【産婦人科医監修】 産後うつになりやすい人とは? その特徴と対策方法

2024/08/20 babyco編集部 babyco編集部

出産は、ご自身とご家族にとって喜びのひとときですが、その一方で不安やストレスも感じることがあります。
その気持ちが強くなりすぎると、「産後うつ」になることもあります。

産後うつには、なりやすい特徴があると言われているので、いまの自分の心情や状況と照らし合わせてみましょう。
今回は、産後うつになりやすい人の特徴やその対策方法について、ご紹介いたします。

監修
佐賀 絵美先生
 佐賀 絵美先生

日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科遺伝診療学会認定医 (周産期)

杏林大学医学部を卒業後、横浜市立市民病院、函館中央病院、板橋中央総合病院、東京品川病院で勤務。その後、2023年7月に二子玉川女性のクリニックを開院。些細な症状を含めた女性の悩みを広く解決する女性のホームドクターとして地域に根ざした医療を提供。自身も二児の母親であり、女性、母、医師の立場からママたちをリアルな視点からサポート。

産後うつになりやすい人の特徴

産後うつになりやすい人の特徴

産後うつは誰にでも起こりうるものですが、とくに以下に思い当たる人は、「産後うつ」について学んでおくといいでしょう。

■完璧主義で責任感が強い人
完璧を求めすぎて、自分を追い込んでしまうことがあります。家事や育児に対して高い基準を設け、それに達しないと自分を責めてしまうことが多いです。

■過去に精神的な疾患を経験したことがある人
うつ病や不安障害の経験がある人は、産後うつを感じやすいかもしれません。過去に精神科に通っていた経験がある場合、再び気持ちが落ち込むことがあるかもしれません。

■サポートが少ない人
家族や友人からの支援が少ないと、孤独を感じることがあります。育児や家事の負担を一人で抱え込むことが多い人は、周囲に相談してみましょう。

■生活環境に問題がある人
パートナーとの関係がうまくいっていない、経済的な心配があるなど、環境の影響も関わってきます。家庭内でストレスを感じることが多い人は、自分を大切にする時間を持つことが大切です。

■妊娠中にストレスが多かった人
妊娠中に大きなストレスを感じた人も、産後に気持ちが落ち込みやすいことがあります。妊娠中の不安や心配が続いていた場合は、産後もその影響が残ることがあります。

思い当たる方は以下の記事もお読みください。
チェック診断で「産後うつ」の可能性が高いかどうか確認できます。

 

産後うつの主な症状

産後うつの主な症状

産後うつの症状は様々ありますが、一般的なうつ病の症状と共通しています。

●強い不安感やパニック発作
些細なことでも心配しすぎて、不安になったりパニックになることがあります。

●気分の落ち込みや無気力
日常生活で楽しみを見つけられず、気持ちが落ち込んでしまうことがあります。

●食欲や睡眠の変化
食欲が急に増えたり減ったり、眠れなくなったり、逆に眠りすぎてしまうことがあります。

●赤ちゃんへの興味や愛情の低下
赤ちゃんに対する愛情を感じられず、育児に自信を失ってしまうことがあります。

 

産後うつを予防するための対策

産後うつを防ぐためには、以下の対策が有効です。

早めの準備と計画

家族の協力

妊娠中から産後のサポート体制をととのえることが大切です。出産前に家族や友人と話し合い、具体的なサポートをお願いしておきましょう。

サポート体制の構築

家族の協力:
出産前にパートナーや家族と話し合い、育児や家事の分担を決めておくことが大切です。具体的な役割を明確にすることで、産後の負担を減らし、スムーズな生活を送ることができます。

友人やコミュニティの支援:
友人や近隣コミュニティの支援を求めることも大切です。地元のママ友グループや育児サポートグループに参加すると、孤立感が減り、精神的な支えを得られます。困ったときや不安なときに話せる仲間がいることで、気持ちが楽になります。

 

専門家のサポートを受ける

心理カウンセリングや産後ケアセンターの利用も考えてみましょう。専門家のアドバイスを受けることで、心のケアができ、気持ちが楽になることがあります。自分の心と体を大切にするために、必要なサポートを受けることをためらわないでください。

心理カウンセリング

カウンセラーの役割:
精神科医や臨床心理士によるカウンセリングは、感情を整理し、ストレスを軽減するのに役立ちます。必要に応じて、適切な治療法を提案してもらえるので安心です。

地域の支援サービス:
地域によっては、産後うつに特化したケアセンターやサポートプログラムがあります。自治体のウェブサイトや地元の保健センターで情報を確認してみましょう。こうしたサービスを利用することで、サポートを受けやすくなります。

 

適度な運動と健康的な食生活

適度な運動と健康的な食生活

心身のバランスを保つために、健康的な生活習慣を大切にしましょう。適度な運動やバランスの取れた食事を心がけることで、気持ちも体も元気になります。

適度な運動

運動のメリット:
軽い運動はストレスを和らげ、気分を良くしてくれます。ウォーキングやヨガなどの軽い運動から始めると良いでしょう。

運動の計画:
産後すぐには激しい運動は避け、医師と相談しながら段階的に運動を取り入れましょう。ベビーカーでの散歩もおすすめです。少しずつ体を動かして、リラックスする時間を持ちましょう。

健康的な食生活

栄養バランスの重要性:
バランスの取れた食事は、体の回復を助け、心の健康にも良い影響を与えます。特にビタミンB群やオメガ3脂肪酸を含む食品を積極的に摂ることが大切です。

具体的な食事内容:
魚、 ナッツ、緑黄色野菜、全粒穀物などを意識して取り入れることで、心身の健康を保つことができます。日々の食事にこれらの食品をプラスして、元気な毎日を過ごしましょう。

 

リラクゼーションとストレス管理

ヨガや瞑想などを取り入れることで、ストレスを和らげることができます。自分の時間を大切にし、リフレッシュすることが大切です。リラックスするひとときを持ち、自分自身をいたわりましょう。

リラクゼーション技術

ヨガと瞑想:
ヨガや瞑想は、心身をリラックスさせるのに効果的です。特に深呼吸法や簡単なポーズは、産後のストレス軽減に役立ちます。

アロマセラピー:
アロマオイルを使ったリラクゼーションもおすすめです。ラベンダーやカモミールなどの香りは、リラックス効果が高く、ストレスを和らげてくれます。

自分の時間を確保

趣味やリフレッシュ活動:
自分の好きな趣味に時間を割くことで、リフレッシュできます。読書や音楽鑑賞、手芸など、自分がリラックスできる活動を見つけて楽しみましょう。自分だけの時間を持つことで、心も体もリフレッシュできます。

 

終わりに

産後うつは自覚があまりないとも言われています。
早めに気づくことで適切な対策を取り、乗り越えることができます。この情報が、少しでも不安を感じているママたちの助けになればうれしいです。

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