0歳で小児鼠径(そけい)ヘルニア手術!入院と手術の実体験レポート

小児そけいヘルニア
2022/12/12 2023/04/19 Aoi Aoi

生後9ケ月頃。オムツ替えをしていたパパの叫び声が聞こえました。
「ママー!た…大変だ!!な…なんかお股が腫れてる!!」
のちに診断されたのは『小児鼠径(そけい)ヘルニア』という、子どもによくある病気でした。診断されてから数日で手術をした時の話や、実際の画像も入れた実体験レポートです!

子どもの鼠径(そけい)ヘルニアとは?

子供のそけいヘルニアとは

日本小児外科学会日本小児泌尿器科学会によると、お腹の中にある臓器が飛び出してきて、足の付け根部分=鼠径(そけい)部が腫れてくる病気が【鼠径ヘルニア】と言われており、いわゆる「脱腸」と呼ばれるものです。

子どもの場合、生まれつきある隙間や穴から臓器が出てしまう先天性ヘルニアがほとんどになります。

ちなみに、よく聞く「でべそ」は、臍ヘルニアと呼ばれ、臍の穴から腸が飛び出してしまう症状になります。

原因は?どんな人がなりやすいの?

日本ヘルニア学会によると、鼠径ヘルニアの発症率はこども100人中2~5人。1クラスに1人はいるくらい、よくある病気と言われています。家族にヘルニアの人が多くても、遺伝性はあまり分かっていないようです。

鼠径ヘルニアになってしまう原因はなんでしょう。

全ての赤ちゃんは、ママのおなかの中にいるとき、腹膜が足の付け根の皮膚の下にとび出しています。それを腹膜鞘状突起(ふくまくしょうじょうとっき)と言い、生まれる前に自然に閉じていきます。

しかしこれが自然に閉じない場合があり、一部が小児の鼠径ヘルニアになるそうです。

 

放置すると大変なことに!

鼠径ヘルニアを放置すると、まれに腸などがはまり込んで、血のめぐりが悪くなってしまいます。これを鼠径(そけい)ヘルニアの嵌頓(かんとん)と言います。

嵌頓を放っておくと、はまり込んだ腸などが壊死する危険性があるため、早い手術が必要です。

鼠径ヘルニアがふくらんでいても、ある程度柔らかく自然にふくらみがへこんだり、機嫌がよければ嵌頓の心配はないそうですが、「もしかしたら、これは鼠径ヘルニアかな?」と気になるのでしたら、早めの診断をお勧めします。

小児鼠径ヘルニアの発覚から手術まで

子どもの異変を感じてから入院&手術、そして退院までの流れをまとめました。

異変を感じた日

・8:00 異常発見!

パパが大泣きしている子どものおむつ替えをしていた時、股の部分が腫れあがっているのを発見!すぐさまママが股間を撮影

小児ヘルニアの症状

・10:00 近所の小児科で診察

なぜか腫れはひいていました。ここで先ほど撮影した時の画像を医師に見せると、

卵巣か腸がはみ出ている可能性が高いので、これからすぐ大きな総合病院へ行って診てもらってください
 

と言われるました。あの時撮影して本当によかったと感じた瞬間です。

 

・12:00 総合病院で診察

エコーをするとすぐ

卵巣が腹膜から飛び出ている鼠径ヘルニアですね。明後日入院、翌日に手術します
 

と言われました。

その後、採血とレントゲン、ミルクを飲み気づけば夕方に……。

親子ともに疲れ切ってヘトヘト状態でした。入院前に残された1日だけで、書類に目を通し、入院の準備をしました。

 

入院から退院まで

小児鼠径ヘルニアと診断された2日目に入院することになりました。

採尿パック

朝のミルクを飲んだ後、採尿パック(写真参照)を股にセットし、しばらくしたら尿がとれたのを確認し、パックの口を閉じてジップロックにそのまま入れます。

男の子は比較的採尿しやすく、女の子はずれやすく失敗しやすいみたいですが、なんとか採尿に成功!

 

■入院初日

・14:45 総合病院入院受付

尿を提出し、入院手続きを済ませた後、薬剤師や麻酔科の医師から翌日の手術について説明がありました。

手術前は、酸素マスクをして一旦眠くさせるそうです。

ここで驚いたのが、麻酔の匂いがチョコかバナナか選べたこと。美味しそうな気分で手術前のストレスが緩和されていたらいいな…と思いました。

軽く眠らせた後の麻酔は、帝王切開出産でもなじみがある、背中から入れる硬膜外麻酔を使用するようです。

 

・16:30 病室案内

6人部屋で、色んな子どもたちが入院していました。

新型コロナウイルスの影響で、病室付き添いは1名まで。夜は完全看護のため、親は帰ることにしました。

 

手術~退院

手術後の赤ちゃん

■手術当日

・8:00 手術着に着替える

かなり大きくブカブカ。夏でよかったな…と思いました。

朝は看護師さんが浣腸したようです。

 

・8:50 抱っこをして手術室へ

この病院では1週間に2回、小児鼠径ヘルニアの手術日が設定されていて、1日2~3件手術しているそうです。本当によくある病気なんだと実感しました。

小さなベッドに入れられ、手術室前で子どもとお別れ。

 

・9:00 家族控室で待つ

狭い個室に数名、みんな無言状態。足音がするたび、一斉に顔をあげている様子から、我が子の帰りを待っているのだとわかりました。

・10:15 手術室から出てくる

ストレッチャーに乗せられ、酸素マスク、酸素濃度計、点滴の管がつけられ、眠った状態で病室まで運ばれていきます。

小さい体で頑張った姿に、自然と涙腺が緩くなりました。

 

・11:30 目が覚める

まだトロンとしていて、立ち上がろうとしてもくらくらするのか、すぐ座り込んでしまいます。

傷口は小さく、皮膚のシワに沿って切られているため、あまり目立ちませんでした。

 

・12:00 白湯→ミルクを摂取

その後、ミルクを飲んだり夕方に離乳食を食べさせ、親は一旦帰宅することに。

熱が下がっていれば、手術翌日に退院できるのが、基本的なスケジュールになります。

 

■退院

本来なら手術翌日に退院できたのですが、我が子の場合は熱があったため退院は1日延び、手術の翌々日の朝に退院になりました。

手術のあと

 

小児鼠蹊ヘルニアの治療費や手術代は?

さて、こうした子どもの病気がみつかって、しかも手術まで行なったとなると、まずはもちろん子どもの体の状態が大切ですけれど、医療費や手術代についても気になるかと思います。

私の住んでいるエリアでは中学卒業までは医療費無料なので、こうした手術代をはじめ今回の小児そけいヘルニアの治療費は一切かかりませんでした。

もちろん、個室を希望するなど治療外の希望については自己負担になりますが、まずは、お住まいの自治体の医療費について調べてみてください。

また、医療保険などに入っていると治療費以外の通院タクシー代などがもらえたりもするので、そちらもあわせてチェックしてみると安心ですね。

 

術後は順調。育児はパパも積極的に!

今回、異常を感じてから入院・手術・退院までわずか5日間の出来事。

退院後は、日常生活に大きな変化はなく、いつも通りの生活が送れています。傷口も半年ほど経つと、どこを切ったか分からないほどきれいです。

小児鼠径ヘルニアは、お腹に力を入れたときに飛び出ることが多く、普段は全く異常がないことから、なかなか気づかれないようです。

我が家の場合、人見知りが始まり、イヤイヤ期で大泣きする子どものおむつ替えを、あえてパパにしてもらったことで幸運にも発覚。

多くの目は子どもの病気を素早く感知できる!」と感じた瞬間でした。

もし子どもが大泣きして、パパがお世話を遠慮したとしても、思わぬことで病気を発見できる良いきっかけになると言って、子育ての協力を仰いでみてはいかがでしょうか?

 

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