「命をまもる防災」第3回 災害時、汚れたオムツが捨てられない!? 思わぬストレス「ゴミ問題!」

「命をまもる防災」第3回 災害時、汚れたオムツが捨てられない!? 思わぬストレス「ゴミ問題!」
2023/01/31 2023/07/24 いしびききょうこ いしびききょうこ

babycoの「子育てのわからないをわかるにかえる」人気連載!
ママと赤ちゃんの命を守る防災・防災対策を一緒にまなぶコラム第3回目は
「災害時のゴミ問題」です。
災害が起きると、いつものように
ゴミ収集車が回ってくる余裕はありません。
すると……どうなるの?

監修
佐伯 潤先生
佐伯 潤先生

国士舘大学 防災・救急救助総合研究所 嘱託研究員。

『訓練に勝る防災はナシ』をコンセプトに、数々の大手企業や自治体の防災計画の立案、計画実施のための訓練設計と教育を務めている。また、

大手スポーツ製品メーカーや消防製品メーカーなどの防災アドバイザーとして防災製品の開発にも参加。オンラインで防災訓練を行うなど、あらゆる側面から防災を根付かせる活動を行っている。子育てメディアbabyco(ベビコ)にて防災コラム連載中! 自身も3児のパパ。

災害時!ゴミの収集が止まると大変なことが起きます!!

今回、防災の専門家佐伯潤先生から、「いつもあたりまえに生活していると気づきづらいのですが、電気、水道、ガスのほかにストップすると大変なことになるインフラがあるんです!!

とご連絡を受け、早速お話を伺いました〜。

ママ 困った
電気、水道、ガスのほかにストップすると大変なことになるインフラって、何ですか?
防災 専門家 監修者 佐伯潤 

それはゴミの収集です。
ゴミ収集業者が、ゴミを集めに来られなくなる状態です

ママ 驚き

ゴミの収集!?

防災 専門家 監修者 佐伯潤

災害が発生すると、道路があちこちで寸断される可能性があります。
すると、ゴミ収集車がいつも通りに巡回できなくなる可能性もありますし、そもそもゴミ収集業者の方々も被災するわけですから、すぐに活動、というわけにいかないかもしれません。
ところがこれが大問題!

ゴミ袋 ママ 困った

ママ1000人による防災アンケート「赤ちゃんと子どものために備えている防災グッズ」1位は!

気になるゴミ問題の前に、昨年の11月に行った、ママ約1000人による防災アンケート「赤ちゃんとこどものために備えている防災グッズベスト10」をご覧ください。

防災グッズ ママ アンケート 

babyco 防災1000人のママが答えた!
「防災アンケート2022」2022年11月実施より
「赤ちゃんとこどものために備えている防災グッズ」
複数回答

なんと、1位から4位のなかに、おしり関係のグッズが3つも入っていました!
赤ちゃんの排尿排便は回数も多いですし、トイレでできませんので、やっぱりここが気になる点なのでしょうか。

ママ 不安
おしりまわりは、避難所でも配給が少ない印象
ママ 驚き 発見
だね、だからこの結果わかる!
防災 専門家 監修者

babycoのママたちはわかっていますね。
紙おむつと一緒に、防災グッズでゴミ袋が多いのは正しいです

ゴミ収集は、生活に欠かせないインフラ もしもゴミを回収してもらえなかったらどうなる!?

私たちは生きるために食事をし、ほかに様々な活動をしますね。
こうした活動をすると、必ず発生するのが、食品を包んでいた容器をはじめとするゴミたちです。
そうしたゴミの山に埋もれずに生活を送れるのは、決まった曜日に着実にトラックが巡回してゴミを収集していってくれているからですよね。

ゴミ収集も、わたしたちの暮らしに欠かすことのできない大事な社会インフラなのです。
毎日たくさん出るゴミ。それを収集してもらえないと想像するだけでも怖い気がします。

ゴミ袋 ゴミ収集車 ゴミ収集者

被災時のゴミ問題は 大変重要です!

被災地の映像を見て、流されたタンスや机などの家具やその他の大量のゴミを見たことはありませんか。
大きな災害が発生すると、ふだんの生活よりも大量のゴミが発生します。
地震であれば、揺れによって破損した食器や家具など。
水害で床上浸水の被害を受けた場合には、濡れて使い物にならなくなってしまった畳や布団など、その量は膨大なものとなります。
こうした、いわゆる家具などの災害ゴミが大量に発生した家では、生活が一時的でも困難になって避難所で生活をすることになります。
また、水を含んだ家具類はかなりの重量となるため、ママや少ない家族だけで捨てることもできないので、ボランティアの方々の力を借りる必要も出てくるでしょう。

自宅 ゴミ袋 災害ゴミ

社会インフラが停止した中、自宅で生活すると「ゴミ」は溜まる一方

今回は、大量の災害ゴミは一旦脇に置いて、被害は受けたものの、まだ自宅で生活が送れる場合のことを考えてみましょう。


被災時であってもゴミは発生し続けます。
上下水が停止してしまったために、非常用トイレを使えば、排泄物もゴミとして溜まっていってしまいます。

汚れたオムツももちろんです!

ゴミ収集を担当している環境省の計画では、さまざまな災害が発生しても、3日でゴミ収集を再開できるとされています。

ママ 質問 
3日間のガマンならできるかもしれない?
防災 専門家 監修者
と思うかもしれませんが、想定外のことが当然のように起きるのが災害です。
もしも、3日でゴミ収集が再開できなかったら? 汚いゴミとともに被災生活を送ることになるんです。
そういう状況も考えつつ、しっかり備えるテクニックをbabycoママにお伝えしましょう

ゴミ袋は多めに!大きめのブルーシートが役に立つ!

長い期間、多くのゴミが発生した時に、困るのはゴミのまとめ方と、保管場所です。
みなさんも引っ越しを経験したことがあれば、引っ越しの準備に関連して、大量のゴミを処分したことがあるでしょう。
ゴミをまとめるのに必要なものは何でしょう? 
備蓄として備えておきたいのは、
ゴミ袋です。


ゴミ袋は普段の生活でも消費するものですし、それほど場所を取るアイテムでもありませんので、普段から多めにゴミ袋をストックしておくようにしましょう。

また、ベランダなどに一時的にゴミを置いておくとした場合、カラスのいたずら等にも注意を払う必要があります。

ゴミ袋 カラス ゴミ散乱

この対策には、大きめのブルーシートがあると便利です。

 


ブルーシートの半分を、ゴミ袋を保管する場所の床面に敷き、残り半分を上から被せるようにすると良いでしょう。
万が一、ゴミ袋が破けてしまい、食品の残り汁や排泄物が漏れ出してしまった場合、床面に染みが残る可能性がありますので、ブルーシートを下にも敷いておくことをおすすめします。

ママ 
ブルーシートがあれば、ゴミの水気がしみ出ないのは、いいですね
ママ 質問
ブルーシートはどれくらの大きさがいいのかな

おすすめのゴミ袋はコレ!

大きさでおすすめなのは、20リットルから45リットルくらいのものふだん家で使っている大きさのものでOKです。

色は、黒かブルー。中身が見えないほうが快適です。

③持ち手がついていれば、しばりやすいのでなお良いでしょう。

④消臭効果のあるビニール袋もいいですが、ちょっとお高いので、色付きのもので問題ありません。

黒い ゴミ袋 ポリ袋

ブルーシートは2枚用意するといいでしょう

キャンプなどで使うような3畳くらいあれば十分だと思います。2畳くらいの大きさでもOKです!

ママ ビニールシート キャンプ
ママ 困った
ビニール袋に入れても、においが漏れないか気になるな……
ママ 困った
ゴミ袋は。できれば開きたくないよね

ゴミ袋の中の空気を抜いて、口をしばる

ゴミ袋の口をしばる際には、ゴミ袋を押しつぶすようにして、なるべく中の空気を抜くこともまた、ポイントの1つ。
中に空気がたくさん残っていると、空気の分だけ、ゴミ袋の山がみるみる大きくなってしまいます。

また、異臭を発するようになったゴミの入った袋を一度開いて、後から空気を抜くのは誰だって嫌な作業です。

これは、普段の生活から、空気を抜くように心がけていれば、自然と身に付く防災テクニックの1つです。

においが漏れにくいしばり方

①中の空気を抜いて、ゴミ袋の口をくるくると三回折りたたみます。

②折ったら、ゴミ袋の端と端を持ちます。

③クロスさせて一回結び、もう一度結んで固結びにすれば完了です。
最初に折りたたむことで袋の口が巻き込まれて隙間ができにくくなります。

ゴミ袋 ポリ袋 しばり方

もうひとつご紹介します。

❶中身が7分目くらいまでしか入っておらずゴミ袋に余裕があるときはねじって結ぶ方法にするとより密封できておすすめです。
ゴミ袋の口から15センチほどをくるくるとねじります。

❷そのまま輪っかをつくり、ねじった部分の端を輪にくぐらせてギュッと結べば完成です。

ゴミ袋 ポリ袋 ねじる しばる

取材協力:日本サニパック株式会社
「生ゴミの臭いも漏れにくい!ゴミ袋の結び方 より
」 

悪臭防止には、お酢を使ってみる

口をしばっているのにもかかわらず、どうしても悪臭が気になるようになった場合には、ゴミ袋の口を開き、キッチンペーパーを入れ、そこに少量のお酢を垂らしましょう。

悪臭の原因はアルカリ性であるため、酸性のお酢が中和させることによって、悪臭を防止することができます。

お酢 

自治体によって災害ゴミの出し方があるのでチェック!

ゴミを出すタイミングや分別など、災害ゴミの出し方は住んでいる地域によって違うので、 市役所などの自治体のホームページなどでチェックしてみてくださいね。

災害時 ゴミの出し方 ガイドブック 自治体 一般て家庭用
防災 専門家 監修者

ゴミは毎日出るもの。ぜひ、今回お伝えした、ゴミ袋の扱い方や消臭方法を実践してみてください。
ちょっとした工夫、知恵がいざという時に役立つはずです。
実践、体験に勝る「防災」技術を身に着ける機会はありませんから。

では、次回コラムvol.4をお楽しみに!

 

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