babyco編集長。書籍編集者。
新潟の山奥で肉用牛を飼育しながら、野菜やくだものを育てる祖父母のお手伝いをきっかけに、丹精込めて作られた食材のおいしさ、食べることや命の大切さを学ぶ。特集記事、離乳食やママごはんなど幅広く担当。ママ・パパの気持ちに寄り添った記事の制作を心がけている。
とろけるような果肉、キュッとした皮の歯ごたえが特徴的な『なす』。大人ですと、独特の渋みや皮と果肉の食感がおいしいなと感じることが多いですが、その大人にとってのおいしいポイントがいやだ!と思う赤ちゃんも少なくないようです。
今回の食育通信では、なすが苦手だという赤ちゃんたちの「なすのここがいやだ!」という理由と、今日から実践できるおいしく楽しく食べるための調理のコツをご紹介します。
babycoがママと赤ちゃんに調査をした「野菜の好き嫌い」に関するアンケートによると、なすは嫌いな野菜の第3位にランクイン。どんなところが苦手か?という質問には、以下のようなお答えが多く挙がりました。
● 皮や果肉の色、見た目
● ぶにゅっとしていて、やわらかい食感がいやだ
● 皮の歯ごたえ
● 独特のにおい
私たちが普段食べている食材を思い浮かべてみてください。トマトやいちごの赤色、にんじんやかぼちゃのオレンジ色、ほうれん草やブロッコリーの緑色。色とりどりで、食欲の湧くような色ばかりです。
一方、なすのような「青色や紫色」の食材はとても少ないですよね。青や紫は見た目で食欲を減退させるという研究結果もあるので、食経験が少ない赤ちゃんにとっては、受け付けにくい色味といえます。
また、人間や動物は、食べものの“見た目”で「これは食べても安全なものだ」と判断しています。食べものは鮮度が落ちると変色するものが多いですから、なすの茶色い変色や色移りなどの“色の変化”には食欲が湧きにくいのです。
歯ごたえに関しては、噛む力が弱い赤ちゃんにとって、なすのパリッとした皮は噛み切るのが難しいもの。子どもの“嫌い”は、食べづらさも理由のひとつなんですね。皮は硬いのに果肉はやわらかいというギャップが苦手な子もいるようです。成長とともにだんだん食べられるようになる食材のひとつですから、ゆっくりと食生活を豊かにしていきましょう。
● なすの皮や果肉の食感が苦手なら?
なすの果肉は水分が多く、とろっとしてやわらかいので、ほかの食材と合わせて食べやすいのがいい点です。ペーストにしてラザニアの層にして重ねたり、小さく切ってひき肉など同じような形状のものと合わせたりするとよいでしょう。皮は、噛み切る力が未熟なうちは全部むいてもOK。水なすは皮がやわらかめなので、離乳食におすすめです。
◆ 水なすのおすすめ調理法
水なすは皮、果肉ともに水分が多くてとてもやわらかいので、おみそ汁の具にしたり、さっと出汁で煮たりするのがよいでしょう。炒めものなどのしっかりとした加熱にはあまり向きません。
● なすの見た目がいやな場合は?
なすの特徴である青色や紫色は、赤ちゃんに限らず人間の食欲を減退させる色です。なすを皮つきで調理すると、ほかの食材に皮の色が移る場合があるので、別で加熱調理*してから合わせると離乳食がきれいに仕上がります。
※丸ごとラップで包み、600Wの電子レンジで2分ほど加熱するとやわらかくなります。なすがしなっとやわらかくなっていればOKです。加熱が足りないようなら、ひっくり返してさらに30秒〜1分ほど加熱しましょう。
なすの果肉や種の部分の変色した見た目がいやだという場合は、切ったあとにしばらく水につけたり、上記の通り、丸ごとレンジで加熱してから切ると変色を防げます。
◆ なすの果肉や種の部分は、どうして変色するの?
なすには、空気にふれることで反応する酵素があります。この酵素が、なすに含まれるポリフェノールを酸化させることで茶色に変色するのです。変色を防ぐためには“空気にふれさせない”ことが大事です。また、酵素は加熱することで働かなくなるので、酸化反応が起こる前に加熱することもポイントです。
● なすの渋みをやわらげるには?
“渋み”はピーマンなどの苦味同様、人間や動物が危険な物質と感じる味刺激のひとつ。渋み成分は油にも溶けやすい性質があり、油に溶けることでくちのなかで刺激を感じにくくなります。また、なすに含まれる代表的な渋み成分「クロロゲン酸」は長なすや水なすだと含有量が少ないので、品種選びにこだわるのもいい方法ですね。
母子栄養協会とは?
「日本の食卓をもっと元気に もっと笑顔に」をモットーに、食と健康から子育てを支えるママたちの強いミカタ。食に関するイベントや養成講座など、生活に役立つ情報が満載!
\資格取得を目指すママも注目/
「食」に関する養成講座を開講中!
● 妊産婦食アドバイザー®︎養成講座
● 離乳食アドバイザー®︎養成講座
● 幼児食アドバイザー®︎養成講座
● 学童食アドバイザー®︎養成講座
● 母子栄養指導士®︎養成講座