“ゆるまじめ”な子育て応援メディアbabyco編集部です。妊娠・出産・育児というライフステージで大変なママもパパが、ゆる~く、でもまじめに学びながら、 子どもと共に楽しく成長するためのヒントをご提供するのがモットーです。
2019年の台風15号は千葉県を中心に長期にわたる停電被害をもたらしました。
被災した方々、また、現在も停電の影響下にある方々には、一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。
台風だけでなく、災害についてまわるのが「熱中症、脱水症のリスク」です。
千葉県の大停電でも、多くの方が熱中症で体調を崩し病院に搬送されました。それでもまだ、わたしたちは「熱中症・脱水症」を他人事にとらえてしまうところがあります。
そこで、今回は熱中症・脱水症が災害と結びつくとどうなるのか、について考えてみたいと思います。
ちょっと時期外れと思われるかもしれませんが、熱中症は30度を超えなくても警戒しなくてはならないものなんです。とくに台風の前後は、湿度も上がるので要注意です!
管理栄養士。東京生まれ。明治大学第二文学部卒業。3人の子育てをしながら栄養学を学ぶ。矢島助産院で日々、妊婦さんや産後ママのための食事を担当する傍ら、企業や雑誌などで離乳食の監修やママのための食に関する講演・講習会などを各地で行う。著書に『妊娠・授乳中の気になる症状改善レシピ200』(日東書院)ほか
人の命が失われる原因とはなんでしょうか。それは大きく分けて3つあります。神経系、呼吸器系、循環器系の3つです。言葉にするとむずかしいので臓器で覚えておきましょう。
神経系=脳
呼吸器系=肺
循環器系=心臓
の3つです。
これらの臓器がつかさどるからだの動きに不具合が生じると、人の命が失われます。覚え方としては、これらの3つの臓器だけは、頭蓋骨と肋骨の「骨」によってガードされている点に注目しておきましょう。
神経系は、交通事故や墜落によって、首の骨を折ってしまった場合など、脳が身体をコントロールすることができなくなることが問題です。
呼吸器系は、窒息によって呼吸ができなくなるなど、肺が酸素を取り込むことができなくなることが問題です。
そして、循環器系は、酸素を血液にのせて体のすみずみへ届けることができなくなり、細胞が死んでいくことが問題です。
さて、熱中症、脱水症はこの3つのどれに当てはまるのでしょうか。
からだから水分が失われることで血液の流れも悪くなって、循環器系に問題が生じます。循環器系の問題で徐々に生命の危機へとつながっていく点では、熱中症・脱水症は出血と同じ類の問題なのです。
からだから血を流していて放っておく人はいるでしょうか? また、血を流さないように、ケガには充分に注意しているはずです。熱中症・脱水症ケアというのは、このような出血ケアと同等に行っていただきたいものです。
先の台風15号の影響で、9月9日から15日から1週間の間に千葉県内での熱中症による救急搬送は498名と全国最多でした(総務省消防庁9月18日速報)。また、千葉県内で熱中症によって3名の方が亡くなりました。
でも・・・これが、大地震などで負傷した方々で、すでに病院がいっぱいだったら、あるいは、病院自体がひどい被害を受けていて機能していなかったら、どうでしょうか。
熱中症、脱水症は高齢者だけに起きるものではありません。体の機能がまだ整っていない赤ちゃんもまた、熱中症や脱水症になりやすい年齢です。
とくに赤ちゃんは、お水をたくさん飲むことができませんから「どうやって水分補給をしたらいいの?」というお母さんがとても多いんです。
いくつかの代表的な原因を挙げます。
1.災害対応による興奮状態やストレスで水分補給や休憩を忘れてしまう。
2.トイレが混んでいる・汚いなどの理由で用便がおっくうになり、トイレに行かなくていいように水分摂取を控えてしまう。
3.ストレス、疲労
4.水(真水)ばかり飲んでしまう。
ほかにも様々な因果関係があります。
赤ちゃんの場合は
①長時間水分補給をしていない
②気温と湿度が高い場所(屋内も屋内も)に長い時間居て疲れている
③睡眠不足
④食欲不振 など
いろいろな意味でストレスがかかっているとき。
いずれにしても、おとなも赤ちゃんも普段から水分をとる習慣をつけておくことも重要です。
おとなは、トイレに行ったときに自分のおしっこを観察してみてください。色が濃かったり、臭いが強いおしっこは、比較的水分補給が充分でない傾向と言われています。ためしに、そのことに気が付いたら意識的に水分やノンカフェインのお茶などを摂取してみてください。半日から1日程度でおしっこの色が薄くなるようでしたら、水分摂取状態が正常に戻ったというサインであり、同時に、ふだんの水分摂取の習慣をもう少し意識したほうがいいかもしれません。(※ただし、個人差があります)
赤ちゃんなら、おしっこの回数を考えてみてください。いつもよりも少なかったら、すぐに水分補給を行いましょう。
先の原因の4番目に水(真水)ばかり飲んでしまう、という項目を挙げました。これは災害時の水分補給で気をつけて頂きたい項目です。
人は汗をかくことでも水分を失います。これは暑い日に熱中症になる原因の一つですが、汗によって水分以外にミネラルなど体の機能維持に必要な要素も失います。この失われたミネラルなどは、ふだんの時なら食事などで補給することができます。
でも、災害時には満足に食事ができない場合がありますよね。そうなると、からだの中でミネラル不足が生じます。このような状態で真水ばかりを摂取してしまうと、体液が薄くなっていってしまうんです。すると、からだは体液の濃度を調整して機能を維持しようとするために、利尿作用がはたらき、おしっこで余分な水分を排出しようとします。
とくに災害時の水(真水)の摂取は脱水症を悪化させるというデータもあります。
経口補水液を持ち歩いたり、
非常用袋にいれてほしいです
災害時や、あるいは熱中症・脱水症の危険のある暑い日などには、塩分や糖分が摂れるスポーツドリンクや「OS-1」などの経口補水液が推奨されています。
経口補水液は水1リットルに対して、砂糖40g、塩3gを混ぜることで簡単に作ることができますが、いつも砂糖や塩を持ち歩いているわけではありませんし、計量も面倒です。そもそも手製の経口補水液は飲んでおいしいというわけでもありません。
ペットボトルでOS-1を持ち歩くのも、荷物の多いママには負担になってしまうこともあるでしょう。
最近はOS-1のパウダータイプもあり、これは、ペットボトルの水に溶かすだけなので、便利で、かつ、持ち歩いていても邪魔になりません。熱中症・脱水症の備えとして、考えてみてはどうでしょうか。
赤ちゃんの熱中症・脱水症のおもな症状は
●ぐったりしている
●泣き声がいつもより小さい
●おしっこが数時間出ていない
●からだが熱い
●顔色が青い・白い
●くちびるが紫色 など
こんな症状がみられたら、熱中症や脱水症をうたがいましょう。
体調がおかしいなと思ったら、こんな熱中症対策を!
★冷ました白湯
★麦茶
★乳児用経口補水液
などスプーンで少しずつ飲ませてみてください。母乳でもいいですよ。
上の症状は、熱中症・脱水症だけでなく、同じ循環器系の問題である内出血やエコノミークラス症候群などでも見られる場合もあります。
水分補給をしても改善が見られない場合はもちろん、体調が回復しても、かならず医師の診断を受けてください。