うち、マンションの11階に住んでいるんですけど、一昨年の台風のときに大変だったんです。
電気系統がマンションの1階にあって浸水したもんだから、電気室が水浸しで全電気が停止!! 2週間おばあちゃんちに避難しました。

“ゆるまじめ”な子育て応援メディアbabyco編集部です。妊娠・出産・育児というライフステージで大変なママもパパが、ゆる~く、でもまじめに学びながら、 子どもと共に楽しく成長するためのヒントをご提供するのがモットーです。
babycoの「子育てのわからないをわかるにかえる」連載、ママと赤ちゃんの命を守る防災・防災対策を一緒にまなぶコラム第2回目は「災害時の避難所」です。
災害が起きると、避難所に行けば安心!というのはかならずしも正しくない、という防災の専門家である佐伯先生に、その理由について伺いました。
国士舘大学 防災・救急救助総合研究所 嘱託研究員。
『訓練に勝る防災はナシ』をコンセプトに、数々の大手企業や自治体の防災計画の立案、計画実施のための訓練設計と教育を務めている。また、
大手スポーツ製品メーカーや消防製品メーカーなどの防災アドバイザーとして防災製品の開発にも参加。オンラインで防災訓練を行うなど、あらゆる側面から防災を根付かせる活動を行っている。子育てメディアbabyco(ベビコ)にて防災コラム連載中! 自身も3児のパパ。
今回のテーマは「避難所」。
災害が起きたら、とにかく「避難所」に行けばいい!というのはなぜ正しくないのか、佐伯先生に伺ってみました。
その前に、昨年11月に実施し、約1000人のママたちが答えてくれた「防災アンケート2022」の結果を少しご紹介しますね。
まずは、ママたちが「最も止まってほしくないインフラ」。
これはやっぱり「電気45%」。 次いで「上水道31%」という結果でした。
電気は半分以上かなと思っていましたが、意外とほかのものもあります。 水道も通信も下水道もガスも商店も「電気」がとまると動きません。だから「電気」がいちばん重要なんです。
babyco 防災1000人のママが答えた!アンケート2022年11月より
うち、マンションの11階に住んでいるんですけど、一昨年の台風のときに大変だったんです。
電気系統がマンションの1階にあって浸水したもんだから、電気室が水浸しで全電気が停止!! 2週間おばあちゃんちに避難しました。
電気が止まったらエアコン使えない! エレベーター自体が止まるんじゃないの?
ライフラインが止まって生活ができなくなると、精神的にもダメージが高くなります。
夏なら熱中症、冬なら住んでいる地域によっては凍死してしまうことだってあるかもしれません。
と思っている方がじつは多いそうです。
でもそれは、正しいとは言いきれないと佐伯先生は言います。
大きな災害時に避難所がテレビで映っているのを見たことがありますか?
狭い場所にダンボールのような仕切りがあるだけで、そこで、被災して精神的に疲れた体や心をゆっくり休めることができると思いますか?
避難所に入れなくて、駐車場や広めの場所を探してテントを張っていたりしますよね。
避難所はかならずしも快適に過ごせる場所ではありませんし、そもそも、地域全員が避難するスペースはないでしょう。
避難所の設置を定めている法律では、家が被災して住める状態にない人や、住んでいる場所が継続的に危険な状態にある人が、一時的に身を寄せる場所が避難所であるとしています。
自宅が問題ないのに、とりあえず、といった感覚で避難所に向かうのは、本当に避難所を必要としている人からすれば、ちょっと迷惑な話ですよね。
わたしはbabycoのママたちには、家が無事で在宅避難が可能なら避難所へはいってほしくないと思っています。
えっ!
どうしてですか?
避難所では、いろいろな人が集まってきます。
薄っぺらいダンボール1枚で仕切りがあるだけ、という場合も考えられます。
トイレも大勢の人が使いますし、衛生的ではない環境の可能性もあるからです。
そこには、あまり赤ちゃんは連れて行きたくない……
ですよね。
過去の災害では授乳中に他人の視線が気になった、とか、赤ちゃんの泣き声がうるさいと文句を言われた、などの体験談もたくさん聞きます。
衛生面だけでなく様々な苦労が絶えないのが避難所です。 自宅が壊れていない、崩れなさそうという場合は、そのまま自宅にいたほうがいいでしょう。
だから、在宅で被災避難生活にそなえて、自宅に非常用の備蓄がちゃんと必要なんです。
こちらは、ママたち約1000人のアンケート「避難所で困ったことや苦労したことはありますか?」の答え。
「避難所の経験がない」が90%近いです。
被災しても避難所に行けば安心できる! 助かる!と思っていて、実際にそうでなかったら……。
これが、赤ちゃんや小さな子どもを連れていると余計にストレスは溜まりそうですよね。
babyco 防災1000人のママが答えた!「防災アンケート2022」2022年11月実施より
こちらは、避難所についてのアンケートです。
避難所の場所は知っていても、実際に行ったことがない人が多いですね。避難所の場所を確認しておく理由はなんでしょう。先生に聞いてみましょう。
babyco 防災1000人のママが答えた!「防災アンケート2022」2022年11月実施より
災害が起きると、道路が崩れていたり、穴が空いていたり、水びたしになっていたりして通れなくなるかもしれません。
いつものように、スタスタと歩けない状況を、ぜひ、思い浮かべながら歩いてみてください。
あ、そうか。
道路だって普通じゃないかもしれないのね。
もしかして、ベビーカーもダメ?
そうですね。
道が通れないことを想定して、迂回の道も確認しておいてほしいんです。
それに、災害時にベビーカーはNG! 穴が開いたりしている道をベビーカーでは通ることはできません。
避難するときは、赤ちゃんをだっこするしかありません。
だから、だっこひもは必需品なんですね。 赤ちゃんをだっこして何キロくらいの荷物まで持てるのかも、自分で実験してみるといいと思います。
非常用持出袋に2リットルの水が3本入ってるけど、かなり重そう
そういうことも含めて、災害の規模などを想定して避難する状況を考えてほしいんです。
また、避難所には、まず地域の避難所運営委員などと呼ばれるボランティアの方々が集合して、準備をするのですが、それができていないと避難することができません。 先に人を受け入れるだけ受け入れて、後から仕切りを設置するなんて想像するだけで難しそうですよね。 地震など突発的な災害の場合、避難所開設までに5~6時間かかる可能性もあります。
これも、とりあえず避難所に行けば何とかなるというわけではない理由の1つです。
災害にそなえる備蓄品として代表的なものと言えば、水・食糧や、モバイルバッテリー・電池などを思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。
トイレが使えない場合に備えて大人には非常用トイレやトイレットペーパー、幼い子供にはオムツの買い置きも欠かせません。
ここで、備蓄が必要になる意味をもう一度考えてみましょう。
さっきお話したように、災害が起きたあとにどんなことが起きるのかを考えてみてましょう。
地震や水害、豪雪などの災害で、停電や断水、あるいは、流通が停滞してお店で商品が手に入りづらくなることが想定されますね。こうした電気やガス、水道、流通など、いわゆる社会インフラが被害を受けることによって、私たちはいつも通りの生活を送ることがむずかしくなります。
災害が起きたら、避難所へ行けば大丈夫! は、ちょっと違うことがわかりましたか?
では、また次回の防災コラムをお楽しみに〜。