【助産師監修】母乳が足りない?母乳不足のサインは?母乳量についてママが知っておくべきこと

母乳が足りない
2022/09/07 2024/01/13 うるの加奈 うるの加奈

母乳が足りないのかも……。
母乳不足のサインってあるのかな?
赤ちゃんがどのくらい母乳が飲めているのか、ママにはわかりづらいですよね。赤ちゃんの胃はとても小さいので一度にたくさんは飲めないんです。
助産師が授乳の回数や赤ちゃんのサインについて解説します!

 

授乳後、すぐに赤ちゃんが泣くのは母乳が足りていないから?

泣いている赤ちゃん

授乳中に母乳量は体重計がないと測れないため、ご家庭では赤ちゃんにとって十分な量を与えてあげられているのかがわからず、ママは不安になってしまうこともありますよね。

そんなとき目安になるのおしっこ。薄い色のおしっこが1日6〜8回程度ちゃんと出ていれば大丈夫です。
夏や赤ちゃんが汗をかいているときは、少し濃いめのおしっこの場合もあります。

赤ちゃんが泣くのは母乳が足りないというだけでなく、
・抱っこしてほしい
・うまく寝れない
・退屈(誰かに相手にしてほしい!)
というようなことで泣いている場合もあるので、あせらずに赤ちゃんの様子をみてあげましょう。

母乳が足りない時のサインを知りたい!

赤ちゃんにとって本当に「母乳が足りない」時は、どんなサインが見えるのでしょう。

<母乳不足のサイン>
①おしっこの回数が少ない
②授乳後もすぐに泣いて、機嫌が悪い
③体重が増えない
④便秘がち

上記の様子が見られたら、母乳が足りていないのかも……。

ただ、あまりにもママが神経質になってしまわないで。気になったら、専門家の意見を聞いてみましょう。

体重が増えないと気になる時はこちらもチェック!
CLICK▶︎<助産師監修>赤ちゃんの体重が増えなくても気にしすぎないで!〜母乳育児で陥りがちな不安

 

授乳中に寝てしまうけれど、ちゃんと飲めているのかな?

生まれたばかりの赤ちゃんはまだおっぱいを飲むのがうまくできなかったりします。飲んでいるうちに疲れて眠ってしまうこともありますよ。

もしも途中で寝てしまったら、そこで授乳を切り上げてもOK。

新生児の頃は頻繁にほしがったら授乳をしますが、生後3ヶ月ぐらいになると授乳感覚はだいたい3時間くらいになります。
ただしそれにも個人差があって、2時間くらいしか授乳間隔があかない赤ちゃんもいます。だんだんと飲む量が増えてくると、間隔があくようになってきますよ。

だいたい赤ちゃんは乳首を吸い始めてから5分くらいで、満腹になってしまうくらいの量しか飲めていないといわれています。

赤ちゃんの胃の大きさは、生まれた翌日たったの5〜7cc!

そこから少しずつ成長していき、3日目で22〜27ccくらい、1週間で45〜60ccくらいとそんなにたくさんの量を飲めるほどの大きさではないのです。

1カ月でようやく80〜150ccくらいになってきます。
それに個人差も大きいので、ほんのちょっと飲んだだけでも満腹!になっている赤ちゃんもいるんですよ。

また、飲み疲れて寝てしまうのは、もしかしたら授乳の体勢がきちんとできていないのかもしれません。
一度、赤ちゃんが上手に飲めるように授乳姿勢をチェックしてみてくださいね。

\授乳の時の抱っこについてはこちら/
CLICK▶︎助産師監修|抱き方次第で母乳の飲み具合が変わる?自分たちにあった授乳の抱き方を見つけよう

 

指しゃぶりをよくするけれど、母乳が足りないのかな?

おしゃぶりする赤ちゃん

「指しゃぶり」は多くの赤ちゃんがする行為です。

でも、あまりにも頻繁に指しゃぶりをしていると、

母乳が足りないのかな?
 
愛情不足?
 

などと心配になってしまいますよね。

たしかに、指や手をしゃぶるのは赤ちゃんがお腹が空いた!というサインの時もありますが、そうではないことも多いのです。

赤ちゃんには、口に触れたものに何でも吸いつくという反射があり、自分の手や指を口や舌を使って感じ取っています。
手遊びをしているんですね。赤ちゃんの本能の行動なんです!

また、何かを吸うという動作には不安や緊張を減少させる効果があると言われていますので、そんなに心配しすぎなくても大丈夫です。
指しゃぶりをすることで、落ち着いて安心していて、そのまま眠ったりもしますよね。
元気そうにしていたら大丈夫!あまり気にせずに、見守ってあげてくださいね。

赤ちゃんの生まれもった自然の行動について知っておくと赤ちゃんを観察するうえで役立ちますよ。
CLICK▶︎生まれたての赤ちゃんのこんな様子にびっくり! 原始反射ってどんなもの?

 

母乳がちゃんと足りているかの目安

笑顔の赤ちゃん

母乳の出が悪くて、赤ちゃんが吸うことに疲れてしまって寝てしまう場合、とても頻繁におっぱいをせがんできます。
授乳間隔が2時間くらいあくようであれば、そこまで心配しなくても大丈夫です。それに、赤ちゃんの機嫌がよく、授乳中に短い時間でもごくんごくんと飲む音が聞こえればちゃんと飲めていますよ。

赤ちゃんの体重の増加 1日に20〜30gくらいが体重増加の目安
おしっこの状態 うす黄色のおしっこが1日に6回以上出ている
便の状態 1日に1〜2回出ている
授乳回数 1日の授乳回数が8回以上
赤ちゃんの様子 授乳中に赤ちゃんがご機嫌なら安心

※おしっこの色が濃い黄色やオレンジ色の場合には、水分不足の可能性があります。かかりつけ医師に相談しましょう。

\詳しい授乳回数についてはこちら/
CLICK▶︎助産師監修>授乳の間隔はどれぐらい?泣いたら飲ませるのでは遅いって本当?

 

赤ちゃんの体重が増えない時の混合授乳

母乳不足時に使用するミルクと哺乳瓶

母乳育児をしていて、検診時に「赤ちゃんの体重が増加していなくて母乳の量がたりていないのでは」と指摘されたら、その分をミルクで補ってあげてもいいでしょう。

ただし、自己判断でミルクを増やすのではなく、まずは、助産師さんなどに相談してみてください。

母乳育児をしたいママは、おっぱいを吸わせる機会を減らさないようにすることが大切です。
最初におっぱいをあげて、その後に足りない分だけミルクをあげるという順番が大切!
おっぱいを吸わせることで母乳の分泌量も増えてきますし、赤ちゃんが哺乳することも上手になってきますから。ミルクよりも母乳をあげる回数を多くするようにしましょう。

母乳分泌がすぐに軌道にのらなくても、時間をかけてミルクで補いながら、産後4ヶ月目でしっかり母乳が出るようになったママもいますよ。
CLICK▶︎母乳が出ない私が産後4ヵ月で母乳育児を達成!

 

混合授乳で気をつけておくべきこと

▶︎ミルクを与えた場合の授乳間隔
最短でも3時間の間隔で、授乳後に少量飲ませてあげましょう。ミルクは消化に時間がかかるので、ミルクが多すぎると睡眠サイクルが乱れてしまいます。

▶︎ミルクのあげすぎには注意
ミルクをしっかりと飲んで、授乳時間が空くことはママの休息につながりますが、乳房内に母乳を溜めてしまうと、かえって分泌量が少なくなったり、逆に乳腺炎症状(痛みや強い張り)に繋がってしまうこともあります。

 

母乳育児をしているママにとって、赤ちゃんがちゃんと母乳を飲めているのか、足りているのかって気になるのは当然のことです。

ただ、毎日こと細かに赤ちゃんの様子をチェックしてしまうと、ママが参ってしまうかも……。
赤ちゃんの哺乳量は個人差がとても大きいので、1週間くらい様子を見てみましょう。
昨日はあまり飲めなかったけれど、今日は昨日よりも飲めているかも〜となることもありますよ。
あまり改善していないかな、やっぱり足りていないのかなと思ったら、助産師や専門家に相談してみてくださいね。

 

桶谷式母乳相談室ってどんなところ?

ママの母乳育児に関する悩みには

おっぱいが足りているか不安

おっぱいが痛い、これって乳腺炎?

赤ちゃんがうまくおっぱいを飲めていないみたい

断乳をどうやって進めたらいいの?

など、たくさんありますよね。

こうした母乳育児前半の悩みを解決してくれる桶谷式の相談室。一人ひとりに合わせた母乳育児のアドバイスをしてくれます。

今回ご紹介した「母乳が足りているか知りたい」場合や「混合から母乳へ軌道にのらせる方法」など、幅広い相談が可能です。助産師さんに直接みてもらえる個別相談なら、自分たち親子にあった解決がみつけやすいですね。そうした一人ひとりに合わせた母乳育児に答えてくれるエキスパートです。

おっぱいが出にくいという悩みには、オリジナルの乳房マッサージで柔らかくしておっぱいを出やすくしてくれたりもします。

直接悩みを相談したい!というママは、全国約330箇所にある「桶谷式母乳育児相談室」に、気軽に相談することもできますよ。

ひとりで抱え込まずに、以下「OPPA!」 から気軽にご相談ください。

babycoでも定期的に桶谷式両親学級(オンライン講座)を開催していますよ!

桶谷式って?

桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。

第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。

また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。

現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ後進達によって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士の育成、母乳育児支援活動を行っています。現在の会員数は550名。全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で皆さまの母乳育児をサポートしています。

監修:公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会

イラスト/いいあい

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