関西在住の名古屋人。昭和生まれ平成育ちの薬剤師。令和生まれの女の子のママ。音楽好きで趣味はボーカルとピアノ。
つわりは多くのママが妊娠初期に悩まされる症状のひとつですが、なかには入院するほどひどかったという人も。
筆者もその一人で、さらに血栓もできていることが発覚。
重いつわりに耐え、血栓の治療を続けながら妊娠生活を送りました。
妊娠中にもしも体調トラブルを起こしてしまったら? 重度のつわりに苦しむことになったら? 私の体験談とともに、体調トラブルがおこった時のために考えておきたいことをお伝えします。
まずは、つわりに苦しみつづけたわたしの妊娠期間について。
妊娠から出産まで、順に振り返ってみたいと思います。
妊娠がわかった直後から、つらいつわりに苦しむ日々が始まりました。
朝起きた瞬間からずっと吐き気が続き、大好きだった食べ物も受けつけず、すぐに体重が激減。勤務中もトイレにこもって吐いていることもあるなど仕事もままならなくなり、たびたびお休みすることに。
もちろん家事はほとんどできず、夫に協力してもらっていました。
それでもこの頃はまだ「これなら食べられる」というものが少しはあり、そればかりをちょこちょこと食べたり、経口補水液で水分補給をしたりといった日々を過ごすことに。
この頃わたしが食べられたのは、スイカやゼリー、たまに白米。ほぼこれだけ。
よく「妊娠中に無性に食べたくなる」といわれるフライドポテトなどは全くダメでした。食べづわりの傾向は、本当に人によって違うと思います。
しかし、日が経つにつれ吐きづわりの症状は日に日に酷くなっていき…ちょっと大げさな表現かもしれませんが、当時のわたしは“絶望”を感じたほどでした。
妊娠9週目ごろには水分すら受け付けなくなりました。このころがつわりのピークだったかも。
何とかジュースを飲んでみても、直後に吐いてしまうのです。かろうじて氷だけ舐めているという状況でした。
胃の中がからっぽになっても吐き気は続き、1日に何回も胃液を吐き、地獄のように感じる日々。
水分不足でおしっこが全く出なくなるなんて初めてのことでした。
体重は妊娠前より7kg減少。このままではまずいと夫に相談し、産婦人科を受診。
脱水ということで点滴を受けました。
おなかの赤ちゃんは無事か心配でしたが、エコー検査で元気とわかりホッとしたのを覚えています。
医師からは入院を提案されたのですが、とりあえず点滴に通院することを選びました。
しかし、通院することもしんどくなり、結局通院3日目に入院。24時間の持続点滴を受けました。
妊娠悪阻(にんしんおそ)と診断され、仕事は休職することに。
入院して1週間。
吐きづわりはまだまだ続くものの、ようやくアイスクリームを口にでき、そこから少しずつ食べられるようになっていきました。
点滴も徐々に減り、食事が摂れるようになったら退院と言われていましたが、医師から
と言われびっくり。
詳しく調べると、膝下に血栓ができていました。
治療のため入院は延長。出産まで血液をさらさらにするための薬を毎日自分で注射することに。
家のことや仕事、費用のことなども不安でしたが、まずは療養に集中することを決意。
結局47日間入院していました。
費用などについては後に説明しますね。
退院後もとても働けるような状態ではなかったので、診断書を書いてもらいお休みをいただくことに。
それから出産までずっと、毎日自分で注射を行ったり、妊婦検診とは別に2週間ごとに通院したりなど大変でした。
薬の影響で血が止まりにくくなることにもビクビク。
しかしおなかの赤ちゃんを守らなくてはと、夫に家事など助けてもらいながら乗り切りました。
妊娠7ヵ月目でようやく吐きづわりは落ち着きましたが、その後もなんとなくずっと気持ち悪かったです。
最後まで食欲はあまり増えず、体重は最終的に妊娠前と比べて+1.5kg程度という状況で出産。
「妊娠中期から体重増加に注意」とよく言われますが、わたしには無縁でした。
結局「つわりが終わった」と思ったのは出産後です。
退院後は、「手首に巻く内関のツボを刺激する指圧バンド」を試すなどして乗り切りました。
効果は人それぞれかも知れませんが、これでわたしは少し楽になった気がします。もっと早く知りたかったです。
最悪な体調つづきの妊娠生活でしたが、赤ちゃんはおなかの中ですくすく育ち、無事に生まれてきてくれました。
予定日より2週間早かったのですが、元気に産声をあげていてホッとしたのを覚えています。
産後はすぐに食欲が元どおりに。妊娠中の長くつらかったつわりが嘘だったかのようでした。
血栓も治り、産後1ヵ月で検査を行って治療は終了。
現在は育児にはげむ毎日です。
47日間の入院費用は、大部屋で約28万円。
(個室にするとさらに1日ごとにプラスされます)
健康保険に申請して、高額療養費の助成と休職している期間の傷病手当金を受けることができました。
入院したときは医療費や生活費用が心配になりましたが、手当のおかげでとても助かっています。
これから出産を控えるママさん、いつトラブルが起きるかわかりません。このような制度はぜひ知っておくといいでしょう。
また、わたしは加入していた医療保険からも給付金を受けられ(退院後に申請しました)、入院費をそれでまかなうことができました。
医療保険などに加入している人は、契約内容の確認もしておきましょう。
つわりに苦しんでいるプレママさん、具合が悪いときは我慢せずに、自己判断せず、すぐにかかりつけの先生にみてもらいましょう。
迷ったらとりあえず受診、でいいと思います。
わたし自身も、本当にひどくどうしようもなくなったので、もう少し早く病院で相談すればよかったかなと今は思います。
入院中、悩んでいた食事についてアドバイスを受けることで安心できました。
(当時、水分は緑茶しか口にできなかったのですが、カフェインがごく少量の赤ちゃん用のものを利用するといい、など)
水分補給は本当に大切です!
水分をとるのもキツくなったら即、受診しましょう。
また、先ほど紹介したようにもしもに備えて公的制度や医療保険の保障内容をあらかじめチェックしておくと、気持ち的にも安心できておすすめですよ。
みなさんが無事出産の日を迎えられますように。