“ゆるまじめ”な子育て応援メディアbabyco編集部です。妊娠・出産・育児というライフステージで大変なママもパパが、ゆる~く、でもまじめに学びながら、 子どもと共に楽しく成長するためのヒントをご提供するのがモットーです。
ここ数年、地域の問題として注目されている“親子の孤立”。教育といえば学研!のイメージがある学研教室ですが、じつは「親子の居場所に」という願いもこめられています。学研らしい親子の支え方とは、一体どんなものなのでしょう。学研教室の幼児教材の制作を担当し、0・1・2 Petit Pas(以下、Petit Pas)を立ち上げた株式会社学研エデュケーショナルの田中麻依子さんに、Petit Pasにこめた想いを伺いました。
編集長(太田):これまでbabycoでは、お教室のPetit Pasへ何度か取材させていただきましたが、立ち上げ当時のお話などははじめて伺います。babycoをきっかけにPetit Pasに興味を持ってくださったママとパパのために、改めてコンセプトを教えてください。
田中さん:多くのママやパパがご存知のように、学研は「教育」に軸をおいています。これまで学研教室では、自学自習(自ら学び、自ら習う)の理念のもと、幼児・小学生・中学生への指導を行なってきました。ですが、まなびの土台づくりに大切な0・1・2歳のためのサポートが十分でないことに気がついたのです。
編集長(太田):0〜2歳が、まなびの土台づくりに大切な時期というのはどういうことなのでしょう?
田中さん:赤ちゃんのときに体験する絵本や遊びには、ひらがなや数、えんぴつの持ち方など、まなびにつながる基礎が詰まっているんです。例えば、こちらはPetit Pasでお配りしている『くうちゃんえほん』という0・1・2歳向け専用の絵本のひとつで、お弁当箱をテーマにしています。一見するとお弁当の具材を紹介しているだけのように見えますが、じつはこれって、しいたけは「し(四)」にかけて4つ、ごぼうは「ご(五)」にかけて5つと、数も意識しているんですね。
編集長(太田):本当だ! なかなか深い内容ですね。
田中さん:あおむしがニョキっと出てくる絵本では、「だれかな?だれかな?」「わぁっ、出てきたね!」と、わくわくする気持ちを親子で伝え合って楽しめるようなお話になっていたり。ワークでは、はさみやのりをいっぱい使うことが、えんぴつを持つ準備になったり。
今すぐ何かができる、何かがわかることが目的じゃなくて、乳幼児期からこうやって自然と数に親しんだり、人と伝え合って楽しいという気持ちを体験したりすることが、算数や国語などの学力の土台にもつながっていくんです。例えば、小学校に上がって「作文書きなさい」と言われても、何のために書くの?と思いながら書くのと、伝え合うのは楽しいなと思いながら書くのとでは全然違いますよね。赤ちゃんのころからの体験が、自分の気持ちを人に伝える手段として言葉をまなぶんだな、というベースづくりにつながるんです。
編集長(太田):0・1・2歳のうちに、小さなまなびの芽を育てることが大事なんですね。おうちでできる学習方法には、DVDやプリント教材を配布するやり方もあるなか、なぜ“教室”という場を選ばれたのですか?
田中さん:子どもたちは、家族以外の人とふれあうことで、「楽しい!」「くやしい…」といった感情や、「やってみたい!」という主体性など、人生の基盤になる“はじめの芽”が育っていくんです。いろんな人との関わりをつくってあげたいなと思い、Petit Pasは個別ではなく小集団で行う形にしました。
また、幼児教室というと赤ちゃんのためのものというイメージがあるかもしれませんが、ママにプラスになることもたくさんあります。0・1・2歳という違う年齢の子がいるので、わが子より年下の子を見て「うちの子、ちょっと前まではこうだったけれどすごく成長したわ」とか、年上の子を見て「次はこれが始まるのね…!」と予測がついたり(笑)。
最近は地域で孤立しがちな親子さんも多いので、頼れる先生の存在も大きいのではないでしょうか。ひとりの先生がずっとそこにいて、保護者にも子どもにも付き添ってあげられるというのは、学校でもなかなかできません。学研教室の先生は、一生の担任です!とよく言うんです。学研らしいコンテンツを提供しつつ、親子の居場所になればいいなというのがPetit Pasのコンセプトの核です。
編集長(太田):学研らしいコンテンツということで、Petit Pasの絵本やワークについてお伺いしたいのですが、まずは『くうちゃんえほん』について教えてください。
田中さん:『くうちゃんえほん』は、動物や乗りもの、食べものなど、イラストや写真を使いながら文章は短く、でもめくるたびにわくわくするテーマを選んでいます。0・1・2歳向けの絵本選びに悩むママにもおすすめですよ。先ほどお見せしたイラストのほかに、動物の大迫力の写真や、テッパンの乗りものシリーズなど、写真も使いながらいろんな種類の絵本が楽しめます。
編集長(太田):食べものや乗りもの、動物など、子どもたちが大好きなテーマがたくさん詰まっていますね! 『くうちゃんえほん』はイラストのタッチや色使いがやわらかくてかわいらしい感じですが、ワークははっきりした色使いで目につきやすくていいですね。
田中さん:よくぞ気づいてくださいました! Petit Pasのワークの表紙のビジュアルは、季節に合わせた動物の親子のイラストで、欧米の絵本のようなデザインをコンセプトにしています。色使いがはっきりしていると赤ちゃんも注目しやすいので、この表紙を見れば「Petit Pasだ!」と気づいてもらえるという点でも、大切にしているポイントです。
ワークのサイズは、赤ちゃんが目で追えて手を動かせる範囲を考えました。細かい説明がたくさん書いてあると注目しづらいので、なるべくシンプルに。その代わり、作り方や遊び方の説明は『Petit クリエ』という情報誌に丁寧に載せています。
編集長(太田):ワークは1ヵ月に5枚セットですが、全部きちんとやりきる!などルールはあるんですか?
田中さん:Petit Pasのワークは「親子で楽しむ」がコンセプトなので、完璧にきれいに仕上げることが目的ではありません。
学研教室の先生方からママたちにもお伝えしているんですが、無理しなくても全然大丈夫です。やりたくない気分のときは、いつか気分がのったときにやればいいですし、0歳にとっては見ること自体も大切な経験なので、ママやパパが楽しそうにワークをやっている姿を見せるだけでもいいんです。親子で折ったり切ったり、お話ししながら一緒に楽しめるのが、Petit Pasのワークの特徴です。お子さまのペースで無理なく遊んで、親子で楽しんでほしいと思います。
今回お話を伺った方
株式会社学研エデュケーショナル
田中麻依子さん
学研教室の幼児教材の制作を担当、一昨年から親子のための教室0・1・2 Petit Pasを立ち上げた。現在は乳幼児〜中学生まで教材の全体設計に関わる。大学では発達心理学を専攻。
学研教室0・1・2 Petit Pasとは?
教育に関する出版やサービスを多数手がける学研による、“0歳から通える”教室です。絵本の読み聞かせ、親子で楽しむワーク、教育や子育てに関する充実したサポートが550円(税込)で体験できます。
https://www.889100.com/smart/nen/nyuuyouji/