生まれも育ちも生粋の福岡県民。令和2年生まれの男の子を子育て中。7年間、調剤薬局事務員として勤務した後、未経験からイラストレーターとして活動。趣味は山登り。夢は、こどもと山登りに行って頂上でおにぎりを食べること。
Instagram:@hotter_jr
妊娠中のむくむで「足や手がパンパン……」と感じる妊婦さんも多いのではないでしょうか。調剤薬局で勤めていたときに、むくみについて相談を受けることもありましたし、この記事を書いている筆者も、妊娠後期は足がクリームパンのようにむくんでしまい大変でした。
そこでこの記事では、「なぜ妊娠中はむくむのか?」や「手軽にできるむくみ対策」をご紹介します。むくみに悩んでいる妊婦さんや、むくみが辛そうなママがいるパパは、ぜひ参考にしてください。
妊娠中は、妊娠中・産後のむくみで助産師の先生が教えてくれているように、ホルモンの影響で血液中の水分量が増えるため、皮下組織に水分が溜まり、むくみやすくなります。
また、おなかが大きくなると足の付け根の太い血管が圧迫されます。
特に立ち仕事や同じ姿勢の続くデスクワークなどが多いと、血液が心臓に戻ってきにくくなり、むくみやすくなることも。
最近では、妊娠中のむくみ自体は、赤ちゃんへの悪い影響は少ないと言われていますので、むくみで苦しんでいるママも、あまり心配しすぎないようにしてくださいね。
おなかの赤ちゃんには影響がないとはいえ、ママは辛いですよね。原因を対処法をさぐっていきましょう!
私の足も、妊娠後期、実は写真のようにぱんぱんにむくんでいました!
妊娠後期になると、下半身を中心にむくむ妊婦さんが増えます。
血液量が多くなる妊娠後期は、指が浮腫んで結婚指輪が取れなくなってしまわないように、産婦人科から早めに外しておくように言われることもあるでしょう。
妊娠後期にむくみやすい理由として
■ホルモンバランスの影響
■血液量の増加
■血流の圧迫
などの理由があります。
(参考:MSDマニュアル家庭版 妊娠後半にみられるむくみ)
ひとつひとつ、解説していきましょう。
妊娠中はプロゲステロン(黄体ホルモン)と言われる女性ホルモンが多く分泌されます。
これは、赤ちゃんと母体を守ってくれる大切なホルモンです。
妊娠を維持しやすくするように栄養や水分を体に留まらせる働きがあり、これがむくみにつながります。
特に妊娠後期には多く分泌されるようになります。
プロゲステロンの影響で便秘になることもあります。プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量増加や妊娠中の便秘対策についてはこちらの記事も参考に。
CLICK▶︎医師監修:妊娠中の痔の引き金にもなる便秘と解消法
妊娠によって血液量はほぼ50%も増加します。
これは、赤ちゃんに栄養や酸素を届け、体が出産に備えようとしているからです。
血液量の増加と一緒に体内の水分量も増えます。そうすると、腎臓の働きが追いつかず排泄されない水分が細胞に溜まり、「足がパンパン!」といったむくみにつながります。
赤ちゃんが成長していくと、子宮の重さは妊娠前の20倍にもなります。
そのため、大きくなった子宮が足から心臓への血流を圧迫することから、体液が溜まり、足がむくみやすくなります。
(参考:MSDマニュアル家庭版 妊娠中の体の変化)
出産で、羊水や血液が一気に体の外に出るので、体内の水分量のバランスを保ちにくくなり、むくみが出やすくなります。ですが、多くは産後4週間以内に解消することが多いようです。
この記事を書いている筆者も、産後の入院中は着圧ストッキングを履いて、むくみを予防していました。詳しくは後半で紹介していきます。
軽いむくみは、妊娠による生理的な変化と言われていますが、むくみを伴う次のような症状には要注意です。
妊娠高血圧症候群などの病気の場合もあるので、気になる症状があるときは、かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。
(参考:『はじめての妊娠・出産ハッピーガイド』2018 西東社
厚生労働省委託 母性健康管理サイト 妊娠・出産をサポートする 女性にやさしい職場づくりナビ 妊娠浮腫)
産婦人科の先生に相談し、問題ないむくみと分かったら、自分で手軽にできるむくみ対策がありますので、ぜひ取り入れてみてください。
と水を控えている妊婦さんもいらっしゃるかもしれませんが、実は逆効果。
からだの中に水分が減って、ますます溜め込もうとすることで、余計にむくみやすくなることもあります。無理のない範囲で毎日1.5〜2リットルを目安にお水を飲みましょう。
持病があって水分摂取が決められている方は、お医者さんと相談してくださいね。
「塩分控えめ」の食事を心がけましょう。塩分が多いと体が塩分濃度を下げようとして、水分を多く蓄えてしまい、むくみに繋がります。
この記事を書いている筆者は、醤油をポン酢に変えたり、減塩のダシを使ったりして乗り越えました。
カリウムは、余分な塩分を排出する役割があるので、むくみ防止に役立ちます。
カリウムの豊富な食べ物
・海藻類カリウムは水に溶けやすいので、筆者は水煮大豆と緑黄色野菜のスープをよく作っていました。
体調を見ながら、無理なく体を動かしましょう。
むくみをやわらげたり、足のつりの防止にもなります。
体への負荷が少ないウォーキングやヨガなどがおすすめです。
お湯の水圧で血液や体液が心臓に戻りやすくなり、むくみにくくなります。
筆者も、シャワーだけで済ませた日より、湯船に浸かったときのほうが足のむくみがとても楽になっていました。
産後はママが自分のためにゆっくり湯船につかる時間をなかなかもてないかもしれません。妊娠中は自分の体をいたわって、湯船に浸かってみてくださいね。
足を心臓より高くすることで、血液やリンパ液が戻りやすくなります。
寝るときに足元へ座布団やクッションなどを敷くといいですよ。
触って痛くない程度に、足を“下から上へ”マッサージしましょう。
お風呂上がりにすると、体が温まって代謝もよくなっているので、むくみに解消につながります。
冷えると毛流が悪くなり、むくみやすくなります。
レッグウォーマーや腹巻きをしたり、冷たい飲みもは飲まないようにしたりして、体を冷やさないようにしましょう。
筆者は妊娠後期になっていからマタニティ用の着圧ソックスを買い、毎晩履いて寝ていました。
産後もむくみが引くまで活躍してくれたアイテムです。
体を締め付ける服装やインナーは、血行が悪くなり、むくみや冷えに繋がります。
最近ではおしゃれで締め付けのない洋服も多く登場しています。できるだけ試着して自分の体型に合っているか確認してくださいね。
妊娠中のむくみはママの体の仕組みとして自然なことであっても、少しでも緩和したいもの。
自分でできるむくみ対策を取り入れてみて、できるだけママの体が元気な状態で出産を迎えたいですね。
妊娠中の不調には、プレママ現役ヨガ講師が教えてくれるストレッチの記事も人気です。あわせてチェックしてみてくださいね。
CLICK▶︎妊娠初期から後期まで時期別に実践できるストレッチ
イラスト/miio