかないので。
買いものに行っている、献立を考えている、栄養バランスを考えている、離乳食を作っている…炊事は1日がかりでやっていることなんだっていうのが頭にないと、全体像が見えないですよね。

ただ、ぼくは、それはパパのせいとは思っていなくて。普段、仕事を一生懸命やっていると見えなくなっちゃうんですよね。だからこそ、産休や育休をきっかけに「ママはいつもこんな大変なことをやっていたんだ」っていうのを見直す機会になればいいなと思います。

編集長(太田):産休や育休だからこそ、そういう姿を見られるというか。ママが今までがんばっていた、パパからは見えていなかった部分が見えてきたら、より協力してできそうですね。

 

パパにとって育児が「しんどく」ならないためには

編集長(太田):家事や育児の分担を決めて、よしやるぞ!と思っても、実際にやってみたら想像よりはるかに大変だった…ということだらけだと、パパも「疲れた…」っていうときがきちゃうと思うんです。そういうとき、女性であれば、思い切り感情を爆発させるくらいのことをできる方が多いと思うんですが、男性はそういう姿を見せないイメージがあって。
パパならではのストレス発散方法や、分担についてママに再び話し合うきっかけをつくる方法ってありますか?

渡邊さん:まず発散方法は、パパの性格にもよると思うんですけれど、太田さんがおっしゃるように、ぼくらは話をして解消するというよりは自分のなかに溜めて「ひとりにして」っていうタイプが多いかもしれませんね。パパのなかにも、家事や育児をやるお父さんほど「自分の時間が減った」「自分の時間がもっとほしい」と考える方が多いので。

もし、パパが家事や育児でいっぱいいっぱいだと感じているなら、自分の時間がほしいんだと思います。育休をがっつり取って、ずっと家事や育児をやっていて…ということであれば「ひとりの時間をもらえるとありがたい」ってママに話してもいいんじゃないでしょうか。

分担を再び相談することについては、相談して負担の度合いを変えるっていう発想がおそらくないと思います。たぶん、しんどいなと思ったら勝手に「やらない」って決めちゃうことが多いんじゃないかな…。

編集長(太田):今、パパ目線のご意見を聞いてなるほどな〜と思いました。
じつはアンケートで、「パパが急にやらなくなった」「もうやらない!と言い出した」という声が多かったんですよ。ママからすると「分担を決めた意味がないじゃない!」と感じますが、パパのSOSなのかもしれないですね。

 

ママの体や心の波を知ると、パパのやるべきことが見えてくる

編集長(太田):渡邊さんが開催されている両親学級についてよろしいでしょうか。
渡邊さんのお考えとして、産後のママの体や心の変化も理解して、寄り添いながら育児をしていきましょうというのを大切にされているのかなと思ったのですが、ママの体や心の変化を理解しながら育児をすると、夫婦関係や育児の仕方はどんな風に変わるのでしょうか?

渡邊さん:今で言う“ワンオペ”だったと思うんですけれど、ぼく、一人目の出産後は家事や育児をまったくやっていなくて。妻も、そういうものなのかな、全部自分でやらなくちゃいけないのかなと我慢しながらやってくれていたと思うんですね。
二人目の妊娠がわかったとき、妻が「離婚したい」と。とてもじゃないけれど、あなたとは子育てできないと。それを機に、妻の指導を受けながら更生していくことになるんですが…。

妻がぼくに言ったのは、「体調と気分を毎日確認してほしい、それだけでいい」って。家事や育児は何をしろっていうことはないから、とにかく毎晩寝る前に今日の体調と気分はどう?と聞いてほしいと。

最初は、これって何の意味があるのかなって思っていました。毎晩聞くだけならラクだな〜って。でも、1週間、2週間と経つうちに、ふと、体調の変化の波がすごく激しいなって。

昨日はあんなに調子がよかったのに「腰が痛い」「寝不足」「全身がだるい」「おなかが張ってる」「頭痛がする」とか。「赤ちゃんが無事に生まれてくるか不安だ」っていう日もあれば、「赤ちゃんが元気に生まれてくる夢を見て、今日は気分爽快だ」っていう日もあって。ぼくが聞いて気づくくらいなので、この変化は、本人は相当しんどいだろうなって。

体調や気分を聞き続けていくうちに、「じゃあ今日はこの家事をやっておいたほうがいいかな」「子どものお世話の、ここはやっておいたほうがいいかな」ってやるべきことが思いつくようになって、それがだんだん、妻のやってほしいことと一致するようになりました。

そういう経験があって、妊娠や出産後は気分や体調の変化が大きいんだよ、自分の奥さんの気分や体調の変化に関心を持とうっていうことを伝えたいなと思っているんです。

 

渡邊さんのインタビュー後編はこちら♪

 

お話を伺った先輩パパ:渡邊 大地さん

株式会社アイナロハ 代表取締役。札幌市立大学看護学部 助産学専攻課程 非常勤講師。産婦人科や自治体などで、これまで1万8000人以上の産前産後の夫婦向けに両親学級、ワークショップ、講演を実施。『産後が始まった!』『夫婦のミゾが埋まらない』(カドカワ)など著書多数。

 

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