0〜2歳に大切な非認知能力って?①10年、20年後をしあわせに生きるために

非認知能力
2020/05/26 2023/07/27 太田菜津美 太田菜津美

いつも笑顔で、どんなともだちとも仲よくできる。
いろんな教科でまんべんなくいい点が取れる。

それって、その子の性格の明るさや頭のよさといった才能のようなものなのかなと思っていましたが、じつは「非認知能力」という力が隠れているようです。一見難しそうに見えますが、どんな子でもみがけば光る力なんですよ♪

これから10年、20年後の未来で活躍するみなさんのお子さんがしあわせに生きるための、0〜2歳に大事な親子のはぐくみについてのお話です。

監修
森口 佑介先生
森口 佑介先生

京都大学大学院 教育学研究科准教授。発達心理学を専門とし、子どものセルフコントロールや想像力に関する研究を行っている。NHK Eテレ「すくすく子育て」にも出演中!

他人とも、自分ともうまく生きていくための力「非認知能力」って?

「非認知能力」という力は、アメリカやヨーロッパなどの研究を中心に、世界中で注目を集めています。この力が高いと、低い場合よりもお子さんの10年後の学力や友人関係、20年後の収入面や健康面などによりよい効果があるということがわかってきたからです。

非認知能力というと、“頭のよさ以外の力すべて”といわれることもあります。いわゆるIQの高さやテストの点数などとは違って数値化しにくい力ということなんですが、これではどんな力のことを指しているのかよくわかりませんね。非認知能力にもいくつかの力があるのですが、そのなかでも、最近では

● 思いやりがある
● 目標に向かって努力できる


といった力がとくに大事ということがわかってきました。

「非」「認知」「能力」という字面から受ける感じが難しそうですが、日本人が昔から大切にしてきたものと近い部分があります。というのは、この力のポイントは“他人とも、自分ともうまく付き合う”ということだからです。

なぐさめ

たとえば、他人と付き合うときは、ともだちと仲よくできたり、泣いている子に寄りそってあげたり。自分と付き合うときは、自分で目標を決めてがんばれたり、「こんなにがんばったんだから大丈夫だよ!」と自分に自信を与えるような強い気持ちがもてたり。
小さなころから、こうした親切な心や自分で考えて行動する気持ちがはぐくまれると、10年後、20年後に同じような場面に出くわしたとき、同じように他人とも自分ともうまく向き合うことができます。

0〜2歳はまだ芽が出ているだけで、3歳以降になるとこの力がぐんぐん伸びるのですが、芽が出始めた時期にしっかりと土台をきずいてあげることが、非認知能力には大切なのです。

非認知能力が花ひらくと、こんな子に育つ!

それでは、非認知能力がはぐくまれるとお子さんの将来にどのようないい影響があるのでしょうか。「思いやり」「自主性(目標に向かって努力する)」の2つの点で見てみましょう。思いやりにおいては、人に親切にする行動を“自然とできる”かどうか。自主性においては、言われたことだけをやるのではなく、“自分でちゃんと考えて目標を立て、達成のためにがんばれる”かどうかが大切です。

● ほかの人の気持ちを考えられる
泣いている人がいたら、その人はいまどういう気持ちで、何か自分にできることはないか。困っている人がいたら、その人は何に困っていて、どうしたら助けられるかなど、同じ立場に立って考えられる。また、自分とは違う考えをもつ人などの気持ちに寄りそえる。

● ともだちを思いやる行動が自然とできる
親や先生に言われてやるのではなく、自発的に「助けよう!」と思える気持ちがもてる。お弁当を忘れた子がいたらちょっと分けてあげるなど、自分にとって少し損になっても、相手のためにいいことをしたいと思える。

● 人がいやがること、きずつくことをしない
人のからだをぶつ・けるなどの乱暴な行動をしない、人の心をきずつけるような発言をしないなど、まわりの人といい関係がきずける。

● 誘惑に負けずにやるべきことができる
勉強中にともだちからの遊びの誘惑があっても、「今日は勉強をがんばる日だから、また今度ね」と自分のいまやるべきことに取り組める。また、薬物などの危険な誘いに惑わされず、自分にとってよくないと思うことに対してNO!と言える心がもてる。

● 自分で目標をつくり、がんばることができる
「運動会のかけっこで一番になりたいから、毎日公園でダッシュする!」「テストで100点を取りたいから、1日1時間集中して勉強する」など、自分で目標を決めて、その目標を叶えるために努力することができる。

babycoの先輩ママが考える、非認知能力が生きる上で大切なワケ

babyco編集部には、みなさんのお子さんにとって少し近い未来を生きている女の子の子育てに奮闘中の先輩ママがいます。かわいいシールや雑貨、ぬいぐるみ、ゲーム、ともだちとの遊びと、楽しい誘惑がいっぱいのなか、勉強もがんばらなくちゃ!な状況のようです。子育てをする上で、どんな場面で子どもに非認知能力が必要と感じるのかを聞いてみましょう。

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はじめまして。babyco知育アドバイザーのいしびききょうこです。
私が非認知能力という言葉をはじめて聞いたのは、3、4年前。教育カウンセラーの先生に「幼児期は認知能力(いわゆる読み書き計算)よりも、非認知能力を伸ばす指導が必要」だと教えていただきました。非認知能力が将来のしあわせとどう結びつくの? そう考えたとき、“まなび”のチャンスが増えるんだ!と。
ともだち、先生、文化や考え方が違う人たちと上手に通じ合えると、まなぶ先がたくさん増えます。「この人はこう考えるんだ。その考えもステキだね」そんな風に“思いやるくせ”がついて、その人をまるごと認めることができたら、新しい何かを発見できるかもしれません。思いやりがもてると、ともだちがたくさんできて、自分が困ったときにその数だけ勇気や笑顔をもらえる。それこそが、しあわせなんじゃないかなと思います。
子どもが自らの手でしあわせを手に入れるには、自分自身ときちんと向き合うことも大切です。私には中学受験を控えている娘がいますが、勉強に飽きないように感情をコントロールしたり、弱点を伸ばすために努力したりする姿を見ていると、認知能力を上げるためにも非認知能力が必要だなぁ…と(笑)。どちらの能力も育てられたらいいですよね。

babyco知育アドバイザー いしびき きょうこ

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非認知能力のお話PART2はこちら♪

イラスト:タオカミカ

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