食品会社での会社員経験をしたのち、スキー雑誌の編集部に勤務。その後、フリーライターとなり、スキーやスノーボード、ボディボード、ゴルフ、自転車、旅行、ファッションなどさまざまなジャンルを執筆。桶谷式母乳育児で子育てをした一児の母でもあり、現在はbabycoにて自分の育児経験を生かした記事の執筆を行っている。
赤ちゃんにとってのいい母乳ってどんな母乳でしょう?
母乳育児のママの心配ごとはたくさんありますよね。
まずはママ自身の体調を整えることを大切にしましょう。
季節にあった野菜を中心に、いろんな食材をバランス良く食べていれば、栄養バランスもばっちり!
授乳中におすすめのレシピをご紹介します!
母乳はママの血液から作られているので、ママの食べた食事が母乳にも影響します。
だからこそ、どんな食事が母乳にとっていいのかな? と考えてしまうママもいることでしょう。
授乳中のママには、和食中心のあっさりした食事が栄養バランスもよく、体への負担も少ないと言われています。
もちろんそれだけでは飽きてしまうでしょうから、たまには洋食も取り入れつつ、バランスのとれた食事にできるといいですね。
<授乳中ママにおすすめのごはん>
①「主食・主菜・副菜」あるいは一汁三菜を基本に、色々な食べ物をバランス良く摂りましょう。
②朝食・昼食・夕食と3食、バランス良くしっかりと。
③魚介類、豆・豆製品、野菜類、海藻類は多めに摂るようにして。
肉はタンパク質の多い鶏肉を、高カロリーにならないように調理の仕方を工夫して。
④油・砂糖・食塩は控えめに。
⑤添加物や加工食品もできるだけ避けるようにしましょう。
脂肪分の多い食べ物や甘い物、揚げ物、ジャンクフードなどは、短時間に母乳の分泌量が増えて乳房が張りすぎてしまい、赤ちゃんが飲みにくくなってしまうことがあります。これらの食品は控えめにしましょう。
このようなことに気をつけて、毎日の食事を楽しいものにしていけるといいですね。
ついつい好きなものばかりを食べてしまう……同じものばかりを食べる「ばっかり食べ」はNG!
また、赤ちゃんのアレルギーを心配するあまり、特定の食品を排除してしまうこともおすすめできません。特定の食品を食べすぎないようにすることの方が大切なのです。
体にいい食品と言われている物でも、毎日同じ食材を続けて食べない、大量に食べないようにしてくださいね。
バランスよく、を心がけましょう。
それでも毎日毎食違う食事を複数作るのは大変ですよね。
そんな時は「一度にまとめてたくさん作って冷蔵庫で保存しておく」ことをおすすめします。ほうれん草はまとめて茹でて一食分ずつ取り分けて、ポン酢で食べたり、胡麻和えにしたりと味を変えてみてはいかがですか?
切り身の魚もまとめて焼いて、2日に分けて食べたりしてみてくださいね。
ちょっとした工夫で、バランスのとれた食事が取れますよ。
今日はちょっとだるくてつらいな〜妊娠中や授乳中はそんな日もありますよね。
そんなときは無理をせず、具だくさんの鍋やみそ汁、炊き込みご飯など、簡単にできて栄養満点の一品ものはいかが?
お鍋は栄養満点の料理!
野菜たっぷりで、魚や肉を入れればタンパク質だってとれちゃいます。
材料(2人分)
昆布…4cm
干ししいたけ…2枚
水…3カップ
長ねぎ…1/2本(約50g)
白菜…1枚
にら…1/4杷(約25g)
鶏ひき肉…100g
しょうが(すりおろす)…少々
片栗粉…小さじ1
にんにく…2片
塩…小さじ1/2
しょうゆ…大さじ1
作り方
①鍋に昆布と干ししいたけを入れ、水を注いで浸す。やわらかくなったら取り出し、せん切りにして(しいたけのいしづきはとる)鍋にもどす。
②長ねぎの半分はみじん切り、半分は小口切りにする。白菜は3cm角、にらは2cmの長さに切る。
③ボウルに鶏ひき肉と水大さじ2(分量外)、②の長ねぎのみじんぎり、しょう
④①の鍋に皮をむいたにんにくを加えて火にかける。煮立ったら、③のつくね生地をぬらしたスプーンでひと口大にすくって形をととのえ、静かに落とす。
⑤塩としょうゆで味をととのえ、約10分煮たら②の白菜をにらを加え、さらに約5分煮る。仕上げに②の長ねぎの小口切りを散らす。
タンパク質が豊富で栄養のある豆乳。飲むのは苦手っていう人も食事に取り入れてみるといいかも!
材料(2人分)
にんじん…3cm(約30g)
里いも…1個
えのきだけ…1/3パック(約35g)
しめじ…1/3パック(約35g)
だし汁…2カップ弱
なめこ…1/3パック(約35g)
みそ…大さじ2
豆乳…大さじ2
あさつき(小口切り)…1本分
作り方
①にんじんはよく洗い、皮ごといちょう切りにする。里いもは皮をむき、いちょう切りにする。
②えのきだけとしめじは、いしづきをとって食べやすい大きさにほぐす。
③鍋にだし汁と①のすべてを入れて約10分煮る。②となめこを加え、さらに約3分煮る。
④③にみそを溶き入れ、豆乳を加えてひと煮立ちさせる。器に盛り、あさつきを散らす。
具だくさんの炊き込みご飯は、栄養バランス的にも便利な一品になりますよ。
材料(4人分)
白米…2カップ
水…1カップ
長いも…100g
しめじ…1カップ(約100g)
むき銀杏…12粒
豆乳…1カップ
あさつき(小口切り)…少々
作り方
①白米は洗い、水と共に炊飯器に入れる。
②長いもは皮をむき、1cm角に切る。しめじはいしづきをとってほぐす。むき銀杏はフライパンでから炒りする。
③①の炊飯器に②の長いもとしめじ、豆乳、塩を入れ、通常の炊き方で炊く。
④炊き上がったら茶碗に盛り、②のむき銀杏を飾り、あさつきを散らす。
寒い時期は、体が冷えてしまうことが多いですよね。体の冷えは母乳にも影響があります。
体が冷えてしまうと血行不良となり、母乳が出にくくなってしまうのです。体を温める食材を使って鍋にしたり、冷え解消を心がけてみましょう。
夏も冷房によって体が冷えることがあるので注意してくださいね。
体を冷やさない食材といえばかぶ!
かぶは生で食べても体を冷やさない食材なので、サラダにもおすすめです。
材料(2人分)
かぶ…1個
カリフラワー…1/4株(約70g)
いんげん…4本
くるみ…1かけ
ホールコーン(缶詰)…大さじ1
<ドレッシング>
玉ねぎ(すりおろす)…小さじ1
塩…少々
しょうゆ…小さじ1/2
酢…小さじ1
サラダ油…小さじ1
作り方
①かぶはよく洗い、皮ごと半分に切り、縦に薄切りにする。カリフラワーは小房に分け、いんげんとともにさっとゆでる。いんげんは2cmの長さに切る。くるみは細かく刻み、フライパンでから炒りする。
②ボウルにドレッシングの材料をすべて入れ、よく混ぜる。
③①の野菜をすべて器に盛って、ホールコーンと①のくるみを散らし、②のドレッシングをかける。
季節の野菜がたっぷり入った汁物。酒粕を入れれば、さらに体が芯からポカポカに。
材料(2人分)
昆布…5cm
干ししいたけ…2枚
水…2カップ
酒粕…大さじ2
だし汁…適量
みそ…大さじ2
大根…3cm(約75g)
にんじん…1/4本(約40g)
里いも…1個
ごぼう…3cm(約14g)
鮭(甘塩)…1切れ
こんにゃく…1/4枚(60g)
油揚げ…1/2枚
あさつき(小口切り)…適量
作り方
①鍋に昆布と干ししいたけを入れ、水を注いで浸ける。やわらかくなったら取り出し、好みの大きさに切って(しいたけのいしづきはとる)鍋にもどす。
②酒粕は細かくちぎってボウルに入れ、ひたひたになるまでだし汁を加え、やわらかく練る。みそを加えて混ぜ合わせる。
③大根とにんじんはよく洗い、皮ごといちょう切りにする。里いもは皮をむいて乱切りに、ごぼうはささがきにする。鮭はひと口大に切る。
④こんにゃくはさっとゆでてアクを抜き、薄切りにする。油揚げは太めのせん切りにする。
⑤①の鍋に③と④の材料をすべて入れ、野菜がやわらかくなるまで約15分煮る。
⑥⑤に②を溶かし入れ、2〜3分煮る。器に盛りあさつきを散らす。
揚げ物はおいしいけれど、油が多くなってしまうのが難点。そんな時はオーブンを利用してみて! おいしい揚げ物ができますよ。
砂糖や醤油、食塩などを控えめにしたいときには、お酢を使うと便利。しそやみょうが、生姜などの薬味を使うと調味料を控えめにできます。
オーブンをうまく利用すれば、揚げ物だってOK。とってもヘルシーなコロッケのできあがり!
材料(2人分)
じゃがいも…2個(約250g)
玉ねぎ…1/4個(約50g)
にんじん…2cm(約20g)
ツナ缶(ノンオイルでも可)…1/2缶(40g)
塩・こしょう・ナツメグ…各適量
水溶き小麦粉…小麦粉大さじ2を同量の水で溶く
きつね色パン粉…1/2カップ
作り方
①じゃがいもはよく洗い、皮付きのまま20〜30分蒸し、熱いうちに皮をむいてつぶす。
②玉ねぎとにんじんはみじん切りにして鍋に入れ、水か白ワイン小さじ1(分量外)をふり、約10分蒸し煮する。
③②の粗熱がとれたらボウルに入れ、①とツナ、塩、故障、ナツメグを加えて混ぜ合わせる。
④③のたねを小さ目の俵型に成型する。水溶き小麦粉にくぐらせ、きつね色パン粉をつける。
⑤天板にクッキングシートを敷き、④をのせる。220℃のオーブンで約2分焼く。
お酢を使えば、食塩控えめでしっかり味のあるあっさりメニューができますよ。
材料(2人分)
たら(甘塩)…2切れ
小麦粉…適量
ブロッコリー…1/2株(約150g)
オリーブオイル…大さじ1
バルサミコ酢…大さじ1
スイートチリソース…大さじ1
作り方
①たらはひと切れを2つにそぎ切りにし、小麦粉をまぶす。ブロッコリーは小房に分け、塩ゆでする。
②フライパンを熱し、オリーブオイルをひいて①のたらを入れ、両面をこんがりと焼く。皿に取り出す。
③同じフライパンにバルサミコ酢とスイートチリソースを混ぜ合わせ、ひと煮立ちしたら、たらにかける。①のブロッコリーを添える。
ママの血液から作られる母乳。ママが口にした食事が影響してしまうので、いろいろな食材をバランスよく取れるようにするといいですね。
一食や一日ですべての栄養素をとらなくてもOK。
「昨日はお肉だったから、今日はお魚にしよう」「朝食と昼食は緑色の野菜が少なめだったから、夜はほうれん草のおひたしを」というように、気軽に考えながらおいしい食事を楽しんでくださいね。
妊娠中の赤ちゃんへの栄養も、同じようにママの血液を通じて赤ちゃんに伝わっています。
妊娠中からの食事についての記事はコチラ
レシピ提供:岡本 正子先生
管理栄養士/国際薬膳師
東京生まれ。明治大学第二文学部卒業。3人の子育てをしながら栄養学を学ぶ。矢島助産院で日々、妊婦さんや産後ママのための食事を担当する傍ら、企業や雑誌などで離乳食の監修やママのための食に関する講演・講習会などを各地で行う。「地域に根ざした食育コンクール」特別賞受賞。著書に『おいしい症状別レシピ 妊娠&授乳中のごはん150』(日東書院)ほか
桶谷式母乳育児とは助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。
第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。
また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。
現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ助産師たちによって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士の育成、母乳育児支援活動を行っています。現在の会員数は550名。全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で皆さまの母乳育児をサポートしています。
「おっぱいが出ない」「おっぱいが痛い」「赤ちゃんがおっぱいを飲んでくれない」「ちゃんとおっぱいが出ているか不安」という悩みを抱えたママたちに、乳房をやわらかくしておっぱいをスムーズに出す、独自のマッサージを行う全国約400の桶谷式母乳育児相談室。授乳や搾乳の指導も行っているので、以下「OPPA!」 から気軽に相談できますよ。
※レシピ提供『おいしい症状別レシピ 妊娠&授乳中のごはん150』(日東書院)