babycoオンラインコンテンツディレクターであり、雑誌・書籍の編集者。カナダで短期大学、映画制作専門学校卒業後、新聞記者、ラジオDJ、TVドラマの編集など多様な分野の知識を得て帰国。帰国後は雑誌編集を中心に活動し、広告案件においても企画・コンセプト立てから担う。ライフスタイルを得意とし育児媒体には20年携わっている。
赤ちゃんが母乳をちゃんと飲んでいるかな?
と飲ませ方に不安を感じているなら、
まずは「抱き方」を見直してみましょう。
授乳の際に大切な、赤ちゃんが母乳を飲みやすくなる抱き方を桶谷式の助産師が丁寧に解説します!
授乳クッションを使って正しいポジショニングができると、抱き方次第で母乳の飲み具合が変わるんだ!と実感できるかも?!
腱鞘炎の予防にも抱き方の見直しは必須ですよ。
授乳をする時の赤ちゃんの抱き方には、大きく分けて3つの方法があります。
赤ちゃんの3通りの抱き方
1)横抱き
2)縦抱き
3)フットボール抱き
一番オーソドックスなのが横抱きです。
順番に詳しく解説していきましょう。
横抱きではポジショニングの基本をしっかり覚えておきましょう。
■ 赤ちゃんの首や頭の後ろにちょうどママの肘がくる
■ ママの体(お腹)の真ん中あたりに赤ちゃんのお尻がくる
このポジショニングを基本に、横抱きの上手な抱き方2つのポイントを紹介します。
おっぱいに対して赤ちゃんの体の向きが平行していて、頭、首、背筋、腰までが一直線になるようにします。
さらにママと赤ちゃんのおなかが向い合うように引き寄せます。
赤ちゃんの体がよじれていると飲みにくいので、赤ちゃんの体全体を支えることが大切です。
この時、赤ちゃんの腕がママと赤ちゃんの体の間に挟まれないように、赤ちゃんの腕は外側(ママに抱きつくよう)にしましょう。
座って授乳するときは、背筋を伸ばすように心がけます。
おっぱいを赤ちゃんに近づけるのではなく、赤ちゃんをおっぱいに近づけるように意識してみましょう。
前かがみ・前傾姿勢だと、ママの体に負荷がかかり、肩や背中、腰が痛くなってきてしまいます。それで何度も授乳していると体がバキバキになってしまうことも。
なるべくママが背筋を伸ばして、楽な体勢をとってから、赤ちゃんを自分の方に引き寄せるようにするとママも疲れにくいですよ。
抱っこの腕の下に授乳クッションやタオルを置くなどして、高さの調節をすることで前かがみを 防ぎましょう。
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赤ちゃんが小柄な場合や深く吸うのが苦手な場合は、縦抱きの飲ませ方がとても有効です。
縦抱きをする時に大事なのが、赤ちゃんの背中をまっすぐにして飲ませること。
縦抱きの手順としては
ママの太ももの付け根あたりに赤ちゃんをまたがせる
▼
片手で赤ちゃんの首の後ろを支える
▼
反対側の手でお尻を支える
\Check/首とお尻の2点で支えることで赤ちゃんの体が安定して飲ませられるようなります。
この時にママは胸を張って抱くようにすることも意識しながら、さらには赤ちゃんの背中を軽くさすって赤ちゃんの背中も真っ直ぐになるように確認して飲ませてみましょう。
縦抱きでも横抱きの場合と同じように、赤ちゃんの口の高さとおっぱいの高さを合わせることも大切です。
首の後ろをママの手で支えて、飲ませる方の側の手でおっぱいを支えた上で、授乳クッションやタオルを使って高さを調整しましょう。高さがあっているなら授乳クッションを無理に使う必要はありませんが、ママが太ももをあげて調整をするママの体に無理がかかりますよ。
フットボール抱きは「脇抱き」とも言われ、おっぱいが脇に溜まっている時、しこりができたり、詰まったりした時に有効な場合もあります。
ママが横抱きでうまく飲ませられないな、という時にも試してみてもいい方法です。
ママが片腕だけで赤ちゃんを支えるので、写真にあるように小さなクッションを使ったり、バスタオルを丸めて使うといいですね。 どの抱き方でも同じで、ママのおっぱいの方に赤ちゃんを引き寄せることが大事になるので、ママが前屈みにな流のではなく、写真のように赤ちゃんを引き寄せます。
例えば左のおっぱいをあげる場合は、
1)赤ちゃんを左側の脇に抱えて、ママが左手で赤ちゃんの首の後ろを沐浴をするときのようにUの字で支えます。
\Check/フットボール抱きでも赤ちゃんのお尻をクッションの上に置いて、ママの乳首の高さと赤ちゃんの唇の高さを合わせます。
2)ママのおっぱいをはさむような形で、赤ちゃんの両手は外に出す。
3)赤ちゃんを引き寄せる
\Check/フットボール抱きの時はママの手首に角度がつくので、手首に力を入れないように。力を入れすぎると腱鞘炎になってしまいます。あくまでも赤ちゃんを引き寄せるために支えているので、バスタオルの上に腕の重みを預けてもOK。ママの肩の力がストンと抜ける位置で、フットボール抱きの形を作るといいでしょう。
今回は、授乳の時の代表的な3つの抱き方を紹介しましたが、これらはあくまでも一般的な抱き方です。
赤ちゃんの体重や口の大きさも違えば、おっぱいや乳首の大きさも個人差があるので、ママと赤ちゃんが楽に飲める飲み方をみつけることが何より大事。
自分のおっぱいだけをとっても左右差があって、乳頭も左右で違ったり、位置や高さなどにも違いがありますよね。赤ちゃんの成長によって補助の道具の使い方も変わってきたりします。
正しい抱き方をしよう…とばかり意識するのではなく、ママ自身で試して、自分たち親子に合ったやり方を見つけてくださいね。
それが腱鞘炎の予防にもなりますよ。
ママの母乳育児に関する悩みには
■おっぱいが足りているか不安
■おっぱいが痛い、これって乳腺炎?
■赤ちゃんがうまくおっぱいを飲めていないみたい
■断乳をどうやって進めたらいいの?
など、たくさんありますよね。
こうした母乳育児前半の悩みを解決してくれる桶谷式の相談室。一人ひとりに合わせた母乳育児のアドバイスをしてくれます。
今回のテーマ「授乳の時の抱き方」も、どの抱き方が正しいというものではありません。ママと赤ちゃんそれぞれの個性に合わせた抱き方を見つけるには、助産師さんに直接みてもらえる個別相談もおすすめ。授乳や搾乳の方法など母乳育児に関することなら、なんでも答えてくれるエキスパートです。
おっぱいが出にくいという悩みには、オリジナルの乳房マッサージで柔らかくしておっぱいを出やすくしてくれたりもします。
直接悩みを相談したい!というママは、全国約330箇所にある「桶谷式母乳育児相談室」に、気軽に相談することもできますよ。
ひとりで抱え込まずに、以下「OPPA!」 から気軽にご相談ください。
桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。
第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。
また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。
現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ後進達によって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士の育成、母乳育児支援活動を行っています。現在の会員数は550名。全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で皆さまの母乳育児をサポートしています。
監修:公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会
イラスト/いいあい
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