食品会社での会社員経験をしたのち、スキー雑誌の編集部に勤務。その後、フリーライターとなり、スキーやスノーボード、ボディボード、ゴルフ、自転車、旅行、ファッションなどさまざまなジャンルを執筆。桶谷式母乳育児で子育てをした一児の母でもあり、現在はbabycoにて自分の育児経験を生かした記事の執筆を行っている。
【助産師監修】授乳中って薬やカフェインを摂取してもいいののでしょうか?
副作用や赤ちゃんへの影響を心配して、飲まずにがまんしてしまうママもいるのでは?
特に薬は、ママの体調がよくなるように上手に付き合いたいものですよね。
母乳育児を進めながら、薬やカフェインを上手に取り入れる方法をご紹介します!
母乳育児中にママが風邪や頭痛、アレルギーなどで悩まされると、薬を飲むのをためらってしまいますよね。
でも、現在はさまざまな研究が進み、薬の成分が母乳に移行するのは微量で、赤ちゃんへの影響はとても少ないということがわかってきました。
授乳期間でも飲める薬もあるので、体調不良を抱えながら授乳を続けるよりも、授乳中でも安全性が高いとされている薬を飲むこともひとつの選択です。
薬を処方してもらうときには、担当医師に「母乳育児中」と伝えて、授乳中でも飲める薬を処方してもらいましょう。
市販薬を飲むときには、薬剤師に相談します。とくに長期服用については、必ず相談してくださいね。
また、乳腺炎の症状でくるしいときは、助産院や出産した施設に問い合わせを。
授乳中は薬を飲むタイミングをちょっと気にしてみましょう。
「授乳直後」や「赤ちゃんの長い睡眠(夜やお昼寝)の前」に飲むと、母乳への薬の影響が少ないといわれています。
薬を飲んでいるときには、いつも以上に赤ちゃんの様子をよく観察してくださいね。
<こんなときはかかりつけの小児科医へ>
●うんちがゆるい
●湿疹が出た
●母乳を吐いた
●いつも以上に眠りがちになった
すぐに医師に相談できない場合や手元にある薬を飲みたいと思った場合は、「授乳と薬の電話相談」を利用してみてください。授乳中の方だけが対象です。
適量の摂取は問題なし!無理にやめなくてもいいですよ。
カフェインは、コーヒーや紅茶、チョコレートなどの嗜好品に含まれるとても身近な成分です。
ただ、妊娠、授乳中の摂取は、胎盤や母乳を通して赤ちゃんの体にもカフェインがもたらされます。
一説では、流産や低出生体重などの発現率が高くなると言われていますが、これはあくまでも“中毒になるほど摂取した場合”。
カフェインにはリラックス効果もあり、適量を摂取するぶんには問題ないので、無理にやめる必要はありません。
とはいえ、最近はカフェインレスの珈琲などもありますし、もともとカフェインの入っていない麦茶やルイボスティーなどもとり入れながら、上手にティータイムを楽しめるといいですね。
コーヒー、コーラ、緑茶、紅茶、ウーロン茶、ココア、チョコレート、栄養ドリンクなどに含まれる成分。
また、意外かもしれませんが、一部の医薬品、感冒薬にも含まれています。
リラックス効果、覚醒作用、胃酸分泌促進、利尿作用、基礎代謝の増加などがあります。
「体も心もリラックス」
ゆったりとしたティータイムは体も休めますし、特にコーヒーの香りは、脳にリラックス効果があると言われています。
「眠気を取る」
中枢神経に働き、精神機能を高め、眠気や疲労感を取り除きます。寝付きが悪くなることもあるので就寝前は控えて。
「胃酸分泌を促す」
胃酸の分泌を促進し、食欲を増進させます。胃壁を刺激することもあるので、空腹時にはあまりとらないほうがいいでしょう。
「利尿に効果的」
腎臓の血管を拡張して血流が増加するため、利尿作用があります。就寝前は控え、日中にとるようにしましょう。
「基礎代謝がアップ」
基礎代謝を高めて、脂肪を燃焼させるので、ダイエット効果があるとも言われています。
量や時間に気をつければ、今まで通りティータイムを楽しめます。
●食前・食後は時間をあけてから
食前・食後は鉄の吸収を妨げるので少し時間をあけてから飲むようにしましょう。授乳をしているママは、授乳前より、授乳後に飲むのがおすすめです。母乳への影響を軽減できます。
●コーヒーなら1日3杯くらい
1日の目安は、カフェイン250~300mg。コーヒーなら1日3杯程度が適量です。好きなのに我慢してやめようとすると、逆にストレスがたまってよくないので、あまり神経質にならないように。
●カフェイン少なめ&カフェインレスの飲み物
コーヒー、紅茶、煎茶、などのいつものレパートリーに、麦茶、タンポポコーヒー、ハーブティー、野草茶などをプラスして楽しんでもいいでしょう。最近ではカフェインレスのコーヒーも人気です。
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桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。
第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。
また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。
現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ助産師たちによって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士の育成、母乳育児支援活動を行っています。現在の会員数は550名。全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で皆さまの母乳育児をサポートしています。
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イラスト:いいあい ※写真はイメージです。