親になるってなあに?Vol.2 絵本作家いりやまさとし

ご飯を食べさせ 雨風しのげる家を用意して
生活を守る……そんなリアルな日々が
 ぼくを「親」に戻してくれる


絵本作家としては、子どもと親の両方の目線がわかるのでとてもラッキーです

「親になるって どういうことだと思いますか?」

そう最初に聞かれてちょっと戸惑いました。
ぼくはの職業は絵本作家で、子どもとその親のために毎日作品を描いています。
絵本作家という立場で考えると、ぼくが子どもを持ったことはとてもプラスになっているんじゃないかなと思います。

子どもが笑うことや涙することがいったいどういうときなのか、
何を見たり聞いたりすると子どもの感情が動くのか、
どんな食べ物が好きで、何をされるのが嫌なのか、
どんなふうに好奇心をつのらせるのか、大好きなことって何なのか。

子どもの感情を間近で見て、それを絵にあらわして仕事にできているのは
ほんとうにしあわせことです。

もう10年以上前になりますが『君のためのうた』という絵本をつくったことがあります。
おかあさんとは違うおとうさんのキモチ。子どもを持つ喜びと不安、そして、責任の重さなどおとうさんの揺れる心を描いた、ちいさな絵本です。
これは、まさに親として子どもの成長を描いたものです。

自分のなかでも好きな作品で、
赤ちゃんだったわが子の日々と、成長して独り立ちしてゆく子どもの様子を
父親の目線で描きました。
こんなふうに、子どもの目線にもなれるし、親の気持ちも当然わかる…これって絵本作家の特権ですよね。でも、仕事をはなれたプライベートの生活で「親になる」ってどういうことかと聞かれると、少し困ってしまいます。

それは好きなことを仕事に選んだ自分の中に、親以外の自分を常に意識しているからではないでしょうか。親の自分ってどんな姿かって首をかしげてしまいます。


「片付けろ」「早くしろ」と飛び交う毎日が、ぼくの足を地につかせてくれる

ぼくは自宅で仕事をしているので、食事の支度も掃除も洗濯もやります。
ご飯を食べさせ、雨風しのげる家を用意し、子どもたちが明日も元気に過ごせるように生活を守っていかなくちゃいけない……子どもの気持ちに寄り添そおうと勝手に一生懸命になって空回りしたり、当然けんかもします(笑)。

しいて言うなら、これが「親になる」実感かもしれません。感動するセリフもかわいらしい仕草もカッコ良さもないけれど、「片付けろ」「早くしろ」なんて言葉が飛び交うリアルな毎日が、ぼくを地に足のついた「親」に戻してくれている気がします。


親になるみなさんには、ぜひ読み聞かせをしていただきたいです!


絵本は、親と子どもの心をつなげてくれるものです。

身の回りのたくさんの言葉や伝えるのがむずかしい様々な気持ちを、スムーズに教えることができます。

絵本の効能は、赤ちゃんや小さな子どもにだけのものではありません。
赤ちゃんをひざに乗せて、そのあたたかさを感じながら絵本を読み聞かせてみてください。子育ての疲れも、仕事のイライラも吹き飛ぶはずですから。


■絵本作家 いりやまさとし
東京都生まれ。代表作の絵本『ぴよちゃんのかくれんぼ』『ぴよちゃんとひまわり』『ピヨピヨだあれ?』などの「ぴよちゃん」シリーズ(学研)は累計500万部突破!国内外で大人気に。『ころころパンダ』(講談社)も重版中の人気シリーズに。


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