株式会社Luce・健康検定協会所属
管理栄養士・食育栄養インストラクター
日系航空会社のCAとして働く中で不規則な食生活から健康と食の強い結びつきを実感、食の世界に興味を持つ。退職後、大手料理教室のパン講師の経験や自宅パン教室の開校を経て、専門学校に入学。その後、管理栄養士免許取得。現在、外資系航空会社でCAをしながら、管理栄養士として健康や美容・食に関する情報発信をしている。
神原李奈ホームページ:https://rinakambara.themedia.jp/
一升餅を背負って、一生健やかに幸せに過ごせるようにと願う日本の伝統行事。
いま、手軽でおしゃれにお祝いできる「一升餅リュック」が人気です!
人気の一升餅リュックってどんなもの? 準備や当日のやり方はどうすればいいの?
食育栄養インストラクター・管理栄養士のママがご紹介します!
生まれて初めてのお誕生日に行う日本の伝統行事です(厳密にはお餅のことを指しますが、行事自体のことも「一升餅」と呼ぶことが多いです)。
「一升餅」とは、一升分=約1.8リットルのお餅に「一升」と「一生」の言葉を掛け、
「一生食べ物に困らないように」
「一生、円満で健やかに過ごせるように」
という願いをこめて、小さな丸いかたちのお餅を背負わせたり、お餅を踏ませたりして1歳を祝います。
地域によってはやり方や呼び名(誕生餅やタッタリ餅、うち倒し餅、力餅など)が違うこともあります。
昭和20年代くらいにも「初誕生」というお祝いの風習があったそうです。戦後間もないころは乳幼児死亡率が非常に高かったため、無事1歳を迎えられることはとても喜ばしく特別なことでした。
その時に行われていたのが「一升餅」。ただし、当時このようなお祝いをしてもらえたのは、長男・長女だけだったようです。
夫婦だけでお祝いしても、両家のご両親をご招待しても良いでしょう。
友人やご近所の方、親戚などを招待し、盛大に行う地域もあり規模はさまざまです。
また、場所も自由でOK!自宅で行うこともあれば、神社やレストランで行うこともあります。
「一升餅」は1歳のお誕生日に行うのが通常ですが、時期ややり方も地域によって異なります。
ここでは、メジャーな2種類の方法をご紹介しましょう。
赤ちゃんに一升餅風の小さなお餅を背負わせる方法で、東日本に多いとされています。
昔は風呂敷で包むことが一般的でしたが、いまはかわいい「一升餅リュック」などに入れて背負わせていることが多いようです。
地域によっては、お餅を背負わせるだけでなく、背中を押してわざと転ばせたり、転ぶまでお餅の量を増やしたりすることもあります。
この“転ぶ”行為は、魂が抜けることを意味し、 “はいはいをしていた頃の古い魂を体から出し、これから二本足で歩く新しい魂が宿るように”という想いがこめられています。
赤ちゃんをお餅の上に立たせて踏ませる方法で、西日本、なかでも九州地方で行われることが多い方法です。
将来の困難を乗り越えられるようにと、小さなあんよでお餅を踏ませます。 わらじを履かせて行う地域もありますよ。
実際にどのようにやるのか、順を追ってご紹介します。
(1)お祝いをする日を決める
(2)一升餅のお祝いに必要なものを手配する
【準備するもの】 | |
■一升餅 | |
■餅を包むための風呂敷(70~100cm)やリュック ※遅くても1~2週間前には準備を始められると安心です。 |
「一升餅」を自分で作るのは、忙しいママパパにはむずかしいですよね。
最近ではネット通販や和菓子屋さん、お米屋さんで買うことができますので活用しましょう。ネットで注文する際には、お祝いの日の1〜2日前までには届くように手配すると安心ですね。
神社の「初誕生祭」の神事で、一升餅をいただけるところもあるようです。
誰が準備をするのかも、地域によって違います。
一升餅の代わりに一升分のお米でお祝いするのが、「一升米」。
一升餅は前もって注文する必要がある、食べきることやお裾分けすることが難しい、子どもにとって重すぎる、などの理由から、最近は「一升米」の人気が出てきています。
一升米はとっても便利!
● 一升餅よりも用意しやすい
● 餅よりも日常的に食事にとりいれやすく、消費しやすい
● 離乳食にも活用できる
● 餅よりも保存しやすく、お裾分けもしやすい
● 背負わせる時に重さの調整がしやすい
などのメリットがあります。
手軽にお祝いしたい、お祝いの後にお裾分けしたい、赤ちゃんへの負担を軽くしたいというような方におすすめです。
■一升米のお祝い準備についてはこちらから!
一升餅のお祝いとあわせて行うことが多い「選び取り」。
選び取りとは、赤ちゃんの前に色々な品物や選び取りカードを並べ赤ちゃんが最初に手に取ったもので将来を占うというもの。
昔は筆やそろばんなどを用意することが多かったようですが、今では色々な品物を用意して占います。
こんな占い方があります!
◯ 筆:学問や芸術に強くなる。
◯ そろばん:商売上手になる。
◯ 米:食に不自由しない。
◯ お金・財布:お金に不自由しない、お金持ちになる。
◯ はさみ:手先が器用になる。
◯ 定規:大きな家を建てる、几帳面やしっかり者の性格になる。
◯ スマートフォン:IT業界に進む。
◯ くし・鏡:おしゃれになる、センスが良くなる。
◯ スポーツ用品:スポーツ選手になる、スポーツが上手くなる。
品物は、事前にご家庭で相談して用意しておくと良いでしょう。
はさみや定規など赤ちゃんが怪我をしそうで心配であれば、選び取りカードがおすすめです。皆が安心して楽しめる方法を選びましょう。
ファーストバースデー当日に、一升餅や選び取りをするにも、伝統的に決められた順番があります。
一升餅や一升米の包み方や背負い方とともに説明しますね。参考にしてください。
① 風呂敷の表面を下にして床に広げる。
② 風呂敷の真ん中に一升餅の表面を下にしておく。
③ 風呂敷の一つの角で餅を包み、次に対面するもう一方の角で同様に包む。
④ 餅の両サイドの布を束ね、キャンディを包むように2回捻り(もしくは結んで)、餅を固定する。
最近は、風呂敷のかわりに「リュック」に入れて行うママも増えてきています。
背負わせる時は、背中側から襷掛けのようにして、前でしっかり結びましょう。 かならず大人が餅を支え、首が圧迫されたり、転んでしまったりしないように注意しましょう。
※イラスト:
https://first-birthday.jp/yomimono/detail/6 より
※地域によって背負わせた後の方法は違います。
選び取りは「一升餅」のお祝いの最後に。
選び取りをする品物やカードを赤ちゃんの前に並べて、最初に何を手に取るか、家族みんなで見守りましょう。
最近は、お餅やお米に絵柄がデザインされているものがあり、ほかにカードなどを用意する手間が省けるのでおすすめです!
babyco編集部のおすすめ♪
風呂敷を使わずに、背負い用のかわいいナップサックがいま大人気!
お餅やお米を入れやすく、赤ちゃんにも背負わせやすいのが特徴です。
お祝いの後も、ママバックや収納グッズとしても大活躍すること間違いなし。
お餅やお米、選び取りのカードなど、「一升餅」に必要なものがセットになっているので、とっても便利になりました。
一升餅セットはこちらから⇒https://first-birthday.jp/
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Special1 おしゃれなデザインが5種類から選べる
レインボーカラーの明るいものから、ブラック&ホワイトのシックなものまで、お好みに合わせてスタイリングできるのはうれしいですよね。
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Special3 名入れ&顔写真が入れられる
これは高ポイント! おじいちゃんやおばあちゃんにも喜んでもらえそうですね。
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参考文献:
■八坂書房 宮本常一「日本の人生行事 人の一生と通過儀礼」
■株式会社小学館 倉石あつ子・小松和彦・宮田登 編「人生儀礼辞典」
■朝日新聞出版 三浦康子監修 「イラスト・写真で見やすい 赤ちゃん・子どものお祝いごとがわかる本」
■株式会社 未來社 宮本常一「日本の子供たち・海をひらいた人びと」
■第一法規出版株式会社「日本産育習俗資料集成」