子どもの習いごと、いつから始める?『すくすく子育て』元キャスターの天野ひかりさんがお悩み&ギモンにお答え!

最初の習いごとは何がいいのかな?
ほかの家では何歳から習いごとを始めているんだろう。

子どもの習いごと選びって、やってみて好きか苦手かがわかったり、先生との相性が見えてきたりするから悩みますよね。

子育てをしていて一度は考えるであろう「子どもの習いごと選び」について、babycoママ・パパから寄せられたお悩みやギモンを交えながら大切なお話をしていきます。

「子どもの習いごと選び」で親が大切にしたいことって?好奇心の扉を開く習いごとの選び方の記事では、

● 0歳からの習いごとは「新しい世界が広がる窓口のひとつ」くらいに考えてみる
● 親以外のキラキラした大人と出会い、いろいろな考え方や価値観を知ることが大切

ということをはじめにお伝えしました。そして、習いごとを選ぶときに大切なこととして

● まずは「自己肯定感」のうつわをはぐくんでからうつわにスキルを入れてあげる
● 習いごとを通じて自己肯定感を育てることを子どもにしてあげてほしい

というお話をしました。

また、

● 自己肯定感が育つと「新しいことに挑戦できる力」「努力して壁を乗り越える力」「相手の立場に立って考える力」の3つがはぐくまれる
● 子どもを認める言葉をかけてくれる先生に出会えると自己肯定感が育つ
● 親は、わが子が自分なりのペースでがんばれる方法を探ってサポートするとよい

という自己肯定感が子どもの成長に大切な理由と、先生と親が一緒に育てていけるポイントをお話ししました。

今回は、『すくすく子育て』元キャスターで多くの親子と接してきた天野ひかりさんをお招きし、babycoママ・パパのお悩みとギモンにアドバイスをいただきます♪

 

【先生選び】に関するお悩み&ギモン

習いごとの先生はどのように選んだらいいのでしょうか?(1歳ママ)

Q.習いごとの先生は、子どもにとって影響力が大きいので親子で信頼できる方がいいなと思っています。どんなことを意識しながら選んだらいいのでしょうか。(1歳ママ)

\天野先生からアドバイス/

家族や幼稚園・保育園の先生以外に出会うはじめての大人ですから、親としては慎重になりますよね。お気持ちわかります。

先生が親御さんにもきちんとご挨拶やお話をしてくれるけれど、まずはお子さんの目線に立って、お子さんの話を聞いてくれようとする先生は信頼できるかなと思います。

ママたちよりも、まずは子どもたちに「わぁ! 今日はこ〜んな元気なお顔で来てくれたんだね!」って話しかけてくれるとか。

ほかの生徒さんと話していてすぐには自分たち親子に話しかけられない状況でも、入室して目が合ったら「○○ちゃんともおしゃべりしたいと思ってるよ〜」っていう視線を向けてくれるとか。

こうした先生は、

この子にとって自分はどんな存在なのか?
子どもたちのことを知りたい!

と思いながら接してくださるので、ママやパパは安心してよいかと思いますよ。

親への対応としては、先生の主張だけを親御さんに話すのではなく、例えば「お子さんのお勉強のことで気になっていることってありますか?」「この教室の教え方で聞きたいことってありますか?」など、ママやパパがどんなことに悩んでいて、どんなことを聞きたいかを積極的に聞いてくれようとする先生は大丈夫かなと思います。

子どもの気になるところを親に教えてくださる先生はいい先生なのでしょうか。(8ヵ月ママ)

Q.先日、レッスン後に「○○ちゃん、こうしたほうがいいかも」と先生にアドバイスをもらいました。子どものいいところだけじゃなくて、気になるところも見てくれているんだなと思ったのですが、いい先生と思っていいのでしょうか。(8ヵ月ママ)

\天野先生からアドバイス/

う〜ん、そこはなかなか難しくてですね…。

例えば「もっと伸びるために、うちの子は何が必要ですか?」とママやパパが先生にお聞きして、その悩みに対していいところも気になるところも含めて誠実に答えてくださる先生は信頼できると思います。

ただ、先生のほうから「ここがダメなのでこうしてください」と“”に直接話すのは、先生とお子さんの信頼関係が崩れてしまう可能性があるんですね。

もしも直してほしいところがあるのなら、親ではなく“子ども”に対してきちんと伝えて、子どもが「直そう」と納得できるような状況がつくれる先生だといいなと思いますね。

子どもには自分のペースでと思っているのですが、どういう先生がいいでしょうか。(1歳ママ)

Q.うちの子はおっとりなので、習いごともマイペースにがんばれるといいのかなと思っています。どんな先生に出会えたら、わが子らしくがんばれそうでしょうか。(1歳ママ)

\天野先生からアドバイス/

おっとりさんなんですね。自分のペースが持てるってすごいことですよ!

“子どもが自分のペースで”ということを考えると、ほかの生徒さんと比べない先生かなと思います。

何かをほめたり成長を見たりするときに、やっぱり何かと比べるというのが必要になる部分も出てきますよね。

そんなときにほかの子と比べられたら、子どもは「ぼく・私はダメなんだ…」と自己肯定感が下がってしまうし、ただでさえ比べないようにと気をつけているママやパパはもっと悲しくなってしまう。

じゃあ何と比べるのか?っていうときに、ほかの生徒さんと比べるのではなく、お子さんの「過去」と比べてお話ししてくださる先生は信頼できると思います。

去年できなかったことが、こんなにできるようになったね!
一週間前は縄跳びができなかったのに、一週間経ったら5回も飛べるようになったね!

お子さんの努力の過程を認めてくれて、お子さん自身がどう伸びたのか、どういう過程でスキルのお水を入れたのかなど、“過去のお子さん”と比較して伸ばしてくださる先生だと、自分のペースでがんばれると思いますよ♪

個別指導とグループで、それぞれどういう先生に出会えるとよいのでしょうか。(1歳ママ)

Q.ピアノ教室みたいに先生と生徒が1対1の習いごとがあれば、水泳教室みたいに先生が複数の生徒に教える習いごともありますよね。それぞれ、どんな指導をしてくれる先生を選ぶといいでしょうか。(1歳ママ)

\天野先生からアドバイス/

どちらも、基本的にはひとりひとりを見てくださる先生がいいと思いますね。

先生としては、どんな習いごとも「このクラスではこれができるとよい」という一定基準があり、そこに追いついてほしいと思う方が多いと思うんですね。

でも、同じ指導をしても、できるようになる子となかなかできない子がいる。あっという間にできる子がいれば時間がかかる子もいる。ほめられて伸びる子と叱られるとやる気になる子がいる。

その子が何に興味を持っているか、どうやったら伸びそうかを考えて指導してくださる先生は、子ども自身の力を引き出していけると思います。

以前、私に相談をくださった先生に「生徒さんが漢字に興味が持てず、どう指導したらいいかわからない」と悩む方がいました。

お子さんがどんなことに興味があるか、親御さんに聞いてみるのはどう?とお答えして、ママに生徒さんの好きなアニメのキャラを教えてもらい、さっそく教材を作ってみたそうです。生徒さんに「○○の名前を書いてみない?」と提案してみたら、そこからどんどん漢字を勉強するようになったんですって!

1対1の場合もグループの場合も、「お子さん、こういうことに興味を持っているんですね」「うちの子、こういうことが好きなんです」というのを話せる先生だといいなと。

【タイミング】に関するお悩み&ギモン

習いごとを始めるタイミングは、どのように決めたらいいですか?(3歳ママ)

Q.習いごとを検討中ですが、ママ友には0歳から始めた人もいれば小学生になってからという人もいて、いくつから始めるのがいいのかなぁと悩んでいます。(3歳ママ)

\天野先生からアドバイス/

お子さんや親御さんの考え方にもよるのでなかなか難しいんですが、お子さんが「やりたい!」と感じたタイミングが一番伸びるときです。といっても、どんなことに興味を持つかわからないし、難しいですよね(笑)

スキルの習得が目的ならば、時間とお金を考えると、身体的な筋力や骨格がついてくる小学1年生くらいから習わせたほうが無駄はないんです。

そうすると、0歳から習わせたことは無駄だったの?と感じますが、私はそうじゃないと思います。

例えばベビーのスイミングスクールで「お顔を水につけられたね!」「おむつが取れたから、今日からこ〜んなスイミングパンツデビューだよ〜!」「帰りにアイス食べちゃおっか」って、ママとパパとのそういう時間も含めて、親子で通う楽しさから学べることもあると思うんですね。

きっとママやパパのなかにも、ご両親とのこうしたあたたかい思い出をお持ちの方もいるんじゃないでしょうか。

何歳から始めてもすべてが無駄になることはないと思うので、タイミングについては親御さんの考え方によるかなと思いますね。

小さい頃から英語を習わせたら話せるようになりますか?(妊娠5ヵ月ママ)

Q.SNSで乳幼児向けの英語教材や教室の広告を見かけるたびに、うちの子も始めたほうがいいのかなと悩んでいます。英語を習わせている人は多いって聞くし。英語って、小さい頃から習わせたら話せるようになるんですか?(妊娠5ヵ月ママ)

\天野先生からアドバイス/

乳幼児期の英語教育については、専門家の先生に伺ったことがあります。

英語を早めに習わせたほうがRとLの発音がわかると考える方もいるみたいですが、生後2週間ほどでRとLの聞き取りができるかどうかが決まるそうです。

日本でくらしている子どもたちは日本語が主なので、「あなた、RとLを聞き取る能力はいらないよ」って脳が早々に刈り込みをするんだそうです。

RとLの発音をきちんとしなくちゃいけない言語圏に生まれた子は、くらしていく上でその能力が必要だから脳が残すんですね。

ちっちゃい頃から英語を習わせておけばペラペラになるかというとなんとも言いがたいですが、英語教材や教室はお子さんが英語に親しむきっかけとしてはいいですよね。

英語が話せるようになることよりも、まず大事なのは自己肯定感を育てること。

先生にハローって挨拶したら笑顔でハローと返してもらえたとか、アルファベットが書けたらママやパパに「すごいね!」と言ってもらえたとか、そうしたことが自己肯定感につながっていきますよ。

 

>>もっとアドバイスを読みたい方はこちら!

子どもが習いごとを「やめたい」と言ったらどうする?『すくすく子育て』元キャスターの天野ひかりさんがお悩み&ギモンにお答え!

 

お話を伺った先生:天野ひかりさん

上智大卒。元テレビ局アナウンサー。NHK『すくすく子育て』キャスターとしての経験を生かし、子どもの自己肯定感を育てるコミュニケーションアドバイザーとして全国で講演やシンポジウムなどを務め、受講生は5万人以上。子どものやる気やわくわくを引き出す“習いごとの先生のための講座”も開講。著書に『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』ほか。
オフィシャルWEBサイト:https://amanohikari.com/

 

イラスト:山村 真代