遺伝と環境どちらが大事?子供の“好きなこと”“得意なこと”を知って個性&才能を伸ばしたい!

子どもの成長に影響するのは遺伝? それとも環境?
そんな素朴な疑問を、遺伝子教育研究所で教育支援アドバイザーをしている鎌田先生に聞いてみました。

遺伝と環境どちらが大事なの?

パパに似て背が高いわね
 
ママに似て運動神経がいいのよ
 

そんな会話に聞き覚えはありませんか?

体質や体格などが遺伝するのはイメージしやすいパパママも多いと思いますが、実は

考え方や成長の仕方も遺伝するんだそう!

蛙の子は蛙というものね...

と諦めてしまった人はちょっと待って!

下の表はそんな「遺伝と環境による影響」について調査したもの。よくみてみると、自尊感情や、特に言語性知能は遺伝子よりも環境の影響が大きいことがわかります。

そう、やっぱり子どもの成長には「子ども自身の資質を見極め、その子にあった環境を与えてあげる」ことが大切なんですね。

 

考え方や行動は遺伝するか?調査
遺伝子と環境の影響の割合

遺伝と環境の影響の割合

遺伝の影響が強い
傾向にあるのは…


空間性知能
論理的推理能力
誠実性
開放性

環境の影響が強い
傾向にあるのは


言語性知能
権威主義的伝統主義
自尊感情
新奇性追求

考え方も遺伝するってどういうこと?

人体の細胞は、約60兆個あるといわれています。

皮膚、筋肉、骨、血管、神経、脳、心臓、肝臓など、すべての器官は細胞によってできているということはなんとなくわかりますよね。

では、どうして「考え方」まで遺伝するのでしょう?

私たちは日々、“心で感じて頭で考え” てさまざまなことを判断しているように思っている人も多いかもしれませんが、実はそれらすべては脳が処理をしていることなんですね。

胸がキュンとしたりほっとしたりするのも、脳のなせるわざなのです。
脳内物質=ホルモンには、3大脳内ホルモンといわれているものがあります。
セロトニン
ノルアドレナリン
ドーパミン
の3つです。

セロトニンやドーパミンは耳馴染みのある言葉でしょう。

例えばセロトニンは、不安感を抑え、楽観性を増し、精神を安定させてくれる物質です。
つまり、このセロトニンの分泌が少ないと人は不安を抱きやすくなります。

こうした分泌も遺伝子に組み込まれているんですね。

遺伝子は親から子へと受け継がれていくので、長い歴史の中で民族にも傾向が生まれます。
すると、セロトニン分泌の少ない傾向にある民族がいることも理解できますね。その点から見ていくと、日本人はセロトニン分泌量が少ない傾向になる遺伝子を持っている、世界でも不安を強く感じやすい民族なんです。

<心配性と楽天的を決める遺伝子国別比率>

心配性と楽天的を決める遺伝子国別比率
日本人は不安を感じやすいってなんだか残念...

と思ってしまった人もいるかもしれませんが、物事にはいろいろな側面があるのを思い出してみてください。

不安を抱きやすい分、
・物事を着実にこなそうとする
・万が一に備える能力がある
といった面もあると思いませんか?

ここで理解してもらいたいのは、感情や考え方も脳の働きを左右する遺伝的影響があるということです。

もちろん、遺伝がすべてではありません。

初めにご紹介したグラフ「遺伝子と環境の影響の割合」の通り、先天的な遺伝の影響と、後天的な環境の影響、どちらもが子供の育ちに深く関わっているんですね。

大人の声がけが結果を左右する?!

ではここで、子供への声がけに関するクイズです。

コップに入っている水をこぼさないようにするには、どう声がけをしてあげるといいでしょう。 

違いは「水をこぼす」ことをイメージする言葉が入っているかどうかです。

お水をこぼさないようにコップをしっかり持ってなさい
②コップをしっかり持っていればお水はこぼさないよ
③しっかりコップを持ってないとお水をこぼしちゃうから気を付けて持っててね

①〜③ の声がけには、「水をこぼす」イメージをする言葉が入っています。

④コップをしっかり持っててね

には、入っていません。

これは実際に鎌田先生が園児に試してみたこと。
そして、水をこぼさなかった園児は、④ の声がけのグループに多かったそうです。

日本人は、世界の基準からするとセロトニン分泌量が少ない傾向になる遺伝子を持っていて、不安を感じやすい民族なのだそう。だからちょっとした言葉から「水をこぼす」不安を感じ、緊張からこぼしやすくなるのでは?
 

と鎌田先生。

水をこぼしにく声がけの
答えは④番

 

気をつけたい、劣等感を感じさせる対応

えてしてパパママは、

できることなら叱らずに、褒めながら
子どもの能力を伸ばしてあげたい

と思っているかと思いますが、日々の生活の中で時間に追われていたりするとついイラッとして子どもに言葉をぶつけてしまうこともありますね。

ただ、そんな時にも子どもが劣等感をいだくような声がけは極力さけたいものです。

特に、子供自身が「自分のダメな姿を思い浮かべる」接し方や、あれしなさい!これしなさい!とお手本を見せずに指示のみをする接し方は、自らの力を発揮する能力の妨げになりがちです。

自己肯定感を高める対応をしてあげられるようにしたいものですね。そんな自己肯定感の育みには、子供の資質を見極めてあげることが第一歩なんです。五感を使った体験をたくさん取り入れてあげると、できない経験や失敗から一緒に学ぶ機会をつくれるようにもなるそうです。

五感を使った体験

資質に合わせた声がけが、子どもの学習意欲にも大切

コップの水と同じように学習する子どもの横では、どんな声がけをしてあげればいいでしょう。

マイペースに思考するタイプ
ひらめきの発明家タイプ
リスクも考えながら行動するタイプ……

子どもの性格によって、声がけひとつで取り組み方が変わってくることは想像に容易いですよね。

マイペースに思考するタイプなら、親があまり先走って答えを与えず「待つ」姿勢が大事でしょう。
ひらめきの発明家タイプなら、ひらめいたことを共に共感してあげるといいかもしれませんね。
リスクも考えながら行動するタイプなら、あまりリスクばかりを考えないように安心感を与えてあげるのも一つの手です。

勉強する子どもへの声がけ

性格だけではなく、体質も子どもの能力を育む手掛かりになります。
例えば、朝型の体質の子に夕食後に一緒に親子の学習時間を持ったとしても、その日の体力を使い果たして集中できないかもしれません。そんなときは、夜はなるべく早く寝かせて、早起きして朝の親子時間をたっぷりとるようにするといいかもしれませんよね。

育児にはたった一つの正解はなく、その子供一人ひとりによって必要な声がけや環境も変わってくるんですね。 遺伝と環境どちらも大切だからこそ、子どもをしっかり観察しつつ、資質を伸ばし、適した環境を与えてあげたいものです。

わが子の「好きなことってなんだろう?」「どんなことが得意なのかな?」を、見極めてあげられるようになるといいですね。