“ゆるまじめ”な子育て応援メディアbabyco編集部です。妊娠・出産・育児というライフステージで大変なママもパパが、ゆる~く、でもまじめに学びながら、 子どもと共に楽しく成長するためのヒントをご提供するのがモットーです。
イライラしてしまったり、なんとなく気分が落ち込んだり、これってマタニティブルー? もしかしたら産後うつ? ホルモンの変化で、妊娠中も産後もママの気持ちは不安定になりがち。ストレスの原因は人によってさまざまですが、マタニティブルーのことを知って、少しでもストレスを軽減して、気分転換ができるといいですね。
産婦人科医・助産師の先生に監修していただきました!
日本産婦人科学会専門医、女性ヘルスケア専門医、日本骨粗しょう症学会認定医、新生児蘇生法(NCPR)インストラクター、母体救命法(J-CIMELS)インストラクター、マンモグラフィ読影認定医、横浜市立大学市民総合医療センター ヘルスケア外来専任医師、横浜市立大学産婦人科客員准教授
1993年高知医科大学を卒業後、「よしかた産婦人科」(神奈川県横浜市港北区)副院長を務める。また、横浜市立大学産婦人科にて、女性健康外来、成人病予防外来も担当。自身も3人の子どもを持つ現役のワーキング・ママ。著書に『マタニティ&ベビーピラティス―ママになってもエクササイズ!(小学館)』『0~6歳 はじめての女の子の育児(ナツメ社)』など。
帝京平成大学 ヒューマンケア学部看護科准教授
看護師として2年間手術室で働いたのち助産師の免許取得。大学病院、個人病院、助産院で、2000を超える出産に立ち会う。地域の保健センターで乳幼児健診・新生児訪問を通し、子育てママをサポートする。現在は大学教員として、
助産師・看護師の育成に力を注ぐ。共著に『実習に役立つ!国家試験に使える!母性看護学』『産後ケア講座』(ヒューマンアカデミー)がある。2男1女の母。
「マタニティブルー」とは一般的に、妊娠中〜産後の期間に、気分の落ち込みやイライラ、マイナスの感情が出やすくなる症状をいいます。
妊娠すると女性ホルモンのバランスは一気に崩れ、産後は女性ホルモンの量が減り、授乳をする体に変化します。産前、産後とも体型の変化に加え、女性ホルモンが激変するために感情のコントロールがしにくくなってしまうのです。
加えて、出産というものは喜びも大きいのですが、生活の変化、お産や育児による疲れ、プレッシャー、不安、孤独など、環境や精神にも大きく影響します。
こういった妊娠や出産にまつわるさまざまな出来事や感情が、マタニティブルーのきっかけとなります。
多かれ少なかれ女性の多くがマタニティブルーを経験しますが、ほとんどの場合は産後の肥立ち(※)とともに自然と改善していきます。
事前に体や心の変化があることを知っておき、上手につきあいながら、周囲からサポートしてもらいましょう。できる範囲でストレスを軽減し、気分転換していくことが大切です。
なんとなく気持ちが落ち込んだり、気持ちが不安定になるとマタニティブルーかも、と心配になりますよね。まずはストレスフリーになることが、マタニティブルーにならないための一番のコツ。
ストレスをためてしまうと、そこからどんどんと気持ちが変化して、マタニティブルーになってしまうことも。だからこそ、自分ひとりで抱え込まずに、気持ちをラクにしておくことが大切なんです。
事前に妊娠中や産後の心や体の変化のことを、パパや実家のお母さんなど周囲の人たちに話しておきましょう。まわりからうまくサポートしてもらえると、育児はとても楽しめますよ。
出産はゴールではなく、赤ちゃんとの生活のスタート。事前に赤ちゃんとの生活をイメージしておかないと、授乳や夜泣きなど、些細なこともストレスになってしまいます。
産後1ヵ月は、赤ちゃんのことの外は何もできない、赤ちゃんのそばにずっといる期間だと思って、赤ちゃんの生活リズムに合わせて一緒に過ごしましょう。
赤ちゃんには個性があり、3時間寝なかったり、泣き続けるのも当たり前。マニュアルどおりにはいかないものと理解して、ポジティブにとらえましょう。
出産直後、すぐに元の体型に戻ると思っていると、産後の体型がストレスに。産後直後はまだお腹が大きく、ぷよぷよしている状態です。
マタニティブルーの症状としては疲労感があったり、イライラや不安がつのったり、落ち込んだり、悲観的になって涙もろくなったりと、人によってさまざまな症状があります。ひとつの症状だけでなく、いくつもの症状が重なってしまうこともあります。
人により不安やストレスの原因は異なりますが、女性ホルモンの変化で過敏になった精神状態に、さまざまな感情がきっかけとなり発症します。
●つわりによる不快感
●妊娠の継続に対する不安
●出産への恐怖心
●体系が変わることへの違和感
など
●育児への不安、プレッシャー
●夫との関係の変化
●社会との関わりが減り、孤独感、疎外感
●思いどおりに行動できないことへの焦り
など
ママは誰もがマタニティブルーになるもの!と思っていると、気持ちがラクになりますよ。まわりの人たちに、そのことを知ってもらっておくことも大切です。
妊娠、出産、産後はそれまでと違い、さまざまなことが思うようにいきません。そんな状況を自分自身が受け入れて、上手に折り合いをつけていく必要があります。
うまく折り合いをつけられるようになる4つのコツを!
特に産後は、一日中家にいて、赤ちゃんとだけ接していると、大人と話す機会が持てずに孤独になりがち。メールやSNSなどの文字だけで繋がるのではなく、直接人と会いおしゃべりするだけで、だいぶ心が軽くなりますよ。電話で話すだけでもOK!
仕事、家事、育児など、完璧を目指さず、良い意味で「まぁいいか!」と“適当”なところで良いと思えるようにしましょう。上手に手を抜くことを覚え、手を抜く自分を許すことができるようになれると随分と違いますよ。
ほとんどの女性はマタニティブルーになるということを、周囲の家族に理解してもらうことが大切です。まわりの人たちはママが何をして欲しいかを上手に聞き出して、ママの望むサポートをしましょう。ふだんから家族間で、お互いがやって欲しいことを伝えるようにすると良いですね。
まわりは良かれと思って、あれこれアドバイスをしてくれますが、それがかえってプレッシャーになる場合も。人によって言うことも違うので混乱してしまいます。負担に思ったら、ある程度は聞き流すようにしましょう。気持ちがぐんとラクになりますよ!
マタニティブルーは一過性のものといわれていますので、焦らずにゆっくりとママの体調と心を整えていきましょうね。
そのためにもストレスをためないように、今回ご紹介したコツを生活に取り入れてみましょう。ホルモンバランスが安定してくるころ、産後なら2~3週間もすると、自然とマタニティブルーも治まってきますよ。
対して産後うつは、産後長期間にわたって気分の落ち込みが続くようなケースです。気分の落ち込みが長引いてしまっているなら、産後うつの可能性があります。
産後うつかもしれないと思ったら、早めにかかりつけ医に相談してみましょう。かかりつけの産婦人科医やメンタルクリニックなど、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。