需要が高まる産後ケアを徹底比較!自分に合った産後ケア施設を見つけよう

産後ケア施設
2022/03/22 2023/07/26 アサガオ アサガオ

産後のママ=全治数か月のほどのダメージ、とよく言われていますね。
その上で赤ちゃんのお世話もあり、心身共に負担が大きい大変な時期です。
「産後ケア」は、そんなママと赤ちゃんを守るためにあります。ママの心身のケアから赤ちゃんのお世話の仕方まで、ママに寄り添ってお世話してくれます。まずは知ることからはじめてみましょう。
お世話(ケア)が必要なのは赤ちゃんだけじゃありません。ママにも必要なんですよ。

産後ケアってなあに?

マッサージを受ける女性

「産後ケア」とは、出産後のママが元気に笑顔で育児ができるよう、専門家によって
ママの身体のケア
育児・家事についてのサポートや指導
が受けられるものです。

妊娠期~産後のママと赤ちゃんを守るための「母子健康法」(妊婦さんへの母子手帳の交付や乳幼児期の健康診断などについて定められているもの)という法律があり、ママと赤ちゃんの健康については昔から重視されてきましたが、令和3年にはその「母子保健法」が改正され、自治体レベルでも産後ケアを積極的に行っていきましょうと定められました。

核家族や夫婦共働きが増える現代。ママの心身への負担が増える一方で産後ケアを行う場所や担い手が少ないという問題点があり、法律で定めることでより拡充化をしようとした動きです。

ママの心身のケアとサポート、技術的な指導などを行い、産後うつの予防などのメンタルヘルス対策と、最終的には母親としての自立と母子の愛情密着を促すことを目的に行われています。

 

どうして産後ケアが必要なの?

産後6~8週間までは産褥期といわれ、妊娠・分娩で変化したママの身体を妊娠前に戻す期間のことで、ホルモンバランスが乱れやすく、この時期に無理をすると妊娠による身体の変化による不調(腰痛、尿漏れなど)とともに心の不調を引き起こすこともあるといわれます。
産後ママの心の不調…マタニティブルーズや産後うつはよく聞きますね。ママの2人に1人は経験するともいわれ、ママであれば誰しも起こりうるものです。

【参考】
マタニティブルーが心配!ママのストレスの原因と予防と対処法

産褥期はいつまで?~産後の症状、過ごし方と適切な診療科~

産褥期は寝て過ごすようにと昔からいわれていましたが、赤ちゃんのお世話もあるため、ママはなかなかゆっくり休めません。

知識や技術を持ち、今までにいろいろなママをみてきた専門家による産後ケアは、不安と孤独を感じがちな産後のママに寄り沿い、ママの回復・赤ちゃんの成長に沿った適切なケアや、家事などのコツや手の抜き方などのアドバイスなどを与えてくれるはず。

産後ケアをもっと詳しく!①~サービス内容、場所について~

産後ママ オンライン相談 医師

何する?何をしてくれるの?~サービス内容について

【産後ケアでできること】
▶︎ママの身体のケア
 (乳房ケア、骨盤矯正、整体マッサージ、骨盤収縮を促進するものや体型戻しの体操、ピラティスやヨガなどを行うところも)
▶︎赤ちゃんの沐浴指導や授乳指導
▶︎育児相談・代行とサポート・アドバイス(赤ちゃん・上の子)
▶︎赤ちゃんの健康チェック
▶︎家事代行とサポート・アドバイス
▶︎生活相談や支援
※施設によって、またその施設の専門家によって若干異なります。ご利用の際は事前にお住まいの地域の自治体ホームページなどで調べておくことをおすすめします。

どんな場所で受けられるの?

自治体によるものと、民間のものがあります。
ママの自宅に専門家が来てくれてケアやサポートをしてくれるもの、助産院や病院などに通院するものや地域のコミュニティ施設に参加するもの、泊りがけでケアしてくれるところなどがあります。
詳細はコチラ▶︎「施設タイプ別リスト」

最近ではネットで申し込みなどの手続きが完了するものやzoomなどオンラインでつながれるものも増えているようです。

自治体からの補助金を受けられるサービスや医療費控除の対象になる場合もあり、金銭面的にも助かりますね。

【参考】
国税庁:医療控除の対象となる医療費

産後ケアをもっと詳しく!②~ケアしてくれる人(専門家)について~

メモをとる女性

産後ケアに携わる専門家は複数います。
・保健相談所などの保健師
・病院などの看護師や助産師
・赤ちゃんや上の子のお世話をしてくれるベビーシッターなどもそうです。
ここでは、産前産後ならではの、普段はあまり耳にしたことのない専門家についてご紹介します。

産後ケアリスト

一般社団法人日本産後ケア協会が主催している民間資格です。
【特徴】
・産後~子どもが社会人になるまで長くサポート
・訪問型と産後ケアセンターや助産院などでの宿泊やデイケアを受けることも可能
【やってくれること】
・育児相談
・夫や祖父母との関係についてのサポートやアドバイス
・家事の代行とサポート、アドバイス
・行政関係(産後届出や経済支援など)、育児や保育、家事ついての情報提供

【参考】
一般社団法人 日本産後ケア協会
MAMA'S HEAVEN

 

産後ドゥーラ

一般社団法人ドゥーラ協会が主催している資格です。
「ドゥーラ」とは、「他の女性を支援する、経験豊かな女性」という意味を持ち、海外では助産師に近い職業して広く知れ渡っています。
【特徴】
・産前産後の女性に寄り添うスペシャリスト
・訪問型と病院などの施設でデイケアなどが受けられる
・救命救急も学び、必要に応じて病院や行政機関などの専門家とのパイプ役にも
【何をしてくれる?】
・産後の生活の相談
・退院時含めた外出の付き添い
・育児の代行(上の子のお迎えにも対応)、相談、サポート、アドバイス
・家事の代行とサポート、アドバイス
・乳房ケアやマッサージ、簡単なハンドマッサージなども

【参考】
一般社団法人 ドゥーラ協会

産後ヘルパー

産前産後ヘルパー技能認定といい、一般財団法人日本医療教育財団が主催している資格です。
【特徴】
・派遣が主でママの自宅でママのサポート
・「産前・産後ヘルパーの派遣」制度を取り入れている自治体多く、補助対象の場合も
【何をしてくれる?】
・退院時含めた外出の付き添い
・育児の代行、相談、サポート、アドバイス
・家事の代行とサポート、アドバイス
・母乳ケアやマッサージ、子宮収縮を促すマッサージや体操なども

【参考】
一般財団法人 日本医療教育財団

 

どの資格も共通していることは、ママのケアを重視しているところ。
家事・育児全般と、産後の不安定な時期に適したコミュニケーション方法学び、ママに寄り添ってくれます。

なかには保育や心理などの他の資格も併せて持っている人も多く、受けられるサービスも多岐にわたります。
医療的な処置はできませんが、困ったことや緊急事態の際は相談窓口になり情報提供してくれたり、専門家を紹介してくれることも期待できる心強い味方です。

 

自分にあった産後ケアはどれかな?比較してみよう

ご紹介してきたように産後ケアにはさまざまなサービスがあります。
どれが自分に合っているか、比較しながら選んでみましょう。

タイプ別に場所や内容から選ぶ

タイプ 自宅タイプ
居宅訪問型
(アウトリーチ)
日帰りタイプ
通所型
(デイサービス)
宿泊タイプ
短期入所型
(ショートステイ)
場所 ・ママの自宅や実家 ・産後ケアセンター
・助産院
・産婦人科などの病院など
・保健相談所
・公民館などのコミュニティ施設
・子育支援施設
・産後ケアセンター
・助産院
・産婦人科などの病院
サービス  内容  ・ママの身体のケア(乳房ケア、骨盤矯正、整体マッサージ、骨盤収縮を促進するものや体型戻しの体操、ピラティスやヨガなどを行うところも)
・赤ちゃんの沐浴指導や授乳指導
・育児相談・代行とサポート・アドバイス(赤ちゃん・上の子)
・赤ちゃんの健康チェック
・家事代行とサポートやアドバイス
・生活相談やサポート
・ママの身体のケア (乳房ケア、骨盤矯正、整体マッサージ、骨盤収縮を促進するものや体型戻しの体操、ピラティスやヨガなどを行うところも)
・赤ちゃんの沐浴指導や授乳指導
・育児相談
・赤ちゃんの健康チェック
・生活相談やサポート
・ママの身体のケア (乳房ケア、骨盤矯正、整体マッサージ、骨盤収縮を促進するものや体型戻しの体操、ピラティスやヨガなどを行うところも)
・赤ちゃんの沐浴指導や授乳指導
・育児相談
・赤ちゃんの健康チェック
・赤ちゃん夜間預かり
・食事提供
・生活相談やサポート
特徴 ・自治体による保健師の訪問はママの心のケア重視(悩み事や不安な事を聴く)、赤ちゃんを育てるにあたっての手技(沐浴など)の確認、地域の母子保健、子育て支援に係る情報の提供等を行う。専門的に育児指導やケア(母乳など)が必要な場合は専門家に繋げてくれる役割も
・産後ドゥーラなどはママの希望に合わせてサポ-トを行ってくれる
・個別対応のものと集団対応のものとがある
・自分に必要なケアのみ受けることができる(育児相談のみ、乳房ケアのみ、など)
・泊りがけで入所
・助産師などの看護職が24時間体制で勤務
・分娩施設での延長入院(産褥入院)とは区別されている
・施設によってはパパや上の子も一緒に入所可能
・利用期間は原則7日以内が多く、分割利用も可能、必要あれば延長も可能
こんなママにおすすめ ・外出にまだ不安のあるママ(体調に不安があったり、赤ちゃんとの外出にまだ慣れていないなど)
・上の子との生活もあり、自宅でのケアを希望しているママ
・頼みたいことが具体的に決まっていないけど、誰かに頼りたい、つらいと感じているママ
・自宅から離れて大人と話しをしたいママ
・外に出る事で息抜きになるママ
・ママ友を作りたいママ(集団対応の場合)
・昼間のサポートのみ必要としているママ(夜間は家族のサポートが受けらる、など)
・産後に家族のサポートが十分受けられない状況にあるママ
・授乳が困難な状況のまま分娩施設を退院したママ
・不慣れな育児に不安があり専門職のサポートが必要なママ

 

時期や費用から選ぶ

タイプ 自宅タイプ
居宅訪問型
(アウトリーチ)
日帰りタイプ
通所型
(デイサービス)
宿泊タイプ
短期入所型
(ショートステイ)
メリット ・赤ちゃんの授乳などの時間を調整したりする負担は訪問タイプなどに比べ少ない
・家事代行を請け負ってくれる場合は、出産後のイベントのお手伝い(100日祝いの料理作りやお宮参りの付き添い、ニューボーンフォトの手伝いなど)や上の子のお誕生日などの際のお手伝いもお願いできる場合も(利用前に要確認)
・集団対応のものは、赤ちゃんの月齢が近い知り合いができるかも
・宿泊型に比べ安価
時期  ・自治体が関係している場合は生後1年未満が多い(補助金の関係から)
・民間運営のものは特に制限を設けていない場合が多い
・自治体の補助を受ける場合は生後1年未満までが対象の場合が多い
・乳房ケア以外、骨盤矯正などのママの身体のケアは、一部生後2、3ヵ月~の場合あり
・育児相談、赤ちゃんの健康チェック、生活相談やサポートは時期を問わず、気になる場合はすぐ相談を(保健相談所など)
・生後すぐ~4ヶ月までが対象の場合が多い(施設によってや、ママや赤ちゃんの状況によりそれ以降でも利用可能な場合も)
費用 〈自治体による専門家(主に保健師)の訪問〉
・無料の場合が多い

〈その他〉
・自治体の補助ありで数百円~
〈産後ケアセンター〉
・自治体補助あり…1日(9時~18時利用など)3,000円程度
※住民税非課税世帯・均等割のみ課税世帯・生活保護世帯には減免も
・自治体補助なし…1日数千円~5万円くらい

〈産後ケアセンター以外の短時間のもの〉 乳房ケアや整体などママの身体のケアなどの場合、 自治体補助あり…数百円~ 自治体補助なし…3,000円~10,000円程度(チケット制の場合も) ・病院や地域の子育て施設などで無料のイベントとして開催している場合もある
〈産後ケアセンター〉
・自治体補助あり…1泊2日10,000円程度
・自治体補助なし1泊2日で20,000円台~60,000円台
・施設によってはパパや上の子も一緒に入所可能
・利用期間は原則7日以内が多く、分割利用も可能、必要あれば延長も可能

※お住まいの地域によって費用や内容は異なります。

近くの産後ケアサービスを探す

自宅に訪問タイプ:居宅訪問型(アウトリーチ)

〈産後ケアリストを探す〉
MAMA'S HEAVEN(一般社団法人日本産後ケア協会運営の訪問型サービスサイト)
〈産後ドゥーラを探す〉
一般社団法人ドゥーラ協会

〈その他〉 自治体のHPには以下のサポートについて案内されていることがあるので要チェック!
・ファミリー・サポート・センター(お迎えなど援助を受けたい人と援助を行いたい人をつなぐ組織)
・産前産後ヘルパー
・保育ママ(保育士などの資格を持った人が自宅で子どもを預かる) ・訪問育児(子育て)サポ―ター(地域の育児経験や子育て支援の活動経験がある人がママの自宅に訪問し、育児相談や家事育児のサポートなどを行ってくれる)

 

日帰りタイプ:通所型(デイサービス)

〈乳房ケア施設を探す〉
桶谷式母乳育児相談室全国の施設 
〈助産所を探す〉
公益社団法人日本助産師会

 

宿泊タイプ:短期入所型(ショートステイ)

〈産後ケア施設を探す〉
産後ケア入院完全ガイド

 

産後ケアはなぜ重要視されている?~産後ケアの必要性~

赤ちゃんとお昼寝するママ

産後ケアが法律でも定められているということは、ママにとってそれだけ大変な時期ということ。
そんな時期でもできるだけママの心身の状態を良くしておくことは、それだけで赤ちゃんにも良い影響があるはずです。
産後ケアについて知っておくことは、赤ちゃんを育てて行く上での心のよりどころをひとつ増やすこと。
また、産後の時期に家族以外の第三者と関わりを持つことで、産後クライシスの予防になることも。(パパにとってもメリット有りです!)

ぜひママにもママ以外の人にも、産後ケアがもっともっと広く浸透する社会になってほしいですね!

イラスト/ふみぽっくる

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