“ゆるまじめ”な子育て応援メディアbabyco編集部です。妊娠・出産・育児というライフステージで大変なママもパパが、ゆる~く、でもまじめに学びながら、 子どもと共に楽しく成長するためのヒントをご提供するのがモットーです。
こんにちは!babycoのママ編集Rです。
今年、台風や豪雨などの自然災害で日本のさまざまな地域が大きなダメージを受けました。
子どもを抱っこしながらその様子をニュースで観て、テレビごしに被災地の方々のお話しを聴いていると、親として、「ひとごとではないな…わたし自身災害に遭ったらどうしよう。。子どもを連れてちゃんと安全な場所に逃げられるのだろうか…」と不安に駆られました。
そこで今回は、「災害時に発生する火事」をテーマに消火訓練をしながら、多くの被災地で救援活動をされている防災スーパーバイザーの佐伯先生に、災害時にママができることや事前にできる対策の取材をしました。
実は、火事は、あらゆる自然災害の”二次災害”として起こるんです!
地震や津波、台風などの災害が起こると、それにより傷つけられた電線からの漏電やショート、またはガス漏れなどが原因で出火。
さらに発火後10分とたたないうちに、天井付近の空気温度は300〜800℃前後まで上昇し、この空気を吸い込むと気道熱傷で喉の気道が腫れ上がり窒息してしまいます。
また逃げ道を失った人は火災現場で一酸化炭素中毒であっという間に気を失い倒れてしまうのです。
火事は目に見える炎よりも、目に見えない気体や煙に様々な危険が潜んでいるんです。実際に多くの人たちが、こういった火事を理由に亡くなっています。
(※中央防災会議の首都直下型地震の想定値より)
「自然災害である地震や津波とは違って、火事にはなにか原因となる出火元があって起こるのです。その原因を取りのぞくことで火事の発生率をグッとさげることができる」と先生は言います。
「うちでは火事は起きないだろう…」と思い込んで安心していてはいけません!実は家の中には、あらゆる危険ポイントが隠れていて、気づいていない方がとても多いのです。この機会に改めて確認してみてください。
たとえば、リビング。
仮に地震がおきて、テレビのコンセント口から火花が散ったとき、テレビの下にたまっているホコリに引火してしまったら…と想像してみてください。
さらに、災害後も出火が見られないからといって安心はできないのです。見えないところで電化製品のコードがダメージを受けていて、皮膜の中で電線が熱を持ち発火。周辺のものに引火し「通電火災」に発展してしまうこともあるのです。
「電源コードは火災原因になると考えできるだけ抜いておくようにする」など、家の中にある『火事防止ポイント』をきちんとおさえておくことが必要だと教えていただきました!
●ドライヤー、テレビ、電子レンジ、ストーブなどのプラグはコンセント口から使用時以外はぬいておきましょう。
●避難時にはかならずブレーカーをおとす
●避難先から戻ってきたら、ブレーカーを戻し通電する前にコンセント口からをすべてのプラグを抜いておく
●ブレーカーを部分ごとに通電させながら、プラグをコンセント口に差し込んでいき、変な音や発熱、異臭がしないかを確認
●ガスの元栓は、避難時には必ず閉める
●タバコの吸い殻の火は、ちゃんと消えているか確認
予想外のタイミングで災害はおこる。だからこわいんですよね。でもそんなときに、ママたちはあわててもいけないし、どうにかなるだろうとのんきになっていてもいけません!
とにかく自分の安全を確かなものにしたうえで、しっかりと対策をし、お子さんを守ってあげられるように心の準備をしておきましょう。
今回の災害対応訓練で学んだことを、火事で役立つ5つのポイントとしてまとめてみました。参考にしてください。
消火器の場所を家族みんなで確認し、使い方もシミュレーションしておきましょう。実際に火事が発生しても、火が大きくなってしまう前に、速やかに対応し消火できる可能性が上がります。
<Check!!!>
※家の中には消火器を必ず置いておいてください。緊急時の対応をさらに早くできるようになります。
※火事現場に消火器があっても取りに行けないため、出火元になりそうなキッチンなどの火災がおきそうなところは避け、火事が起こりづらそうで出火元へのアクセスしやすい場所を選んで置いてください。
火事発生時、みんながバラバラの行動をとるとその場がパニックになってしまいます。家族の中心となってみんなを先導できるようにパパかママのどちらがリーダーになるか決めておきましょう。
<Check!!!>
※リーダーは、大きな声で「いまは◯◯◯をしよう!」「あっちへ逃げよう!」などと安全な場所に導いてあげる。
とにかく火事にあったときには、低姿勢または這うようにして安全なところへ逃げるのを心がけてください。熱い空気は上の方へのぼるので、うっかりこの熱い空気を吸い込んでしまうと、気道がふさがり窒息してしまうのです。
<Check!!!>
※火が消えても、有毒ガスや熱気はすぐにはなくなりません。油断して立ち上がらず、安全な場所に行くまでは、あやまって吸い込んでしまわないように低姿勢を保ちましょう。
赤ちゃんの口と鼻に水で濡らしたタオルを苦しくないように当てて、ガスを吸い込んでしまうのを防いでください。
<Check!!!>
※火事が発生するとあっという間に煙が広がってしまうこともあるため、無理に濡らさず、口と鼻を乾いたタオルでガードしてあげるだけでもかまいません。
※赤ちゃんとママのおなかが向き合うような抱き方をし、まめに様子をチェックする。
火事が起きたら、壁をつたって逃げるようにしてください。煙が充満すると、火災現場は暗くなり転倒してしまう危険性があります。このとき、火災現場の壁は非常に熱くヤケドをしてしまう可能性が高いため、厚手の手袋を着用するようにしてください。
<Check!!!>
※赤ちゃんと避難する場合は抱っこ紐をつかうようにして、できるだけ手を空けておくようにしましょう。
日頃から家族みんなで防災意識を高め、結束力を強化し、万が一の災害に備えた話し合いやシミュレーション訓練を行っておくことで、火事によるダメージを減らすことができます。
火事が起きて家族が傷ついてしまわぬよう、ママから家族にお話ししておいてあげてください。babycoはこれからも大切な家族を守る防災取材に取り組み、みなさまにお伝えしていきます。
今回のこの取材が、少しでもみなさんのお役に立てたら嬉しいです。
監修:佐伯 潤先生
国士舘大学 防災・救急救助総合研究所 嘱託研究員。
「訓練に勝る防災はナシ」をコンセプトに、数々の企業の防災計画と、計画実施のための訓練設計の教官を務める。